(´-`).o0(2019/5/29(水)夜は、半袖だと肌寒い)
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2019/05/29 【横浜】強力な交代カードを実装。アップグレードした感のある『アタッキング・フットボール』 | サッカーダイジェストWeb
–左ウイングからCF、そしてトップ下に
今のところ、アンジェ・ポステコグルー監督の“英断”は『吉』と出ている。
4-3-3の基本システムは変わらない。手を加えたのは、中盤のトライアングルだ。開幕からアンカー+2枚のインサイドハーフの逆三角形だったが、12節の・神戸戦からはダブルボランチ+トップ下の正三角形に。効果はすぐに表われる。神戸戦は4-1、続く磐田戦は4-0と、2戦連続の4得点で連勝を飾っている。
守備的MFの枚数が増えたことで、中盤の守備は安定感を増した。不動のアンカーだった喜田拓也の横に、ルヴァンカップなどで好アピールを続けていた扇原貴宏を並べる。「お互いがお互いを見ながら、空いているポジションに入ったり」(扇原)と、ふたりの役割分担は明確に決められているわけではなく、状況に応じてフレキシブルに振る舞う。
それでも、“捌く扇原”、“奪う喜田”というそれぞれのキャラクターが表現される場面が増えている印象だが、配給力の高い扇原は守備のタスクも献身的にこなし、元々守備力の高い喜田はよりディフェンスに集中できるようになった。これまではアンカーの喜田ひとりがカバーしていたエリアを、運動量にも優れるふたりがしっかりと監視する。中盤の守備の強度は間違いなく上がり、攻守のバランスもさらに整備された。
トップ下には、マルコス・ジュニオールが入った。当初は左ウイングを担当し、その後、エジガル・ジュニオや李忠成の負傷離脱によって空いたCFで主にプレーしていたが、E・ジュニオや李が復帰したこともあり、中央の位置でひとつポジションを下げた。
これが見事にハマった。
「僕の後ろにはボランチがふたりいますので、ある程度、自由に動くことができます。そこまで守備のことを気にしなくてもいいポジションだとも思うので、活き活きと見えたのではないでしょうか」(M・ジュニオール)
攻撃時の様々な場面で積極的に顔を出しては、チャンスメイクにもフィニッシュにも関与。神戸戦、磐田戦で連続ゴールと、得点源としても貴重な働きぶりを披露する。ここ最近の大量得点での連勝は、このブラジリアンのハイパフォーマンスなしではあり得なかった。
–代表クラスのアタッカー投入でたたみかける
「みんな(ボールを)失わないし、普通に上手い。ちゃんと鍛えられているというか、SBがすごい位置まで入ってきたり、特殊な攻め方をするなかで、捕まえきれなかった」
4失点を食らった磐田のディフェンスリーダー大井健太郎が、悔しさを滲ませつつも、横浜の強さを認める。選手の並びを多少、変えても、トリコロールが標榜する『アタッキング・フットボール』の威力は変わらなかった。
このマイナーチェンジは、思わぬ副産物をもたらす。交代カードの充実だ。
先述したとおり、現在の中盤のトライアングルは喜田、扇原、M・ジュニオールの3人がファーストチョイスとなっている。逆三角形から正三角形への変更に伴い、先発から外されたのが、それまで2枚のインサイドハーフでレギュラーだった天野純と三好康児だ。
ふたりの技巧派レフティがベンチスタートに。両者に思うところはあるはずだが、チームとしてトータルで見れば、十分にスタメンを張れる実力者をベンチにスタンバイさせられるのは、ある意味、贅沢でもある。
試合の途中から、代表クラスのアタッカーを投入できるのは大きな強みであり、また怪我から復帰して状態を上げてきている経験豊富な李も控えている。実際、神戸戦では途中出場の三好が2ゴール、李が1ゴールを叩き出せば、天野は得点こそ挙げられていないものの、随所にアグレッシブな姿勢を見せて、攻撃を活性化。神戸戦での三好の2点目は、天野のミドルシュートがきっかけとなって生まれている。
中盤の編成を変えて守備を安定させつつ、ポゼッション重視のスタイルで試合の主導権を握り、相手を押し込んで、リードを奪った後でも、攻撃的な交代策で圧力をかけて、たたみかける――。
「負けを恐れていません。勝つ。とにかく勝ちにいく。それが自分の信念でもあります」(ポステコグルー監督)
強固な意志を持つ指揮官の下、アップグレードした感のある横浜の『アタッキング・フットボール』のさらなる破壊力に注目だ。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
