夕刊こけまり:今日の横浜F・マリノスまとめ(2019/05/16) #fmarinos


夕刊こけまり:今日の横浜F・マリノス(まとめ)

(´-`).o0(2019/5/16(木)、週初めの天気予報から良化)
 
 

アンカー(目次)

1.横浜F・マリノスオフィシャルサイト
2.今日の練見(れんみ)
3.Twitter / Instagram
4.Webニュースログ 
 
 

横浜F・マリノス オフィシャルサイト

5/18神戸戦に関するお知らせ(開門時間の変更、ユニ引換詳細、残席状況) | ニュース一覧 | 横浜F・マリノス 公式サイト
(´-`).o0(しっかり読んで、間違え無いようにー)
 
 

今日の練見(れんみ)

(´-`).o0(非公開)

 
 

Twitter / Instagram


 
 

Webニュースログ

2019/05/16 久保建英や安部裕葵が不在でも…山田康太がU-20日本代表のダイナモになる | サカノワ

–前線の躍動を支えた頼れる存在。

 横浜F・マリノスの山田康太がU-20日本代表の一員として、ポーランドで5月23日から開催されるU-20ワールドカップ(W杯)に挑む。

 昨年のU-19アジア選手権にも臨み、このU-20W杯の出場権獲得に貢献している。スーパーFKをねじ込むなどインドネシアで耳目を集めた久保建英、10番として日本を牽引した安部裕葵、ゴールラッシュで脚光を浴びた宮代大聖や斉藤光毅。彼らをサイドバックやサイドハーフでどっしりと構え、支えていたのが山田だった。

 出発直前の5月13日の流通経済大との練習試合は、コンディション調整に主眼が置かれた。そのなかで、あらゆるポジションでプレー可能な点が売りの山田は、ボランチで伊藤洋輝とコンビを組んだ。

「最低限はできました。負けちゃいけない。そこは出せました。このチームでボランチとしてプレーするのは久しぶりで、やるべきことも変わってきます。セカンドボールを拾い、相手からボールを奪い、チームに必要とされていることは把握して、そこは整理できて試合に入れました」

 おそらくU-20W杯では、もちろんボランチ起用もあり得るが、サイドが主戦場になる。相手チームにものすごいスピードを持つサイドバックやアタッカーがいれば、それに対峙する形があり得る。ボールを奪った瞬間、山田が起点となって、たちまち日本のチャンスになる。または、逃げ切りたい時のカードとしても有効だ。

「自信を持ってカードを切るか。一緒に闘えるか。そういった選手を選んだ」と影山雅永監督は選手の選考理由を語っていたが、特に山田こそそれに当てはまる。頼れる存在だ。

 山田はこのチームでの役割について、「勝つために必要なプレー、求められているプレー、一つひとつの判断でチームがうまくいくように。そこは出していきたいです」と語る。

「スピードやフィジカルがすごい選手の特長はしっかり把握して臨みたい。日本の良さを90分間のなかでどれだけ表現できるか。(ゴールは?)世界大会にとっておきます。前に行ったら、積極的に打っていきたいです」

 チームのため、という以上に勝利のために。その最善の選択をしていくという。

「昨日も多くのサポーターの方が寄せ書きを持ってきてくれて嬉しかったです。マリノスの代表としてプレーして、いい報告ができるように。お互いが良い結果を残していきたいです」

 横浜FMの活動から約1か月間は離れる。勝ち上がれば、さらにポーランドの滞在期間は伸びる。その間、勝利の「結果」を残すことで、マリノスの選手たちと刺激し合いたいと言う。

「やるべきサッカーは共有できています。集まる前に10分ぐらいの(チャンピオンズリーグなど)編集された動画を見ました。それを通じて、この大会に懸けるスタッフの強い想いも感じました」

