月刊 栗原勇蔵-クラブシップ・キャプテン-(2023年6月号)


月刊 栗原勇蔵-クラブシップ・キャプテン-(2023年6月号)

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横浜フットボール映画祭(2023/6/18)


 
 

「フットボールゾーン」コラム

2023/06/03 日本代表OBが選ぶ「歴代日本人ストライカーTOP10」 「規格外」と称した怪物は? | フットボールゾーン

【専門家の目|栗原勇蔵】現役の大迫勇也が総合力でトップへ
 日本サッカー界にはこれまで、さまざまなタイプのストライカーがその名を轟かせてきた。相手との巧みな駆け引きから得点嗅覚を発揮した者や力強いポストプレーを武器にゴールへ迫ったハンターなど、特徴は多岐にわたる。「FOOTBALL ZONE」では今回、日本人ゴールハンターの系譜を振り返るべく特集を展開。横浜F・マリノス一筋で18年間プレーした元日本代表DF栗原勇蔵氏に、対戦した選手をベースに日本人ストライカーの歴代ランキングを作成してもらった。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

1位:大迫勇也
■現所属:神戸
■年齢:33歳(現役)
■身長・体重:184センチ・75キロ
■今季J1成績:15試合11得点
■J1通算成績:191試合62得点

「大迫は、スピード、フィジカル、テクニック、高さ……、まさに歴代でもトップの万能ストライカーだと思います。身長を生かしたヘディング、両足でシュートを放つことができて、パンチ力もある。動き出しの良さ、アフリカ勢をはじめ外国籍選手に負けないポストプレーも含めて、総合力ではナンバーワンではないでしょうか」

2位:久保竜彦
■元所属:広島ほか
■年齢:46歳(OB)
■身長・体重:181センチ・73キロ
■J1通算成績:276試合94得点

「久保さんは歴代の日本人FWの中でも、身体能力はもう規格外です。名前の『竜』のようなジャンプ力で、豪快なボレーシュートやヘディングシュートを決めたのは選手やファンの記憶に残っていると思います。怪我に苦しんだ時期もありましたけど、ランキングには入れざるを得ない実力者だと思います」

3位:大久保嘉人
■元所属:川崎ほか
■年齢:40歳(OB)
■身長・体重:170センチ・73キロ
■J1通算成績:477試合191得点

「嘉人さんに関して言えば、まずはその気持ちの強さ。勝負どころで何かやってくれるんじゃないかという雰囲気に満ち溢れていました。時に熱くなりすぎてしまうこともありましたけど、対峙するディフェンスとしては、すごく危険な存在というか、厄介な相手でした。歴代1位のJ1通算得点がそれを物語っていると思います」

4位:佐藤寿人
■元所属:広島ほか
■年齢:41歳(OB)
■身長・体重:170センチ・65キロ
■J1通算成績:404試合161得点

「寿人さんの特徴は動き出し。ボールを見た瞬間にもう自分の視界からいなくなっていたり、自分の狙ったスペースにパスを引き寄せる力がありました。いくら動き出しても、そこにボールが来なければ得点にならないわけですから。シュートも相手GKを見て、GKを寝かしてからループをしたり、コースを的確に突いたり、バリエーションが豊富でした」

5位:前田遼一
■元所属:磐田ほか
■年齢:41歳(OB)
■身長・体重:183センチ・78キロ
■J1通算成績:429試合154得点

「日本人らしかぬ体格と幅があったので、ボールを奪いに行っても反転されたり、対応が難しい選手でした。ヘディングが強いし、シュートも上手かったので、歴代5位のJ1通算154得点も積み上げられたと思います。スピードはそこまでなかったですが、もし遼一さんにスピードがあったらランキングでもトップ3入りは間違いなかった気がします」

— 若手有望株の上田綺世が10位タイ

6位:岡崎慎司
■現所属:シント=トロイデン(ベルギー)
■年齢:37歳(現役)
■身長・体重:174センチ・76キロ
■今季成績:30試合1得点(ベルギー1部)
■J1通算成績:121試合42得点

