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2025/06/23 横浜F・マリノスの「その場しのぎ」は続く 残留は「偶然性にかける」しかないのか | web Sportiva (スポルティーバ)
小宮良之●文
6月21日、横浜。J1リーグ、横浜F・マリノスはファジアーノ岡山を迎え、0-1で敗れた。前半戦を折り返して以降も、最下位を抜け出せていない。Jリーグ発足時からの10クラブ「オリジナル10」で、降格がないのは彼らと鹿島アントラーズだけだが、残留へ差し迫った状況だ。この数週間だけで、いくつも異変が起こっていた。
19年間、横浜FMのGKコーチとして不動だった松永成立が退団。小さくない衝撃的だった。2022年の優勝メンバーだった永戸勝也はヴィッセル神戸へ移籍。皮肉にも、左サイドバックの定位置を確保して活躍を見せている。さらにパトリック・キスノーボ監督の解任が伝えられ、川井健太監督の就任を伝える報道があったが、結局は「大島秀夫ヘッドコーチの繰り上げ」(暫定監督)という”その場しのぎ”だった。
「選手はプレーの姿勢を見せ、”目指す方向性は間違っていない”と体現してくれました。次につながる戦いだった」
岡山に敗れた試合後、今シーズン3人目となる大島監督は言った。本当に、その戦いが次につながるのか? すでにアラームは鳴り響いていた―――。
筆者は図らずも、今シーズン3勝しかしていない横浜FMが勝利を飾った試合現場に2度いた。選手、スタッフもファン・サポーターも、地元メディアも勝利を喜んでいた。勝ち点は貴重だ。
しかし、”勝っただけ”だった。
どうやって守り、攻めるか。いるべき場所やプレーのジャッジは行き当たりばったりで、まともにボールをつなげない。守備の連係も乏しく、空回りしていた。
勝利は悪い部分を覆い隠すが、消えるわけではない。勝つことで変わっていく、というのは都合のよい幻想である。勝った時こそ、自分たちを見つめ直し、変わる機会だ。
岡山戦は横浜FMが負ける姿を見た初めてのことだったが、勝った試合と内容は変わっていない。ほとんどサッカーになっていなかった。
サッカーとは何か?
それは集団性である。11人がそれぞれどこにいて、いつ走り出し、止まり、どうボールを止め、蹴るか。攻守のつながりは社会性であり、距離感やタイミングに変換され、具体的には「セカンドボールを拾える」「チャレンジ&カバーができる」などという補完関係となる。関係性があるからこそ、信じて走り出し、パスを入れ、勝負も挑める。集団性は「仕組み」にも言い換えられるが、それを土台にしてオートマチックに動くことができるし、そのうえで適応や応用が生まれるのだ。
— 【再現性が失われた理由】
「戦術云々ではなく、球際!」しばしば、敗れたチームにはそんな”呪いの言葉”が浴びせられるが、選手は忸怩たる思いだろう。仕組みのないチームで、選手は極めて効率の悪い環境で動かざるを得ない。お互いの意思疎通が薄いことで自ずと迷いが出て、距離感も悪いだけに、一歩が遅れる。必然的に球際も劣勢になる。それを補うため、「気持ち」を見せ、体力は消耗する。旧日本軍の兵士やブラック企業の社員のように、擦り切れるまで戦うしかないが、たとえ成功を収めても次につながる再現性などない。
「勝てば変わる」
そう励まされるのは過酷だ。
再現性が失われた理由は、”監督がいない”からだろう。
昨シーズン、新たに就任したハリー・キューウェル監督は一切、監督の経験がなかった。失礼を承知で言えば、サッカー選手としての知名度で受け入れたようなものだった。その采配はひどく、開幕の東京ヴェルディ戦の時点で、所属選手たちが戸惑っていた。彼らは勝利を拾ったが、意図を持ってボールを前に運べていたのは東京Vのほうで、低迷は必然だった。
シーズン半ば、内部昇格で監督を引き受けたジョン・ハッチソンヘッドコーチも、ろくに監督経験のない人物だった。アンジェ・ポステコグルー時代の主力がどうにか「仕組み」を戻し、最後は巻き返した。しかし、監督としては何も構築できなかった。
今シーズン、クラブはまたも監督経験がないスティーブ・ホーランド監督を招聘し、”見事な”デジャブを実現した。思いつきの3バックを早々に捨てると、他に打つ手はなし。そして多くの主力がチームを去っていたことで、「仕組み」は再構築できなかった。成績不振で、実績の乏しいキスノーボを内部昇格で監督に据えたが、もはや笑えない冗談だ。
まったくプレーは好転せず、大島暫定監督が指揮を取ることになった……。
「(横浜FMは)ボールを動かすチャレンジをしてくると考え、プレスをしっかりかけ、そこから自分たちのゲームにする」
岡山の木山隆之監督は、ゲームプランをそう説明していた。
横浜FMはそのプレスにまんまとハマり、自陣で何度もボールを失った。奪い返したところを再び奪われ、切り替えでも劣勢に立っていた。前半は同じようなミスを繰り返し、手も足も出なかった。
これで、どこが次につながるのか?
