【水沼宏太(No.18)まとめ】横浜F・マリノスからA代表に7名選出。EAFF E-1 サッカー選手権2022 決勝大会


【水沼宏太まとめ】横浜F・マリノスからA代表に7名選出。EAFF E-1 サッカー選手権2022 決勝大会

 EAFF E-1 サッカー選手権2022 決勝大会に日本代表に選出された水沼宏太選手のWeb記事をまとめました。

 2022/07/13 横浜F・マリノスから7選手が日本代表メンバーに選出 | ニュース | 横浜F・マリノス 公式サイト
 
 

香港戦(2022/7/19):スタメン 64分途中交代

日程・結果 | EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会|大会・試合|JFA|日本サッカー協会
 
2022/07/20 水沼宏太、32歳147日での代表デビュー…父子でA代表出場はJ開幕後で初「やっと肩を並べられた」 : スポーツ報知

 高らかに君が代を歌い、MF水沼は日の丸を背負う幸せをかみ締めた。香港戦で「やっとスタートラインに立てた」と歴代年長7位、32歳147日での代表デビュー。右サイドで攻守に躍動し、後半12分には持ち味のクロスでチーム6点目を演出した。「全力で自分を表現したい」と献身的にピッチを駆け、“声”でも貢献。森保監督は「人と人とをつないでくれたことでチームが機能した」とプレーに加え、最年長として先頭に立つ存在感も評価した。

 父・貴史氏(62)は元日本代表で32試合7得点。過去に神戸GK前川黛也(だいや)が父の和也氏と「親子A代表」で招集されたが、そろってA代表出場はJリーグ開幕以降で初の快挙だ。「やっと肩を並べることができた」と誇り、この通過点に満足せず。「ここから巻き返しというか、高みを目指してギラギラできるように頑張りたい」と鼻息を荒くする32歳は、父を超え、日本代表に欠かせないピースとなる。(小口 瑞乃)

 
 
2022/07/20 カシマに響き渡る水沼宏太の指示。32歳の元気印が声で猛アピール!ベンチに下がってもボリュームは下がらず | サッカーダイジェストWeb

— 前日練習でも人一倍元気な姿を見せる

 日本代表は7月19日、E-1選手権の初戦で香港代表と対戦し、相馬勇紀、町野修斗、西村拓真の2ゴールで、6-0と大勝を収めた。この一戦では、新型コロナウイルス感染拡大以降、一部エリアで初めて声出し応援が解禁。人数は決して多くないものの、応援団を中心とした力強いコールが、カシマスタジアムに響き渡った。

 ただ、コールとコールの合間、スタンドに一瞬の静寂が訪れると、人一倍大きな声で指示を出す選手がいることに気付く。

「集中しろ」
「切らすな」
「もっと厳しく!」
「(鈴木)彩艶声出せ」

 最年長の水沼宏太だ。

 右ウイングで先発し、プロ15年目にしてA代表デビューを飾った32歳は、ビッグチャンスを迎えながら、ゴールこそ奪えなかったが、ピッチ上の指揮官としてハッスル全開。64分にベンチへ下がっても、そのボリュームが下がることはなかった。

 振り返れば、冒頭15分のみが公開された前日練習でも、人一倍元気な姿を見せていたのが水沼だった。ランニングでキャプテンの谷口彰悟と共に先頭を走り、鳥かごで軽い接触があれば「レフェリー!」と声を張り上げた。

 E-1開幕前の17日にオンラインで応じた取材では、「サッカー選手である以上、目ざしてきた場所なので、初めて入ったことはすごく嬉しく思っています。ただ自分が目ざしてきたところはここで終わりではない。とにかく高みを目ざしていくことは変えずに、年長者らしく元気にひたむきにプレーしたい」と語っていた通りの活躍だ。

 森保一監督もその働きぶりを認め、香港戦後に「率先してコミュニケーションを取って、人と人を繋いでくれています。そのおかげで連係面も深まって、今日の試合で上手くいった面もあると思います」と称えている。

 水沼は、地元のクラブで、父の貴史氏も活躍した横浜F・マリノスでプロキャリアをスタートするも、出場機会を掴めず、栃木SCへレンタル移籍。以降サガン鳥栖、FC東京、セレッソ大阪と渡り歩き、2020年から再び自身の原点とも言える横浜でプレーしている。

