【試合結果まとめ(4●2)】2020/7/18(土)18:00KO J1第5節 鹿島アントラーズvs.横浜F・マリノス@県立カシマスタジアム



 
 

アンカー(目次)

1.横浜F・マリノスオフィシャルサイト
2.Jリーグ.jp
3.Twitter / Istagram
4.YouTube
5.Webニュースログ
6.今週の他会場など

横浜F・マリノス オフィシャルサイト

2020 明治安田J1 第5節 vs鹿島アントラーズ | 2020 | 試合 | 横浜F・マリノス 公式サイト

監督コメント

アンジェ ポステコグルー

「本当に難しいゲームになってしまいました。結構コントロールができた中でも、自分たちがあれだけのミスを犯しボールを奪われてしまうと、ああいう形での失点につながってしまいます。すごく残念な思いでいっぱいです」

質問:攻撃が縦に単調になってしまった印象があるのですが?
「先ほども言いましたが、自分たちのミスからの失点が敗因です。あれだけミスをしてしまうと、やはり相手も非常に良い選手がそろっているのでゴールを奪われてしまいます。自分たちもチャンスはつくりました。4点決められるチャンスもありました。しかし、この強い相手にまず4失点してしまってはいけない。しっかり修正をしなければならないと思います」

質問:フィジカル的に、問題は?
「フィジカルうんぬんではなく、やはり自分たちが簡単にボールを失ってしまうという、自分たちのたくさんのミスから失点をしてしまいました。そういうところをなくさないといけませんし、しっかりやっていかなければいけないと思います」

質問:失点が多い試合が続いていますが、その要因については?
「ミスが多いからです。ミスが多いから、あのような失点をしてしまいますので。そういうところをなくさないといけないです」

選手コメント

マルコス ジュニオール

「(失点が多くなかなか結果が出ていないという、今のチームの現状をどうみていますか?)いいサッカーはしていると思います。攻撃的なサッカーをしているのだから、失点してしまうのは仕方がない部分はあります。ただ、そこの課題はこれから監督が改善の方向を指示してくれると思います。パフォーマンスは自体は、全体的には良いと思っています。
(2つのゴールは2点とも素晴らしいゴールでした)1点目は連携の中で、我々の得意としているパスサッカーでペナルティーエリアの中に侵入してゴールを決めることができました。2点目はGKの位置、ポジションをしっかり見て、落ち着いてシュートを打ちました。
(去年と今は、どういう部分が違っているのでしょうか)去年は攻撃的なサッカーで優勝することができました。今年、我々と試合をする相手チームは、昨年よりも強い意識で倒しにきています。我々のサッカーをしっかり勉強して、よりディフェンシブにきたり、カウンターを狙ってくるので、やりにくさはあります。ただ負けた試合は、集中力のところが問題だったと思うので、我々のサッカーについては、それほど違いはないと思います」

扇原 貴宏

「(失点の多さについては?)ボールの失い方が悪ければ、ああいう失点になってしまいます。そこのミスは最近多く、先制点をやられていることも多いので。今日の試合も、前半はそこまで悪くなかったのですが、自分たちのミスでリズムを崩してしまいました。相手もあまりいい状態ではないというのも感じてはいたのですが、自分たちのミスで、相手に自信を与えてしまったという印象があります。
(昨年のように、攻から守への切り替えでボールを奪うシーンが少ないように感じますが?)やっぱり相手も分析してきます。自分たちがボールを失ったら、すぐにサイドに蹴ってきたり、一発でひっくり返してくるようなボールが増えています。それはボールの失い方が悪いからで、そうでない時は、切り替えて二次攻撃に、三次攻撃につなげられているので。そういう細かいところをもっと突き詰めないと…。自分たちのサッカーはボールを握るサッカーなので、そういうところでうまくいかないとこういう結果になってしまうと思います。
(似たような形の失点の仕方が続いているのではないですか?)失い方が悪ければ、どのチームでもピンチになります。自分たちは下からつなぐサッカーをやっているので、そこでミスさえ減らせれば、アタッキングサードまでしっかりとビルドアップできれば、ピンチも減ると思います。もちろん守備面の組織的リスクマネジメントも大事ですし、そういうところの集中力も大事です。またコミュニケーションも、もっともっと取らないといけないというのも感じていますが、そこだけじゃなくて、本当に球際の部分だったり、ファウルでもつぶせるところはしっかりつぶさなければいけないいけない場面も、今日はたくさんありました。そういうところ、切り替わったところの皆の反応も少し遅いかもしれません。そういうところのリアクションだったり、一歩先に出すところだったり、細かいですけれど、集中力や出足だったりに、もっともっとこだわってやっていきたいと思います」

ティーラトン

「今日は自分たちにとって良い結果じゃなかったです。自分のところでもいくつかミスがあって、そういうところをこれから直していかないといけない。そういう課題が出た試合だと思います。試合はまだまだあるので、次に切り替えていきたいです。
(DFラインの背後を狙われいることについては?)去年からこのスタイルで戦っているので、相手チームがしっかり研究してきて、いい仕事をしてきたと思う。自分たちのミスで裏を取られることが多かったので、そういうところを直していなかいといけない。今日は鹿島に負けて残念です。
(前節からティーラトン選手が個人的にトレーニングで取り組んできたことは?)毎日毎日、自分たちのサッカーを貫こうとやってきている。(前節から)準備期間があったんですけど、こういうミスはあると思うし、切り替えていくしかないですね」