 山田がダイナモとなって、そのエネルギーをチーム全体に伝播させていく。それを享受した前線の選手が世界を舞台にきっと躍動する。

 そしてギブアンドテイク。そろそろ山田へのフィードバックもありそう。果たして、山田にどんな未来が待っているのか――。

「チーム全員でやるべきことをやって、悔いの残らない大会にしたいです」

 まず、何より「勝利」のために。そのスタンスは一貫している。

取材・文:塚越始

2019/05/16 マリノスはなぜ「完敗」を繰り返してしまうのか。セレッソ戦で顔を出した慢心、貫くべきこだわり | フットボールチャンネル

横浜F・マリノスは今季3敗目を喫した。11日に行われたアウェイでのJ1第11節・セレッソ大阪戦は自信を掴みかけたチームにとって強烈な衝撃となる0-3の完敗。なぜこれほどまでに何もできず敗れたのか。そしてアタッキング・フットボールを貫くために進むべき道とは。(取材・文:舩木渉、データ提供:Wyscout)

–「簡単な、楽なゲームだった」(清武)

 一方から見れば「完敗」、もう一方から見れば「完勝」。これほど勝敗のコントラストがわかりやすい試合はなかなか珍しいのではないだろうか。

「走り勝ちですね、今日は。ポゼッションするより裏に走ってくれる選手が生きた試合だと思うし、今年に入ってこういう試合は初めてだったと思うので、考え方としては簡単な、楽なゲームだったと思います」

 この清武弘嗣の言葉が全てを物語っていると言ってもいい。11日に行われた明治安田生命J1リーグ第11節、セレッソ大阪は横浜F・マリノスに3-0で勝利した。開始2分で水沼宏太が奪ったゴールで試合が大きく動き、高い攻撃力が武器のマリノスにほぼ何もさせず勝ちきった。

「最初に失点したのが結構痛かったですけど、自分たちのやることをやれていなかったのが一番悔しい結果になった理由かなと思います」

 マリノス守備陣の要にして攻撃の起点にもなる畠中槙之輔は、「自分たちのやること」を貫こうとしたものの、同時に違和感を覚えながらプレーしていた。

「大事につなぐという意味でも、意図したわけじゃないですけど、後ろに人数が増えてしまったりとか、幅を使って攻めようという部分では逆にそれで1人ひとりの距離が広がって、孤立するようなシーンも……どちらにしろ動きも少なかったですし、良くない部分が出ちゃったイメージがあります」

「いつもだったら(自分がボールを持ったら)前線にパスコースがいくつもあるんですけど、今日は前線というよりも足元に受けに来るとか、相手の前に下りてきてしまうシーンが多かったので、あまり効果的な(パス)回しはできなかったと思います」

 これこそがまさにセレッソの守備の狙いだった。4-4-2でブロックを敷いた桜の軍団は、前半途中に都倉賢が負傷交代するアクシデントがあったものの、規律のとれた動きでマリノスのビルドアップを遮断していった。特に選手間の距離が適切かつ一定に保たれたまま機能していた左右のスライドの動きは見事だった。

 中盤で戦術の核となる働きをしていた奥埜博亮は、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が仕込んだセレッソの守備の狙いを次にように説明する。

「(マリノスは守備組織の)間に縦パスを入れてからスピードアップしてくるチームだったと思うので、そこで今日は自分たちの守っている(ブロックの)外でボールを回させていたと思うし、その中に入ってきた時にしっかり引っ掛けてカウンターというのもできていたので、チームとしての狙いはできていたのかなと思います」

–人もボールも動かせず…

 実際、マリノスが本来武器にしているテンポの良い組み立てや崩しはことごとく封じられた。例えばセンターバックを起点に、中盤のアンカーや内寄りにポジションを取るサイドバックが関与しながらパスを出し入れし、相手を引きつけたところで危険なスペースに入り込んだインサイドハーフに預けたり、サイドに張ったウィングに仕掛けさせたりする定番の流れに持ち込むことができなかった。

 マリノスの左サイドバックに入っていた和田拓也は「相手がかなり中を締めていたので、後ろが外に押し出される感じになって、前と後ろ(の距離)が長くなってしまった。(サイドバックが中に入っていくスペースがなくて)ちょっと下がっちゃうとか、外に開いちゃうとかもあって、それはセレッソもかなり意識して対応してきたと思います」

