【スタジアム観戦情報まとめ】2024/11/9(土)14:00KO Ｊ１第36節サガン鳥栖vs.横浜F･マリノス＠駅前不動産スタジアム

— それでも来てくれるサポーターに向けて。鳥栖が達成したい連勝

明治安田Ｊ１第36節、駅前不動産スタジアムでは20位の鳥栖が15位の横浜FMと対戦する。

２試合連続のホームゲームとなる鳥栖は前節、逆転優勝を目指す町田と対戦した。相手のロングボール攻勢をしっかりとはね返すと、徐々に主導権を奪い返し、20分にＪリーグ初先発となった２種登録の鈴木大馳がＪ初ゴールを決めて先制に成功する。66分にロングスローから得点を許して追いつかれたものの、84分に途中出場の寺山翼がCKから頭で押し込んで、勝ち越し点を奪取。寺山のＪ初ゴールが決勝点となり、13試合ぶりに、また監督交代後初めて勝点３を手にした。Ｊ２降格決定後、最初のホームゲームでサポーターに対して、「鳥栖の意地」（木谷公亮監督）を見せた。

一方の横浜FMは６日にホームでAFCチャンピオンズリーグエリート（ACLE）リーグステージ第４節・ブリーラム（タイ）戦に臨んだ。11分に先制に成功すると、27分には相手に退場者が出て、数的優位に。前半アディショナルタイムには２点を追加し、試合のすう勢を前半のうちに決めると、後半にも２点を追加して、終わってみれば５－０の大勝。また、スタメン出場した主力組のアンデルソンロペスやヤンマテウスを65分と比較的早い時間で交代させ、疲労を軽減させることにも成功した。そこから中２日で控えるアウェイゲームに向けて勝利だけでなく、マネジメントの面でも収穫の多い試合となった。

ACLEで大勝を飾った横浜FMだが、リーグ戦に目を向ければ苦しい戦いが続いている。ACLEやＪリーグYBCルヴァンカップ、天皇杯を並行して戦うハードスケジュールの影響もあったとはいえ、ここ６試合未勝利。降格圏の18位・磐田との勝点差は『８』と、安心できる状況にはない。さらに今節が終わればその磐田との直接対決（台風10号の影響により中止となっていた第29節）を控えている。ヒリついた状況で直接対決を迎えることを避ける意味でも、磐田の結果次第ではあるが今節で残留を確定させる意味でも、リーグ戦７試合ぶりの勝利をなんとしてもつかみたいところだ。

鳥栖は前節で13試合ぶりの勝利を挙げたものの、選手たちは喜び半分といった状況だった。「勝てたことはうれしいんですけど……。（木谷監督体制で）１勝で終わったら意味がないなというのはすごく考えています。残り３試合でどれだけ勝てるかが大事だと思っています。そっちの意識のほうが強い」と原田亘が言うように、選手たちの心中に去来するのは降格が決定する前に勝てなかったことへの悔恨と、自身に向けられるふがいなさだ。だからこそ、１勝に安堵することなく、降格が決定してもスタジアムに足を運んでくれるサポーターに連勝を届けなければならない。

木谷監督は「後ろで守ってリスクを負わないというサッカーではなくて、自分たちから動き出していくということは攻撃でも守備でもしっかりと表現していきたい」とアグレッシブさの表現を誓う。攻撃的なスタイルの横浜FMに正面からぶつかっていく構えだ。

［文：杉山文宣］