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2020/10/09 【横浜M】大学NO1のDF筑波大・角田涼太朗獲得、近日中発表へ : スポーツ報知
2020/10/09 角田涼太朗選手 2022年シーズン加入内定、 JFA・Jリーグ特別指定選手認定のお知らせ | ニュース一覧 | 横浜F・マリノス 公式サイト
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2020/10/09 【横浜M】大学NO1のDF筑波大・角田涼太朗獲得、近日中発表へ : スポーツ報知
横浜Mが来季の新戦力として、筑波大のDF角田(つのだ)涼太朗(3年)を獲得することが8日、分かった。Jクラブの争奪戦を昨季の王者が制した。近日中に正式発表される。
浦和の下部組織出身の角田は、前橋育英高時代に全国高校選手権で初優勝を達成し、筑波大に進学。181センチで左利きという希少性に加え、SBやCBを務める万能型。正確な技術や対人の強さなどから大学NO1の呼び声が高いDFに対し、早くからオファーが殺到する中、攻撃的な戦術を志向する横浜M入りを決断した。
2020/10/09 角田涼太朗選手 2022年シーズン加入内定、 JFA・Jリーグ特別指定選手認定のお知らせ | ニュース一覧 | 横浜F・マリノス 公式サイト
筑波大学蹴球部所属の角田涼太朗選手が、2022年シーズンより横浜F・マリノスに加入することが内定いたしましたので、コメントと併せてお知らせいたします。また、同選手をJFA・Jリーグ特別指定選手として申請しておりましたが、このたび(公財)日本サッカー協会より認定されましたので、お知らせいたします。
角田涼太朗選手コメント
「この度、横浜F・マリノスに加入することになりました、筑波大学の角田涼太朗です。
横浜F・マリノスという、歴史と伝統のあるクラブに加入出来ることに大きな喜びを感じています。また、これまで私を支えてくださった多くの方々への感謝の気持ちで一杯です。結果で恩返しが出来るように、謙虚さを忘れず日々努力を続けていきます。
一流のプロサッカー選手になれるように、観ている人の心に残り、夢と希望を与えるようなプレーが出来るように、精一杯頑張りますので応援よろしくお願いします。」— 角田涼太朗 (TSUNODA Ryotaro)
◆ポジション:DF
◆出身/生年月日:埼玉県/1999年6月27日(21歳)
◆身長/体重/血液型:183cm/77kg/A型
◆経歴:さいたま市立与野八幡小学校(北浦和SSS)-さいたま市立与野西中学校(浦和レッズジュニアユース)- 前橋育英高校 - 筑波大学
◆主な実績・代表歴:
2019年:U-20日本代表 欧州遠征(3月)
2018年:日本高校選抜
2017年:U-18日本代表(カタール遠征)
2017年度 全国高校選手権優勝、同大会優秀選手
2016年度 全国高校選手権準優勝
Webログ
角田 涼太朗さん (@ryotaro_0627) / Twitter
角田涼太朗(@ryotaro_0627official) • Instagram写真と動画
2020/09/08 筑波大DF角田涼太朗、Jオファー殺到の希少価値と葛藤。「どのクラブを選んでも間違いはない」 – Jリーグ – Number Web – ナンバー
text by 安藤隆人
9月2日にケーズデンキスタジアム水戸で行われた天皇杯茨城県予選決勝。筑波大vs.流通経済大の一戦には、豊富なタレントを揃える強豪大学同士の戦いとあって、多くのJクラブのスカウトが集結した。
その中でひときわ熱視線を集めたのが、筑波大・3年生DF角田涼太朗(つのだ・りょうたろう)だ。すでに5つのクラブ(その大半がJ1)が正式オファーを出すなど、大学3年生ながら早くも激しい争奪戦が繰り広げられている。
浦和レッズジュニアユース出身の角田は、ユース昇格が果たせず、前橋育英高に進学した。高2からレギュラーを掴み、その年の全国高校サッカー選手権で準優勝に貢献。高3では同校の初優勝を達成し、同大会の優秀選手にも選出された。進学した筑波大では1年時から左サイドバック、CBとしてレギュラーに定着。今季は守備の要として君臨している。