 いつもなら選手間の距離を近くしてパス交換をしていると、相手の選手が前に出て潰しにくる。それによって相手の中盤の背後にできるスペースや、組織としてのバランスが崩れたところに入り込んでボールを前進させていける。

 だが、この日のセレッソは全く動じなかった。ボールを失うと全員で自陣に退き、縦にも横にもコンパクトなブロックを形成する。とはいえ、ただマリノスの前進を許すのではなく、危険なエリアに入る手前でパスを受けた選手には複数人で囲い込むようにプレスをかけ、そこでボールを奪った瞬間に切り替えてカウンターへ。桜色のユニフォームをまとった前線の選手はマリノスの浅いディフェンスラインの裏に猛然と駆け出し、それに呼応するように後ろの選手たちもサイドバックの裏(センターバックの外側)を狙ったロングボールとスプリントで続く。この流れが繰り返された。

 ボールも人も動かせないことで、マリノスの全体に違和感が広がっていく。相手2トップと対峙する2人のセンターバックをアンカーの喜田拓也が下りてサポートして3対2を作る。ただ、ここでサイドバックが中央に入ってくるスペースがない。

 そうなるとインサイドハーフの天野純や三好康児もパスを受けるためにポジションを下げるが、いざボールをもらって前を向いてもFWやウィングへの距離が遠く、孤立してしまう。近距離のトライアングルを連続して作り出し、常に複数のパスコースを設けながら前進していく攻撃の流れは寸断されてしまった。うまくいかない時間が続き、チーム全体の動きや思考は硬直していく。

 開始2分で先制ゴールを奪っていたセレッソにとっては願ってもない展開。奥埜は「相手のボール回しを見て、アンカーの選手が結構後ろに下がり気味でボールを回していたので、そうなればFW2枚で見て、(アンカーが)高い位置を取れば僕が出てという形でやろうとはしていました」と、守備対応の原則について明かす。

 この形がハマっていたからこそ、畠中の言う「後ろに人数が増えてしまったりとか、幅を使って攻めようとすると逆にそれで1人ひとりの距離が広がって、孤立するようなシーン」が発生してしまった。和田も「前半はかなり相手に釘付けにされちゃったというか、みんな立ち位置があまり変わらなかった」と“いつも通り”の自分たちのサッカーができなかったことを悔やむ。

–データが示す2つの試合の違い

 GKのパク・イルギュも最後方からマリノスのちぐはぐさを感じていた。

「(中盤から)下りてきて(パスを)受けたんだけども、結局前との距離が空いてしまって、前に入れられるんですけど、入れたところで孤立している。それだったらもうちょっと後ろで回しながら押し上げていこうという意図があったと思うんですけど。そこにもうちょっと早く気づいて、下ろすんじゃなくて、自分含めたセンターラインがもっと高い位置を取ってからやれればよかったんですけど、ちょっと前が下りてきすぎちゃって、後ろが重くなってしまって。これが前にパワーを持っていけなかった要因だったと思います」

 そして「良くも悪くも鹿島戦で先制されながらも後半で逆転できちゃったのが、変にみんなイメージがついちゃっているから、そのままやれば点を取れるだろうと思っていたのでは」と、チーム全体から感じた問題点も指摘する。「前半のうちに追いつけるタイミングがあったら追いついていく、逆転できるタイミングがあるなら逆転していくという強い気持ちをもって、もうちょっとゴールを取りにいく姿勢を出していかないと、こういうゲームになってしまう」のである。

 データもセレッソ戦と鹿島アントラーズ戦、同様に先制された試合ではあったが、それぞれのコントラストをよく示している。

 セレッソ戦で生まれたパスの受け手と出し手の関係を分析すると、最多は「喜田→チアゴ・マルチンス」の24本、それに「チアゴ・マルチンス→畠中」の22本、「畠中→和田」「チアゴ・マルチンス→喜田」の21本、「和田→畠中」の17本、「畠中→天野」の16本と続いていく。

