夕刊こけまり:今日の横浜F・マリノスまとめ(2019/07/17) #fmarinos


夕刊こけまり:今日の横浜F・マリノス(まとめ)

(´-`).o0(2019/7/17(水)、午後に久しぶりに晴れ間が見えた横浜でした)
 
 

アンカー(目次)

1.横浜F・マリノスオフィシャルサイト
2.今日の練見(れんみ)
3.Twitter / Instagram
4.Webニュースログ 
 
 

横浜F・マリノス オフィシャルサイト

(´-`).o0(主たるニュース無し)
 
 

今日の練見(れんみ)

(´-`).o0(トップチームはオフ)
 
 

Twitter / Instagram

(´-`).o0(none)
 
 

Webニュースログ

2019/07/17 マリノス遠藤渓太、「点を取れないよね」からの脱却。代表落選の悔しさ、今季初ゴールにこめられた万感の思い | フットボールチャンネル

明治安田生命J1リーグ第19節、横浜F・マリノス対浦和レッズが13日に行われ、ホームの横浜FMが3-1で勝利した。この試合に先発した遠藤渓太は38分、自身の今季公式戦初得点となる先制点を奪った。東京五輪世代としてこれまで年代別日本代表に名を連ねながら、先日のトゥーロン国際大会、コパ・アメリカ2019(南米選手権)では落選という悔しさを味わったアタッカーが漏らした思いとは。(取材・文:藤江直人)

–ノーゴールは「情けなかったし、苦しかった」

 いろいろな声が耳に届いてきた。たとえば横浜F・マリノスのチームメイトたちは、下部組織から昇格して4年目になる東京五輪世代のホープ、21歳の遠藤渓太にこんな言葉をかけ続けた。

「いつゴールを決めるの」

 褒められた直後に物足りなさを指摘する声が、左ウイングで先発フル出場を積み重ね、プレー時間が増えていくにしたがって、ファン・サポーターの間で強まっていることもひしひしと感じていた。

「遠藤っていいけど、でも点を取れないよね」

 図星だった。数字を見れば、言い返すことができなかった。いつしか相手ゴール前でシュートチャンスを迎えるたびに、同じフレーズが自分の心のなかで繰り返されるようになった。

「力むな。力んだらダメだ」

 頭では理解していても、ボールをインパクトする刹那になると無意識のうちに力が入ってしまう。ゆえにシュートがゴールの枠をとらえられない。あるいは、相手キーパーの守備範囲へ飛んでしまう。そのたびに天を仰ぎ続けた胸中を、遠藤は神妙な表情を浮かべながら振り返っている。

「ここまで試合に出ながらノーゴールというのはすごく情けなかったし、苦しかった。それでも全部が全部、人生が思い通りにいくわけがないと思ったこともあります。いろいろな葛藤を抱えながらプレーしていたというか、正直、難しい時期をすごしてきました」

–チームメイトやファンの期待は伝わっていた
 今季の遠藤は北海道コンサドーレ札幌戦を除くすべてのJ1リーグ戦、YBCルヴァンカップのグループリーグ6試合、そして立命館大学(京都府代表)を2-1で振り切った天皇杯全日本サッカー選手権2回戦で、アンジェ・ポステコグルー監督からチャンスを与えられてきた。

 しかし、ホームの日産スタジアムで浦和レッズと対峙した、13日の明治安田生命J1リーグ第19節がキックオフを迎えた時点で、公式戦で一度もゴールネットを揺らしていなかった。それでもリーグ戦においては、マリノスの総得点が最多を数えていた事実が歯がゆく感じられた。

 ともに今季から加入したブラジル人コンビ、エジカル・ジュニオとマルコス・ジュニオール、昨季にJ1初ゴールを含めた9得点をあげるなど、大ブレークを遂げた仲川輝人のトリオが叩きだしたゴール数は、レッズ戦を迎えた時点で実に「24」に達していた。

「本当に3人を頼って、3人に助けられながらここまでリーグ戦を戦ってきました。でも、そんな(自分がノーゴールという)状況でもチームメイトのみんなは自分を信頼してくれたし、ファン・サポーターのみなさんもすごく応援してくれているのが伝わってきたので」

 チームメイトたちからかけられ続けた「いつゴールを決めるの」を、ファン・サポーターの間で広まっていった「遠藤っていいけど、でも点を取れないよね」を、自分に対する期待やエールの裏返しと受け止めてきた。そして、レッズ戦の38分に呪縛から解放される瞬間が訪れた。