2019/05/29 横浜F・マリノス2戦連続4得点 第12節の完敗を経てさらなる進化|【SPAIA】スパイア
■完全に封じられたC大阪戦
第12節4-1、第13節4-0。およそサッカーのスコアには見えないが、横浜FMの直近2試合の結果である。1試合に両チーム合わせて3得点入るかどうかと言われているサッカーで2試合連続4得点と攻撃陣が爆発。横浜FMのアタッキングフットボールが開花した。
このきっかけとなったのは第12節から取り入れた大胆な変更。第12節からそれまでチームを引っ張ってきた10番天野と41番三好はベンチスタートとなっている。
横浜FMの特徴は最終ラインを高く上げ前線に人数をかけてサッカーをする。そのため攻撃力も高いのだが失点も多い。そういったチームの仕組みから結果的に大量失点で敗れることもある。
そんな横浜FMは第11節、敵地に乗り込んでのC大阪戦で0-3の完敗を喫したのだが、この試合はそれまでの大量失点で敗れた試合とは少し様相が違っていた。
ボール保持率では65%を記録。パスも回せている。しかし、ペナルティエリア付近の合計プレー数ではC大阪の70回に対して横浜FMはわずか40回。ウイングポジションで選手を起用しているにもかかわらずクロス数もC大阪の17本を下回る12本しか記録していない。
ポステコグルー監督が「残念で仕方ない。自分たちのサッカーができずにこういう結果になってしまった」と語ったほどやりたいことをさせてもらえなかったのである。
■横浜FMサッカーの要を封殺
その要因となったのは三好と天野のインサイドハーフを封じられたこと。4-3-3からSBが中央に入り2-3-5へと変化する横浜FMのボール保持攻撃の中で、前線5人の両サイドから1つ内側にあたるインサイドハーフのポジションは重要な役割を担っている。
彼らが相手DFの間に立つからこそ、両WGがサイドに開き攻撃の幅を出せるからだ。C大阪はこの2人のインサイドハーフに対して包囲網を作り上げた。まずビルドアップでブロックの外側へと押し出した。
これだけではそれほど珍しい方法でもない。ビルドアップでボールを落ち着かせるためにインサイドハーフを下げることは横浜FM自身でもよく行う形である。
しかし、ここからC大阪はインサイドハーフに対してプレッシングをかけてボール奪取。さらに奪ったボールでインサイドハーフの背後のスペースをカウンターで狙った。
ということは、インサイドハーフを狙い撃ちにしたのである。そうなると横浜FMのインサイドハーフはボール保持の中で前に出ていくことができなくなる。このポジションに入る天野や三好のプレーが良かったかどうかではなく、横浜FMのサッカーそのものが機能させられなくなってしまったのだ。
これは横浜FMにとって致命的だった。C大阪と同じことが他のチームにできるかどうかという問題はあるが、確実に横浜FMを封じる方法を提示されてしまったのだ。
■フォーメーションと役割を変えた横浜FM
C大阪に完敗を喫した翌節となる神戸戦。マリノスは大きな変更を加えた。それまでチームを支えてきた天野と三好はベンチスタート。代わりに扇原とエジガル・ジュニオが先発する。
扇原はまだしもエジガル・ジュニオはCF。天野や三好とはポジションが異なる。そう、布陣を一新したのである。この試合から横浜FMは4-3-3から扇原と喜田が守備的MFで並び、トップ下にマルコス・ジュニオールが入る4-2-3-1に変更。インサイドハーフそのものを無くしてしまったのである。
一般的に考えると布陣が変わるとボール保持攻撃での並び2-3-5も変わる。しかし、横浜FMにとってこのボール保持攻撃での並びはストロングポイント、変えたくない部分である。そこで並びは変えず各位置に入る選手を変えてしまったのだ。
これまで4-3-3から両SBが内側に入り2-3-5になっていたところを、CB2人による最初の2は変えないものの2人の守備的MFと右SBで中盤の3を作り、トップ下の選手と大きく上がってくる左SBが前線で間に入り5を形成するようになったのである。
この形であれば、少なくとも常にトップ下の選手1人は間のポジションを取ることができる。磐田戦でも右SBを広瀬から和田へと選手の入れ替えはあったものの役割自体の変更はなし。新たな形で2-3-5をつくることで爆発的な得点力を発揮しているのである。C大阪戦での完敗を経て新たな進化を果たした横浜FM。アタッキングフットボールはまだまだ続きそうだ。
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