失点後、横浜FMは反撃に転じていた。外野は「なぜ最初からそれができないのか」となるだろう。しかし、それは相手が守りに入って、横浜FMが無理矢理でもボールを運び、突っ込んで混乱を起こした”瞬間最大風速”に過ぎない。実際、5分と続かなかった。試合の流れで生まれた”現象”にすぎず、再現性はない。後半、攻めに回れたのも相手が「守る」構図を作ったからだ。
横浜FMの現体制に出口はない。粉骨砕身で、祈るしかないだろう。拠るべき「仕組み」はないからだ。
「戦う気持ちを見せろ!」「最後まで走れ!」「歴史あるクラブの名を汚すな!」……。
それらは呪いの言葉で、相手も死力を尽くしてくることを度外視している。しかし、選手は戦い抜くしかない。非効率的ななかでも走り続け、運よくカウンターからゴールに放り込めたら、あとは我慢強く耐える。偶然性にかけるしかない。
6月25日、日産スタジアム。横浜FMはやはり低迷するFC東京と残留をかけた”裏・天王山”を戦う。
2025/06/24 「必ず残留させる」遠野大弥は引き立て役で終わらない。横浜F・マリノスに見る光明「もっと脅威になれる」【コラム】
横浜F・マリノスは21日、明治安田J1リーグ第21節でファジアーノ岡山と対戦し、0-1で敗れた。今季初めてブラジル人3トップが先発でそろい踏みしたこの試合でマリノスが見せた姿は希望となるのか。トップ下で彼らと共演した遠野大弥は、険しい残留への道のりを切り拓こうとしている。(取材・文:藤井雅彦)
— 合致した遠野大弥とマリノスが求める理想像
今季2度目の監督交代はトリコロールが目覚める合図になるのか。
パトリック・キスノーボ監督退任に伴って暫定的に指揮を執ることになった大島秀夫ヘッドコーチは、ファジアーノ岡山戦でブラジル人3選手を同時に先発起用。アタッキングフットボールの原点とも言える4-3-3の布陣を採用して臨んだ。
その試合でトップ下を務めた選手が遠野大弥である。得点能力に長けるアタッカーはチーム事情でここまで左サイドハーフとして起用される試合が多かったが、本人は中央でのプレーを熱望していた。
バイタルエリアでスペースを見つけて周りの選手と絡みながら、よりゴールに近い位置で脅威となる。9番と10番のちょうど中間になる“9.5番”のパフォーマンスは自身とチームが求める理想像の両方に合致した。
最初にして最も重要なタスクは、絶対的な能力を持つブラジル人3トップの良さをいかにして引き出すか。昨季までと同じく3トップが在籍しているにもかかわらず今季から完全移籍で加入したのは覚悟の表れ。時にはポジションを争うライバルになるかもしれないが、共存への抵抗は一切ない。むしろ渇望していた構図と言えるだろう。
中央のアンデルソン・ロペス、右のヤン・マテウス、そして左には今季2度目の先発となったエウベル。局面で相手を圧倒し、ゴールという歓喜をもたらす。横浜F・マリノスの最大出力を発揮するためには、前線のハイパフォーマンスが欠かせない。そこにチームとしての共通理解があるのは遠野の言葉からも痛いほどに伝わってくる。
— 「それで勝つのが理想だった」遠野大弥が意識したプレー
「前の3枚にブラジル人がいたら、それなりにやることはみんながわかっていること。彼ら3人もやっぱり息が合うというか、阿吽の呼吸がある。今日は彼らが楽しく気持ち良くプレーして、それで勝つのが理想だった」
とにかく3選手の視界に入ることを意識した。プレーの性質上、ボールを持った場面で彼らは同郷の選手を最初に見つけようとする。そうやって顔を上げた瞬間、背番号9が良い位置に飛び込めば化学反応が起きる。絶対的な個の力を持ちながらも周囲を生かす能力にも長けるブラジリアンたち。一度パスが出てきて結果を残せば、信頼を得られるはずだ。