–力みのない動きから放たれた初ゴール
 自陣の中央で横パスを受けたレッズの右ウイングバック・橋岡大樹が前を向き、ボールを前へ運ぼうとした直後だった。対面に立ちはだかったマリノスの左サイドバック・ティーラトンのプレッシャーに臆したのか。橋岡は勝手にバランスを崩して、ボールを失ってしまう。

 すかさずボールを拾ったティーラトンが橋岡を置き去りにして、斜め右前方へいた遠藤の足元へ正確無比なパスを通す。相手ゴールに背を向けた状態で、左足でパスをトラップした遠藤は体を時計と逆回りにターンさせながら、ボールを利き足とは逆の左足の近くに置いた。

 混乱をきたしていたレッズの守備陣のなかで、3バックの中央を務めるマウリシオが必死に間合いを詰めてきた。左足の近くにボールを置けば、自身の体の横幅分だけマウリシオと距離を作ることができる。すべては計算された動きだったのか、と問われた遠藤はゆっくりと首を縦に振った。

「ブンちゃん(ティーラトン)からいいボールが来て、珍しくというか、すごくいいところにボールを置くことができた。ああいうシュートを打っていた時期もあったし、しっかり打ち切っているシーンもあった。それが今日はようやく入ってくれたことで、いい時間帯で自分が先制点を取れてチームが勝てたことは嬉しいし、これで3人の負担も減ってくれるかなと思っています」

 ターンを含めた力みのないスムーズな動きから、左足をコンパクトかつ思い切り振り抜く。ミートの瞬間だけ力を込める、理想的なスイングから放たれた強烈な弾道はブロックしようと飛び込んできたマウリシオの股間を抜けて、ゴールの右隅を正確無比に撃ち抜いた。

 今季のリーグ戦で18試合目、時間にして1113分目にようやく決まった、誰よりも遠藤自身が待ち焦がれてきた初ゴール。この間、左ウイングを主戦場として、縦へ飛び出す突出したスピードと高度なテクニックを融合させながら台頭してきたホープは、予期せぬ試練も味わわされている。

–トゥーロン、コパ・アメリカはともに落選

 来夏の東京五輪に臨む男子代表チームには、森保一監督のもとで立ち上げられた2017年12月から「常連」として名前を連ねてきた。昨年1月のAFC・U-23アジア選手権、同3月の南米パラグアイ遠征、同5月のトゥーロン国際大会、そして準優勝した同8月のアジア競技大会を戦ってきた。

 今年に入っても3月のAFC・U-23アジア選手権予選に招集された。しかし、5月のトゥーロン国際大会は選外となった。フル代表を含めた国際大会が重複した関係で、東京五輪世代のなかでも各ポジションで2番手以降の選手が名前を連ねた、という事情もはたらいていた。

 しかし、東京五輪世代が18人を数えるチーム編成となった、コパ・アメリカ2019に臨んだフル代表にも遠藤の名前はなかった。各チームから一人ずつ、という原則が貫かれたと思われるなかで、マリノスからは同じ1997年生まれのMF三好康児が選出されていたことも関係したかもしれない。

 遠藤自身も「いろいろな経緯があると思うけど…」と、努めて自分自身を納得させてきた。しかし、トゥーロン国際大会で史上初の決勝進出を果たし、コパ・アメリカでは決勝トーナメント進出への扉を開けかけた同世代の盟友たちを応援する、自分自身の存在には違和感を禁じえなかった。

「トゥーロンとコパ・アメリカで頑張っているみんなを見るのが悔しかったというか、自分が両方(の代表)に入っていないというのもなかなか難しかった。自分はマリノスで頑張るしかないと思ってプレーしても上手くいかず、ゴールも決められずに厳しい時間もあった」

 抱き続けてきた、偽らざる本音を遠藤は打ち明けた。それでも、マリノスで先発として出場し続けているということは、歩んでいる道が正しいからだと言い聞かせた。いま現在はあくまでも通過点。最初に訪れる勝負のときが、来夏の東京五輪に臨む18人の代表メンバー入りとなる。

「だからオリンピックへ向けて、トゥーロンやコパ・アメリカがすべてじゃない。自分のチームで何ができるのかが、最終的にはオリンピックにつながる。見てくれている人は、見てくれていると思うので」