「岡ちゃんの一番の印象は、献身的なハードワーク。(2016年に)レスターでプレミアリーグ優勝に貢献したあの活躍は、おそらく誰もが忘れないでしょう。Jリーグでプレーしたのは6年間、J1通算42得点と数字は際立ったものではないですが、抜群のゴール嗅覚と泥臭さ、一緒にやらせてもらった日本代表でのイメージや、ドイツ、イングランド、スペイン、ベルギーと海外で結果を残してきた実績も踏まえて、歴代でもトップクラスのストライカーだと思います」

7位:興梠慎三
■現所属:浦和
■年齢:36歳(現役)
■身長・体重:175センチ・72キロ
■今季J1成績:14試合3得点
■J1通算成績:494試合166得点

「慎三もなんでもできる万能タイプ。動き出しも速いし、身体の使い方はトップ10の中でも一番上手いかもしれません。サイズがあるわけではないにもかかわらず、キープが上手いのはその部分が大きいと思います。得点力があるのはもちろん、現役19年目とJリーグでこれだけ長く活躍できるのは、やはりサッカー面での賢さの賜物でしょう」

8位:金崎夢生
■現所属:琉球
■年齢:34歳(現役)
■身長・体重:182センチ・77キロ
■今季J3成績:8試合0得点
■J1通算成績:337試合71得点

「気持ちの強さと熱さは(大久保)嘉人さんクラスだと思います。総合力の高さ、フィジカルの強さを踏まえると、タイプ的には大迫(勇也)に似ている気がします。大迫よりも少しドリブル要素は入りますけど、頭でも、足でも、ゴールを奪えるイメージ。対戦した選手で本当に嫌な相手でした」

9位:大黒将志
■元所属:G大阪ほか
■年齢:43歳(OB)
■身長・体重:178センチ・71キロ
■J1通算成績:204試合69得点

「大黒さんは(佐藤)寿人さんに少し似ていますけど、より得点を取ることに特化したストライカー。常に動いていました。F・マリノスで一緒にプレーしましたけど、普段は寡黙な反面、『ここに出せ!』という味方への要求はすごかったです。寿人さん、(大久保)嘉人さんもですけど、そういう要求する選手がいると、FWの動きを常に見るようになるし、味方も成長させるようなタイプだと思います。ヤットさん(元日本代表MF遠藤保仁/ジュビロ磐田)も、大黒さんとのコンビでスキルが研ぎ澄まされたところはあったはずです」

10位タイ:上田綺世
■現所属:セルクル・ブルージュ(ベルギー)
■年齢:24歳(現役)
■身長・体重:182センチ・76キロ
■今季成績:39試合22得点(ベルギー1部)
■J1通算成績:86試合38得点

「唯一、今回の中では直接の対戦経験はないんですが、鹿島時代のプレーをスタンドから見ていて、ポテンシャルの高さを感じました。何せ日本人選手離れした馬力がある。動き出しがいいし、ジャンプ力もあって、テクニカルなのでシュートも上手い。もし自分が直接対戦していたら、フィジカルでかなわなかったんじゃないかなと思います」

10位タイ:小林 悠
■現所属:川崎
■年齢:35歳(現役)
■身長・体重:177センチ・72キロ
■今季J1成績:7試合2得点
■J1通算成績:356試合137得点

「小林は飛び抜けた能力はないかもしれないですけど、すべてに項目において、年々パワーアップしていったイメージがあります。なんと言っても、勝負強さが目を引きます。ゴールへの嗅覚はもちろん、ここで得点がほしいという時に決めるという、ストライカーに一番大事なものを持っていると思います。彼にはF・マリノスもよくやられて、手を焼きました」

 
 