 さすらいの元気印は、Jリーグ随一の質を誇るクロスと、持ち前のキャラクターで、カタール・ワールドカップのメンバーに食い込めるか。中国戦(24日)、韓国戦(27日)でのパフォーマンスにも大いに期待だ。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

 
 
2022/07/20 日本代表・水沼宏太が見せた「チームを勝たせる」プレー。「アピールは大事ですが…」|サッカー代表|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva

小宮良之●文

 E-1選手権の開幕戦、香港戦のピッチに立った水沼宏太(横浜F・マリノス)は、整然とプレーしていた。そこに32歳にして代表初招集という気負いは見えなかった。相手が一度肌を合わせただけで「格下」とわかるだけの実力差もあったにせよ、試合の流れをすぐにつかんでいた。

 右サイドから得意の右足クロスをニア、ファーに振り分ける。そのクオリティが他の選手と段違いだった。同じように見えても球質が異なり、角度や球速や回転までも工夫されているからこそ、際どいシーンを演出した。

 目立ったのは周囲との連係で、右サイドを中心にリズムを作っていた点だろう。タイミングを外して持ち上がってマイナスのパスをつける。あるいは、自ら切り込んで左足で際どいシュートを放った。勝負してやろう、という力みがなく、ポジショニングやタイミングだけで圧倒していた。

 後半には、さらにペースを上げている。右サイドバックの山根視来の上がりを引き出し、そのクロスがダメ押し点になった。また、右タッチラインまで開いて幅を作って鋭いクロスをニアに流し込むと、敵GKがこぼしたところを味方が押し込んだ。

 水沼が下がったあと、日本のチャンスは明らかに少なくなっている。実際、得点も生まれていない。そのキャラクターを解き明かすことで、カタールW杯に向けた代表のラストピースになる可能性が見えてくる。

 水沼は特別なスピードやめくるめくドリブルを見せるわけではない。サイドバック、ボランチ、トップ、あるいは逆サイドの選手とまで調和し、味方を輝かせ、自らも輝く。

「水沼選手はクロスに特徴があるので、そこに入れるようなポジションを取るようにしました。いつもはもう少し外で待っているのですが、内側にポジションを、というのは意識して……」

 香港戦後、左サイドアタッカーの相馬勇紀はそう語っていた。クロスが来ると信じて選手が入っていける。そこに連係が生まれるのだ。

 水沼は、ボールを失わない、パスが出てくる、という点で信頼されていた。それがチームにオートマチズムを生み出し、スピード感につながり、変幻のプレーにつながる。フリックやワンフェイトではがすプレーに結びつき、一気に守備陣を崩せるのだ。

— フォアザチームを貫いてきた

「周りがプレー判断を迷わない動きやパスやポジション取りを」

 水沼は常にそう心がけている。実にシンプルで、悪い意味でのエゴがないと言えばいいだろうか。おかげで周りもアジャストが難しくない。

「”結果としてチームを勝たせる”というのが、自分が目指しているプレースタイルですかね」

 水沼は自らの信条をそう語っていたが、「チームプレーヤー」の矜持(きょうじ)と言えるだろう。

「僕の場合、とにかく90分間、ひたむきに愚直にプレーするしかない。たとえば、攻守の切り替えのところが緩慢になってきたら、自分が率先して徹底してみたり。評価されづらいかもしれませんけど、頑張り続けることでゴールにも絡める、という姿を見せ続けるだけです」

 その姿勢は、代表に選ばれた今も変わっていない。

「アピールは大事ですけど、とにかくこのチームで結果を残さないと先はない。目の前の試合にチームが一体感を持って戦えるか」

 その言葉どおり、彼は技術を磨きながら、フォアザチームを貫いてきた。だからこそ所属クラブで不遇となっても、そこから這い上がれたのだろう。昨シーズンは先発出場わずか1試合で、リーグ2位のアシストを記録した。巡ってきたチャンスで一発回答し、少しずつチャンスを広げていった。不屈の戦いのなかで習得した「チームを輝かせる」極意だ。