–キャプテンが語る遠藤の存在感
 誓いを新たに立てた直後だったからこそ、自身のストロングポイントが凝縮された初ゴールに全身を痺れさせた。チームメイトたちの手洗い祝福を受けるなかで、いままでとはちょっと異なるニュアンスの声をかけられ続けた。「やっと取ったね」という響きに、万感の思いを募らせた。

「やっぱりみんなが心待ちにしてくれていたと思うし、実際にひしひしと感じていた。チームメイトがすごく支えてくれたし、僕自身、何も言われないよりは、何かを言われた方が絶対によかった。やっと応えられたという喜びがありました」

 冒頭で記した「いつゴールを決めるの」をポジティブに受け止めてきた理由を、遠藤ははにかみながらこう明かした。なかでも扇原貴宏とともにキャプテンを務める、ボランチの喜田拓也の一挙手一投足が遠藤を励ました。今季のマリノスにおける遠藤の存在感を、喜田もこう位置づける。

「ゴールこそ決めていなかったけど、渓太の働きというものを僕たちはわかっていましたからね。アシストもそうですし、渓太の走りで取れた点もある。ゴールはなくてもチームへの貢献やハードワーク、味方へのスペースを空ける走りとか、見えづらいものもあるので何も言うことはなかった。それらが報われ、素晴らしいゴールが入ったことでさらに思い切りが増せばいいし、僕たちとしては渓太を上手くサポートしていければ、と思っています」

–議論を呼んだゴール
 だからといって、遠藤が満足することはない。たとえば1点リードで迎えた59分。エジカル・ジュニオとのワンツーで左サイドを抜け出した遠藤がスピードに乗ったまま、右足でファーサイドを狙ったシュートを放った。枠をとらえるかどうかの、ギリギリのシュートは予期せぬ展開を招いている。

 レッズの左ウイングバック・宇賀神友弥ともつれ合いながら、仲川が胸のあたりで押し込んだ一撃は一度ゴールとして認められ、レッズの選手たちの猛抗議を受けてオフサイドで取り消しとなり、最終的には正式に仲川のゴールとなった。

「自分のよさが出たシーンだったけど、最後に僕がしっかりと決め切っていたら、あんなことにはならなかった」

 松尾一主審の判定が二転三転し、中断時間が9分間にも及んだ異例の試合展開を神妙に受け止めながら、遠藤は残り15試合となったリーグ戦への思いを新たにする。暫定ながらマリノスは勝ち点36の2位をキープし、首位・FC東京とのポイント差を「3」に縮めている。

 そして、マリノスの総得点「33」は依然としてリーグ1位であり、得点ランキングでトップタイの10ゴールをあげているエジカル・ジュニオ、8ゴールで並ぶ仲川とマルコス・ジュニオール、そして待望の初ゴールを決めた遠藤と前線の4人で約82%にあたる「27」をあげている。

「もちろん1点で終わるわけにはいかないし、ここから先の自分の振る舞いやプレーがすごく大事になってくる。僕が点を取れるようになれば3人へのマークも分散するし、負担も少なくなる。僕の誇りにかけて数字を積みあげて、もっともっと上のステージに行くことが、自分たちが優勝へ向かっていくうえですごく大事なことだと思っています」

 喜田をはじめとするチームメイトたちへの感謝の思いを成長する力に変え、ファン・サポーターから「遠藤っていいね。点も取れるし」と言われるようになれば――2004シーズン以来、実に15年ぶりとなるマリノスのJ1制覇と、遠藤自身が日の丸を再び背負う姿が見えてくる。

(取材・文:藤江直人)

2019/07/17 横浜―浦和戦誤審騒動で副審と第4の審判に1カ月の審判資格停止、主審は1カ月の割り当て停止処分― スポニチ Sponichi Annex サッカー

