【試合結果まとめ(2○1)】2017/4/8(土)19:00 J1リーグ 第6節 横浜F・マリノスvs.ジュビロ磐田@日産スタジアム


アンカー(目次)

1.横浜F・マリノスオフィシャルサイト
2.Jリーグ.jp
3.Twitter / Istagram
4.YouTube
5.Webニュースログ
6.今週の他会場など

横浜F・マリノス オフィシャルサイト

2017 明治安田J1 第6節 vs ジュビロ磐田 試合レポート

監督コメント

エリク モンバエルツ 監督
「予想していた展開だったと思います。我々がポゼッションできる試合展開になるだろうと考えていました。フリーの状況をつくるために、落ち着いてボールを回すことが大事でした。
ある程度うまくできました。しかしクオリティーのところで、もう少し精度を上げていかなければなりません。我々が先制したのは、当然の流れといえます。問題は、そのあとセットプレーで失点してしまったことです。
ですので、また2点目を取るために、もう一度やり直さなさなければいけませんでした。
そして2点目を実現できました。今日はクラブの25周年を祝うための勝利が必要でしたので、良かったと思います。今日の試合は、絶対に勝たなければなりませんでした。
選手と、そして選手の力を最大限、発揮させてくれたファン・サポーターの応援を称えたいと思います」

質問:同点にされて、またやり直さなければならなかったと言いましたが、具体的に、何を、どう、やり直したのでしょうか?
「特に今日は、後半の最初の15分間が良かったと思います。自分たちのポゼッション、それも相手陣内でのポゼッションをしっかりするという点ができていました。
ホームのゲームでは、相手が自陣で敷いた守備ブロックを、どう崩していくかが課題になります。
かつ、カウンターをさせないということです。そういう点を、後半にもう一度、やっていくということでした」

質問:守備で、危ない場面が何度かあったと思いますが、その点については?
「自分たちがポゼッションできる展開のゲームというのは、守備の堅さをキープするのは難しくなります。今日、自分たちは1点取った後、少し下がってしまいました。ボール保持者にプレスに行けなくなった時、守備が非常に難しくなってしまいます。
そして、今日途中から入ったメンバーが守備を向上させてくれたましたが、それはやはりボール保持者に対して、しっかりプレスをかけることができていました。そうなるとチームとしての守備は良くなっていきます。この点をチームとして全員が理解して、ボール保持者にプレスに行くということを向上させていかなければなりません」

質問:後半の途中はカウンターの応酬になってしまいましたが、その理由については、どう分析していますか?
「これはJリーグで多いシチュエーションだと思います。後半になると、疲労もあってスペースが生まれて、カウンターのシーンが多くなります。その中で、数的不利でも守れることが必要になります。同時に、今日は自分たちもカウンターを受けましたが、自分たちもチャンスにするという面もあります。
こういう状況があるという前提で、日々の練習の中で、カウンターのプレー局面が連続するようなトレーニングをして準備をしています」

選手コメント

ウーゴ ヴィエイラ
「すごくいい試合でした。やっぱりサポーターがいっぱいいる中でプレーできるのは素晴らしいこと。ラスト20分、疲れている時に背中を押してくれたのは、サポーターだと思います。
自分のチャンスは2、3回ぐらいありました。パスをゴール前に出したシーンもありました。残念ながら今日はゴールを決められませんでした。それでも勝点3を獲れたことが嬉しいです。
(2点目後のゆりかごダンスについては?)人生で一番大事な娘を、こういう形で皆が覚えてくれていて、すごく嬉しかったです。あとは家に帰って、一緒に喜びたいです(笑)」

扇原 貴宏
「チームが勝っている中での出番だったので、前線からの守備を意識して、うまく試合を終わらせるということを考えながらプレーしていた。
(F・マリノスでのリーグ戦初出場で)やっとスタートラインに立てたという感じ。ここから、出場時間を増やしていきたいと思う」

天野 純
「先制点を取った後、少し受け身になってしまった。どこかで守り切ろうという気持ちがあったからだと思います。
そこで、もう1点取りにいく姿勢を見せないといけなかった。僕が仲間に声をかけたけど、全員に浸透しなかった。ボランチなので、皆に発信していかなければいけない。
俊さんから1対1でボールを取れた場面もあったが、まだまだ超えられない存在。最後のフリーキックにしても、あそこは決めなきゃいけない。俊さんなら絶対に決めていたし。そういう意味で、今日は勝てましたけど、自分としてはこの勝利を手放しで喜ぶことはできない。また練習していきたいと思います。
何をもって俊さんを超えるのか、指標は分からないけど、とにかくセットプレーでは違いを見せられるようになりたいと思います」

Jリーグ.jp

横浜FMvs磐田の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2017年4月8日):Jリーグ.jp
 ├ 入場者数 38,803人
 └ フォトギャラリー