— 希少価値の高い「左利き」だけではない。
角田がJクラブの目利きたちを魅了する理由は何か。
まず、他の選手と一線を画すのが、希少価値が高い「左利きのCB」であること。
GKやDFラインからのビルドアップが主流となる近代サッカーにおいて、左CBに右利きではなく、左利きの選手を置くメリットは多い。相手のプレスをかわしやすいのはもちろん、同サイドへのキックと逆サイドへの対角線上へのキックの精度が上がることで、攻撃への切り替えもスムーズになり、戦術の幅も広がる。
ただ、角田は決して「左足」だけで勝負をしているわけではない。181cmと決して大柄ではないが、空中戦に強く、滞空時間が長いヘッドも武器。さらに身体操作にも優れ、ターンのスピード、軽快なステップワーク、鋭い洞察力を併せ持ち、質の高い初動を見せるのが魅力だ。もちろん、加速力や持久力も高く、広い守備範囲を彼1人でカバーできる。
どのクラブも喉から手が出るほど欲しい逸材なのがお分りいただけるだろう。
「左利きであることをフィーチャーされてしまいますが、僕はそれ以前にDFとして戦える選手でありたいし、チームを鼓舞したり、安心感を与える存在でありたい。DFとして当たり前のことをハイアベレージでやった上での“左利き”でありたいと思っています」
左利きというのはあくまでオプション。角田自身は「守れるCB」であることに価値を見出している。
その考え方は進学した筑波大でより明確となった。
— 「客観視」できるようになった。
「筑波大には他では経験できないものがあると確信しています。ただサッカーをやっているだけではなくて、サッカーの戦術面や思考の面で自分自身をより論理的に捉えられるようになった。3年間ずっと編集してもらった自分のプレーの映像を見て、なぜその現象が起こったのか、どう対応すればよかったかなど、GPSデータなどと照らし合わせながら、より自分のプレーを客観視できるようになったんです。
フィットネスに関しても、たとえば大学1年の時に、陸上部のスタッフの方に走り方や足の運び方、上半身の使い方など、論理的かつ実践的に教えてもらったことで、スピードや身体操作のレベルが上がった実感があります」
高校での活躍を見ればプロへ進む選択肢は現実的なものであった。前橋育英時代の同期であるDF松田陸(ガンバ大阪)、渡邊泰基(ツエーゲン金沢)は高卒でプロの道に進んだ。角田自身もJ2の2クラブから正式オファーが届いていたが、筑波大進学を選択している。
— 高卒プロは「ビジョンが見えなかった」
「高卒でプロの世界でやっていくビジョンが見えなかったんです。プロにはなりたいと思っていたのですが、パッと目の前に道が開いたときに、高卒でプロに進んで行って花を咲かせずに志半ばの選手をたくさん見ていたし、『そのまま(プロの話に)飛びついていいのか』と思ってしまったんです。もし僕がFWやアタッカーの選手だったら、迷わずプロを選んでいたと思います。ただCBという、知識と経験が必要で、若手がパッと出て勝負できるポジションではないからこそ、慎重に自分がきちんと知識と経験が積める場所でサッカーをしたいと思ったんです。
(筑波大の)小井土正亮監督からも、『サッカーでお金もらうことと、Jリーグでプレーできること以外は、(Jクラブでなく)筑波大でもできるよ』と言われたんです。その一言で気持ちが固まりました」
その決断が間違いではなかったとすぐにわかった。多角的なサッカーへのアプローチに加え、ともにプレーした「選手たちにも恵まれていた」。
— DFリーダーの鈴木大誠、異次元の三笘薫。
角田が入学した当時、4年生のCB鈴木大誠(FC琉球)がおり、彼からDFリーダーとしての品格と態度、闘争心を学んだ。そして、2学年上には現在、川崎フロンターレでブレイク中のFW三笘薫がいた。
「今まで見てきた選手の中で一番衝撃を受けたのが薫くんでした。正直、『なぜこんな選手が大学に?』と訳がわかりませんでした(笑)。とにかくステップが異常に速いし、間合いも独特。無闇に飛び込めないし、躊躇していると一気に破られる。薫くんを見て、本物のスピード感を学ぶことができたのも大きかったです」