 特記すべき点は、彼の明るさにある。香港戦後も、試合後に多くの選手と積極的に歓談する姿が見られた。コミュニケーションを取ることで、ポジティブな空気を作り出せる。これは試合に勝ったあとだけではなく、負けたあとはなおさらだろう。たとえ自分がピッチに立っていなくても、彼は決して腐らずにチームを鼓舞できるのだ。

 欧州組を含めた日本代表でも、水沼の存在は異色だろう。同じポジションのライバルになる伊東純也とも、堂安律とも、久保建英とも異なる。ジョーカーになれるというのか、たとえばリードされた展開で総攻撃に移る時、平常心で右サイドに入り、一発のクロスでアシストすることができる。それを相手に警戒されても、作り直してサイドを崩すだけの力がある。欲に引っ張られず、守備も献身的だ。

 香港戦で水沼はひとつの答えを出した。抜け出してGKと1対1になったシーンで外すなど、決定力向上は求められる。また、守備面でどこまで持ち場を守れるか、もう少し力が上の相手でないとわからない。

「自分らしいプレーを」

 水沼はそう言って初代表に臨んでいるが、その体現が代表で生き残るための道標になるだろう。

 7月24日の中国戦は、70分近く戦ったあとでもあり、ベンチスタートが濃厚か。ただ、どんな状況であれ、水沼はチームのためにベストを尽くす準備を怠らないはずだ。

 
 
2022/07/21 32歳で日本代表初招集「人と人をつないでくれる」水沼宏太という男 | TBS NEWS DIG

サッカーEAFF E-1選手権決勝大会の初戦、香港戦(19日)に6-0で勝利した男子日本代表。試合後、森保一監督(53)がある選手を賞賛した。

「ピッチ内外を含めてチームとして機能するために彼が持っている選手としてのクオリティ、キャラクターの部分も最大限活かしてくれた。彼が人と人をつないでくれたことによってチームとして機能していた」

そう指揮官が語るのは、現在、J1で首位を走る横浜F・マリノスのMF・水沼宏太(32)だ。Jリーグの黎明期に横浜マリノスで活躍した元日本代表、水沼貴史さん(62)を父に持ち、今回の代表活動で最年長選手ながら初招集を勝ち取った。

この日はノーゴールに終わったが、水沼はピッチを縦横に駆けまわり、質の高い右足のボールを何本も供給。守備でも粘り強く相手を追いかけた。さらに味方がゴールを決めれば、自らが遠い位置にいても祝福に駆け付ける。試合中は何度も大きく声をあげ味方を鼓舞し、後半19分にベンチに下がる際にはチームの同僚、FW・宮市亮(29)ら3人の交代選手たちにゲキを飛ばすなど最後までチームのために尽くした。

相手はFIFAランク145位と格下の相手ではあるものの、水沼は自らの特徴である「日本人屈指の精度を誇る右足のボール、明るさ、前向きさ」を存分に発揮、上々のデビューを果たしたと言えるだろう。声出しエリアのサポーターからは「水沼宏太」の名前が何度も叫ばれた。

アンダー世代では代表の常連だった水沼。しかし2012年ロンドン五輪の本大会メンバーの選考から漏れて以降は、代表に縁が無かった。それでも様々なクラブを渡り歩きながら、泥臭くプレーをする中で実績を積み上げてきた。

そんな水沼の今シーズンは、さらにその姿に磨きがかかったように見える。昨シーズンは出場36試合の内、スタメン出場が1試合。途中出場が多い中でも3ゴール9アシストの成績を残していたが、今シーズンは22節を終えた時点で4ゴール6アシスト。スタメンの試合は19試合中12試合と、すでに昨年以上の成績を残している。

さらに今シーズンはプレー以外の部分にも変化が。F・マリノスで着用するユニフォームの背中の名前を「KOTA」から父が背負っていたのと同じ「MIZUNUMA」に変更している。

開幕前の2月、水沼にその理由を聞くと「チームは30周年。父がマリノスのエンブレムを背負ってプレーをしていたので、30年後に僕が”水沼”を背負って、”マリノス”を背負って頑張りたいなと思い、この名前を背中に入れた」と明かし、はにかんだ。

「やっぱりチームがいい方向に行くために、何が必要かというところをしっかり試合中でも分析して、皆に声をかけることは意識している」と自身の役割を認識する水沼。「僕自身もポジティブな声をかけられたら、もっともっとやってやろうという気持ちになる。とにかくチームがいい方向にいくようにすることを考えている」と語る。