選手コメント

[ 金井 貢史 ]
やっと貢献できた。今日は前半から自分のところでチャンスがあって、その場面でシュートを打たなくて心残りがあった。その後のチャンスでもトラップミスしていた。得点の場面は偶然いたのではなく点を取れると思ってあの位置にいた。自分の中でゴールはおまけ。それよりも1失点したことが悔しい。でも、自分がゴールを決めて勝ててめちゃくちゃ気持ちいい。今日はホームで勝点3が必要なゲームだった。創設25周年記念ということで、会社が勝つために企画してくれた部分もあると思う。会社と一体感を持って戦えたことが大きい。

[ 松原 健 ]
ホームの雰囲気は素晴らしいものがあった。大歓声が力になって、その中で勝点3を取れたことが大きかった。相手は前節セットプレーから得点していたので集中していたけど、集中が足りなかった。前半はマルちゃん(マルティノス)が自分をうまく使ってくれたのでクロスを上げるところまで行けた。後半は少し周りが見えなくなってしまって、そこで数的不利なのに強引に仕掛けてカウンターを食らう場面があった。そのあたりは自分がうまくマルちゃんをコントロールしつつ、プレーを判断していくことが必要。最後のセットプレーもフリーの選手を作ってしまったし、チームとしてもっと精度を高めていく必要がある。でも今日は勝てて良かった。

[ 飯倉 大樹 ]
ここまで五分の成績で、みんなで引き締め直そうと話し合って試合に臨んだ。今日はメンタルの部分で勝てた。戦術の部分では足りないし、攻めも守りもまだまだ。でも今日はしっかり走るとか、勝つためにプレーできたと思う。シュンさん(中村 俊輔)は常に嫌なところを突いてきて、こちらが予測できないボールを蹴ってくる。最後のCKも直接狙ってくるかなと考えてしまって、いろいろ情報があるだけにプレーしにくかった。セットプレーでいいボールを蹴られたらタイトにマークするしかない。セットプレーから失点したのは反省材料として、次の試合に向かっていきたい。

 
 

Twitter / Istagram

名波監督命名・俊輔ダービー、キックオフ! | チケットぴあ[スポーツ サッカー]

「4年ぶりの静岡ダービー。4万人以上のお客さんが入り、非常にいい雰囲気の中でやれたのでよかった。
次節にも俊輔ダービーが待っているので、また気持ちを入れ直してやりたい」


 
 

YouTube


【公式】ハイライト:横浜F・マリノスvsジュビロ磐田 明治安田生命J1リーグ 第6節 2017/4/8


【公式】ゴール動画:マルティノス(横浜FM)26分 横浜F・マリノスvsジュビロ磐田 明治安田生命J1リーグ 第6節 2017/4/8


【公式】ゴール動画:金井 貢史(横浜FM)73分 横浜F・マリノスvsジュビロ磐田 明治安田生命J1リーグ 第6節 2017/4/8
 
 

ネットニュース・Weblog

スポーツニッポン

DF金井、今季初ゴールが決勝弾 守備では俊輔封じ「うまく止められた」

 横浜はDF金井の今季初ゴールが決勝点となった。

 1―1で迎えた後半28分、斎藤からのパスをペナルティーエリア内で受け、反転して右足を振り抜いた。「前半からトラップミスでチャンスを無駄にしていた。僕としてはゴールを取れると思ってあの場所にいた」とイメージ通りの活躍だった。

 中村俊と対峙(たいじ)する場面では決定的な仕事をさせず、「うまく止めることができて良かった」と自信を深めた様子だった。

斎藤学“新旧マリノス10番対決”制す!俊輔に猛チャージ「削っちゃった」

 J1は第6節7試合が行われ、横浜はホームで磐田と対戦。“俊輔ダービー”として注目を集めた一戦で、MF斎藤学(27)が2アシストを挙げてチームをけん引し、2―1で勝利を収めた。横浜は公式戦5試合ぶりの勝ち星。昨季まで横浜に在籍した磐田のMF中村俊輔(38)の後を継いで、今季から背番号10と主将を任される斎藤が、大先輩以上の存在感を示した。

 斎藤にとって特別な意味を持つ90分だった。「俊さんがいることは関係ないと言ってきたけど、気にしないわけがない」。昨季まで在籍した中村俊をホームに迎えての一戦。「絶対に負けられない」。偉大なレフティーから背番号10とキャプテンマークを受け継いだ斎藤が、大きく成長した姿を示した。

 前半26分、左サイドをドリブルで突破すると、相手DF2人をかわして中にクロスを供給し、マルティノスのヘディング弾をお膳立て。1―1で迎えた後半28分にもペナルティーエリア内にいた金井に浮き球の縦パスを送り、決勝点につなげた。これで公式戦5戦5アシスト。「僕も点を取りたかったし、もっとドリブルを仕掛けたかったけど」と苦笑いしながらも、「俊さんが僕らの変化を感じ取ってくれたらうれしい」と充実感に浸った。