「彼らの特徴や生かし合うプレーは、僕たちもすごいと思っているので尊重しつつ、チャンスがあったら自分でも足を振りに行く。彼らのサポートをして、なおかつ自分が点を取るという強い気持ちで挑んだ」
引き立て役に回るつもりはない。得点への意欲は強まるばかりだった。
— この日の横浜F・マリノスはかつての姿を彷彿とさせた
最大のチャンスは前半の12分に訪れた。連動したハイプレスから相手陣内でボールを奪ったのは遠野自身。右サイドに流れたA・ロペスへパスを送り、リターンパスを受けるために中央のスペースへ走り込む。一度は相手DFに渡ったが、再び奪い返すと間髪入れずに左足を振り抜く。しかしシュートはゴール前を通り過ぎ、右へ逸れていった。
シュートを狙ったけれど力んでしまった。ああいうところで落ち着いて横を見てパスを出したり、シュートを打つにしてもファーサイドにしっかりと打てていれば、味方が詰めていてくれたので何か起きたかもしれない。セットプレーから1失点したけれど、それ以上に僕たちが点を取らないといけない試合だった」
— 最下位でも…光明は確実にあった。「この経験が生きる場面も今後必ずある」
今季は少ないチャンスを確実にモノにして、ここまでチームトップの5得点を挙げている。この場面では力みが先行したものの、試合に懸ける意気込みの強さとも言い表すことができるだろう。
試合は0-1の敗戦に終わった。それでもシュート17本を放ち、ボールポゼッションでも優位に立った。攻撃から守備への切り替えの早さを基軸としたプレスは優勝争いを演じていた時期を彷彿とさせ、常に前方向へプレーする意識付けも浸透していた。
最下位に沈む厳しい状況は変わらない。ただし、光明は確実にあった。選手たちは総じてポジティブなコメントを残し、遠野もその1人だ。
「チームとして次につながる試合だったし、自分自身はもっともっと脅威になれるはず。今日は僕が中央をプレーエリアにした時のプレーを見せられたかなと思う。惜しいで終わってはいけないけれど、ブレずにやり続けて自分たちの良さを出せる時間帯は結構あった。だからこそ、もっとクオリティを上げたい」
マリノスがようやく取り戻したスタンダードは、背番号9にとっても居心地の良いものに違いない。だから加入前はまったく想像していなかった現状でも、当事者としての歩みに迷いはない。
泣いても笑っても、残り18試合。生き残りをかけた本当の戦いに向けて、言葉に力を込めた。
「とても難しい時期を過ごしていると思う。でも短いサッカー人生なので、この経験が生きる場面も今後必ずある。まだまだ試合は続くから、前を向いてやっていきたい。目の前の1試合1試合を勝って、絶対に巻き返していく。ここでプレーしているからには必ず残留させる」
遠野大弥が3トップの陰に隠れることなく輝きを放った時、J1残留への道が開けてくる。
2025/06/25 “いまだかつてない非常事態” 横浜F・マリノスはなぜ急に弱くなったのか 「テコ入れが裏目に出てしまった」(全文) | デイリー新潮
“オリジナル10”とは、1991年のJリーグ創設時に加盟した10クラブを指す。その中で一度もJ2に降格したことがないのは、鹿島アントラーズと横浜Fマリノスの2クラブのみ。だが今年、そのマリノスが危機に陥っている。6月24日現在、J1最下位の20位に沈んでいるのだ。
— いまだかつてない非常事態
マリノスといえば、2022年にリーグ優勝を果たし、23年は惜しくも2位ながらスーパー杯を制している。昨年こそ9位とはいえ、降格危機とは無縁だった。それがなぜ急に弱くなったのか。親会社である日産自動車の経営危機との関係も取り沙汰されるが、サッカーライターによると、