2023/06/05 歴代日本人ストライカー「フィジカル部門TOP5」 代表OBが驚愕「ヘディングさせたらNo.1」 | フットボールゾーン

— 【専門家の目|栗原勇蔵】元同僚である田原豊と矢島卓郎のフィジカルは規格外

 日本サッカー界にはこれまで、さまざまなタイプのストライカーがその名を轟かせてきた。相手との巧みな駆け引きから得点嗅覚を発揮した者や力強いポストプレーを武器にゴールへ迫ったハンターなど、特徴は多岐にわたる。「FOOTBALL ZONE」では今回、日本人ゴールハンターの系譜を振り返るべく特集を展開。横浜F・マリノス一筋で18年間プレーした元日本代表DF栗原勇蔵氏に、対戦した選手をベースに日本人ストライカーのランキングを作成してもらったなかで、番外編として「フィジカル部門」のトップ5を訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

1位タイ:田原 豊
■元所属:京都ほか
■年齢:41歳(OB)
■身長・体重:187センチ・87キロ
■J1通算成績:95試合13得点

「F・マリノスで同僚だったこともあるし、対戦もたくさんしました。とにかく身体が強い! 身長187センチ、体重も90キロ以上だった時期があるくらいの日本人離れした迫力がありました。重ければ動きが鈍くなることもありますけど、田原さんはスピードがないわけじゃなくて、キープやヘディングをさせたらナンバーワンだと思います。ヘディングで勝ちに行って、胸トラップされたのは、サッカー人生で田原さん以外にはやられたことはなかったです」

1位タイ:矢島卓郎
■元所属:川崎ほか
■年齢:39歳(OB)
■身長・体重:182センチ・80キロ
■J1通算成績:176試合38得点

「ヤジはパワーだけでなく、スピードも兼ね備えたストライカーでした。『フィジカル=パワー×スピード』の部分があると思いますし、ラグビー選手みないなものなので、ヤジのようなタイプは希少ですし、止めるのは難しかったです。単純な馬力だけで言ったら、ヤジが一番かなと。ただ、ヤジと田原さんは同じ欠点があって、搭載しているエンジンが強力すぎて身体がついていかないので、怪我が多かった。もし、それに耐えられるボディーを備えていたら、日本代表に入っていてもおかしくなかったと思います」

3位:大迫勇也
■現所属:神戸
■年齢:33歳(現役)
■身長・体重:184センチ・75キロ
■今季J1成績:15試合11得点
■J1通算成績:191試合62得点

「線は細いけど、体幹の強さも相まって、外国籍選手にも負けない対人能力を持っています。フィジカルにおいては、上位2人(田原、矢島)に匹敵するレベルと言っていいかもしれません。大迫の場合、フィジカルに特化しているわけでなく、万能性、総合力に優れたストライカーであることも忘れてはいけないと思います」

4位タイ:杉本健勇
■現所属:横浜FM
■年齢:30歳(現役)
■身長・体重:187センチ・79キロ
■今季J1成績:6試合0得点
■J1通算成績:288試合54得点

「杉本は上背があって、身体もめちゃくちゃ強い。ジャンプの最高到達点がものすごく高くて、自分の形に入ればほぼ負けないです。身体能力に関して言えば、トップ3にも負けていない。もっとも、ストライカーとしては、自分のところにボールが来れば決める自信がある分、足を止めていることも多いがゆえに、ゴール数は思うように伸びていない印象があります」

4位タイ:都倉 賢
■現所属:長崎
■年齢:36歳(現役)
■身長・体重:187センチ・70キロ
■今季J2成績:14試合1得点
■J1通算成績:149試合35得点

「都倉は見るからにゴツいですよね(笑)。ハリボテなんてことはなくて、あの長友佑都が『フィジカルモンスター』と称するレベル。相手DFにも当たり負けしないし、度肝を抜くようなダイナミックさもあります。得点を取るヘディング技術が高いのも特筆すべきポイントだと思います」

 
 