 1日のC大阪戦は0―2で完敗。「戦う姿勢を変えないといけない」と危機感を抱き、休暇明けの3日に練習前に選手ミーティングを開いた。自ら「もう一度、気を引き締めてやっていこう」とイレブンを鼓舞。「僕は若い頃から“戦う姿勢”をずっと言われてきた」。中村俊ら偉大な先輩たちから教わったことだった。その後、練習の雰囲気は一変。後半36分には「思い切り削っちゃった」とボールを持った中村俊に激しくぶつかり、ボールを奪うなど主将として戦う姿勢を体現し続けた。

 試合後には中村俊とユニホームを交換し、「めっちゃうれしい」と笑みがこぼれた。「超えていく」がスローガンとなったクラブ創設25周年記念試合を勝利で飾り、「若いチームなので勝つことが自信になる。もっと良いゲームができるし、もっと強くなれる」と力を込めた。大きな背中を超え、斎藤率いる横浜は上昇気流に乗っていく。

ニッカンスポーツ

横浜が磐田に競り勝つ、斎藤2アシスト/横-磐6節

 横浜F・マリノスは斎藤の2アシストで競り勝った。前半26分に左クロスからマルティノスの先制ヘッドにつなげ、後半28分は金井へのパスで勝ち越し点を呼んだ。

 ジュビロ磐田は中村俊のCKから大井のゴールで追い付いたが、追加点を奪えなかった。

横浜MF斎藤2アシスト「新旧10番対決」勝利

 横浜F・マリノスMF斎藤学(27)が、2アシストの活躍で約1カ月ぶりに白星を挙げた。

 前半26分、左サイドから絶妙なクロスを上げると、MFマルティノスがヘッドで先制。同点とされた後半28分には、ゴール前の混戦にいたDF金井にピンポイントでラストパスを入れ、決勝点を演出した。

 ジュビロ磐田には昨季まで在籍した中村俊が今季から加入。横浜の「新旧10番対決」として注目されたが、主将も引き継いだ斎藤に軍配が上がった。斎藤は「ずっと俊さんの背中を見て育ってきた。俊さんたちから教わった戦う姿勢を若い選手に見せられたと思う」と、胸を張って話した。

「俊輔の後継者」横浜斎藤、本家に勝った2アシスト

 「俊輔の後継者」横浜F・マリノスMF斎藤学(27)が、2アシストで新旧10番の初対決を制した。MF中村俊輔(38)が今季から加入したジュビロ磐田を2-1で破り、チームに約1カ月ぶりの白星をもたらした。前半26分にMFマルティノスの先制点、後半28分にDF金井の決勝点を、ともに右足から演出。J1の今季アシストランクでも、単独トップとなる通算5アシストとなった。

 一瞬のすきを逃さなかった。後半28分、斎藤の右足から放たれた放物線は、ゴール前の混戦の中、金井の足元に吸い込まれるように届いた。金井が冷静にゴール左隅に決めると、スタジアムに大歓声がわき起こった。そのまま逃げ切り、ルヴァン杯を含む5試合ぶりの白星。ヒーローインタビューで、斎藤は「サポーターの力が僕らの力になりました。僕らはもっと強くなれる。優勝しましょう!」と力強く宣言し、再び大歓声を呼んだ。

 前半26分には先制点を呼び込んだ。左サイドから切り返し、右足からゴール前にライナー性のクロスを入れた。ゴール前のマルティノスがヘッドで合わせた。この日2つ加えたアシスト数は、今季通算5つ目。4アシストの浦和関根、3アシストの川崎F中村と小林らを抑えて、堂々のJ1単独トップに躍り出た。

 特別な試合だった。「25周年記念試合」と銘打ち、クラブは公式ホームページなどで「超えていく」のキャッチコピーとともに、斎藤を前面に押し出してPRした。「超えていく」ための比較対象は、斎藤が今季背負う「10番」と主将を昨季まで務めた中村俊。それでも「マリノス対ジュビロの戦い」と繰り返し、個人ではなくチームの対戦を強調。意識していないと自らに言い聞かせるように話していた。だが「気にしていないわけがなかった」と打ち明けた。試合後には自ら申し出て、控室前で中村俊とユニホーム交換もした。

 4日に27歳の誕生日を迎え、チームを引っ張る自覚が増していた。この日、チームメートから誕生日プレゼントされたリュックサックで訪れ「負けていたら(縁起が悪く)2度と使えなかった」と笑った。