成長できる環境の中で、彼の中に沸々と湧き上がってくる思いがあった。それがCBにとって必要な「ゴールを死守する」メンタリティだった。この考え方の変化こそ、角田の魅力を一層引き立てている。
「何よりもチームのことを一番に考えて、失点を許さないという気迫があった大誠くんが卒業をしたことで、『自分がその跡を継がないといけない』と思うようになったんです。そこから失点に対する考え方が変わってきた。得点は相手に絶対に与えてはいけないものとして、責任感だけでなく、『失点しないために何をすべきか』をより考えるようになりましたね」
— 目に見える気迫、上がった判断の質。
高校時代や大学1年時はまだ自由に動き回っている印象があった。ビルドアップの際、時には大胆なプレーで貢献することもあったが、その一方で無理にボールを持ち出して攻守が入れ替わったり、シュートブロックや数的不利になった時の守備に甘さが目立っていた。
しかし、2年生でCBに定着すると、ゴール前での気迫と判断の質が上がり、前に出て潰す守備と誘い込んで頭脳的に奪うプレーが目に留まる機会が圧倒的に増えていった。それでいて、高校時代からずっと武器にしてきた左足による“攻撃参加”の意識は一切薄れていない。
それは天皇杯予選決勝の流通経済大戦でもハッキリと確認することができた。
— 流通経済大戦での2つのビッグプレー。
この試合、筑波大は2-1で勝利を収めるのだが、90分間を振り返ると流通経済大の猛攻の前に守勢に回る時間が長かった。
そんな苦境の中でも角田は最終ラインで常に首を振りながら、ボランチやサイドバック、サイドハーフを声でコントロールした。そして気迫のこもった守備、攻撃の起点となる瞬間を虎視眈々と狙い続ける。
すると、緊迫した試合展開の中で勝負の行方を分ける2つのビッグプレーを見せつけた。
1-1で迎えた68分。流通経済大MF満田誠がカウンターからドリブルを仕掛けると、角田はその正面に立った。右隣には味方のCBがいたが、そことは距離があり、さらにその間のスペースを狙おうとする相手選手の姿もとらえていた。つまり、1対2の数的不利の状況だった。
「ドリブルか間を通すパスを狙うかどちらかだと思ったので、右足を伸ばせるように準備をしながら、重心を左足に掛けて11番(満田)を誘い出した」
角田はドリブルを仕掛ける相手に対し、奪いにいく仕草を見せた。すると、満田がスルーパスを狙う。その瞬間、想定していた通りに右足を伸ばしてボールに触わり、パスカット。大きなピンチを頭脳と瞬発力、リーチの長さを駆使して防ぎ切った。
— 決定機の阻止、決勝点の起点。
続いて85分。自陣中央で筑波大ボランチの山内翔からパスを受けた角田は、前にスペースが空いていることを確認し、ボールをドリブルで運んだ。相手が食いついてきたことを見た角田はその瞬間に中央左寄りにいたMF瀬良俊太へ左足で縦パスを打ち込み、今度はそのままゴール前のスペースに走り込んでいった。
瀬良のパスを受けたFW森海渡はゴール前でフリーになった角田にパス。残念ながら相手DFに引っかかってしまったが、このこぼれ球を拾ったMF加藤匠人が豪快にゴールに蹴り込んで決勝弾が生まれた。
「前半から僕のところには常に(流通経済大の)2シャドーが斜めからのプレスを仕掛けてきて、なかなか前に行けなかった。でもあのシーンはボールが入った山内にプレスに行ったので、自分がフリーになり、ひとつ前のボランチラインに入ってボールを要求しました。時間帯的に試合終盤でどうしても点が欲しかった状況だったので、ファーストタッチで一気に前に出て、味方に預けてそのまま相手のゴール前まで出て行こうと思っていました」
決定機の阻止、決勝点の起点となるプレー。戦況をしっかりと把握した準備と予測がチームの勝利に直結した。
「高校時代はみんなで日本一を目指して勝ち取った。もちろんそれは今も変わらないのですが、(筑波大では)『目標達成に対する自分の立ち位置』をより明確に考えるようになりました。