 13日に行われたJ1リーグ第19節・横浜―浦和戦で発生した誤審騒動に関して、日本サッカー協会は17日に審判委員会を開き、松尾主審は1カ月の割り当て停止、相楽副審と大坪第4の審判員はカ月の審判資格停止、田尻副審は1試合の割り当て停止処分とすることを決定した。
 横浜が1―0とリードして迎えた後半14分、横浜FW遠藤のシュートがオフサイドポジションにいたFW仲川に当たりゴール中へ。審判委員会の聴取によると、主審と浦和陣地担当の副審は浦和MF宇賀神のオウンゴールと判定し横浜の得点としたが、ピッチ上の浦和選手が猛抗議。試合が中断している中、横浜陣地担当の副審と第4の審判の元に運営から「仲川のゴール」という情報が入ったことからそれを主審に伝え、横浜のゴールは取り消されてオフサイドとなった。しかし、運営など第3者の情報から判定を変えることは審判規則で許されておらず、再度審判4人で協議して両監督に説明し、運営からの情報が入る前の横浜のゴールという判定で試合が再開する運びとなったという。

 小川審判委員長は「審判員は競技規則の中で動かないといけない」と話し、第3者である運営からの情報で判定を変えるきっかけをつくった横浜陣地担当の副審と第4の審判には主審らより重い処分を科した経緯を説明した。また、浦和の一部選手が「主審が判定は運営が決めていると言っていた」と証言した件について、小川審判委員長は「主審は両監督、選手に対し、“運営から情報を得たが、それで我々の判定を変えることはできない”と同じ説明をしたと聞いている」と疑惑を否定した。

2019/07/17 世界中の情報がマリノスにシティ流強化メソッドがもたらしたもの | footballista

横浜F・マリノス好調要因の1つに補強の成功がある。Jリーグでプレー経験のなかったエジガル・ジュニオや、マルコス・ジュニオールなど獲得する選手が軒並み活躍。日本人選手においても昨シーズン途中に獲得した畠中槙之輔は日本代表に選出されるまでに成長するなど目覚ましい活躍を見せている。そうした背景にはシティ・フットボール・グループ(以下、CFG)の確かなバックアップが存在した。

この度、チーム強化を統括するスポーティングディレクター(SD)の小倉勉氏と、今シーズンより小倉氏のサポート役として就任した原正宏氏に話を伺った。CFGと提携することによって得られる情報、ノウハウ。そして、目指す未来とは……。

インタビュー・文 MCタツ

–CFGを通じて世界の常識、情報に触れる
――CFGが入ってわかりやすい結果が出るまで5年という歳月が必要だったのかと外から見ていて感じています。実際にクラブの方たちはCFGが入ってどう適応していったのかを伺いたいのですが、最初は苦労されましたか?

小倉「私は5年間を振り返るには難しい立場です。なぜなら私は3年前に(マリノスに)来たので。英語が堪能な原を呼んだのも今年。ただやはり言えるのは、結果を出すためには相応の時間を掛ける必要があったということ。そして、それはCFGに限ったことではなく、サッカーがクラブに定着していくということはそういうものなのかなと思っています。

 少し前から振り返ると、エリック・モンバエルツが監督を務めて、その次にアンジェ・ポステコグルーが監督に就任しました。アンジェは去年の経験があってこそ今年の(チーム力の)積み上げがあります。ただ、(アンジェ・ポステコグルー監督就任前の)過去3年間も重要だということ。その経験をふまえて彼にオファーをしている訳で、クラブとして積み上がっているものも確実にあります。1番大事なのは継続。人が入れ替わることは悪いことではないと思うのですが、入れ替わりながらもクラブとしてぶれずにひとつのものが続いていく。そういう(クラブの)幹と呼べるものがしっかりと存在しなければいけない。結果で評価され、人の流動性が高い世界だからこそ、マリノスを幹のあるクラブにしていきたいと思っています」

――日産時代から伝統のあるクラブで、そのようなベースがありつつも、CFGが入ってきて、その幹に変化があったと思います。特に攻撃的なサッカーをCFGが掲げているところで、幹の変化は具体的にどういうところにありましたか。

小倉「変化というより、新しいものにトライしていくという感じですね。人材の変化もあればサッカーの変化もあります。新しいものが来たら、それを受け入れるところもあるし、逆に受け入れられないところもある。サッカーの世界で僕がよく言うのですが『日本の常識は世界の非常識、世界の非常識は日本の常識』というのは多々あります。彼ら(CFG)は当たり前だと思っている世界の常識が日本では『日本のやり方があります』となってしまう。そういう中でお互いが歩み寄ったりせめぎ合ったりっていうのが、本当にうまく行われるようになってきたのがここ1、2年。擦り合わせが明確になりました」

――海外の文化をCFGが持ってきた。それに適応するのに双方時間がかかったっていうところですかね?