 「ずっと俊さんの背中を見て育ってきた。俊さんたちから教わった戦う姿勢を若い選手に見せられたと思う」。試合後の斎藤の表情には充実感が漂っていた。【高田文太】

サンケイスポーツ

10番対決は2Aの斎藤に軍配…横浜Mが“中村俊輔ダービー”を制す

 明治安田生命J1リーグ第6節が8日に行われ、日産スタジアムでは横浜F・マリノスとジュビロ磐田が対戦した。試合は横浜FMが2-1で磐田を下し、リーグ戦4試合ぶり白星を飾った。一方、磐田は今季3敗目を喫した。

 前節、横浜FMは0-2でセレッソ大阪に敗れ、今季2敗目を喫した。これで3試合勝ち星から見放されており、今節はホームで勝利を掴みたい。一方、磐田は清水エスパルスとの“静岡ダービー”で3-1の快勝を収めた。この試合は磐田の名波浩監督が“俊輔ダービー”と語るように、磐田MF中村俊輔の古巣対決となり、MF齋藤学との10番対決にも注目が集まった。

 序盤からペースを握る横浜FMに対し、磐田も縦に速い攻撃でゴールに迫る。15分、川辺駿が中盤の底でボールを持つと、中盤左の松浦拓弥へパス。松浦が前線にスルーパスを送ると、川又が左足でミドルシュートを放ったが、ここは枠の左下に外れた。

 スコアが動いたのは26分。横浜FMは左サイドでボールを持った齋藤学が切り返して後方へドリブルし、右足でピンポイントのクロスを上げる。ファーサイドから飛び込んだマルティノスがヘディングで合わせて、横浜FMが先制に成功した。マルティノスにとっては今季2点目となった。

 しかし、磐田は得意のセットプレーから同点に追いつく。34分に左CKを獲得すると、中村が左足でクロスを上げる。DFがクリアしたセカンドボールをペナルティエリア手前で待っていた大井健太郎がダイレクトボレーで合わせる。これがゴール右に突き刺さり、磐田が同点に追いついた。大井にとっては今季初ゴールとなった。このまま1-1でハーフタイムを迎える。

 後半も横浜FMがボールをキープしながら攻め込む。55分、GKカミンスキーがパスミスを犯し、齋藤がゴール前でチャンスを得る。ドリブルでカットインしたが、シュートを打たせてもらえず、マルティノスへ横パス。マルティノスのシュートは磐田DFが体を張ってブロックした。

 直後の56分、ダビド・バブンスキー、齋藤とつなぎ、最後はウーゴ・ヴィエイラが決定機を迎えたが、切り返しからのコントロールシュートは惜しくも枠の右へ外れてしまった。

 迎えた73分、齋藤が前線へ浮き球のパスを送ると、ペナルティエリア内右でこれを受けた金井貢史がワントラップから素早く右足シュート。これがゴール左に決まり、横浜FMがついに勝ち越し点を奪った。齋藤はこの試合2アシスト目となった。

 再びリードを奪われた磐田も反撃。85分には大井が際どいミドルシュートを狙ったが、ここは惜しくもサイドネット。後半アディショナルタイム3分には、中村の右CKから櫻内渚がヘディングシュートを放ったが、ここも枠の左に外れてしまう。このまま横浜FMが2-1で逃げ切った。(Goal.com)

2Aの横浜M・斎藤、チームの成長に自信「もっともっと強くなれる」

 横浜F・マリノスは、8日に行われた明治安田生命J1リーグ第6節でジュビロ磐田と対戦し、2-1でリーグ戦4試合ぶり白星を飾った。

 横浜FMは26分にマルティノスの得点で先制。一度は追いつかれたが、73分に金井貢史のゴールで勝ち越しに成功した。試合後、2アシストを記録したMF齋藤学が以下のようにフラッシュインタビューに応えた。

 「これだけ多くのサポーターが来てくれて、サポーターの力が僕らの力になりました。本当に一緒に勝てたことが嬉しいです」

 「一人ひとりが走って勝てたのは本当に嬉しいですけど、もっともっといいゲームができるし、僕らはもっともっと強くなれると思うので、たくさんの声援をお願いします」

 「(2アシストについては?)僕も点を取りたいんですけど(苦笑)。(1点目は)マルティノスすごくいい動きをしてくれたし、(金井)貢史くんのは、僕が何かしたというより、シュート自体がスーパーゴールだった。でも貢史くんのゴールというより、チームのみんなの想いが(ボールに)乗ったんだと思います(笑)」

 「(クラブ創設)25周年ですからね。この勝ちで流れに乗って優勝していきましょう」(Goal.com)

横浜M『新旧10番』対決!斎藤、2Aで俊輔に勝った「不思議な気分」※一部抜粋

 明治安田J1第6節最終日(8日、日産スタジアムほか)横浜Mは元日本代表MF斎藤学(27)の2アシストで、磐田に2-1で競り勝った。元チームメートで、1ゴールを演出したMF中村俊輔(38)との背番号10対決を制した。