 喜田が後半途中から選手交代に伴って右サイドバックに入った影響があるとはいえ、ここに出てくる選手たちの位置関係を考えればディフェンスライン近くでの横パスやバックパスが多かったことは容易に想像がつく。

 一方、鹿島戦はまた違った傾向が見えてくる。同じデータで最多は「畠中→和田」の22本、さらに「畠中→喜田」の21本、「喜田→畠中」「畠中→天野」の20本、「和田→天野」の19本、「和田→遠藤渓太」の18本となっている。

 ここから読み取れるのは最終ラインから中盤へ前向きのパスが多かったこと、また左サイドバックを経由して中盤やウィングに展開できていたことだ。バックパスもそれなりにあったが、「畠中→遠藤」が15本、「天野→遠藤」「遠藤→天野」が14本を記録していたことも考慮すると、中盤よりも前へスムーズにボールを運べていたことがわかる。

–選手交代にも問題あり?

 マリノスのチーム状態を測るバロメーターとも言えるアンカー喜田のパス方向のデータをサンプルとして、セレッソ戦と鹿島戦で比較してみても、2つの試合の違いははっきり現れている。セレッソ戦での「縦パス:バックパス:横パス」の数字(カッコ内は成功率)は「22(91%):8(100%):44(100%)」で、鹿島戦は「31(90%):13(92%):32(100%)」だった。

 パス成功率こそ高い水準で保っていても、鹿島戦に比べて縦パスの数が減り、横パスが増えている。実はこの2試合で蹴ったパスの数そのものは1本しか変わらないが(先に挙げた3つの他にも複数種類のパスがありセレッソ戦は総計95本、鹿島戦は総計94本)、位置取りが低かったイメージそのままにセレッソ戦のプレーの傾向がデータに現れている。

 マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督は試合後の記者会見で「(お互いの)戦術どうこうの問題ではない」とうなだれていたが、逆転勝利の余韻とも言えるわずかな慢心が、失点した後の試合運びを難しくしてしまったとも考えられる。「ブレずに自分たちのやるべきことをやる」という勇猛果敢な姿勢は鳴りを潜めた。そして相手の思い通りのカウンターを受け、最終的にはいつの間にか3失点だ。

「失点してしまうと(ゴールを)取りにいかないとダメ。別に0-0だったらあの感じで回していても絶対何も言われないし、見ている人たちも『今日はマリノスのペースでやられているな』って思うでしょう。むしろ相手はホームゲームですし、勝ちたいという気持ちがあるからどうしても前に出てくると思うんですけど、それで先に1点取られちゃったのが、やっぱりゲームを難しくしてしまったというか。あそこで悠長に回している時間はないじゃないですか。2点取って勝たないとダメなので。

そうなった時に見え方がちょっと違ってくる。0-0の状況でのボール回しと、0-1の状況でのボール回しでは、(今日は)見ている方もやっている方も『あれ!?』って思うじゃないですか。別に回し方とかは俺は問題なかったと思います。ただ状況が状況だったのでもっとボールを前に運ばないとダメだし、前で厚みを持たせて点を取りにいかないとダメなんじゃないのという、そこのところが若干ピッチの中でも消化しきれていなかったし、意思疎通がうまくできていなかった部分かなと思う」

 パク・イルギュの言葉は重い。もちろん選手交代で中盤を1人削ってストライカーを2人並べて4-4-2や4-1-3-2に近い形にしてしまい、ピッチ上で近距離のトライアングルやコンビネーションを作りにくい状況にしてしまったことも「いつも通り」を妨げた要因かもしれない。「焦り」と「勢い」はプレーの見た目こそ似ているようで全く質の異なるもの。自分たちのやるべきことをやりにくくしてしまった姿勢にも課題は残る。

–「ちょっと悔しすぎる敗戦」(畠中)