「テコ入れのため、今季から監督を代え、選手も大幅に入れ替えたのが、裏目に出てしまいました」
イングランド代表コーチを務めたホランド氏が監督に就任するも、
「主力外国人選手はブラジル出身が多く、スタイルが合わず。オフに入れ替えた十数人もの新戦力も、レギュラーになれたのは1人だけでした」
開幕から勝てない試合が続き、4月18日にホランド氏は更迭。元オーストラリア代表のキスノーボ・ヘッドコーチに交代した。それでも不振から抜け出せず、11日は天皇杯2回戦でJFLの青森に0-2でまさかの敗北。15日にはリーグ19位の新潟と“ブービー争い”を繰り広げたが、0-1で苦杯を喫した。
「シュート数は新潟17本に対し横浜FMはわずか4本と完敗で、キスノーボ監督の解任が決まりました。1シーズンに2度も監督が交代するのは、いまだかつてない非常事態です」
— Jリーグ全体にとっても痛手
ひとえに“クラブ史上初のJ2降格”を逃れるための窮余の一策だが、実は今シーズンの陥落だけは避けたい事情もある。「来年秋からJリーグは、欧州と同じ秋春制に移行します。そのため来季は初夏までの半期のリーグになるのですが、その際、J2との入れ替えは行わないのです」
つまり、来季J2に降格してしまうと、“少なくとも1年半はJ1に復帰できない”のだ。しかも、
「記念すべき“秋春制元年”のシーズンをJ2で迎えることになる。マリノスの本拠地である日産スタジアムは日本で最も観客が入るのに、そこでJ1の試合ができないのは、Jリーグ全体にとっても痛手です」
今季は20試合を消化したが、新監督就任間近だった川井健太氏(44)との交渉が破談したと報じられており、V字回復の道はいまだ見えない。
2025/06/28 マリノスらしさって何? それで残留できる? 本誌担当記者に訊いてみた。優先すべきは降格圏脱出。「チームスタイルの再構築はそれから」 | サッカーダイジェストWeb
— 「天皇杯の青森戦から、なぜか従来の…」
鹿島、町田に勝利して連勝。ホッ。マリノス、何とか復調したか…と思ったら! 6月に入って、また暗転。天皇杯でJFLの青森に負けて、残留争いのライバルとなる新潟にも敗れ、キスノーボが退任、昇格組の岡山に力負け、FC東京に完敗。あれ、どうした。
元担当として、やはり看過できない状況だ。というか、悲しい。ピッチ上のサッカーも、なんかブレてないか?“横浜F・マリノスらしい闘い”とは?
――何を1人でぶつぶつ言ってるんですか。
声をかけてきたのは、サッカーダイジェスト編集部の現マリノス担当だ。ちょうどいい。金子、教えてくれ。マリノスの現状を。残留するためにどうすべきかを。
――また負けだしたぞ! 現状をどう見ている?
「J2降格がチラついてきた、それが正直な気持ちです。鹿島と町田に勝って連勝できたのは、代名詞のアタッキングフットボールを捨て、ボールを保持せず、ロングボール主体のサッカーに切り替えたからです。なかなか勝てず、選手たちにも迷いが見られていたなかで、チームとしての戦い方を明確にしたから、ベクトルを合わせて戦えた。その時は僕も、これから上がってくるかもしれないと感じました。
ただ、天皇杯の青森戦から、なぜか従来のスタイルに…。アタッキングフットボールにこだわり過ぎているというか、固執しすぎているというか。『どんな手を使ってでも勝利が欲しい』と語っていた喜田拓也の言葉を踏まえれば、まずは降格圏を脱出するのが先で、チームスタイルの再構築はそれからのようにも感じます」
――FC東京戦の前日に、暫定で指揮を執っていた大島ヘッドコーチが正式に監督に就任。サッカーのスタイルに変化はあったの?