 偉大な先輩から継承した背番号10に恥じぬ活躍で、MF斎藤がチームを4戦ぶりの勝利に導いた。昨季までの10番で、今は敵味方に分かれた磐田のMF中村俊の前で2アシストを披露した。

 「本当は点を取りたかったけどね。全員で戦って勝てたことがよかった」

 ボールを受けるだけでスタンドに期待感が膨らむ。常にドリブルで仕掛ける積極性が、先制点を呼び込んだ。前半26分は左から切れ込んで、MFマルティノスへ正確なクロス。1-1の後半28分にはCKで攻め残った前線のDF金井にパスを通し、勝ち越しゴールにつなげた。

 昨季終了後、念願の欧州移籍がかなわず落胆は大きかったが、主将の大役と特別な番号を背負うことで自らを追い込んだ。前節、C大阪に完敗した後は選手ミーティングを呼びかけて球際の強さや戦う意識を徹底。タイプこそ違うが、中村俊が抜けた穴を十分に埋める支柱となりつつある。

 「背中を見て育った人と戦うのは不思議な気分だったけど、試合中は激しくいけた」とピッチ上で遠慮はなかった。プレーと結果で成長を示し、試合後はユニホームを交換。27歳になって最初のゲームは最高の一夜だった。

中村俊のCKに横浜M・DF中沢
「本当に嫌ですね。いいボールを蹴るから、やはり怖い」

横浜M・金井、決勝ゴールは「取れるなっていう感覚があった」

 明治安田生命J1リーグ第6節、横浜F・マリノス対ジュビロ磐田が8日に日産スタジアムで行われた。試合は2-1で横浜FMが勝利。試合後、横浜FMのDF金井貢史が記者団の取材に応じた。

 貴重な勝ち越しゴールを挙げた金井は「今日は取れるなっていう感覚があった。偶然いたんじゃなくて、点を取れると思ってあの位置にいた。うまくゴールに繋がって良かったなと思います」と納得の表情。「ラッキーです。俺の中ではゴールはおまけみたいなもの。めちゃくちゃ気持ちいいです」と笑う反面、「でも今日1失点してしまったんで、DFとしてはそっちのほうが悔しいです」と反省も忘れない。

 昨季ともにプレーした磐田MF中村俊輔の印象を聞かれると、「やっぱり視野が広いし、ワンタッチを使う場面とはがす場面とパスでいなす場面と、その使い分けは相手でも勉強になる」と脱帽。「すごい選手だなと思いますけど、対戦相手になったらしっかり潰すところは潰してっていうのはチーム全体でできてた」と対応に自信も見せた。

 「クラブ創設25周年っていうことで、会社自体も勝つために企画してくれたりしていた。チームだけじゃなくて、会社の人たちも含めて一体感を持って戦えたのが大きい。これをベースに頑張っていきたい」と気を引き締めた。(Goal.com)

スポーツ報知

【横浜M】現10番・斎藤2アシスト!“俊輔ダービー”制す

 横浜M―磐田の“俊輔ダービー”が実現。磐田MF中村が昨季まで所属した横浜Mが、日本代表MF斎藤の2アシストの活躍で2-1で勝利を収めた。

 横浜Mは前半26分、俊輔から背番号10を受け継いだFW斎藤のアシストからFWマルティノスがヘディングで決めて先制した。1―1の同点に追いつかれた後半28分には、再び斎藤がスルーパスでアシスト。DF金井が決め、これが決勝点となった。

 磐田の中村はCKのキッカーに向かう度に古巣サポーターからブーイングの洗礼。0―1と先行されて迎えた前半34分には、CKからDF大井のゴールをおぜん立て。そのほかにも正確なキックでチャンスを演出したが、ゴールには至らなかった。

 斎藤は中村との対戦について「思いっきり削っちゃった。しっかり謝りに行きました。敵にシュンさん(中村)がいるというのは怖いなと感じた。こうやってみんなでやれば勝てると見せられたのはうれしい。4試合ぶりの1勝なのでこれからどんどん勝って優勝したい」と話した。

【横浜M】新旧10番対決は「新」の斎藤学が2アシスト

 横浜Mは8日、ホームで磐田に2―1で勝利した。今季、横浜Mから磐田にMF中村俊輔(38)が移籍し、横浜MのMF斎藤学(27)が背番号「10」を受け継いだ“俊輔ダービー”。前半26分、斎藤が左サイドからクロスを入れ、MFマルティノス(26)の先制点をアシスト。34分には磐田の中村俊が左CKから、DF大井健太郎(32)の同点ゴールを演出した。斎藤は後半28分、DF金井貢史(27)の決勝点をアシストした。2人が全得点に絡んだ一戦は、横浜Mに軍配が上がった。