それに、僕が入学するまでの筑波大はリーグ優勝、インカレ優勝、天皇杯ベスト16など結果を残しているのに、1年時は総理大臣杯に出られず、昨季はギリギリでインカレ出場権を掴んだもの、準々決勝敗退。天皇杯も今回、ようやく3年ぶりの出場権を掴んだ状況です。筑波大の一員として結果を出さないと胸を張れませんから」
— 熱烈オファーに「葛藤しています」。
心身ともに逞しくなった角田に複数のJクラブが熱烈なラブコールを送るのはある意味、必然のことであった。加熱する獲得レースの渦中にいる彼に、率直な気持ちを聞くと、「葛藤しています」という素直な言葉が返ってきた。そこには高校時代の頃から変わらない思慮深さ、そしてきちんと自分と向き合うというパーソナリティーが滲み出ている。
「どのクラブを選んでも間違いはないと思うし、正解だと思うんです。でも、ここでうやむやな答えは出したくないし、オファーを頂いているクラブに対して真剣に向き合いたい。今はじっくりと思考を重ねて、自分に合った決断をしていきたいです」
果たして彼はどのような決断を下すのか。ただ、角田がどのクラブを選んだとしても、彼のCBとしての矜恃は一切変わらないだろう。
「苦しい時に自分が守り切る。あいつがいるからこそ勝てるという選手になりたいし、ならないといけないと思っています。左利きはあくまでプラス要素ですから、そこに頼らずにCBとしてのベースを確固たるものにするべく、これからも情報収集力と処理力、身体操作の質をもっと磨いていきたいと思っています」
2020/10/09 筑波大3年角田涼太朗がマリノスを選んだ理由は? 「先輩・松田直樹さんも超えていきたい」 – Jリーグ – Number Web – ナンバー
text by 安藤隆人
「本当に最後の最後まで悩みましたが、オファーをもらったチームの試合やハイライトを重点的に見ていたら、純粋にマリノスのサッカーがしたいと思えたんです」
大学サッカー界屈指のセンターバックとして注目を集めていた筑波大3年の角田涼太朗が進路を決断した。
以前、当連載のコラムで「左利きのCB」という希少価値と進路に悩む彼の葛藤を紹介したが、9日に横浜F・マリノスへの来季加入が正式に発表された。J1の4クラブ、J2の1クラブ、合わせて計5クラブの正式オファーの中から角田が選択をしたのは、昨季のJリーグチャンピオンだった。
「どのクラブにも優秀なCBがいるので、どのチームに行っても厳しいポジション争いになるし、学ぶべきものが多いのは間違いない。最終的な決め手となったのは、自分が純粋にやりたいと思うサッカーかどうか。
マリノスは自分たちが主導権を握って試合を進めていくし、ボールを動かして最終ラインからビルドアップをしていく。それでいて前線に強烈なアタッカーが揃うので、一発(のロングボール)で相手をひっくり返すこともできる。臨機応変なサッカーができることが魅力的だし、自分の力を発揮できると思ったんです」
— 角田の左足を生かせるマリノスサッカー
今季でアンジェ・ポステコグルー体制3年目を迎えたマリノス。常にDFラインが高い位置を保ち、サイドバックが中央のボランチラインから攻撃の組み立てるサッカーは円熟味を増してきた印象だ。さらにマルコス・ジュニオール、仲川輝人、エリキ、前田大然、オナイウ阿道と層が厚くなったアタッカー陣で構成する強烈な3トップへ、時にはシンプルにボールをどんどん配給していく。客観的に見ても角田と能力は、現在のマリノスサッカーとフィットすると思える。
角田の特徴的な長所は、左足から繰り出される制度の高いキックだ。長短織り交ぜたパスで一気に局面を打開できる上、高さ、スピードも兼ね揃えていることでマリノスのハイラインサッカーへの対応も問題ないと見る。さらに左サイドバックとしてもプレーできることで、その展開力やクロスボールはマリノスの攻撃にも厚みをもたらすだろう。
「バックラインの選手の役割が多いのが魅力です。特にCBは繋いで守って、ラインも保ってと、とてもやりがいを感じました。もちろん簡単なことではないですが、サッカー選手としてより成長したいと思った時に、多くの役割をこなせることが大事だと思っています。そのタスクを高いレベルで当たり前のようにこなさないと、その先のA代表はないと考えているので」
— 前橋育英の先輩・松田直樹を追って