2023/06/07 歴代日本人ストライカー「跳躍力トップ3」 代表OBが唖然「走りながら1メートルくらい跳んだ」 | フットボールゾーン

— 【専門家の目|栗原勇蔵】元鹿島の田代有三がジャンプ部門でナンバーワン

 日本サッカー界にはこれまで、さまざまなタイプのストライカーがその名を轟かせてきた。相手との巧みな駆け引きから得点嗅覚を発揮した者や力強いポストプレーを武器にゴールへ迫ったハンターなど、特徴は多岐にわたる。「FOOTBALL ZONE」では今回、日本人ゴールハンターの系譜を振り返るべく特集を展開。横浜F・マリノス一筋で18年間プレーした元日本代表DF栗原勇蔵氏に、対戦した選手をベースに日本人ストライカーのランキングを作成してもらったなかで、番外編として「跳躍力」のトップ3を訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

1位:田代有三
■元所属:鹿島ほか
■年齢:40歳(OB)
■身長・体重:181センチ・77キロ
■J1通算成績:175試合48得点

「田代さんは身長180センチくらい(181センチ)でしたけど、明らかに高く跳んでいて、ケツもでかいので、先に飛ばれたら勝てないと感じました。上背で言えば、3センチほど僕のほうが上でしたが、同じ身長であればヘディングはほぼ負けていたでしょうし、田代さんがあと5センチ大きかったら、おそらく誰も勝てなかったはずです」

2位:田原 豊
■元所属:京都ほか
■年齢:41歳(OB)
■身長・体重:187センチ・87キロ
■J1通算成績:95試合13得点

「田原さんは重くて、ぼんって飛んでいる感じ。F・マリノスで同僚で、垂直跳びとか自分とは10センチ近い差がありました。走りながらであれば、1メートルくらい跳んでいた気がします。(3位の)久保(竜彦)さんも凄いですけど、ジャンプ力だけで言えば田原さんのほうが上でした」

3位:久保竜彦
■元所属:広島ほか
■年齢:46歳(OB)
■身長・体重:181センチ・73キロ
■J1通算成績:276試合94得点

「名前の『竜』のような跳躍で、びよーんって感じ(笑)。身体能力は日本人選手としては規格外でした。だからこそ、あのアクロバティックなプレーが可能だったと思います。持病の腰痛や足首の怪我がなかったら、もう手が付けられなかったでしょうね」

 
 
2023/06/08 歴代日本人ストライカー「スピード部門」 代表OBが「他の追随を許さない」と称した2大巨頭とは? | フットボールゾーン

— 【専門家の目|栗原勇蔵】永井謙佑と前田大然が他を圧倒する「1位タイ」

 日本サッカー界にはこれまで、さまざまなタイプのストライカーがその名を轟かせてきた。相手との巧みな駆け引きから得点嗅覚を発揮した者や力強いポストプレーを武器にゴールへ迫ったハンターなど、特徴は多岐にわたる。「FOOTBALL ZONE」では今回、日本人ゴールハンターの系譜を振り返るべく特集を展開。横浜F・マリノス一筋で18年間プレーした元日本代表DF栗原勇蔵氏に、対戦した選手をベースに日本人ストライカーのランキングを作成してもらったなかで、番外編として「スピード部門」のナンバーワンを訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

1位タイ:永井謙佑
■現所属:名古屋
■年齢:34歳(現役)
■身長・体重:177センチ・72キロ
■今季J1成績:15試合3得点
■J1通算成績:371試合70得点

「50メートルは6秒を切ると言われましたけど、スピードは永井一択かなと思うくらい、ずば抜けています。彼がルーキーで入ってきた2011年の開幕戦、初めての対戦でスピードでぶっちぎられて最後の最後にPKを与えてしまい、同点に追い付かれてしまいました。試合後に、対戦相手の(田中マルクス)闘莉王さんと楢﨑(正剛)さんに『アイツの速さはなんなんですか?』って言ったら、『あれは仕方ない』『アイツは速すぎだ』と慰められました(笑)」