 斎藤は「僕がアシストしたことより、1人1人が走り切って、戦う姿勢を失わなかったことがうれしい。僕たちは若いチームです。勝つことが自信になる」と話した。中村俊は「勝ちたかった。悔しいです。2―1とリードされてから、点を取りに行こうという姿勢を出し、前に行けた。今までで一番アグレッシブにいけた」と結果には不満も、内容には手応えをつかんだ。

【横浜M】オーストラリア代表DFデゲネク、来日中家族に勝利届ける

 横浜MがMF斎藤学(27)のアシストからMFマルティノス(27)が先制点、DF金井貢史(27)が勝ち越し点を決め、MF中村俊輔(38)を擁する磐田を下した。

 センターバックで先発したオーストラリア代表DFミロシュ・デゲネク(22)は攻守に躍動。得意のフィードで右サイドの裏のスペースへ対角線の鋭いパスを通し続け、DFラインからチャンスを演出し続けた。「大観衆の中でプレーできてうれしい。後押しになってくれる。今日は個人としてもすごく落ち着いてプレーできた」と振り返った。

 今オフにかつて日本代表FW大迫勇也(26)が所属していたドイツ2部1860ミュンヘンから加入。これまで全試合に先発し、3月のW杯アジア最終予選でも2試合にフル出場するなど、充実したシーズンを送っている。

 母と兄弟が応援のため、住居のあるセルビアから来日中。この日もスタジアムへ応援へ駆けつけた。ここ最近は練習が終わると、家族に日本を紹介してまわることが日課となっているという。デゲネクは「家族だけでなく、多くのサポーターにも勝利を届けることができてよかったです」と語った。

 5日の練習後のファンサービス中に「スパイクほしいなぁ」とつぶやいた少年に練習用スパイクをサプライズでプレゼントしたナイスガイ。試合後には自身のSNSを更新。“左足の生ける伝説”(The Living Legend With A Left Foot)というタイトルで磐田MF中村俊輔(38)との2ショットを投稿した。

【横浜M】愛し愛されるマリノスの12代主将・斎藤学…取材こぼれ話

 横浜MがMF斎藤学(27)の2つのアシストからMFマルティノス(27)が先制点、DF金井貢史(27)が勝ち越し点を決め、MF中村俊輔(38)を擁する磐田を下した。

 斎藤は「アシストしたことよりも、1人1人が戦う姿勢を失わなかったことがうれしかった」と試合を振り返り、「ベンチの選手もベンチ外の選手も、試合に出られず悔しい思いがある中で練習の(紅白戦の)相手になってくれている。マルと貢史くんのゴールは、みんなの思いが乗ったシュートだったと思う」と続けた。

 斎藤は報道陣からの質問に答える中、ふと思い出したように語った。「あの2人が紅白戦で(俊輔に)ボコスカ抜かれるのを見ていたから。成長したなぁと思った」。“あの2人”とは、MF天野純(26)と喜田拓也(22)。不動のレギュラーになりつつある2人の後輩の活躍に目を細めた。

 試合中にも主将らしい一面をのぞかせる場面があった。前半26分、先制点を決めたMFマルティノス(26)にチームメートが続々と駆け寄り、喜びを爆発させた。だが斎藤は歓喜の輪が解けた段階で“ゆりかごダンス”をやり忘れていることに気がついた。FWウーゴ・ヴィエイラ(28)、MF前田直輝(22)にともに第1子が誕生後、初のゴールだったのだ。斎藤はすぐにウーゴに謝った。ウーゴは笑顔で返した。後半28分のDF金井貢史(27)の勝ち越し弾後、ゆりかごダンスは無事に行われた。

 試合を終え、取材エリアに現れた斎藤は、4日の誕生日にチームメートから送られたリュックを背負って姿を現した。「もし負けてたら二度と使えないじゃんと(チームメートと)言っていた。勝ってよかったよ」。マリノスの12代主将に笑顔がはじけた。

【横浜M】“俊輔ダービー”は新10番斎藤学の勝ち!

 “俊輔ダービー”は斎藤学の勝ち! 昨季まで通算13年にわたって横浜Mに在籍した磐田MF中村俊輔(38)は古巣との大一番に臨み、2―1で横浜Mが勝利した。中村俊から主将と10番を受け継いだ横浜MのMF斎藤学(27)が2アシストの活躍。中村俊は左CKからDF大井の同点弾を呼び込んだが届かなかった。

 熱戦を終えた両チームの選手が、ピッチ中央に整列する。斎藤は、俊輔の元に駆け寄り、ユニホームの交換を申し出た。サポーターへのあいさつを終え控室に戻り、お互いの“10”のユニホームを交換。健闘をたたえ合った。「ずっと背中を見て育ってきた選手。でも試合になったら関係ないと思っていた」。尊敬する先輩に、マリノスと自身の成長を見せつけた。