そんな男がようやくつかんだA代表の舞台。初となったメディア対応の場では「サッカー選手である以上、目指してきた場所なので初めて入ったことはすごく嬉しく思う。でも、自分が目指してきたところはこれで終わりじゃないし、これがスタートラインだと思ってやっていきたい」と喜びを表しながらも、気を引き締めた。

大会も残りは2試合。「初めてこのチームに入ったので、自分がまとめる立場ではないかもしれないが、年長者らしく、皆と沢山コミュニケーションをとって、短い期間だが先につながる大会にしないといけない。皆がアピールの場と考えていると思うが、とにかくこのチームで結果を残さないと”この先”はないと思っているので。皆で一体感持って戦えるような集団の一員になれればいい」。“水沼らしさ”を出して戦うことを誓った。 

A代表のフルメンバーにはない高精度の右足、そして持ち前の明るさ。
水沼宏太という男が今年11月に開催されるカタールW杯本大会メンバー26人に名を連ねることはできるのか。E-1選手権の残り2試合、水沼宏太の挑戦は続く。

 
 
2022/07/21 目を奪われた水沼宏太の「笑顔」 ”遅咲き”の32歳MFがファインダー越しに輝いて映った訳 | フットボールゾーン

— 【カメラマンの目】巨大フラッグの中に個人名が書かれていたものは水沼宏太ただ1人

 サッカーは選手、スタッフ、レフェリー、記者・解説者、フォトグラファーなど、それぞれの立場から見える世界がある。22歳の時からブラジルサッカーを取材し、日本国内、海外で撮影を続ける日本人フォトグラファーの徳原隆元氏が、日本対香港の一戦を現地取材。カメラマンの目に映った独自の光景をお届けする。

   ◇   ◇   ◇

 東アジアの覇者を賭けて戦うE-1選手権。2013年大会以来の優勝を目指す日本は7月19日、カシマサッカースタジアムで香港を相手に初戦を迎えた。

 試合へと臨むサムライブルーたちはいつものように円陣を組み、互いにハイタッチで健闘を誓い合うと、自分の主戦場となるポジションへと散って行った。

 そこでカメラのファインダー内に1人の選手を捉える。右サイドのポジションへと向かう背番号18は、自らを鼓舞するように拳で胸を叩いて見せた。初の代表のピッチに立った彼は静かな気迫に包まれていた。

 ゴール裏のスタンドに目を移せば6つの巨大フラッグが翻る。そのフラッグに書かれた文字の中で個人名が書かれていたのものはただ1つ。試合前に気合いを入れる姿を見せた彼の名前がそれだ。関東圏の試合ということで、横浜F・マリノスのサポーターがスタジアムに駆け付けていたのだろう。

 声出し応援が可能となったサポーターからのコールを受け、32歳にして代表の舞台へと辿り着いたその選手の名前は水沼宏太だ。そして、プレーする舞台がクラブから代表へと変わっても、彼のスタイルに変化はなかった。

 今シーズンの水沼は、リーグで首位を走る横浜FMのレギュラー選手として躍動する姿をサポーターの胸に刻んでいる。そうしたクラブでの活躍が認められた結果、代表招集となったわけだが、2020年に古巣の横浜FMに復帰を果たしてからの彼は、決して順風満帆と言える状況ではなかった。昨年まではベンチスタートとなることが多く、限られた時間でのプレーを余儀なくされていた。

 自らの存在を存分にアピールできない状況にあって、もともと、確かな基本技術を持った水沼はプレースタイルに1つの答えを出したように思う。テクニックを駆使したプレーで強烈な光彩を放つのではなく、ミスの少ない安定感のあるプレーでチームの勝利に貢献していくという答えを。そうした姿は無理がなく実に自然体に見え、彼のプレーが勝利において効果的な役割を果たすことを改めて示すことになるのだった。

— 水沼は決して無理なプレーはせず冷静に状況判断

 香港戦でのプレーもドリブルで攻め上がれば相手守備陣の位置を確認し、ボールをすくうようなキックでゴール前へと正確なラストパスを供給。さらにチャンスと判断すればドリブルで突破を図り、守備に回った際には果敢に相手選手へとスライディングを仕掛けた。ハードワークを厭わない、まさにいぶし銀のプレーを代表の舞台でも見せたのだった。