Jリーグ.jp

【公式】鹿島vs横浜FMの試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2020年7月18日):Jリーグ.jp
 └ 入場者数 3,090人

選手コメント

扇原 貴宏

ボールの失い方が悪く、ミスの多かったゲームでした。試合の入りがそこまで悪くなく、相手も良い状態でないと感じていた中、ミスから先制を許してしまいました。ボールを失うと、すぐに逆サイドに展開されたり、DF裏へのボールで一発でひっくり返されてしまいました。失い方が良いときはすぐにボールを回収して2次攻撃、3次攻撃につなげられます。自分たちはボールを握るサッカーなので、もっと攻守の切り替えを突き詰めないといけません。アタッキングサードまでボールを運べれば、ピンチも減ります。組織としてのリスクマネジメントもそうですし、集中力を切らさないようにもっとコミュニケーションをとる必要もあると思います。今日の試合で言えば、球際でファウルをしてでもつぶさないといけないシーンがありました。攻守が切り替わったときの反応が悪いとも感じているので、出足や集中力にもっとこだわってやっていきたいです。

マルコス ジュニオール

良いサッカーはしていると思います。攻撃的なサッカーなので失点するのは仕方がない部分はありますが、監督が課題を修正してくれるはずです。昨季は攻撃的なサッカーで優勝したので、今年は相手が倒しにきます。研究してディフェンシブな戦いでカウンターを狙ってくるのでやりにくさは感じています。

--自身の2ゴールを振り返ってください。
1点目は得意のパスサッカーの良い連係から、自分がペナルティーエリアに進入して素晴らしいゴールを決められました。2点目はGKの位置をしっかり確認してシュートを打つことができました。

 
 

Twitter / Istagram


 
 


 
 

YouTube


ハイライト|J1リーグ第5節|vs鹿島アントラーズ – YouTube
 
 

ゴール集|2ゴール目必見!昨季得点王のマルコス選手が、2得点の活躍! – YouTube
 
 

ネットニュース・Weblog

スポーツニッポン

横浜、5戦で11失点…扇原「自分たちのミスで相手に自信を与えてしまった」― スポニチ Sponichi Annex サッカー

 昨季王者の横浜が大量失点で連敗した。今季リーグ5試合で11失点、直近3試合では9失点と課題は明白だ。相手に研究され、ハイラインの裏を突かれる形の失点が続いている。

 2得点したFWマルコス・ジュニオールは「集中力のところで欠けた部分はある」と振り返り、MF扇原は「失い方が悪ければああいう失点をしてしまう。そこのミスは最近多い。自分たちのミスで相手に自信を与えてしまった」と反省した。

ニッカンスポーツ

鹿島4発で今季初勝利、FW上田2得点/鹿-横5節 – J1 : 日刊スポーツ

鹿島アントラーズは、FW上田の2得点などで横浜F・マリノスを下して連敗を脱した。

前半4分、鹿島は左サイドハーフで先発したFWエヴェラウドのクロスを、ファーサイドのFW上田がワントラップしてハーフボレーで先制。しかし同12分、丁寧にパスをつないだ横浜がFWマルコス・ジュニオールのゴールで同点に追い付いた。

鹿島は後半13分、右サイドバック広瀬のクロスに上田が合わせて再び勝ち越した。22分にはエヴェラウドが追加点を決めた。直後の25分にはマルコス・ジュニオールの一撃をくらったが、37分には途中出場のMF白崎がダメ押し弾を決めた。リーグ戦4連敗、公式戦6連敗中と泥沼だった鹿島が、ホームの観客の前で今季初勝利を挙げた。

 
 
横浜4失点2連敗「ミスでボール奪われた」監督嘆く – J1 : 日刊スポーツ

横浜F・マリノスは3試合連続の複数失点で2連敗。ポステコグルー監督は「ミスでボールを奪われることが多かった」と嘆いた。

0-1の前半12分の同点ゴールは鮮やかだった。自陣からつなぎ、最後はマルコスジュニオールが決めた。ただ守備が安定せず、2-3の後半37分には畠中のパスミスから致命的な失点。扇原は「個人のミスじゃない。周りのサポートや距離も見直さないといけない」と話した。

 
 
横浜LINEライブ、新企画で売り上げ過去最多記録 – J1 : 日刊スポーツ

LINE株式会社は18日、横浜F・マリノスと共同してLINE LIVEで行っている生配信「F・マリノスデュアルスタジアム」の第4回を行い、配信内で合計4000ポイント以上の応援アイテム(有料スタンプ)を送った人に特別Tシャツをプレゼントする新企画などで盛り上がった。

同配信は横浜とLINE LIVEでのJクラブ初の取り組みとしてJ1再開初戦となった7月4日の横浜-浦和戦から開始。DAZN(ダゾーン)などの中継映像で観戦するファンが同時進行で視聴してプレーへの興奮やゴール時の歓喜をリアルタイムで共有してスタジアムさながらの一体感を楽しむもので、毎回約1万7000人前後の視聴者を集めている。

視聴者はトークチャットや有料アイテムによる「投げ銭」なども行うことができる。今回もMCを務める横浜OBの波戸康広アンバサダーと栗原勇蔵クラブシップキャプテンが生出演し、配信でしか見られない秘蔵トークなどを繰り広げた。