 “新旧10番”対決は斎藤に軍配が上がった。1―1で迎えた後半28分。斎藤の浮き球のパスを受けたDF金井が、冷静にサイドネットに蹴りこんで勝ち越し。MFマルティノスの先制点に続いての2アシスト目。「2点ともチームみんなの思いがこもったシュートでしたね」。大車輪の活躍で4試合ぶりの勝利に導いた。

 開幕から2連勝したが、その後3試合勝利から見放された。斎藤はチームの立て直しに奔走。3日の全体練習前に、「何かを変えていかないといけない」と新チーム結成後初となる選手だけでのミーティングを開いた。チームが掲げる今季の目標は“ACL圏内”入り。だが、斎藤は「俺はマリノスで優勝したい」と語りかけた。年上の選手にも意見を求め、新加入の外国人選手の考えも聞いた。わずか15分間だったが、“優勝”を目指す上での修正点を話し合い、「チームの雰囲気がガラッと変わった」と手応えを得た。

 昨季終了後、念願の欧州移籍がかなわず落胆は大きかったが、背番号10を背負い今季出場5試合で5アシスト。「選手みんなが走り切って、戦う姿勢を失わなかったことがうれしかったね」。集まった3万8803人の大観衆に、そして日本を、世界を、横浜を魅了してきた偉大なレジェンドに。生まれ変わったマリノスの成長と、秘めた可能性の大きさを見せつける大きな勝利をつかみとった。(岡島 智哉)

デイリースポーツ

斎藤学、先輩・俊輔に気後れなし 足蹴って怒られた

 横浜MのMF斎藤学が2アシストで勝利に貢献した。前半26分に左サイドからマルティノスへクロスを上げ、後半28分には決勝ゴールのDF金井へラストパスを通した。今季、磐田へ移籍した中村俊輔と1対1になる場面では、相手の足を蹴ってしまう、いわゆる“削る”守備で激しさも見せた。

 試合後は喜々として俊輔にユニホーム交換を求めた。横浜Mの新旧10番対決と注目された一戦前は「マリノス対ジュビロ」とチームを前面に出してはいたが、終わった後は「気にしないわけない」と本音がこぼれた。「前半終わった時めちゃくちゃ頭痛かったから。何でだろうね。相手にしてすごくいやな選手だし、立ち位置とか守備のゾーンとか」。口をついて出るのは、背番号10と主将を受け継いだ偉大さばかりだった。

 ただ、気後れだけはしなかった。「俊さんのやりたいサッカーにも穴はあるわけだし。今日、僕らが見せたプレーにもピンチはあった。そういう中で、僕はジュビロ相手にいい試合が出来たと思うのでポジティブにとらえたいです」と胸を張った。何より、試合中は偶然とはいえ、俊輔の足を蹴ってしまうこともいとわずボールを奪いにいった。「逆から取りに行こうとした時にいい持ち方されて、ボールをつつけるかなと思ったらアキレス腱みたいなところにぐっと入っちゃって…あの時、怒ってたんで、すぐ謝りに行って。『すいませーん』って」。敬意は持ちつつ、全力をぶつけた。

 自身の2アシストよりも、「一人一人が走り切って、球際、戦って最後の最後まで戦う姿勢を見失わなかったことがうれしいです」とチームの勝利を喜んだ。0-2で敗れた1日のC大阪戦を受け、オフ明けに選手だけのミーティングを開いた。必ずしもミーティングを開いたからといって事態が好転するとは限らないが、「みんなで意識の共有をしたかった」と斎藤の思いで開催に踏み切った。「意識的なものを話し合った」と意見をぶつけ合い、1週間の練習でチーム全体のモチベーションが上がるのを肌で実感したという。

 この日、対戦した中村俊輔は「一番はメンタル面。人として成長するとプレーだって落ち着く。去年の途中ぐらいから良くなった」と評価した。自身は全力でプレーした上で、チーム全体に視線を行き届かせる、そんな存在感のある選手へと飛躍している。帰り際、新しいリュックサックを背負った斎藤は、「きょうのリュック、後輩たちから誕生日でもらったやつなんですよ。負けたら、もうつけられないなと思ってたから、勝ったからまたつけてきます」。4日に27歳を迎えたばかりの新主将は後輩への気遣いも忘れなかった。

俊輔、斎藤学の成長実感「一番はメンタル面」 横浜M新旧10番対決

 今季、磐田へ移籍加入したMF中村俊輔(38)が古巣・横浜Mとかつてのホームで対戦した。前半34分に自身のCKが相手守備にはじかれDF大井のゴールが生まれたものの、直接的なアシストやゴールはなく試合終了。試合後は悔しさをにじませつつ、自身がつけていた背番号10を受け継ぎ、この日2アシストの横浜MのMF斎藤学の成長を実感していた。