1位タイ:前田大然
■現所属:セルティック(スコットランド)
■年齢:25歳(現役)
■身長・体重:173センチ・67キロ
■今季成績:35試合8得点(スコットランド1部)
■J1通算成績:77試合28得点

「F・マリノスの若手選手が永井よりも速いかもしれないと話をしてきたので、『そんなバカな』と思っていました。でも、大然が2020年にF・マリノスに加入して、大袈裟ではなく、永井とほぼ同じスピードだったので驚きました。今まで体感した選手で誰が速かったかという話になると、大然か永井かの論争になるくらいですし、大然ほど速い選手もそうそういません」

   ◇   ◇   ◇

「F・マリノスにはテル(仲川輝人/現FC東京)もいましたけど、速さの質が違っていて、テルは初速が早くてトリッキータイプ。永井と前田のほうが馬力もある。日本人選手にはもちろんほかにも『速い』と感じた選手はいました。でも、永井と前田が双璧で、他の追随を許さないレベルだと個人的には思います」

 
 
2023/06/17 選手ありき? 戦術ありき? 森保ジャパンの「4-1-4-1」システムに日本代表OBが見解 | フットボールゾーン※一部抜粋

— 【専門家の目|栗原勇蔵】両脇が開くアンカーには攻守に機動力が必要

 森保一監督率いる日本代表は、6月15日に行われたキリンチャレンジカップのエルサルバドル代表戦で6-0と大勝した。3月シリーズでスタート時に採用した4-2-3-1から、4-1-4-1に変えて戦ったが、元日本代表DF栗原勇蔵氏はシステムに関しての印象を語っている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

「4-1-4-1はアンカーに守れて、攻められて、動ける選手が必要なシステムです。その両脇を使われれば、一気にピンチになる。インサイドハーフが降りて3枚が並んだりもしますが、守田や遠藤航(シュツットガルト)への期待は大きいと思います。強豪相手に使うのは、正直怖いですよね。ボールを握れればなんの問題もないですけど」

— 攻撃陣のタレント起用を重視で4-1-4-1を選択?

 エルサルバドル戦は開始早々に相手が10人になってしまい、選手のプレーやシステムの出来を測るモノサシとしては物足りないものになってしまったが、栗原氏は、今後の試合で森保監督の“狙い”がより色濃く出てくることに期待する。

「選手ありきで4-1-4-1にしているのか、意図する戦術を目指して4-1-4-1にしているのかが見えてくれば、面白くなってくる気がします。ボールを回して、縦に速いサッカーを目指すのが4-1-4-1では理想的。うしろからボールを配給できる選手がいれば、ワイドにも開いているので、回しやすいんじゃないかなと。正直に言えば、1.5~2列目の選手がダブついてるんで、(4-2-3-1よりも)1枚多く使いたいという意図は感じるし、選手がいるから、という側面が大きいのが現時点での印象です。逆に言ったら、遠藤がいるとはいえ、アンカーの選手が少し手薄な感じもします」

 4-1-4-1と4-3-3-の違いについては、「最初の立ち位置だけで動きながらも変わっている。守備の時は4-3-3なのかもしれない。だから、表現の仕方には大きな意味はないような気はします」と語った栗原氏。森保監督の今後の采配に注目していた。

 
 
2023/06/17 「W杯は誰にも保証されていない」 日本代表OBが懸念する新生”ファンタスティック5″への過度な期待感 | フットボールゾーン※一部抜粋

— 【専門家の目|栗原勇蔵】上田、久保、三笘、堂安、旗手のユニットは見極めが必要

 森保一監督率いる日本代表は、6月15日に行われたキリンチャレンジカップのエルサルバドル代表戦で、6-0と大勝した。スタメン出場したMF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF三笘薫(ブライトン)、MF旗手怜央(セルティック)、MF堂安律(フライブルク)、FW上田綺世(セルクル・ブルージュ)の東京五輪組が躍動し、攻撃を担うユニットとして今後も期待されるが、元日本代表DF栗原勇蔵氏は、2018年の森保ジャパン発足当初に注目を集めた堂安、MF南野拓実(ASモナコ)、MF中島翔哉(アンタルヤスポル)の“三銃士”のような状況になることに警鐘を鳴らしている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