「システムが4-4-2から4-3-3に変わりましたが、スタイルが変化したというより、強かった時のマリノスに戻しただけ。昨年もジョン・ハッチンソン元監督(現・磐田監督)が途中就任した際に原点回帰しましたが、それと同じ印象です。ただ毎年、選手の入れ替わりがあるので、スタイルを戻しただけでは、従来のアタッキングフットボールを再現するのは難しいのではないかと感じます。
就任会見で大島監督は『アンジェ(ポステコグルー)には多くの影響を受けているし、それが僕のサッカー像の中に加わっている。こういうサッカーをしたいというのはありますし、全員が同じ方向に向かって、選手が前向きに、アグレッシブにプレーできるのが大前提で、そこを大事にしたい』と述べていましたが、これからの手腕に期待したいです」
— 「現在の勝点が14、残りの17試合で27ポイント」
――ずばり、金子が思う復活のアプローチは?
「ロングボール主体のサッカーに、再び切り替えることじゃないかと。先ほどの大島監督のコメントからは、今後もアタッキングフットボールを志向していくことが推測できます。でも、岡山戦は内容で相手を圧倒し、ポストに3度、嫌われる不運もありましたが、結果は0-1で敗戦。続くFC東京戦では決定機を作れず、0-3で完敗でした。
鹿島戦や町田戦は“勝っただけ”かもしれませんし、今後への積み重ねがないかもしれません。でも今は、一度もJ2に降格したことのないオリジナル10の伝統クラブを残留させることが、なによりも重要です。どんな手段でも勝つという姿勢で挑む必要があるのではないでしょうか」
――大丈夫かな、残留できるかな…。
「大島監督は、勝点41あたりが残留ラインと想定していました。仮にそうだとすれば、現在の勝点が14ですから、残りの17試合で27ポイントを積まないといけない。相当難しい状況ですが、毎試合で選手の必死さは伝わってきますし、どんな時も支えるというファン・サポーターの姿勢にもグッとくるものがあります。まだ可能性はありますので、信じたいです」
――次は湘南戦。見どころは?
「2年連続でJ1得点王のアンデルソン・ロペスが得点を奪えるか。今季はまだ1ゴールにとどまっている背番号10に得点が生まれれば、チームも勢いに乗るはずです。
また、個人的にポイントになりそうだと感じているのが、トップ下のポジションです。大島体制で臨んだ岡山戦は遠野大弥が、FC東京戦は天野純がスタメンでした。でも、遠野はFC東京戦で負傷したため、おそらく湘南戦には出られない。
そこで期待したいのが、渡辺皓太です。運動量が豊富で、トランジションが早く、ターンをして前を向く技術も高い。ボランチの選手なので、湘南戦は中盤の底で先発する可能性もありますが、攻守のキーマンとして注目したいです」
協力●金子徹(サッカーダイジェスト編集部/横浜FM担当)
2025/06/28 「外からの雑音やプレッシャーもある」FC東京にあって横浜F・マリノスになかったもの。「ここ数週間ずっと…」【英国人の視点】
明治安田J1リーグ第15節延期分、横浜F・マリノス対FC東京が25日に行われ、0-3でFC東京が勝利した。2度の監督交代を経ても、マリノスの状況は上向く気配を見せない。残留争いにおける直接対決で、マリノスに欠けているものが明らかになった。(取材・文:ショーン・キャロル)
— 直接対決の行方「ここ数週間はずっとそんな感じ」
松橋力蔵監督と長友佑都は、水曜夜に行われたFC東京の横浜F・マリノス戦での3-0の完勝後も、浮かれすぎないようにしていた。しかし、その勝ち方は、シーズン後半戦が加速する中で、両チームが非常に異なる状況にあることを示唆していた。
この「6ポイントマッチ」に臨む時点で、両チームの間にはちょうど6ポイントの差があり、マリノスが勝てば最下位からの脱出に向けた希望を取り戻すと同時に、FC東京をさらに苦境に引きずり込む可能性があった。
しかし日産スタジアムでの試合開始直後から、そのような展開になる兆しはほとんどなく、アウェイのFC東京がすぐさま主導権を握り、マリノスを押し込んで攻撃を仕掛け始めた。