今回の企画でプレゼントされる特別Tシャツには、当日の横浜のスターティングメンバーの写真と試合記録が入れられる。配信ではここでしか手に入らないTシャツを求めて多くのアイテムが送られ、売り上げは過去最多の約65万円を記録。配信は今後も横浜の試合で続けられるといい、観客数制限のある中、サポーターらの熱狂の場として重宝されていきそうだ。

サッカーダイジェスト

【J1採点&寸評】鹿島4-2横浜|東京五輪候補ストライカーが本領発揮! 連敗ストップの立役者にトップ評価の「7.5」 | サッカーダイジェストWeb※一部抜粋

【チーム採点・寸評】
鹿島 7
ハイラインの裏スペースを攻略し、4得点のゴールラッシュ。シーズンインからの公式戦6連敗をついに止めた。

横浜 4.5
典型的な負けパターンか。再三に渡りディフェンスラインの背後をとられ、なおかつ致命的なミスも重ね、自滅の一途をたどった。
 
 
【横浜|採点・寸評】
GK
21 梶川裕嗣 5
ペナルティエリア外への際どい飛び出しが目立っていたという事実は、自分たちのゲームではなかった証拠か。

DF
27 松原 健 5.5
相手の先制点に関わった、自サイドでのマッチアップにやや油断があったか。「しまった」という声が聞こえてくるようだった。

13 チアゴ・マルチンス 5(HT OUT)
1トップの上田を徹底監視もラインコントロールに乱れが生じ、幾度となくピンチを招いた。

44 畠中槙之輔 4.5
勝負が決してしまった4失点目のパスミスは痛恨の極み。終盤に入ってから危機意識が薄れていた印象だ。

5 ティーラトン 5
右からのクロスボールでかぶってしまい、開始早々の失点に関与。挽回すべく攻撃面で気を吐いたものの、目立った働きはあまり出来なかった。

MF
6 扇原貴広 5.5(69分OUT)
こぼれ球をよく回収し、散らした。2点を追いかける展開となり、より攻撃にシフトするため天野との交代を余儀なくされた。

8 喜田拓也 6
ピッチを所狭しと動き回り、相変わらずのダイナモぶりを発揮。結果が出ない現状に渋い表情を浮かべる。

MF
9 マルコス・ジュニオール 6.5(80分OUT)
序盤から立て続けにファウルを見舞うなど、危険なオーラを放った。この日2得点。とくに2点目は見事なゴラッソだ!

FW
23 仲川輝人 6.5
12分の同点シーンでは、相手DFとGKの間を狙った巧みなグラウンダークロスを送り、M・ジュニオールのゴールをお膳立てした。

30 エジガル・ジュニオ 6(HT OUT)
相手の素早い潰しに苦しむシーンも散見されたが、前線でのポストワークに尽力し、チャンスに広げた。

17 エリキ 5.5(51分OUT)
前半は左MF、ハーフタイムを挟んで後半からはトップに入ったが、パフォーマンスは今ひとつ。

交代出場
DF
15 伊藤槙人 5(HT IN)
空中戦では、FWの上田に負けじと果敢に挑んだ。守備面での修正を施すために投入されたが、及第点とはいかず。

FW
11 遠藤渓太 5.5(HT IN)
1対1で縦を警戒されると、次の行先を見出せないまま、ボールを後ろに下げるケースが続いた。

FW
6 オナイウ阿道 6(51分IN)
躍動感あるプレーで相手ゴールに突進。背後のスペースをついてシュートまで持ち込むシーンも。

MF
39 天野 純 6(69分IN)
停滞しかかっていた攻撃を活性化しようと、右サイドで積極的にプレーしたが、思うような結果は得られず。

FW
18 水沼宏太 ―(80分IN)
短い出場時間のなかで、2度のシュートチャンスが巡ってきた。だが、ゴールの枠を捉え切れなかった。

監督
アンジェ・ポステコグルー 5
前半の悪い流れを断ち切ろうと、早めに交代カードを切ったが、かえって裏目に。逆襲から失点を繰り返し、傷を広げてしまった。

 
 
鹿島が待望の勝点3獲得! 先発起用に応える上田綺世の2ゴールなどで横浜を下し連敗を4でストップ! | サッカーダイジェストWeb

–横浜はM・ジュニオールが2得点も、追撃虚しく2連敗

 J1リーグは7月18日、各地で第5節の9試合を開催。県立カシマサッカースタジアムでは、鹿島アントラーズ対横浜F・マリノスの一戦が行なわれ、4-2で鹿島が打ち合いを制した。

 これまで4連敗で浮上のきっかけを掴めず最下位に沈む鹿島が、昨季王者横浜をホームに迎えた試合は、立ち上がりからハイテンポでボールを回す横浜に対して、鹿島のレオ・シルバと三竿健斗のボランチコンビが激しくプレッシャーをかけて、攻撃の芽を摘む。

 すると4分、その三竿の高い位置でのボール奪取から、パスを受けたエヴェラウドが左サイドをドリブルで駆け上がりクロスを上げる。このボールにファーサイドで反応した上田綺世がワントラップから右足を振り抜き、ネットを揺らす。今季初先発の上田が、今シーズン初ゴールで指揮官の起用に応える。

 しかし負けられない横浜も12分に、松原健とエジガル・ジュニオの敵陣での細かいパス回しから、ペナルティエリア右で受けた仲川輝人がゴール前に素早くグラウンダーのクロスを供給。これをマルコス・ジュニオールがダイレクトで押し込み、早くも振り出しに戻す。