「別に相手のやり方なんでどうのこうのというのはないですけど、そういう(対策を講じてくる)相手に対して自分たちがどうポジション取りを変えていくかというのも全然できなかったですし、いつもみたいに相手を遅らせることもできなかったし、本当に効果的なところにボールを入れられなかったので、それが悔しかったです。そこ(対策を上回れないこと)がまだ弱さだと思うし、逆に言ったらそこを乗り越えなきゃいけないという、1つの課題なのかもしれないし……そうですね……ちょっと悔しすぎる敗戦ですね」

 畠中は嚙みしめるように言葉を絞り出した。マリノスのアタッキング・フットボールには、多くのチームが様々な策を用いて対抗してくる。大分トリニータはビルドアップの起点を潰しながら各個撃破の形を作ってきたし、北海道コンサドーレ札幌は試合中にシステムを変更しながら柔軟に戦ってきた。この2試合で痛い目にあって、迎えたのが今回のセレッソ戦だった。

 今季のリーグ戦での敗戦は、いずれもそういった明確な策を持った相手に封じ込められて完敗というケースばかりだ。だからこそ今後は「考え方としては簡単な、楽なゲームだった」と言われないよう、常に「自分たちのやるべきこと」を表現できるように、信じて日々の練習から突き詰めていくしかない。マリノスが歩むのは慢心や妥協など一切許されない険しい道であり、もうその方向へと舵を切ってしまったのだから。

2019/05/16 国内残留か否か 日韓W杯前年、川口能活は”前例なき海外挑戦”で何を得たのか | THE ANSWER スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

新連載「選択――英雄たちの1/2」、国内残留か海外挑戦か2001年に下した決断

 アスリートのキャリアは決断の連続だ。より高みを目指すために選ぶべきは、公立校か私立校か、クラブチームか部活か、高卒プロ入りか大卒プロ入りか、あらゆる選択がついて回る。「THE ANSWER」は新連載「選択――英雄たちの1/2」を始動。トップ選手が人生を変えた2分の1の選択を振り返り、次世代の選手たちが進路選択をする上でヒントを探る。第1回はサッカー元日本代表の川口能活さんだ。

 昨季限りでプロ25年間の現役生活に終止符を打った“炎の守護神”。長年のキャリアのなかで大きな進路選択となった一つが、2001年10月に横浜F・マリノスからイングランド2部ポーツマスへの移籍だった。日本人GK初となる欧州移籍。シーズン途中からの加入で翌年には日韓W杯を控えているという大きなリスクを背負った上で「国内残留か、海外挑戦か」を悩んだ末に、彼は日本を飛び立った。

 ◇ ◇ ◇

 目の前にチャンスがあらわれたら、その手でつかめばいい。

 リスクを考えたら萎縮していたかもしれない。イングランドで試合に出られなければ、日韓W杯に影響が出てくるかもしれない。しかし川口さんはリスクに目を向けようとしなかった。

 26歳での大きな選択は、17年経っても新鮮な記憶として残っている。

 川口さんは言う。

「マリノスのレギュラーになって、オリンピックを経験して、W杯も経験できました。その次に何かって考えると、海外でプレーしたいという目標が自分のなかで出てきました。アトランタ(五輪)やフランス(W杯)で世界レベルの選手と試合をしたときの楽しさというものを日常にしたかった。自分の力を試したい、レベルアップしたいという思いだけ。チャレンジするチャンスが来たのだから、これを逃がしちゃいけないという気持ちの方が強かったですね」

 移籍が発表されたのは10月下旬。だが秋春制のイングランドは既にシーズンが開幕しており、語学の本格的な習得も渡欧後に始めるために準備不足も懸念された。この時代はサッカー後進国の日本の選手が、欧州でプレーすることがまだ日常ではなかった。まして欧州でプレーした日本人GKは過去にいない。