 水沼はクラブの同僚である宮市亮と交代する後半19分までピッチに立った。そのプレー時間内でシャッターを切った写真の中で彼の特徴が表れた1枚があった。

 撮影場所はバックスタンド側のサイドラインである。後半、ファインダーに捉えた水沼はボールをキープしながら前線へと攻め上がる。そして、ルックアップしてゴール前を固める複数の香港の選手たちの動きを冷静に確認しながらパスのタイミングを伺う。この1枚は彼のプレースタイルの特徴を的確に表している。

 決して無理なプレーはしない。そして、冷静に状況を判断し次のプレーを正確に行う。香港戦において右サイドを攻守にわたって支えた水沼のプレーは、十分に彼の持ち味が発揮された内容だったと言える。

 32歳にして日の丸を背負う舞台に立った水沼。ファインダーの中で時に見せたその表情には厳格さが漂い、一転してチームメイトのゴールには弾ける笑顔を浮かべて祝福した。日の丸を背負う自覚を秘め、それでいて代表の舞台を存分に楽しんでいる。試合前日の練習でもランニングの場面では中央で先頭を走り、笑顔を絶やさずムードメーカーの役割りをこなしていた。

 今回、E-1選手権を戦うメンバーの中で最も代表の世界を楽しんでいるのは、ほかの誰でもなく水沼なのではないだろうか。

 
 
2022/07/19 32歳A代表デビューの水沼宏太に森保監督も感謝「彼が人と人をつないでくれた」 | ゲキサカ

 32歳でA代表に初招集された日本代表MF水沼宏太(横浜FM)は右サイドハーフで先発デビューを果たし、後半19分に交代するまでピッチを縦横無尽に駆け回った。

 再三、DF山根視来とのコンビネーションで右サイドからチャンスをつくり、3-0の前半26分には自ら中に切れ込んで左足で強烈なミドルシュート。同33分にもFW町野修斗の落としから裏に抜け出し、決定機を迎えたが、いずれも相手GKの好セーブに阻まれた。

 デビュー戦ゴールこそならなかったが、4-0で折り返した後半10分、山根とのワンツーで右サイドを崩し、相馬が追加点。さらに2分後の後半12分にも水沼の右クロスからGKが弾いたボールを町野が押し込み、ダメ押しの5点目を奪った。

 得点こそなかったが、森保一監督も水沼については「彼が人と人をつないでくれたおかげでチームが機能したという部分で貢献度は高い」と評価。「上下動しながら攻撃にも守備にもかかわり、右サイドからの配球で得点に結びつけてくれた。持っているものを最大限発揮してくれたと思う」と称賛の言葉を送った。

 得点後は一目散に得点者へ駆け寄り、チームメイトを祝福していた32歳について指揮官は「ピッチ内外、オンザボール、オフザボールを含めて、チームとして機能するために彼が持っているクオリティーやキャラクターの部分を最大限生かしてくれたと思っている」と感謝する。

「練習のときも、ホテルで過ごす時間も、いろんな選手に声をかけながら率先してコミュニケーションを取って、積極的にプレーも見せている。プレーで良かったところはみんなで称え合えるように、うまくいかなかったり、イメージが合わないときにはそこでしっかり声をかけて選手同士がイメージを共有できるように、彼の良さを発揮してくれた」

 初招集ながら同学年のDF佐々木翔に続く年長者の水沼は合宿中から「僕自身、初めてこのチームに入ったので、自分がまとめる立場ではないかもしれないけど、年長者らしくたくさんコミュニケーションを取っていきたい」と宣言。「最初が肝心だと思っていて、一番最初に自分のことをどれだけ知ってもらうかが大切。知ってもらえれば、思い切り自分を出せることにもつながる。寄せ集めかもしれないけど、こういうときにこそ、自分は力を発揮できるんじゃないかと思っている」と話していたが、まさに有言実行のデビュー戦だった。

(取材・文 西山紘平)

 
 
2022/07/20 32歳A代表デビューの水沼宏太、右サイドから攻撃活性化(5枚) | ゲキサカ
 
 