 勢いに乗る横浜は、その後も得意のアタッキングフットボールで速攻を仕掛ける。対してホームチームは、相手の最終ラインの裏へロングボールを配給して一発を狙い、前半終了間際に立て続けに決定機を得る。裏への抜け出しから45分に遠藤康、46分に上田がGKとの1対1を迎えるも決め切れず、タイスコアで前半を折り返す。

 後半に入っても、球際で激しい球際のファイトから、縦に早い攻撃を繰り出す両者の攻防戦に。横浜は51分にエリキに代えてオナイウ阿道を投入し、得点を狙う。

 しかし、勝ち越しゴールを挙げたのは鹿島だった。58分にカウンターからL・シルバが右サイドに展開。これを広瀬陸斗がダイレクトで、相手DFとGKの間に絶妙なクロスを供給。これに反応した上田が右足で合わせて2ゴール目を決めた。

 さらに67分にもエヴェラウドのゴールで2点をリード。70分に失点するも、82分の白崎凌兵の得点で横浜の追撃を振り切り、4-2で勝利した鹿島が連敗を4でストップ。一方で横浜は、前節のFC東京戦に続き2連敗を喫している。

 次節は中3日の7月22日、鹿島はアウェーで湘南と、横浜はホームで横浜FCと対戦する。

 
 
【横浜】不用意なミスで鹿島相手に大量失点…苦境に立たされるJ1王者復活の鍵は“アスリートの要素” | サッカーダイジェストWeb

–「自分たちのミスから失点したことが敗因」

ここまで1勝1分3敗の14位と、前年度チャンピオンが苦しんでいる。

 アンジェ・ポステコグルー監督は就任3年目を迎え、優勝メンバーの多くが残留し、そこに水沼宏太やオナイウ阿道といった実績のある選手も加わった。ボール支配率も依然として高い。しかし、それが結果に繋がっていないのが実状だ。

 7月18日の鹿島戦では単純なミスで自分たちの首を絞め、今季ワーストとなる4失点を喫した。これにはポステコグルー監督も「自分たちのミスから失点したことが敗因」と首を横に振るしかない。チームの性質上、ピンチの多くがミス絡みで、たった1本のパスミスや、トラップミスが失点に直結するシーンも珍しくない。

 だが4失点目が象徴するように、さすがに目に余るものがある。自陣でのボール回しの最中、畠中槙之輔の不用意な横パスが相手選手に渡り、前寄りに位置を取っていたGK梶川裕嗣の頭上を越されるループシュートを決められてしまった。こんなお粗末な失点を食らっていては、昨季の得点王マルコス・ジュニオールが素晴らしいゴールを2つ決めても、試合に勝つのは難しい。

 裏を返して言えば、勝点が伸びない原因は明白だ。鹿島戦後、扇原が「ボールの失い方が悪ければ、どのチームでもピンチになる。失い方がいい時は切り替えのところでボールを奪い返すことができて二次攻撃、三次攻撃ができる」と問題を指摘していたように、ボールの失い方は大きなポイントだろう。

 正しい位置関係と距離でボールを動かせていれば、守備に切り替わってからも先手を取れる。すぐにボールを奪えなくても、自由を奪って制限することはできるはずだ。鹿島戦では大きなサイドチェンジからディフェンスラインの背後を狙われたが、その前段階に問題が潜んでいる。

–中断期間が与える影響は他チーム以上に大きい

 優良なポゼッションと、攻撃から守備へ切り替わる際のタフなトランジションを成立させるために、走行距離やスプリント回数といったフィジカル面がベースとなる。優勝した昨季はどちらもリーグ1位のデータを叩き出していたように、得点数やポゼッション率を支えていたのはテクニック以上にアスリートの要素だった。

 したがって、4か月の中断が与える影響は他チーム以上に大きい。フィジカルコンディションが上がってくるには、もう少し時間が必要かもしれない。もっとも指揮官もそれを理解し、7月上旬の3連戦ではメンバーを大きく入れ替えながら戦った。負傷のリスクを軽減すると同時に、多くの選手に実戦機会を与える必要があった。

 連覇へのチャレンジは簡単ではない。昨季とは違った課題や試練に直面し、それを乗り越えていかなければいけない。本来のパフォーマンスを発揮できるようになれば、昨季のように強い横浜を披露できるはずだ。

取材・文●藤井雅彦(ジャーナリスト)

サッカーキング

鹿島、ホームの観客の前で今季初勝利! 4得点で王者・横浜FMとの撃ち合いを制す | サッカーキング

 明治安田生命J1リーグ第5節が行われ、鹿島アントラーズと横浜F・マリノスが対戦した。

 今シーズン、鹿島はここまで開幕4連敗を喫しリーグ戦で最下位。『県立カシマサッカースタジアム』で行われた今回の一戦には5000人限定ながらサポーターが訪れ、鹿島にとっては今シーズン初めてホームの観客の前での試合となった。一方、昨シーズンの王者・横浜FMはここまで1勝1分2敗。前節のFC東京戦では1ー3で黒星を喫しており、対策が講じられる中でどのようなサッカーを見せるのか、注目が集まる一戦となった。

 先制したのはホームの鹿島だった。4分、FWエヴェラウドが左サイドの敵陣深くから中央へ、左足でクロスを送る。これをファーサイドで受けたFW上田綺世が、右足で落ち着いてゴールネットを揺らした。