 パイオニアの難しさを、彼は痛感させられることになる。

–欧州で伸ばしたGKの深み「だから、僕は43歳まで現役を続けられた」

 川口さんがチームに加わっても守備の課題は解消されず、加入から3か月後のFAカップで4部チームに敗北を喫すると、その“スケープゴート”にされてしまう。

 オーナー指令によってリザーブチームでのトレーニングすら許されず、彼はユースの選手と一緒にトレーニングすることを課せられる。日本に帰国する可能性を伝えたメディアもあった。しかし敗退の責任を背負わされた疑問を、どこかにぶつけたところで何も始まらない。答えは一つ。与えられた環境で、やるしかなかった。

「帰国を考えたことは一切なくて、この状況をどう切り抜けるか、どうやり抜くかということしか考えなかったですね。逃げることはしたくなった」

 腐ることなくトレーニングで自分を高めていく時間にしていく。サッカーに対する真摯な姿勢を、現場は高く評価してくれていた。特にアラン・ナイトGKコーチの存在は大きかったという。

「アランさんは『ヨシのパフォーマンスは悪くない。今やるべきことを続けていけばいい』と常に励ましてくれましたし、心の支えでした。彼はプレーヤーズファーストの人。苦しい状況でもらうコーチの一言が、助けてもらった瞬間って、やっぱり忘れられないですよ。アランさんだけじゃなくてユースチームの監督、(自分の獲得に携わった)レドナップさんを含めて周りの人に支えられてこの挫折から這い上がっていこうと力が湧いていきました」

 シーズン終盤、強化責任者のレドナップが監督に就任したこともあって彼はトップチームに復帰する。もし投げやりになっていたら、這い上がれなかったはずである。GKとしてレベルアップしたい――。置かれた環境にめげなかったのも、その思いが川口さんには強くあったからだ。

 アランGKコーチは当時6部チームに所属する現役でもあった。アランから学び、他のGKのプレーもしっかりと見るようにした。シュートストップなど細かいスキルのみならず、間のつくり方の大切さも感じ取った。

「GKにビーサントという40歳を超えた選手がいて、プレーには深みがありました。間のつくり方で、チームに安心感を与えられる。僕は身体能力や技術、自分の感覚で勝負してきましたけど、深みが大事なんだと気づかされました。このときの経験があるから、僕は43歳まで現役を続けられたんだと思います。欧州に行っていなかったら、ここまでやれなかったかもしれませんね」

 自分のスキルを磨きつつ、GKの「深み」を伸ばしていく濃厚な時間となった。

–「一度決めたら、後ろは振り返らない」―進路選択で大切にしていること

 川口さんは結局、2002~2003年シーズンでも正GKの座を奪えなかった。だが控えの立場で、いつ試合に出てもいいように万全の準備を施した。そのシーズン、チームはプレミアリーグ(1部)昇格を決めた。川口さんは優勝を決めた次節のシーズン最終戦、後半から出場。頑張りを認められたからこそ、その機会が与えられた。そしてあれほど待ち望んでいた、ピッチで勝利を味わう瞬間を手に入れたのだった。

 進路の選択で大切にしていることとは?

 川口さんは言う。

「こうするって一度決めたら、後ろは振り返らないこと。サッカーの強い私立の東海大学第一中に行くときも、清水商、マリノスのときも、そして欧州から帰ってきたからもそうです。行くと決めたら、そこでチャレンジすることしか考えませんでした。あのときの海外挑戦が正しかったのかどうかは、正直分かりません。だけど一つ言えるとしたら、そのなかで凄く得るものがあったということです。

 サッカーもそうですけど、物の考え方や生き抜く術(すべ)を学んだ気がします。あの苦しい時期があったおかげで、サッカーの指導者になっても活かすことができる。選手に声を掛けてあげる、分かってあげる。自分が指導者にしてもらって感謝していることを、今の選手にやってあげたい。プレーヤーズファーストを心掛けたい。コーチになって、選手を気持ち良くプレーさせることを一番に考えているのも、欧州での経験があるからだと思うんです」

 人生の長いスパンで見れば選択の結果に、成功も失敗もないのかもしれない。後ろを振り返ることなく、信じた道を往く大切さを川口さんの生き様が教えてくれている。

(二宮 寿朗 / toshio ninomiya)

 
 

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