中国戦(2022/7/24):サブ 出場なし

日程・結果 | EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会|大会・試合|JFA|日本サッカー協会
 
 

韓国戦(2022/7/27):スタメン 59分途中交代

日程・結果 | EAFF E-1 サッカー選手権 2022 決勝大会|大会・試合|JFA|日本サッカー協会

【日本代表】横浜勢6人先発はJ発足後の国際Aマッチ最多タイ記録 長谷部誠ら06年浦和以来 – 日本代表 : 日刊スポーツ
 
 
2022/07/27 【日本代表】水沼宏太が史上初、父子韓国戦弾だ「巡り合わせ。特別なもの」27日先発濃厚 – 日本代表 : 日刊スポーツ

伝統ある「日韓戦」で、父と同じ1歩を踏み出す。東アジアE-1選手権で活動中の日本代表MF水沼宏太(32=横浜)が26日、オンライン取材に対応。勝てば、優勝が決まる27日の韓国戦(豊田ス)に向けて、代表初ゴールを誓った。くしくも父貴史氏も、代表初得点は韓国戦。偉大な父に息子も続く。

水沼は、少し照れくさそうに言った。「父も国を背負って戦ってきた。息子として、父すごいなと」。しみじみ感じるのも、無理はなかった。父貴史氏の代表初得点は対韓国。代表初得点を目指す息子は、今日27日の韓国戦に先発濃厚。「巡り合わせというか。自分自身も結果を残したい。攻撃の選手なので、ゴールを目指して、いい結果がついてきたら」。

親子2代で韓国戦での代表初ゴールとなれば、史上初の出来事。父は当時24歳、5試合目で。32歳となった息子は、2試合目で決める。「(日韓戦は)特別なもの。いつもバチバチでやっている。日の丸を背負って、たたけることは幸せ」と、あの日の父同様に主役となる。

今から38年前のこと。1984年(昭59)9月30日。韓国・ソウルで行われた日韓定期戦。父は、決勝点となるボレーシュートを決め、鮮やかに代表初得点を挙げた。そこから5年5カ月。水沼家に誕生した宏太は、父の背中を追うように、サッカーを始め、父と同じ横浜でキャリアを重ね、19日香港戦で、日の丸デビューも飾った。あとはゴール。「代表に初めて呼ばれて、こんなに幸せなことだなと。W杯直前に選んでもらって、絶対に出たいと思いましたし、このチームで結果を残さないと先はない」。舞台は整った。【栗田尚樹】

 
 
2022/07/28 森保Jが探していた答えを、マリノス組中心のA代表が提示。水沼はラストピースになり得るか | サッカーダイジェストWeb

— 完勝の要因はマリノスカラーを押し出したアグレッシブなスタイル

 東アジアの王者を決める『E-1選手権』、日本代表は第3戦で韓国と対戦した。優勝するためには勝利が必要だった日本は見事、3-0で勝利を収め、4大会ぶり2度目の優勝を手にした。

 中盤と前線は第1戦の香港戦のスタメンを踏襲。その一方、ディフェンスはSBに小池龍太と佐々木翔、GKに谷晃生を起用し、香港戦から3枚を入れ替えて臨んだ。小池が加わったことで、横浜F・マリノスの選手は5人から6人に増えている。

 韓国に完勝を収めた要因は、マリノスカラーを押し出したアグレッシブなスタイルだった。背後へのランニングは、拙攻が目についた中国戦よりもはるかに増えている。相手の守備を後手に回らせ、韓国を充分に押し込んだ状態で仕掛け、それが失敗に終わっても、カウンタープレスで奪い返す。谷口彰悟、畠中槙之輔、佐々木は高い位置を取り、起点となる相手FWの前で何度もボールを奪い返し、日本の分厚い攻撃を支えた。

 特に有効だったのは、右SB小池のインナーラップだ。49分に相馬勇紀が決めた1点目の場面も、右サイドの崩しが起点だった。タッチライン際で足もとに受けようとする右サイドハーフの水沼宏太に対し、相手DFが食いついた隙に、小池がその内側、相手DFの背後を走ってインナーラップで縦を突く。