「2018年7月に森保監督が就任して、9月にコスタリカ代表、10月にパナマ代表にそれぞれ3-0と勝利しました。当時、日本代表への期待感が高まり、南野、堂安、中島の2列目トリオが『三銃士』と騒がれましたけど、4年後のワールドカップ(W杯)でチームに貢献できたのは堂安だけでした。上田がA代表初ゴールを挙げ、エルサルバドル戦は収穫がゼロだったわけではないですが、4年前の立ち上げ時と今、どれだけ底上げされているか、(6月20日の)ペルー代表戦以降でしっかり見極めたいところです」

 栗原氏は、「森保ジャパンの当初の戦いを見て、誰もが南野のチームになると思ったはず。監督は本当に難しい仕事だと感じます」と、森保監督の置かれる立場をおもんぱかった。

「今のチームでは、久保、三笘が中心だろうとみんなが思っている。でも、3年後に状況が変わっている可能性もゼロじゃない。代表でレギュラーを守り続けるのは大変なことで、W杯行きの切符は誰にも保証されていない。だから、そういう意味では、チーム全体の底上げが必須で、ペルー戦に出場した選手には『俺もできるんだぞ』と示してほしいです」

 森保ジャパン第2次政権での熾烈なサバイバルは、まだ始まったばかりだ。

 
 
2023/06/17 浅野は「今すぐ外せとは思わない」 森保ジャパンのFW問題に日本代表OBが見解「オプションがあったほうがいい」 | フットボールゾーン※一部抜粋

— 【専門家の目|栗原勇蔵】絶対的なストライカーは必要な反面、オプションも大事

 森保一監督率いる日本代表は、6月15日に行われたキリンチャレンジカップのエルサルバドル代表戦で6-0と大勝した。1トップは先発したFW上田綺世(セルクル・ブルージュ)、途中出場のFW古橋亨梧(セルティック)が務めたが、元日本代表DF栗原勇蔵氏は、FW浅野拓磨(ボーフム)とFW前田大然(セルティック)を含めて、バリエーションを持たせておくべきだと説いている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

 森保ジャパンはFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)が代表から遠ざかり、後継者探しは急務とされてきた。上田はその筆頭候補で、ポストプレーを含めた身体能力は1トップを務めるに相応しい。ただ、元日本代表DF栗原氏は「上田、古橋、前田、みんなタイプは違う」と、オプションを持っておくことの必要性について見解を述べる。

「上田が毎回スタメンである必要はなくて、対戦相手が格上だと判断すれば前からプレスをかけられる前田、裏に抜けられる古橋を使うなど、オプションがあったほうがいい。絶対的なストライカーも必要だけど、オプションも大事になります」

— 大事な試合で結果を残してきた浅野を「今すぐ外せとは思わない」

 古橋は昨年の9月シリーズを最後に、カタール・ワールドカップ(W杯)や今年3月の森保ジャパン第2次政権の初陣には招集されなかった。さまざまな憶測が飛び交ったなか、9か月ぶりの復帰で結果を残したが、今季のスコットランドリーグ得点王(27ゴール)に輝いた古橋は、現時点で置いておくべき戦力だと栗原氏は主張する。

「古橋はセルティックで文句なしの活躍を見せました。スコットランドリーグのレベルが疑問視されたりしますけど、Jリーグで十分に結果を出してから海外へ行っているので、日本人アタッカーとしてトップレベルであるのは間違いない。日本代表になるとクラブとは違うし、少し合わなかったり仕方ないところもある。ただ、彼のポテンシャルと人間性も加味すれば、僕が監督だったら現時点ではずっと入れておきたい選手です」