小倉「強化部の僕ら以外にもクラブにはたくさん人がいますので、苦労された方もいたと思います。『5年かけてこうなりました』と言うのは簡単ですが、色んな苦労があったのではないかと」

――3年前に小倉さんがマリノスにいらっしゃった際の動機を教えて頂けますか?

小倉「元々、僕が興味を持ったのはCFGとマリノスの関わり。なかなか日本にいて世界を体験するというのは難しいことですから、それを体験したいと。(シティ・フットボール・ジャパン代表の)利重さんに話を聞いてみると『CFGを通じて世界の常識、情報にリアルタイムで触れることができますよ』と。元々Jリーグでコーチや監督をやっていたのですが、ACLに出ないとアジアや世界を意識するのは難しい。でも、マリノスに来ればそういうものがあるのではないかと思いました」

――実際マリノスに入ってみてCFGのやり方に衝撃を受けたみたいなことはありますか。

小倉「それは私が話すより、まだ新鮮味が残っている原が話したほうがいいですね」

原「例えばマリノスに来る前までシティのイメージはヨーロッパでした。それなのになぜこんなにもブラジル人選手を獲っているのかシンプルに興味がありました。それはCFGが南米も含めた世界中の選手の情報を集めるためのスカウト網を持っているから。世界中に60人程度のスカウトが存在しています。そこから吸い上げた情報のデータベースが我々マリノスにもシェアされています」

――それは非常に大きなメリットですね。

原「例えば、とある能力の高い選手がいて、でもまだマンチェスター・シティのレベルには達していない。そういう選手の情報をシェアしてもらえます。どれくらいの金額感なのか、その選手が海外に出たがっているのかどうか、またはクラブが売りたがっているのかどうかなど、そういう情報も含めてもらえます。普通のJリーグのチームがブラジル人を取ろうとした場合、代理人を通してや、スカウトが直接交渉するという方法だと思うのですが、僕たちの場合はそれをCFGとできます。それも南米だけではなく、ウーゴ・ヴィエイラとダビド・バブンスキー、ドゥシャン・ツェティノヴィッチなど他の地域の選手の情報も入ってきました。世界中にサッカー選手がたくさんいる中でマリノスの場合、まずはCFGが膨大な選手情報集めをやってくれるのです。そのデータベースのアドバンテージはかなり大きいですよね。CFGはそれを日本でもやろうとしていますから」

――とういうのは、日本の選手のデータベースもCFGが作っているということですか。

原「基本的に映像ベースで日本のJ1、J2、J3の選手情報を持っています。また、日本の世代別代表の情報も持っています。ただ試合を生で見ているわけではないので、僕や小倉さんを通して日本の生の情報も集めています。CFGは映像だけでなく生の情報も大事にしていますね」

小倉「今やCFGだけではなく、多くのクラブが先日のトゥーロンやU20ワールドカップにもスカウトを派遣していました。日本の世代別代表の情報は多くの欧州のクラブが持っています。ただ、その情報をどのようにシェアしていくのか。そのシステムや仕組みの面ではCFGはグループとしてやっている強みがありますよね。情報の精度も高まります」

――膨大な選手情報から今のマリノスのスタイルに適合する選手を選べるというのは、代理人とのつながりだけでやっているクラブとは大きな差になりますね。

小倉「ただ勘違いしてほしくないのは我々が代理人を軽視しているわけではないということ。選手獲得の際には代理人と交渉する訳で代理人がいなければ成立しません」

――そのデータベースがあるからと言って良いのか、今シーズンはエジガル・ジュニオ、マルコス・ジュニオールなど外国籍選手の補強も大当たりですよね。

原「日本ではよく外国籍選手の補強に関して、『当たり、外れ』という表現が使われますが、我々はそういう言い方はしません。我々はギャンブルしているわけではなく、情報を集めて精査して、自分たちのスタイルにあう選手を選んでいるので。だから当たる、当たらないとは違いますね」

小倉「外国籍選手は日本の市場規模で考えれば決して安い買い物ではないですよね。だから当たり外れではなく精度を高めていきたい。日本の場合『日本のクラブで活躍した外国籍選手はハズレない』ということで日本の他クラブから外国籍選手を獲得するというのが多いですよね。当然それは精度が高くなります。でもそのぶん移籍の際にかかるコストが高くなります。マリノスが獲得している選手は、そういう選手と比べれば安い金額になりますね」