 しかしその8分後、横浜FMも同点に追いつく。FWエジガル・ジュニオのパスを相手ペナルティエリア右で受けたFW仲川輝人が、中央へ絶妙なクロス。これを走り込んだFWマルコス・ジュニオールがダイレクトで合わせ、スコアはタイとなった。

 前半は、このまま1ー1で折り返す。

 迎えた後半、鹿島が勝ち越しに成功する。58分、右サイドの敵陣中央からDF広瀬陸斗が相手ゴール前へクロス。これに反応したFW上田がゴールネットへ流し込み、この日2点目を記録した。続いて67分、右サイドを駆け上がったMFファン・アラーノが、相手ペナルティエリア右から中央へクロス。これをゴール前で待っていたFWエヴェラウドが押し込み、鹿島はリードを2点に広げる。

 しかしその4分後、横浜FMも反撃を見せる。ショートコーナーの流れから、相手ペナルティエリア左角付近でボールを受けたFWマルコス・ジュニオールがコントロールショット。カーブがかかったボールがGKの指先を超えてゴールネットを揺らし、1点差に迫る。

 リードが縮まった鹿島だが82分、横浜FMのDFのパス交換がミスになり、途中出場のFW白崎凌兵の下へ。相手GKの位置を見ていたFW白崎は、敵陣中央からダイレクトでループシュートを放ち、これがゆるやかな弧を描いてゴールネットを揺らした。鹿島が再びリードを2点に広げる。

 結局試合はこのまま4ー2で終了。待望のリーグ戦1勝目を掴んだ鹿島は、今シーズンACLとルヴァン杯も含めて、公式戦7試合目にして初勝利を収めた。

ゲキサカ

上田綺世2発!!開幕4連敗の鹿島が王者・横浜FMから大量4ゴールで待望の今季初勝利 | ゲキサカ

 鹿島アントラーズはホームで横浜F・マリノスを4-2で下し、待望の今季初勝利を挙げた。ここまでわずか1得点だったチームが今季初先発のFW上田綺世の2得点などこの日だけで4ゴール。一方、昨季王者の横浜FMは今季初の2連敗となった。

 鹿島はクラブ史上初の開幕4連敗を喫した前節・浦和戦(●0-1)から先発4人を変更。MFレオ・シルバ、FWエヴェラウドが2試合ぶりに先発し、MF遠藤康、FW上田綺世が今季初先発で2トップを組んだ。
 横浜FMは前節のFC東京戦(●1-3)から先発5人を入れ替えた。DF松原健、MF喜田拓也、FW仲川輝人、FWエジガル・ジュニオ、FWエリキが2試合ぶりに先発。DF小池龍太、MF天野純、FW遠藤渓太、FW水沼宏太、FWオナイウ阿道の5人がベンチスタートとなった。[スタメン&布陣はコチラ]

 今季公式戦6戦全敗。その間に奪った得点はオウンゴールによる1点のみという鹿島だったが、リーグ再開後初めて観客の入ったホームゲームでついにゴールをこじ開けた。前半4分、敵陣でMF三竿健斗がボールを奪い、エヴェラウドが左サイドからドリブルで仕掛ける。松原の股間を抜いて縦に突破。左足のクロスをファーサイドで待ち構えていた上田がワントラップから右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。

 先制を許した横浜FMもすぐさま反撃に転じる。前半12分、中央からMFマルコス・ジュニオール、松原、エジガルとつないで右サイドに展開。仲川のグラウンダーの折り返しに走り込んだマルコスが右足で合わせ、鮮やかに同点ゴールを奪った。

 互いにハイラインハイプレスのコンパクトなスペースの中で試合は進む。横浜FMは前半25分、ゴール正面でFKを獲得。マルコスが右足で直接狙ったキックは壁8枚を越えたが、惜しくもクロスバーを叩いた。鹿島も前半36分にビッグチャンス。MFファン・アラーノが相手の高い最終ラインの背後に浮き球のボールを出すと、走り込んだ上田が抜け出し、GKと1対1に。しかし、トラップで切り返そうとしたところをGK梶川裕嗣に阻まれた。

 徐々に横浜FMがボールを保持して押し込む時間が長くなるが、鹿島も鋭いカウンターでチャンスをうかがう。前半アディショナルタイムには高い位置でのボール奪取からファン・アラーノが抜け出し、ドリブルで右サイドのスペースへ。中央をフリーで走り込む上田に完璧な折り返しを通したが、上田の狙い澄ました右足シュートはゴール左へ。GKと1対1の絶好機に枠を捉えられず、前半は1-1で折り返した。

 横浜FMは後半開始からエジガル、DFチアゴ・マルチンスに代えて遠藤とDF伊藤槙人を投入。後半6分にはエリキに代わってオナイウが入り、遠藤が左ウイング、オナイウがセンターフォワードを務めた。鹿島も後半8分、三竿に代えてMF永木亮太を投入。試合前から立ち込めていた霧がさらに濃くなり、雨脚も強まる中、後半は徐々に鹿島が押し込んでいった。

 後半6分の上田のシュートはGKに阻まれ、同10分のエヴェラウドのミドルシュートは枠を外れる。しかし、後半13分、エヴェラウドのポストプレーからレオ・シルバが右サイドに展開。オーバーラップしてきたDF広瀬陸斗がワンタッチでグラウンダーのアーリークロスを送ると、これに反応した上田が滑り込みながら右足アウトで合わせた。