 また、エルサルバドル戦で後半20分から途中出場し、ゴールなしに終わった浅野に関しても、カタールW杯グループリーグ初戦のドイツ戦で決勝ゴールを決めるなど、大事な場面でネットを揺らしていることを考えれば、彼に対する厳しい声は不当だと栗原氏は語る。

「浅野はやっぱり一発があるし、W杯という1番大事な舞台でも結果を残した実績があります。勝負強さはすごく大事だし、今すぐ(メンバーから)外せとは思わない。仮に浅野を外すとして、代わりに誰を入れるのか。すぐに目ぼしい候補がいるかと言えば、あまり思い浮かばない。あの大舞台で結果を出してくれた選手は残しておきたい、使いたいという気持ちも分かります。森保監督の信頼度はきっと高いはずです」

 上田が怪我によりエルサルバドル戦翌日にチームを離脱したこともあり、20日のペルー代表戦、そして今後の戦いで森保監督がどのようにFW構成をマネジメントしていくのか、注目が集まる。

 
 
2023/06/20 森保ジャパン第2次政権、日本代表OBが「結果が変わってくる」と評価した”生命線”2人は? | フットボールゾーン※一部抜粋

— 【専門家の目|栗原勇蔵】伊東は攻撃だけでなく切り替えの早さを生かした守備も評価

 森保一監督率いる日本代表は、6月20日に行われたキリンチャレンジカップのペルー代表戦で4-1と快勝した。両サイドでスタメン出場したMF伊東純也(スタッド・ランス)、MF三笘薫(ブライトン)が攻撃を牽引したなか、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「伊東と三笘が日本の生命線」と第2次政権も主軸だと見立てている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

 元日本代表DF栗原氏は、右サイドで何度も突破を仕掛け、高精度のクロスも挙げていた伊東に関して「伊東は動きにキレがあるし、切り替えも早くて、守備でも貢献していた。攻守においてチームに与える影響は大きかったと思います。相手も点を取りに行かなればいけないとなれば、やっぱりオープン(な展開)になる。そのなかで、キレ味勝負は日本のほうが上でしたね」と、30歳のアタッカーを高く評価した。

 また、この日、2人で計2得点1アシストを記録した伊東と三笘のコンビに対しても、「伊東と三笘が日本の生命線。そこでどれだけ相手を制することができるかで日本の結果が変わってくると思う」と語り、第2次政権でも2人が攻撃の中心になるのは間違いないと見立てていた。

 
 
2023/06/21 森保J、6月シリーズで「株を上げた選手」3人 日本代表OBが「ファイター気質」と評価したのは? | フットボールゾーン

— 【専門家の目|栗原勇蔵】両SBの菅原由勢と伊藤洋輝、三笘薫に注目

 森保一監督率いる日本代表は、6月20日に行われたキリンチャレンジカップのペルー代表戦で4-1と快勝した。6月15日の同エルサルバドル戦(6-0)を含め、6月シリーズを2連勝で終えたなか、今回の2試合で“株を上げた選手3人”を元日本代表DF栗原勇蔵氏に挙げてもらった。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

■菅原由勢(DF/AZアルクマール)
・エルサルバドル戦/スタメン出場・前半45分プレー
・ペルー戦/スタメン出場・後半18分までプレー

「菅原は特にペルー戦で良かったです。守備の気迫が凄くて、オランダでの充実感というか、こんなに戦えるだと。ファイター気質なので、プラスアルファで、チームの士気が上がるような雰囲気を感じました。長年右サイドバックのレギュラーを務めてきた酒井宏樹(浦和レッズ)に比べれば改善点もありますが、まだ22歳なのでこれからも成長を続けてくれるでしょう」