–CFGにマリノス専属のコンシェルジュがいる

――先日5月上旬にCFGのミーティングで、皆さんマンチェスターに行かれたとお聞きました。どのような内容だったのでしょうか。

小倉「CFGでは半年に一度、ベストプラクティスの共有を目的として、世界各国のマネージャークラスが一堂に会する機会を設けています。日本からは今回、レギュラーメンバーの利重さんに私と、原が加わり3人で参加してきました。CFG各クラブ(マンチェスター、ニューヨーク、メルボルン、ジローナ、トルケ(ウルグアイ)、マリノス)の、サッカー部門であればSD(スポーツディレクター)クラス、事業側であればCEO、そしてセールスやマーケティングなどの部門責任者が集まって、普段はメールや電話中心にコミュニケーションを取っている者同士、一週間直接顔を合わせて話をするわけですね」

――どのような意見交換をされたのですか?

小倉「まず各クラブ個別のセッションがあります。マリノスとジローナ、マリノスとニューヨーク、マリノスとメルボルン、マリノスとシティというような感じです。シティのチキ・ベギリスタインともセッションしましたよ。あとは分科会的にSDだけのミーティング。各クラブであった問題点を共有したりします。『こういう選手を獲得したけどうまくいかなかった』『成績が悪くて降格しそうだ』とか、かなり生々しい話です(笑)。CFGがバックアップしているクラブが全て成功しているかというと、そんなことはないですよ。ジローナとトルケは残念ながら降格しました。マンチェスター・シティは一番結果が出ています。一番長くCFGグループのノウハウを実践していますから当然ですね。そのほかのクラブはまだそんなに時間が経っていません。マリノスもまだ5年です。

 サッカーの内容は、(CFGの)全クラブがペップ(・グァルディオラ)みたいなサッカーをやっているわけでもありません。マリノスは似ていますが、スタイルのコピーを強制されるわけではないです。ジローナもメルボルンも良い意味で全然違うサッカーをしています。ニューヨークはペップの右腕が昨年からニューヨークに行っているので、近いサッカーをやっています。なるべくグループ各クラブの試合を見るようにしていますが、監督や選手によって目指すサッカーは変わっています。だから今マリノスはポステコグルー監督がCFGに言われたサッカーをやっているわけではないのです。彼はキャリアのなかで色んなクラブで今のサッカーをやっていました。我々もポステコグルー監督のサッカーを知っていたので、クラブとして彼に監督をお願いしたわけです」

――しかし、CFGは攻撃的サッカーをやるという哲学はありますよね。

小倉「哲学はもちろんありますが、サッカーは監督と選手でやるものですからね。CFGのトップであるフェラン(・ソリアーノ)から言われたのですが、『色んな情報を供給するけど、最終的に決めるのは各チームのCEOや、プレジデント、監督、SDですよ』と。CFGグループは強制しない」

――マリノス側にも裁量があるのはいいことですね。

小倉「各リーグによって事情は違いますから当然ですよね。例えばMLSは外国人枠を売ることができます。『私のクラブは自国選手だけでチームを組織するから、外国籍選手枠をほしいクラブにはお金で売っちゃいます』というクラブも存在する。アメリカらしい発想ですよね」

――ところで、マリノスからは先日、久里浜の新トレーニング施設について発表がありました。

小倉「そうですね。実はCFGにはそういう施設を作るだけの専門家もいます。その方がまた結構語る人で。全SDがいる中で『あれがなきゃダメだ、これがなきゃダメだ』と厳しくて(笑)。サッカーの戦術論や技術論をやり取りするだけじゃなくて、我々が今まで思い浮かばなかったような情報をもらえるのがCFGの大きいメリットですよね。」

――原さんはそのミーティングに出てどのような感想を持ちましたか。

原「まずミーティングに行ったときの歓迎が凄かったですね。過去、Jリーグのクラブが行ってきたクラブ提携とは全く違う関係性だと思いますね。むこうから『何に困っているんだ?』というスタンスで、コミュニケーションレベルが違います。マリノス側からアクセスさえすればCFG側には情報はいっぱいあります。何をやりたいかをこちらが明確に持っていれば、それを助けてもらえる感じです。CFGにマリノス専属のコンシェルジュみたいな人がいて、その人に『俺に話してくれれば問題を解決するよ』と言ってもらっています。試合分析においても、CFG側にシーズンを通してマリノスのためにリソースを割いてくれる人がいますからね」