 上田の2得点目で2-1と勝ち越しに成功した鹿島。さらに後半22分、カウンターから遠藤が右サイドに展開し、ファン・アラーノの低いクロスにファーサイドから走り込んだエヴェラウドが合わせた。エヴェラウドの来日初ゴールで3-1と突き放した鹿島だが、横浜FMも後半25分、左CKのショートコーナーからPA左外で持ったマルコスが右足で狙い澄ましたミドルシュートをゴール右上隅に流し込み、1点差に追い上げた。

 直後の後半26分にMF土居聖真とMF白崎凌兵、同35分からはFW伊藤翔とMF和泉竜司をピッチに送り込んだ鹿島。すると後半37分、横浜FMのビルドアップでDF畠中槙之輔の横パスが弱くなったところを白崎が見逃さず、前に出ていた相手GKの頭上を越す鮮やかなループシュートでダメを押した。4-2と勝利を決定づけた鹿島。3090人のサポーターの前で待望の今季初勝利を飾った。

(取材・文 西山紘平)

 
 
研究されるハイライン…3試合9失点の横浜FM 扇原「失ったらすぐ逆サイドに蹴ってくる」 | ゲキサカ

 今季最多の4失点で今季初の2連敗を喫した。横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督は「自分たちのミスから失点したことが敗因」と厳しい表情。自陣でのボールロストやシンプルなカウンターからハイラインの背後を突かれ、失点を重ねた。

「失い方が悪ければ、ああいう失点の仕方をしてしまう」。MF扇原貴宏はそう唇を噛む。開幕4連敗と苦しんでいた鹿島に初白星を献上する結果となり、「前半はそこまで悪くなかったけど、自分たちのミスでリズムが悪くなった。相手の状態も良くないなとは感じていたけど、自分たちのミスで相手に自信を与えたのかなと思う」と指摘した。

 最近3試合で計9失点。最終ラインを高く保ち、低い位置からボールをつないでいくサッカーを志向するだけに、失いどころが悪ければ、DFラインの背後には自然とスペースが空いている。昨季王者である横浜FMを対戦相手は十分に研究し、より一層対策を練ってくるのは自明の理だ。

「失ったら(相手は)すぐに逆サイドに蹴ってくるし、一発でひっくり返すようなボールが増えている。そこは突き詰めないと、自分たちのサッカーはボールを握るサッカーなので、そういうところでうまくいかないとこういう結果になる」

 扇原はそう分析したうえで、「集中力だったり、コミュニケーションはもっと取らないといけない。球際もそうだし、ファウルでつぶせるところはつぶさないと。みんなの反応も少し遅いかなと感じている。細かい出足の部分や集中力にもっとこだわってやっていきたい」と、ベースとなる部分の課題も口にした。

(取材・文 西山紘平)

 
 
西村主審「だって円だもん!」横浜FM選手たちとの“せめぎ合い”に注目集まる | ゲキサカ

 Jリーグが18日、Youtube公式チャンネルに投稿した動画に収録されている西村雄一主審と横浜F・マリノス選手たちのやり取りが、SNS上などで話題となっている。

 動画は同日に行われたJ1第5節の鹿島アントラーズ対横浜F・マリノス戦のワンシーン。後半16分、ゴール正面で鹿島が獲得した直接フリーキックの場面で、壁を作ろうとしている横浜FMの選手たちと西村主審が対面し、真剣な話し合いをしている姿が映し出されている。

 バニシングスプレーで弧を描くように壁の位置を記した西村主審に「なんでこうなってるの?」「なんで線が曲がってるの?」と尋ねるMF扇原貴宏ら横浜FMの選手たち。これに対して西村主審も「下がって!だって円だもん!」と熱心な応答。サポーターのチャントや歓声が制限されているからこその貴重なせめぎ合いシーンだ。

 当初はDAZNなどを通じて試合を見ていた両チームのサポーターから、西村主審の言葉「だって円だもん!」が「かわいい」として評判を呼んだ。すると追ってJリーグ側も公式動画としてYoutubeに投稿。この動画のコメント欄には「こんなに話し方可愛いのか」「こういう時にしか楽しめない事もあるんだなぁ」といった反応が見られた。

 なお、Jリーグが再開後から採用している2020-21シーズン競技規則では、FKの際には「すべての相手競技者は9.15m(10ヤード)以上ボールから離れなければならない」と定められている。この場合、立ち入り禁止の対象範囲はボールを中心とした半径9.15m。したがって「だって円だもん!」は正しい運用だと言える。


「だって円だもん」。思わず聞き入っちゃう西村主審と壁に立つ横浜FMの選手たちの会話。 – YouTube
 
 
“優勝メンバー”起用も…王者・横浜FMがミス絡みの4失点で2連敗(20枚) | ゲキサカ
横浜FM畠中、ダメ押し弾を与える痛恨パスミス…(4枚) | ゲキサカ
2得点のマルコスは“横浜FM包囲網”に「やりにくさは感じる」(12枚) | ゲキサカ
自分たちのミスを悔やむ横浜FM扇原「相手に自信を与えた」(4枚) | ゲキサカ
横浜FM仲川、同点弾アシストも自身の今季初ゴールはお預け(8枚) | ゲキサカ