■伊藤洋輝(DF/シュツットガルト)
・エルサルバドル戦/出番なし
・ペルー戦/スタメンフル出場・1得点

「伊藤に関しては、(左サイドの)前でプレーする三笘がどれだけのパフォーマンスを見せられるかで、評価が変わってきてしまうのが正直なところです。ビルドアップでの貢献という意味では微妙かもしれませんが、ペルー戦ではゴールを決め、三笘がガンガン行く分、うしろでどしっと構えて守備を安定させていたと思います。三笘が常に2人、3人のマークに遭った時に、伊藤が連係プレーを見せられるのか。そこでまた真価が問われると思います」

■三笘薫(MF/ブライトン)
・エルサルバドル戦/スタメン出場・前半45分プレー・1アシスト
・ペルー戦/スタメンフル出場・1得点1アシスト

「三笘は、伊東純也とともに“日本の生命線”だと改めて思いました。三笘がどれだけ相手を制することができるかで、、代表チームの結果も変わってくる。2試合で計1得点2アシストという数字以上に、プレーの内容がさすがだなと感じました。逆に、三笘と比較される選手が可哀想になるくらいです(笑)」

 
 
2023/06/21 今後は浅野起用よりも”経験蓄積”を重視? 日本代表OBが1トップ争いに持論「上田や古橋を常時呼んで…」 | フットボールゾーン※一部抜粋

— 【専門家の目|栗原勇蔵】古橋はペルー戦でも「いい動きはしていた」

 森保一監督率いる日本代表は、6月シリーズの2試合でエルサルバドル代表に6-0、ペルー代表に4-1と快勝した。FW陣は上田綺世(セルクル・ブルージュ)、古橋亨梧(セルティック)、前田大然(セルティック)にゴールが生まれたなか、浅野拓磨(ボーフム)を含めた争いを、元日本代表DF栗原勇蔵氏が展望している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

 今季スコットランドリーグで得点王(27ゴール)に輝き、昨年9月以来のA代表復帰を勝ち取った古橋。ノーゴールだったペルー戦に関しても、元日本代表DF栗原氏は「いい動きはしていて、伊東からボールも来ていた。あと一歩のところまでは行っていた」と語る。

「古橋は、1試合、2試合で評価しなければいけない選手ではない。ペルー戦では自分の一番いい態勢でボールを受けられなかった印象はありますけど、持ってるものは間違いないし、コンビネーション自体も悪くない。代表の環境に慣れてくれば、また違う結果が出てくるはず。場数を踏ませていきたいところです」

— 前田はペルー戦でゴールを決めて持ち味を発揮

 ペルー戦前の練習では、左サイドでプレーしていた前田は、途中出場から結果を残した。昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)で1トップに入り、前線からのプレスでチームに貢献したのは記憶に新しいが、栗原氏は「持ち味を出して、相手のミスも見逃さなかった」と評価する。

「あれだけスピードがあると、相手が少しでもミスをすればワンチャンス生まれる。やはり、そういう選手はチームに必要だと思います。前から守備をして、一本狙うのも1つのオプションでしょう」

 エルサルバドル戦では右サイドでの起用でゴール前のチャンスを逃し、ペルー戦では出番のなかった浅野。カタールW杯のグループリーグ第1戦ドイツ戦(2-1)で決勝点を挙げた一方で、厳しい声も少なくない。栗原氏は「浅野は計算できる選手というか、これまでの活動の中で実力は分かっている」としたうえで、経験を積ませるべき選手、テストすべき選手がいる場合は、そちらにも目を向けるべきだと提唱する。

「もし、森保監督の中で試したい選手がいるのであれば、敢えて(浅野を)入れなくてもいいのかなとは感じます。クラブで結果を出している状況であれば、また呼べばいいわけなので。代わりの選手がいないのであれば、今は上田や古橋を常時呼んで、A代表で経験を積ませることが大事だと思います」

 森保監督が9月のドイツ戦以降、どのような起用をするのか注目が集まる。

 
 

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