–CFG間での選手のやりとりと育成

――今後選手の行き来みなどグループの中で活性化しそうな雰囲気はありますか?例えばシティのU18やU23の選手が日本にやってくるようなことは。

小倉「可能性はゼロではないですよ。ただシティの選手たちはご存知の通りみんな(値段が)高いので。うちがシティくらいの予算を持てれば可能性は高くなりますね。ただ、シティだけでなくニューヨークもあればメルボルンもあります。向こうの選手が来るパターンだけではなく、逆にうちの選手が(CFGのクラブ)行って経験を積んでくることもありうると思います。ニューヨークやメルボルンに行って経験を積んで戻ってきて、今度はジローナに行って、そこからヨーロッパのより大きいクラブに行くようなことは実現できればいいなと思います。そのためにマリノスの選手も英語やスペイン語を勉強しなければいけない。行った先で言葉も文化も分からなくては受け入れる側も難しいですよ。それはCFGからも言われています」

――マリノスも言葉を含めてインターナショナルになることを求められているのですね。

小倉「例えば椿直起は英語でコミュニケーションを取りながらリハビリメニューに取り組んでいましたし、ユースやアカデミーの選手も、将来海外でプレーしたいという選手には英語の重要性を伝えています。英語がある程度できるようになったら1回留学のチャンスを与えることを考えています。英語ができれば代表チームに行った時でも必ず役に立ちますし、海外で試合をすることが全然苦じゃなくなると思いますよ。海外で長く活躍するというのは語学が本当に大事ですよ。長谷部誠、吉田麻也、川島永嗣はみんなその国の言葉が話せる。言葉ができれば海外で指導者ライセンスを取って海外で監督、指導者にもなれます。彼らがよく言っているのは、もっと下の年代の頃から言葉を身に着ける必要性。日本ではそういう話があまり語られないですが、非常に重要なことだと思います。戦術論や生活の話ばかりがフォーカスされているので、語学の重要性ももっと議論されていいと考えています」

――マリノスのアカデミーで英語を教えるようになるのでしょうか。

小倉「そうですね。英会話教室と提携するなど、そういう話が進められればいいなとクラブ内でも話しています」

原「去年もノルウェーの1部にマリノスから2選手を短期留学に送りました。いい経験を積めたのですが、もし自在に言葉を喋れたら、もっとチャンスが広がっていたと思います。経営サイドではそういう問題認識があるクラブもあると思うのですが、強化サイドでこれだけ語学について高い問題認識を持っているクラブはあまりないと思いますよ」

小倉「シティには『パーソナルエリートプログラム』という、若い選手をどうやって海外に輩出するかという部署があります。海外だけでなく国内でもいろんなチームに行かせて経験を積ませる。さらにCFGは同じグループだけでなく、提携クラブというのもいっぱいありますから選択肢も多いです。マリノスの若手にもそういう提携クラブが受け入れてくれるという話がたくさんあります」

――7月27日にシティとの試合になります。ある意味本家と戦うみたいなところですが、強化部としてこの試合をどう捉えていますか?

小倉「まず勝ちにいかないとダメですね。相手はプレシーズンですし、勝つチャンスはあると思います。選手たちはそれくらいの気持ちでやってほしい。こちらはシーズン中でコンディションが良いわけだから、ただの練習試合ということではなく、勝ちに行く。(ペップ・)グアルディオラに、マリノスの選手を欲しいと言ってもらえたら、こちらとしてもありがたいですよ。お金ががっぽり入ってきますからね(笑)。半分冗談ですが『練習参加させてほしい』みたいな話の可能性はなくはないでしょう。こちらはシーズン中だとちょっと困りますが(笑)。そのためにも勝ちに行って良い試合をしないと。3、4点取られて負けたチームから選手を欲しいとは思わないでしょう。CLを見ていても、対戦相手で活躍した選手を翌年獲得しにいっていますからね」

原「私としてはまず今回の試合でマリノスとCFGは着実に関係を築いていることが伝わってほしいですね。もちろん選手が行き来するのはわかりやすい関係性の良さの現れだとは思うのですが、18歳、19歳の選手がメルボルンにいきましたとか、そういう交流だけではなく、シティと試合をしてCFGの中でも、また日本国内でもマリノスの価値が上がってほしいと思っています」

 
 

 
 

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