王者マリノス崩壊? 失点激増の要因とは。連敗脱出のために求められる原点回帰 | フットボールチャンネル

–鹿島も突いてきた「弱点」

 昨季王者の横浜F・マリノスが苦しんでいる。リーグ戦再開から4試合でわずかに1勝。直近3試合で9失点を喫した。

 18日に行われた明治安田生命J1リーグ第5節では鹿島アントラーズに2-4で敗れた。しかも、4連敗していた相手に今季初勝利をプレゼントしてしまう形に。優勝した昨季は年間38失点と守備も堅かったマリノスは、いったいどうしてしまったのか。

 試合後の記者会見に現れたアンジェ・ポステコグルー監督は、頭を抱えながら椅子に座り、大きく息を吐いた。怒りが湧き上がってきているのは明らかで、「自分たちのミスから失点してしまったことが敗因」「ミスが多いから失点してしまう。そういうところをなくさないといけない」と繰り返し嘆いた。

 対戦相手の研究や対策が進み、2節前の湘南ベルマーレ戦からは同じような失点パターンも続いている。斜め方向のサイドチェンジでディフェンスラインの背後に大きく展開され、マリノスの布陣がスライドして対応しようとすると、さらにサイドチェンジ。手数をかけないチームは、パス3本ほどでシュートまで持ち込んでくる。

 しかも上背のないサイドバックがいる、遠いサイドへのハイクロスが狙い目だ。鹿島も先制点の場面で、サイドをドリブルで突破したエヴェラウドのクロスが懸命にジャンプしたティーラトンの頭を越え、その奥に走り込んでいた上田綺世のシュートにつながった。

 鹿島を率いるザーゴ監督は「どんな強い相手でも弱点がある。目立った弱点はディフェンスラインが非常に高く、その背後に広大なスペースがあること。それは必然的に使わなければいけないし、狙わなければいけない。それは練習してきまたし、説明もし、映像も見せた。しっかりと練習で準備したものを試合で出した選手たちを称えたい。狙いどおりの形が作れたと思う」と語った。マリノス対策を講じてくるチームの戦略は、ディフェンスラインの背後を狙うこと。どこもだいたい同じだ。

–不振を象徴? 気になるスタッツが…

 なぜ同じところを狙われ、改善できない状況が続くのか。マリノスのMF扇原貴宏は「奪われたらすぐ逆サイドに蹴ってきたり、ディフェンスラインの裏に一発でひっくり返してくるようなボールが増えている。(ボールの)失い方が悪いからそうなる」と分析する。

「失い方が悪かったりすればどのチームでもピンチになるし、アタッキングサードまで確実にビルドアップできれば(ピンチは)減ると思います。集中力を切らさないようにだったり、組織としてコミュニケーションはもっともっと取らなければいけないと感じています。

今日の試合で言えば、球際でファウルをしてでも潰さないといけないシーンがありました。攻守が切り替わったときの反応が悪いとも感じているので、リアクションや出足や集中力にもっとこだわってやっていきたいです」

 扇原の指摘は的を射ているのではないかと思う。攻撃と守備は表裏一体で、どちらかがうまくいっていなければ、もう一方もうまくいかない。攻守の両輪をスムーズに回転させられていた昨季終盤の絶好調だった頃と、最近を比べて気になるデータもある。

 Jリーグが公式に発表しているスタッツを参照すると、マリノスは昨季終盤の7連勝のうち5試合でスプリント回数が「200回」を超えており、対戦相手に回数で上回られたのは松本山雅FC戦だけだった。

 一方、今季のリーグ戦再開後4試合のスプリント回数のデータを見ると、「200回」を超えたのは一度だけ。そして、4試合全てで相手にスプリント回数で大きく上回られている。例えば4失点した鹿島戦ではマリノスが「167回」だったのに対し、相手は「206回」を記録した。直前のFC東京戦でもマリノスの「150回」に対し、相手のFC東京は「213回」と大きく差をつけた。

 チーム全体の走行距離はそれほど変わっていないが、交代枠が3人から5人に増えて、後半によりフレッシュな選手が多くなる条件が揃っているにもかかわらず、スプリント回数が大きく減少している。

 断定は難しいが、「守備でプレッシャーをかけきれていない」「自軍ボール保持時に追い越しやポジションチェンジの動きが少ない」「被カウンター時の戻りが間に合っていない」「逆サイドからのクロスに飛び込むような動きが少ない」などスプリントが減った原因はいくつか推測できる。

 これらはいずれもマリノスが強みとして誇ってきたものでもあるだろう。夏場の連戦による疲労やリーグ戦再開から間もないことなども要因として考えられるが、対戦相手がしっかり動けている以上、言い訳にはできない。

–4失点目は「個人のミスではない」

 実際に試合を見ていても、選手同士の距離感が遠く、ボールを持った選手がパスの受け手となる味方を探してしまう場面がよく見られる。そのせいで判断がワンタッチ、あるいはツータッチ分遅れ、テンポも上がらず、相手に考える隙を与えてしまっているとも考えられる。頻繁にポジションを動かしながら高速でパスをつなぎ続けることで、相手に捕まえどころを与えないサッカーがマリノスの持ち味だったはずだ。