マリノスのサッカーに、自分の将来像を明確に映し出すことができた。ただ、加入の理由はそれだけではない。後押しされた大きな存在がある。
「マリノスに決めた時、ふと松田直樹さんの存在が頭に浮かんだんです。自分の母校である前橋育英高校の偉大な先輩。高校時代、山田(耕介)監督から『直樹は真っ暗なグラウンドで1人でヘッドの練習をずっとしていた』『一度試合でスタメンを外したとき、試合中ずっと俺の目の前でスライディングタックルの練習をやっていた』など、逸話はたくさん聞いてきました。さらに育英の試合では必ず『Forever3』という松田さんの顔が描かれた弾幕が貼られていたことでずっと意識してきました。尊敬する先輩です」
前橋育英のそれは黄色と黒のタイガーカラーだが、日産スタジアムにもトリコロールの「Forever3」の横断幕がある。高校時代の松田はエース番号「14」を背負ったが、松田を象徴とする「3番」を高校2年から背負ってきた角田にとってその存在は大きい。
— 「やっぱり松田直樹の後輩だな」と
「松田さんは高校でもプロの世界でも誰からも愛された、僕にとってはまだまだ遠い存在。でも、偉大なプレーヤーの後輩としてマリノスに入る以上、1年目からそれなりの結果で示さないといけないと思いますし、絶対に下手なプレーはできないと思っています。『やっぱり松田直樹の後輩だな』と思われるように頑張りたいです」
ちなみに筑波大からマリノスのCBという系譜で言えば、「アジアの壁」と言われた井原正巳がいる。マリノスではレジェンドである偉大な先輩2人の直属の後輩として、サポーターからも大きな注目と期待を集めるだろう。
— マリノスの最終ラインに「強さ」を感じる
角田が言う「それなりの結果」とは、マリノスのCBとして頭角を現し、将来的にはDFリーダーとして最終ラインに君臨することだ。
現在のマリノスには日本代表にも名を連ねる畠中槙之輔、昨季ベストイレブンに選ばれたチアゴ・マルチンスと、Jリーグ屈指のCBコンビが君臨している。さらに今季はどのクラブもマリノスのサッカーに対して入念な対策を練ってくる状況だ。その中で求められるのは、当然のように狙われる最終ラインの裏のスペースへのアタックを、パワーと頭脳とねじ伏せる「王者のメンタリティー」である。
「マリノスの最終ラインに『強さ』を感じています。前への推進力、ハイラインを保つ決断力も凄い。これは非常に難しいことだと思いますし、勇気やリスクマネジメントなど様々な能力が求められる。単に1対1に勝てばいいのではなくて、ピッチ全体を見渡さないといけない。それをこなすには味方との連係が大事になってきますし、体の向きがゴールに向いた状態でのクロス処理やスルーパスの対応、寄せなどが必要になってくると思います。
今の僕はどちらかというと『迎え撃つ守備』を意識していますが、マリノスではそれに加え、追いかける守備、先回りをする守備、瞬間的に寄せる守備と多岐に渡ったプレーが求められる。でも不安と言うよりは楽しみの方が多い。成長する要素がたくさんあるので」
— 目指すのは「なんでもできるCB」
角田がマリノスを選んだ1つに、まさにこの「メンタリティー」を養いたいという強い思いがあった。攻撃・守備、空中戦、地上戦、そして360度のカバーと「なんでもできる選手」を理想のCB像として挙げている。技術だけではなく、前年度王者という強烈なプレッシャーの中でプレーできることを大きな魅力と捉えたのだ。
マリノスにとっても、右利きが揃うDF陣の中で希少な左利きのCBである角田の獲得は将来を見据えた上で必須事項だったはずだ。両者の想いが合致する形で、今回の加入が実現した。
— 冨安の活躍、先輩たちが敷いたレール
ただ、彼はまだ大学3年生だ。正式加入は再来年の2022年シーズンから。それでも早期決断をした理由は、何より彼が「より早く経験を積んでステップアップしたい」というマインドが強いということにある。