前半はその支配を得点には結びつけられなかったが、試合に対する主導権を完全に握っていた。51分に野澤零温が先制点を挙げたことにも驚きはない。そしてその時点で、結果はほぼ確定的となった。
「僕らにとっては、試合の中で自信を取り戻し、徐々に勢いをつけていくことが大事だったと思う」と、トーマス・デンはマリノスの立ち上がりについて語った。
「彼らは最初から僕たちを非常に苦しめてきたし、ここ数週間はずっとそんな感じだった。勢いやリズムが少し停滞していて、今は自分たちの立ち位置を見つけようとしているところだ」
監督交代によってチームが上向く「新監督効果」はよくあることだが、マリノスにそれは当てはまらなかった。
— 対照的だった前線カルテット。現在のマリノスは信じられないほど…
今季すでに2度の監督交代を行っているが、どちらからも好転の兆しは見つけられていない。4月にスティーブ・ホランドの後任としてパトリック・キスノーボが就任した直後は、浦和レッズに1-3で敗れた。そして、キスノーボの後任として指揮を執った大島秀夫も、同様に苦しいスタートを切っている。
5月末には鹿島アントラーズ戦と町田ゼルビア戦に連勝して、状況が好転したかのように見えたが、それは偽りの夜明けだった。以降、ファジアーノ岡山戦、アルビレックス新潟戦、そして今回のFC東京戦と3連敗を喫し、その間にマリノスは1点も奪えていない。
現在のマリノスは、信じられないほど活気がなく、自信もアイディアも欠如しているように見える。5試合未勝利だったFC東京に、ほとんど苦もなく押し切られた。
マリノスの先発攻撃陣である天野純、ヤン・マテウス、アンデルソン・ロペス、エウベルは、試合前までに650試合以上のJリーグ出場経験を誇っていた。しかし、その経験が良い方向に作用するどころか、プレーは非常に予測可能なものになっており、特にロペスは、近年の得点マシンとはまるで別人のようだった。
一方、FC東京の前線カルテットは好対照の姿を見せた。日産スタジアムで2点目を決めた佐藤恵允と3点目を決めた長倉幹樹、野澤零温、仲川輝人の4人は、合わせてわずか375試合――そのうち249試合は仲川によるもの――の出場経験しかなかった。
そのため、FC東京のプレーにはフレッシュさと活気があり、マリノスにはそれがまったく見られなかった。かつてタイトル争いをしていた選手たちが、今は降格圏という全く異なるプレッシャーに対処できずにいるようだった。
デンはこう話す。
— 「外からの雑音やプレッシャーもある」
「ここにいる多くの選手が、下位に沈んで毎週必死に戦うような状況を経験したことがない。外からの雑音やプレッシャーもある。簡単な状況ではない。でも、まだ希望はある。ポジティブに考え続けるしかない」
「ファンの期待も大きく、そして彼らは素晴らしい応援をしてくれている。だからこそ、団結して戦い続けなければならない」
現在マリノスの状況は厳しいが、一方で長友はFC東京の勝利に浮かれることもなかった。これまでのシーズンを通じてチームが好調とは言えず、現在も16位にとどまっていることから、試合後は当然ながら慎重な姿勢を貫いていた。
「いや。自信にはならない」と彼は言った。
「次の試合に勝てなければ意味がない――まあ、意味がないことはないんですけどね。これで満足していたら危ない状況になるという危機感の方が大きい」
「中2日でまたフィジカルコンディションを整えて、もう1回気持ちを引き締めて次の試合に臨みたいと思います」
松橋監督もまた、この勝利に過剰な評価を避けていた。なぜなら、東京は今季、連勝を記録したのは一度だけだったからだ。
「油断することはなく、我々の置かれている立場が劇的に変わったわけではない」と、試合後に松橋監督は語った。
「それを見つめながら、短い準備期間ですけれど、できることを積み上げて、今回の自信を次の試合に持っていきたいと思います」
FC東京は、マリノスのご近所かつ同じく残留争いを繰り広げる横浜FCとの対戦を控える。そしてマリノスは、これまた下位に苦しむ湘南ベルマーレとのアウェイゲームに臨む。
Jリーグでは、まだまだ多くの試合が残されており、何が起こるかは誰にもわからない。しかし、この週末の結果が、東京とマリノスの今後のシーズン展開を大きく左右することになりそうだ。