 鹿島戦の67分、中盤でボールを奪われてのカウンターから3失点目が生まれた。一度、2対3という数的不利な状況を作られながら、畠中槙之輔が遠藤康のパスをカットして少し時間的猶予が生まれる。それでも、ボールがゴールネットを揺らすまでに戻ってこられたのは畠中、伊藤槙人のセンターバック2人に、扇原と喜田拓也のセントラルMF2人を加えた4人だけだった。カウンターが始まった時点で両サイドバックはかなり高い位置を取っていたが、ゴールが決まるまでの約10秒間があれば、ペナルティエリア近くまで戻ってくるのは可能ではなかったか。

 さらに82分の4失点目も象徴的だった。1点差に迫って、前がかりになっていた状況ではあったが、伊藤からのパスを受けて顔を上げた畠中の視界に次のパスコースは1つも見えていなかっただろう。ティーラトンも喜田も天野純もかなり遠く、ポジショニングも曖昧でサポートに入れていなかった。結果的に畠中は後ろ向きにボールをコントロールし、安易な横パスを奪われて失点につながった。普段の彼なら起こりえないパスミスのように見えた。

 扇原は「ああいうミスは、シン(畠中)個人のミスではないと思っています。周りのサポートや距離感がどうだったのか見直さなければいけない。負けているからこそいい距離感でやらないといけない。そういうところはで冷静にこだわってやらなければいけないと思います」と4失点目を悔やむ。これこそ今のチームの現状を反映していると言えそうだ。

–いかに不振を脱するか

 では、どうすれば改善できるのか。鹿島戦には出場しなかったが、今季新加入のDF小池龍太は次のような考えを語る。

「まず攻撃している時に自分のスペースを空けていることをしっかり頭の中に入れなければいけないと思います。その意識はみんな持っているけれど、やられていることがやっぱり多い。なので、自分のスペースに戻れる距離を確認しつつ攻撃参加することと、何よりは切り替えを早く、間に合わなくてもとりあえず走って、しっかり戻って、最後まで諦めないこと。

そういう軽く見えないようなプレーが相手のミスを誘ったりするし、そういったところで最後まで自分が100%で走りきれるかどうか。そういったところができてくれば自ずとスペースは消えてくると思うし、相手も『対策してきた』というマインドになると思うので、1人ひとりのタスクをもっとしっかりこなさなければいけないと思います」

 根性論のようにも聞こえるが、やはり「走ること」はマリノスの戦術の一部でもある。昨季も走り勝っていれば、試合にも勝っていることが多かった。昨季までアシスタントコーチを務めていたピーター・クラモフスキー(現清水エスパルス監督)が口酸っぱく言っていた「カラダノムキ!(体の向き)」のの重要性を改めて感じる。

 喜田は湘南戦の終盤、きつくなってきた時間帯に「(全員が)パスコースになって! (正しい)ポジションとって! 1人ひとりがサポートして!」と叫んだ。ポステコグルー監督も就任当初から「全員に勇気を持ってパスを受けにきてもらいたい」と言い続けていた。今こそ、この原点に立ち返る時のような気がしている。

 小池は「奪われた後のアクションやどこに進もうとしていたかを大事にしていきたい」と語り、さらに続ける。

「ゴールエリアの近くで奪われることを考えるよりも、しっかりフィニッシュで終わったり、やりきるところ。スルーパスであっても、(味方が)届かないくらいがちょうどいいのかなと思っています。今は『安パイ』というか。難しく考えるよりも1人ひとりがプレーをやりきるところをもっと出しきれればいいかなと思います」

–アタッキング・フットボールは失われていない

 鹿島戦の1点目を見れば、マリノスのアタッキング・フットボールの魅力が失われていないことはよくわかる。ティーラトン、エジガル・ジュニオ、マルコス・ジュニオールとつないで、エヴェラウドの背後から飛び出してきた松原健がペナルティエリア手前で斜めのパスを引き出した。

 そして、すぐさまエジガルがサポートに入り、右アウトサイドで待っている仲川輝人に展開。ボールが動いている間にゴール前へ侵入していたマルコスが、仲川からのラストパスを受けてシュートを放った。長短のパスを織り交ぜながらテンポを変え、頻繁に動き直してポジションチェンジを繰り返し、一気にスピードを上げて少ないタッチのパスワークで崩しきる。これこそがアタッキング・フットボールの真骨頂というゴールだった。

 昨季まで「できていたこと」が何もかもできなくなったわけではない。ベースの完成度は高く、選手たちの戦術理解度も高い。ならば、距離感やスピードの感覚を取り戻し、パスワークの精度を上げて、フィニッシュに至る回数を増やせばいい。

 シュートで攻撃を終えられる回数を増やせば、リスタートのゴールキックやコーナーキックも増え、カウンターで即座にピンチを招く回数は減る。スプリント回数を少し増やし、ポジションチェンジやプレッシングの強度を上げられれば、相手は消耗し、判断やプレーの精度を下げることもできる。どんどん仕掛ければ、ゴール近くでファウルをもらう回数も増えるかもしれない。

 相手守備ブロックの外側でパスを回せてボール支配率は高くなっても、その攻撃に怖さはない。果敢なペナルティエリアへの侵入も昨季のマリノスの強みの1つで、そこでのPK奪取も勝利に直結していた。

 今のところなかなか結果は出ていないが、全てがうまくいっていないわけでもない。「泥沼」というような状況でもないだろう。「自分たちのサッカー」を続けながら対策を上回っていくには、今こそ原点に立ち返るべきだ。過密日程に加えて暑さや湿度もあってきついのは百も承知。だが楽をして勝つことはできないし、避けられない道もある。走れ、マリノス。

(取材・文:舩木渉)

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