 これで終わりではない。韓国はボールを引き出した小池に対し、カバーリングを働かせた。そこで小池は一旦、水沼へボールを戻し、押し込んだ状態で再びコンビネーションへ。今度は水沼がインナーラップし、相手DFの注意を引くと、ペナルティボックス脇で小池がフリーに。「クロスか?」と相手の目線を引きつけておき、小池は真ん中の藤田譲瑠チマへ斜めに戻す。あっちと見せて、こっち。韓国の目線を振り回している。

 そして、この一連の右サイドの連係プレーの間に、逆サイドを見ていた藤田は、間髪入れずに浮き球を送る。うまくプルアウェイして相手DFの死角にポジションを取った相馬勇紀が走り込み、ヘディングシュートで押し込んだ。

 SBの長友佑都がハーフスペースを使う、インナーラップする。しかし、カバーされて終わり。その単発攻撃で終わってしまったのが、6月のA代表戦だった。しかし、この韓国戦はむしろ、インナーラップが出発点。それを撒き餌に次々と繰り出す連係プレーは、韓国ディフェンスの目を狂わせ、最後に相馬をフリーにした。

— 制約だらけのE‐1を上手に戦った森保監督には一定の評価が必要

 相手のマークを受けにくい後方からの、小池の長駆ランニングは、最高のコンビネーションゴールを見せた72分の3点目の起点にもなり、非常に効いていた。

 こうすればいいんだと、A代表本隊への強烈なメッセージにもなったのではないか。1対1に頼るばかりで変化のないサイド攻撃に三笘薫が苦言を呈し、あるいは東京五輪後に田中碧が、日本は2対2、3対3になったときにパワーアップできていないと問題点をコメントしていた。

 今回のマリノス組中心のA代表は、その答えを提示したと思う。彼らは間違いなく、2対2、3対3でパワーアップした攻撃を見せていた。探していた答えは国内、Jリーグの中にあったわけだ。

 この分厚いポゼッションの連係プレーが、ドイツやスペインを相手に有効かと言えば、もちろん疑問符は付く。90分通して、というわけにはいかないだろう。ただ、時間帯に応じて必要になるのは間違いない。実際、6月のブラジル戦でも後半は必要だった。大きなヒントになったのではないか。

 また、マリノス組中心のA代表は長所の先鋭化だけでなく、韓国の狙いにも対応した。ビルドアップを3枚に変形する韓国に対し、日本は主に右サイドハーフの水沼が出て、プレス枚数を噛み合わせていたが、前半は韓国が、その水沼の裏へSBを送り込み、大きな対角のサイドチェンジで打開するシーンが目立った。小池は相手ウイングとSBに対し、1対2の数的不利を強いられてしまう。再現性が高かったので、おそらくパウロ・ベント監督が仕組んだ狙いの一つだろう。

 日本は後半、こうした長いパスの出処に、厳しくプレッシャーをかけることが意識されていた。行き切れないときは、相馬が出てプレスを噛み合わせ、水沼は下がってスペースを埋めるなど、相手の狙いを意識した守備ができていたと思う。

 サイドチェンジ以外にも、前半は岩田と藤田が2対2でマッチアップする相手インサイドハーフに寄り過ぎて、サイドからFWへ長い縦パスを付けられる場面も多かったが、後半は立ち位置を意識し、縦パスへの制限が効いた。長所の先鋭だけでなく、韓国の狙いへの対応力も見せたのは良かった。

 このチームを編成した森保一監督にも、一定の評価は必要だ。制約だらけのE-1選手権を、これだけ上手に戦った監督は他にいなかったのではないか。その時代の好調Jクラブを中心に編成するマネジメントは、この大会に非常に合っている。もちろん、ワールドカップに向けた成果が出たわけではないので気は早いが、思った以上に面白い種まきができたのではないか。

 カタール・ワールドカップは登録メンバーが23人から26人に広がっているのもポイントだ。森保監督はこのE-1選手権から誰をピックアップするのか。相馬や町野修斗、藤田といった選手も気になるが、常に先頭に立って声を張り上げ、このチームの一体感を生んだと評価されている水沼の存在も捨てがたい。サイド攻撃の司令塔としても、実はラストピースになり得るのではないか。

 今後のメンバーが楽しみになってきた。

取材・文●清水英斗(サッカーライター)

 
 

 
  

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