【スタジアム観戦情報まとめ】2023/9/2(土)19:00KO Ｊ１第26節柏レイソルvs.横浜F･マリノス＠三協フロンテア柏スタジアム

— 守備が安定し、複数得点も取れた柏。首位・横浜FMにリベンジを期す

17位につける柏が、首位に立つ横浜FMをホームに迎える。

柏の８月のリーグ戦績は１勝３分。直近のリーグ戦３試合は勝利から遠ざかっているものの、残留争いに巻き込まれている中、着実に勝点１を積み重ねているのはプラス材料だろう。今節の３日前に行われた天皇杯準々決勝・名古屋戦は２－０で完封勝利し、ベスト４進出が決定。ターンオーバーを敢行しながらも、大崩れせずに勝ち切れたことは収穫で、井原正巳監督は「１点取ったあと、なかなか追加点を取れず……という試合が続いていたので、複数得点を取れたことは非常にプラスだと思っている。次のリーグ戦にもつながると思う」と振り返った。

柏の成績が安定した大きな要因として挙げられるのが守備面。８月の公式戦６試合でわずか２失点と、「失点しない時間をいかに長く続けられるかという、いまのチームのポイント」（古賀太陽）を実行できている。その守備面が、リーグ１位の得点数を誇る横浜FM相手にどれだけ通用するのか。古賀は「マリノスは前節（・横浜FC戦で）ああいう負け方（１●４）をしてしまったので、勢いを持ってくると思う。ただ、自分たちもここ最近の立ち上がりはあまり受け身にならずに戦うことを意識してやっている。しっかり強いパワーを持って立ち向かえるかというところを大事にしたい」と意気込んだ。

横浜FMとの前回対戦は３－４で負けてしまったが、チームとしての狙いが機能していた印象は強い。攻撃面では、人に強く食いつく相手の守備を利用し、最終ラインの背後を取ってチャンスを作った。柏には細谷真大やマテウスサヴィオといった推進力に長けた選手がおり、彼らの強みを生かして「積極的に相手を裏返す戦い方が、（８月で）負けていないところにつながっている」（松本健太）部分もある。相手の急所を突く攻撃から、ゴールネットを揺らす機会をうかがいたい。

対する横浜FMはここまで連敗がないことからも分かるように、大きなひずみなく安定して結果を残している。しかし、２位・神戸との勝点差はわずか『１』。勝点３をつかみ、首位の座を堅持したいところだ。

ただ、“横浜ダービー”となった前節は１－４で大敗。「前半はチャンスを作り出し、自分たちの強さを見せることができた。しかし、後半は切り替え時にエラーが目立ち、それが自分たちを苦しめた」とケヴィンマスカット監督が振り返ったように、後半の３失点が重くのしかかった。松原健は「入りでの失点が今季多い中、毎回言っているにもかかわらず、改善できていないのは僕たち自身の問題が大きい。自分たちでより引き締めていかないと、優勝は見えてこない」と話す。前節の悔しさをバネに、恒常的な課題を克服する一戦にもしたい。

柏が前回対戦のリベンジを果たすのか、それとも横浜FMがシーズンダブルを達成するのか。試合は９月２日（土）、19時キックオフだ。

［文：藤井匠］

　
　
【プレビュー】ミッションは古巣からの勝ち点3。柏レイソル対横浜F・マリノスの見どころ｜日程・放送・配信予定｜ Jリーグ | DAZN News JP

— 柏レイソル対横浜F・マリノスの見どころ

第25節終了時点で、降格圏と勝ち点「3」差の17位につける柏と勝ち点「50」で首位を走る横浜FMという対照的なシーズンを過ごしてきた両者が火花を散らす。

シーズン全体を見れば、対照的なシーズンを過ごしてきたと言えるが、そういった構図に直近は変化が生まれ始めている。柏は8月の公式戦を無敗で乗り切り、リーグ戦ではヴィッセル神戸やセレッソ大阪、サンフレッチェ広島といった上位勢から貴重な勝ち点1を獲得。この3試合連続ドローを勝ちに繋げていけるかが次のステップになるが、今季は降格チームが１枠ということも踏まえれば、このような粘り強い戦いを継続していく先に残留も見えてくるだろう。

この復調の要因に挙げられるのが守備の安定だろう。8月は天皇杯も含め、6試合を戦ったが、一度も複数失点が無く、4つのゲームでクリーンシートをマークしている。特に今夏に浦和レッズから期限付き移籍でやってきたDF犬飼智也が8月からスタメンに定着。個人での対応力やラインコントロールも統率する新たなディフェンスリーダーの存在がチームに大きな光をもたらしているのは間違いない。今節対戦する横浜FMは、リーグ最多の得点力を誇るチームなだけに、守備陣にはこれまで以上に粘り強い対応が求められる。

一方で攻撃面は、8月にリーグ戦で複数得点を奪えず、その課題を解消できるかが次のステップに向けたテーマだ。そのキーマンとして期待がかかるのは古巣対決を迎えるMF山田康太だ。今季から加入した柏では、ここまでなかなかチャンスを掴めずにいたが、8月のリーグ戦では全試合に先発と定位置を掴み始めている。ただリーグ戦ではここまで無得点。中学時代から在籍してきた古巣を相手にシーズン初得点を決めることができれば、さらに勢いづく自信を手にすることができるはずだ。

一方で横浜FMは、前節の横浜ダービーでCKを沈めたFWアンデルソン・ロペスのシーズン17得点目で先制した後に4失点で大敗。首位こそキープしたものの、2位とは勝ち点「1」差に迫られ、まさかの逆転負けという悪夢が襲ったダービーでの屈辱的な敗戦から這い上がり、改めて首位としての強さを示したい一戦だ。

前節は、クリア後のこぼれ球をスーパーゴールで仕留められた最初の2失点に、その後にカウンターから2失点を喫した。柏の前線にはMFマテウス・サヴィオのように単独でカウンターの起点となれる選手もいるだけに、守備陣がその起点を未然に潰せるかが失点を招かない上でも、自分たちの攻撃を最大化させる意味でも大きなポイントとなる。

そういった意味で期待したいのは、古巣戦を迎えるDF上島拓巳だ。8月下旬にDF畠中槙之輔が右膝の大怪我で長期離脱し、DF角田涼太朗も第24節FC東京戦で復帰したものの、前節は欠場。そういったCB陣の怪我人の多さも相まってこの男にかかる期待はより一層大きい。身体的な優位を活かし、対人守備に強みを持つ背番号15が、小学生の頃から在籍してきた古巣を抑えるキーマンとなるだろう。

今節を最後にJ1は再び中断期間に入る。柏は残留に向け、横浜FMは連覇へ、ここからラストスパートをかけたい。そういった意味でも重要な時間となる中断期間を勝ち点3で迎えられるのはどちらになるか。注目の一戦だ。