2025/06/28 【横浜】「選手、人間としての弱さに尽きる」クラブ“背負う”主将の喜田拓也が苦しい胸中を吐露 – J1 : 日刊スポーツ
J1最下位の横浜が苦闘を続けている。1993年のJリーグ元年から参加する「オリジナル10」で鹿島と並びJ2降格がない名門クラブだが、歴史的な低迷にあえいでいる。クラブ史上最長の7連敗を喫し、ホーランド監督、キスノーボ監督と同一シーズンに2人の監督が解任されるのも史上初。そんな中、横浜のアカデミーで育ち、トップチームへ昇格してプロ14年目というマリノス一筋の主将、喜田拓也(30)が苦しい胸の内を吐露する。
晴れわたった大海原が似合う海の勇者たちが今、暗闇の中にいる。昨年5月のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準優勝のチームが1年後にJ1で最下位に沈んでいる。勝てない。何が悪いのか? 悩めば悩むほどまた勝てなくなる。負のスパイラルに陥った。喜田はこう吐露する。
「自分の責任です。チームがこういう状況でつらいですし、苦しいですし、チームを勝たせられない自分の弱さだと思います。このクラブにいる意味をわかっているからこそ、背負いすぎるなと言われますけど、背負わなければいけないものがあって、その重圧とか、重さとかにシンプルに勝てていない。選手として人間としての弱さに尽きる」
横浜のアカデミーで育ち、小学生時代から多くの勝利を手にしてきた。魂のこもった激しい攻守を持ち味とするボランチ。順調に成長し、プロでもリーダーシップを発揮する。J1で2度(19、22年)、天皇杯で1度(13年)などのタイトルを手にした。移籍が頻繁に行われる世界にあって、正真正銘の横浜一筋。「マリノス・プライド」を具現化するキャプテンだからこそ“背負う”。
「この状況で間違いなく、ほかの選手や自分の中にもいろんなものが体や頭の中にあって(心を)むしばんでいる。それは自分でも分かっている。そういう中でうまく表現を仕切れていない部分もある」
陰りは昨季から見えていた。ACLとの過密日程に苦しみリーグ戦で失速。7月にキューウェル監督を解任し、ハッチンソン監督に交代したが、失点数が膨らんだ。Aロペス、Yマテウス、エウベルのブラジル人3トップに依存した結果、表裏一体となる課題が出てしまった。61得点(リーグ3位タイ)、62失点(ワースト4位)の9位。そこで今季、イングランド代表元ヘッドコーチのホーランド監督のもと、組織的な守備の構築に取りかかった。
攻撃的な4-3-3のシステムは崩され、足かせとなる看板の3トップが並ぶことはなくなった。中央3枚にウイングバックを含めた5バックに始まり、うまくかみ合わず再び4バックに戻った。しかしDFラインが下がり、ボールを奪っても敵陣まで運べず決定機を作る回数が減り、守れない上に得点力欠乏症に陥った。どっちつかずの攻守。歯車は狂ったまま、ブラジル人3トップに原点回帰した今も苦闘の中にいる。
25日の東京戦、相手のマンツーマンを外すため、喜田はDFラインまで下がり、そこからビルドアップの起点となった。新たな変化を加え、攻撃につながるいい形も何本か作ったが、相手の勢いあるプレスにチームがのみ込まれ、0-3と完敗した。喜田が言う。
「チームで同じ絵を描くところで改善の余地がある。いい攻撃ができた時にそこで仕留めきらないといけないし、いい場面をもっと作り続けないといけない」
これだけ敗北を重ねても応援してくれる人たちがいる。だからこそ前を向く。
「ファン、サポーターの姿勢を見て感じるものがある。重圧に押しつぶされそうになっても戦い続けないといけないし、自分たちで終わらせるつもりはない。このクラブが大好きですし、このクラブを愛している人たちのことも大好きなので、そういう人たちの存在が戦う理由に十分なっている。チームが1つになると言うのは簡単ですけど難しい。だけどやらなきゃいけない。すべてはこのクラブのため、僕自身もこのクラブに人生を懸けたい」
J1残留という使命を背負い、喜田は自らの生きざまを表現しようとしている。【佐藤隆志】
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