今季のJリーグは「豊作の年」と呼ばれるほど多くのルーキーや特別指定選手が多くの出場機会を掴んでいるが、その多くが攻撃的なアタッカーやサイドバックの選手。チームの核としてプレーすることが求められ、さらに経験が物を言うCBとしてポジションを勝ち取ることはそう容易いことではない。だが、周囲を見渡せば、同世代のCB冨安健洋は日本代表レギュラーの座を勝ち取っている。年齢はたった1つ上。すでにヨーロッパのトップリーグで活躍するトップランナーに「後に続きたい」という思いもある。
「筑波大進学を選んだ時点で、在学中にJクラブの特別指定選手になってプロの舞台を早く経験したいというプランがありました。ただ入学後、制度の変更で特別指定選手は内定者ではないと許可が下りないようになったんです。先輩の三笘さん(薫/川崎フロンターレ)に『プロに行けるチャンスがあるなら、早いうちに経験をしたほうがいい』とアドバイスをもらっていましたし、実際に昨年にJクラブの練習参加をさせてもらった時も、スピード感が全然違った。そういう助言や経験が決断を早めた理由です。
もちろん筑波大で成長できないというわけではありません。筑波大での時間があったからこそ、間違いなくここまで多くのクラブからオファーをいただける選手になれたと思います。ただ、次のステップに進むためには、やはりプロの舞台を少しでも早く経験することが大事だなと思いました」
筑波大は勉強のレベルも高く、サッカー部では大学生である以上はしっかりと授業を受け、勉学を疎かにしてはいけないという共有するマインドがある。現に角田は卒論以外の必要単位はほぼ全て取得済みだ。きちんと大学生のとしての本分を果たしながら、特別指定選手としてJリーグの舞台に立ちたい。「文武両道」を実現する上でもマリノスの環境は魅力的だった。
過去を振り返ると明治大からキャリアをステップアップさせた長友佑都、武藤嘉紀、室屋成という成功モデルがいる。彼らも現在の角田と同じように大学3年でプロ入りを決め、4年の時はすでにFC東京の選手として活躍し、そこから日本代表、海外移籍へと駆け上がって行った。彼自身も先輩たちが敷いてくれたレールをイメージしているだろう。
— 筑波大・小井土監督も角田を尊重
筑波大蹴球部を率いる小井土正亮監督も角田の考えを尊重する。高いレベルでの文武両道をこなす権利を掴めるか、掴めないかはすべて自分次第なのだ。
「卒業前にプロの世界にトライする気持ちは、僕も応援したいと思っています。ただ、プロの世界は甘くない。まずはマリノスで信頼を勝ち取って、試合に使ってもらえるように成長をしないといけない。『来てほしい』と求められる選手になってほしいと思います」(小井土監督)
そのことは角田自身がよく理解している。
「自分の中でモヤモヤする気持ちもあるのかと思ったのですが、決めた後はすっきりとした気持ちになれたんです。高校時代、プロか大学か迷って決断したときは、自分を追い込んでしまったというか、早く決めなきゃと思い詰めていた。でも、今回は自分が思っていた以上に覚悟が明確に決まった。あとはこの決断が良かったということを、周囲にも自分自身も納得させたい」
— 「トリコロールは好きですよ」
悩みに悩んだ末に下した結論。今、彼に見えているのは新鮮で、楽しみに満ちた将来だ。
最後に彼に袖を通すことになるトリコロールのユニフォームについて聞いてみる。
「トリコロールは好きですよ、鮮やかですし」
その後、角田はあふれ出るように「王者」に飛び込む決意を語り出した。
「期待も大きいと思うので、がっかりさせないように、早くトリコロールが似合う選手になりたいと思います。小井土監督が話していた『期待に応えるのが一流。期待を超えるのが超一流』という言葉が心にある。マリノスに入る以上、出番を掴んで日本代表に入りたいし、先輩である松田さんも超えていきたい。どれも大きな目標ばかりですが、生半可な気持ちではありません。やるからには全てを超えないと、自分が望む成長、将来はないと思っています」
筑波大学蹴球部の1日(角田涼太朗)A Day in the Life of a Student Athlete – YouTube
大学NO.1 DF 角田涼太朗の守備技術を撮ってみた!【GOPRO、つけてもイイですか?】 – YouTube
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