 「いやあ、勝てたなあ…」。取材エリアで悔しさをにじませた通り、再三、キックでチャンスを演出した。後半ロスタイムには正確無比なCKを櫻内に合わせたが、ヘディングは枠外へ。右MFでスタートし、時にトップ下に顔を出したり、時にポジションを守備的MFの位置まで下げたりと、あの手この手で横浜Mに揺さぶりをかけたが、あと1点が遠かった。

 アウェーの選手として日産スタジアムを駆けた。「やってる時はやっぱ…なんか、向こうが勝っても、こっちが勝ってもうれしいし」と複雑な思いをかみしめてプレーした。ボールを持ったり、セットプレーのキッカーに入ったりすると、横浜Mのゴール裏サポーターからはブーイングも飛んだが、「いいことじゃないですか。アウェーで来たチームに対してキーマンにやるのはいいことだし」と受け止めた。ただ、「まあ、中で起きてたこと(移籍経緯)を知ってる人がいれば、また変わったかもしれないですけど」とも漏らした。

 自身がつけていた背番号10を受け継いだ斎藤学と1対1になるシーンもあった。横浜Mマルティノスの先制ゴールは、中村俊がチェックしきれずに斎藤に上げられたクロスを頭でたたき込まれたもの。斎藤は後半28分にDF金井の決勝弾へラストパスを送っており2アシストと活躍した。斎藤のプレーぶりを問われると「敵には見えないね」と苦笑い。「一番はメンタル面。人として成長するとプレーだって落ち着く。去年の途中ぐらいから良くなった」と成長を実感していた。

 試合後は斎藤からユニホームの交換を求められ「中でいいでしょ」とロッカールームで応じた。「そういうキラキラしたところ持ってるから」とかわいい後輩を見守っていた。

サッカーキング

“俊輔ダービー”は横浜FMに軍配! 10番・齋藤学が2アシストで勝利に貢献

 2017明治安田生命J1リーグ第6節が8日に行われ、横浜F・マリノスとジュビロ磐田が対戦した。

 ホームの横浜FMは、前節からスタメンを3名変更。ボランチに喜田拓也、トップ下にダビド・バブンスキー、最前線にウーゴ・ヴィエイラが起用された。対する磐田は、今季ヴィッセル神戸から加入した高橋祥平が移籍後初スタメン。古巣対決となる中村俊輔は中盤右サイドのポジションで6試合連続の出場となっている。

 開始26分、齋藤学が左サイドからドリブルで仕掛け、エリア内へクロスを送る。このボールにマルティノスが頭で合わせ、ホームの横浜FMが先制に成功する。

 対する磐田は34分、中村俊輔のCKからこぼれ球を拾った大井健太郎が左足を振り抜く。このシュートが決まり、磐田が同点とする。

 1-1で後半に折り返すと、56分に横浜FMが決定機を迎える。齋藤がカウンターからドリブルで持ち込むと、ウーゴ・ヴィエイラへラストパス。ウーゴは切り返しでDFをかわし、右足でコースを突くシュートを放ったが、惜しくも枠を外れた。さらに68分にはダビド・バブンスキーが左足で狙うなど、横浜FMが徐々に攻勢を強めていく。

 すると73分、齋藤の浮き球のパスを収めた金井貢史がシュートを放つ。このシュートがゴールネットに吸い込まれ、横浜FMが勝ち越しに成功する。

 試合は2-1で終了。横浜FMは第2節以来、4試合ぶりに勝ち点3を獲得。一方の磐田は連勝とはならなかった。

 次節、横浜FMはアウェイでサンフレッチェ広島と、磐田はホームでサガン鳥栖と対戦する。

「今日は本当に違った」…横浜FMの伝統を引き継ぐ齋藤学が感じた結果以上の手応え

 齋藤学は上機嫌だった。試合後、ミックスゾーンに現れた齋藤は、いつものように記者の質問に対して一つひとつ誠実に答える。そして囲み取材も終わりに差し掛かった頃、自らこう切り出した。

「今日、(この)リュックは後輩たちから(誕生日プレゼントに)もらった物なんですけど、負けたらもう使えないなと思ったんだけど、勝てたから、またこれを付けてきます!」

 齋藤はこの日も、チームをけん引した。26分に緩急を付けて、ピンポイントクロスをゴール前のマルティノスの頭に合わせると、73分には金井貢史の逆転ゴールをお膳立て。2アシストの活躍に「僕がアシストしたことよりも、一人ひとりが走り切って球際で戦って、最後の最後までそういう姿勢を見失わなかったことがうれしい」と自らの活躍よりも、チームの変化を喜んだ。

「ピッチに立てていない選手たちも悔しい思いがある中で、(練習では)ずっと僕らの対戦相手みたいなこともしてくれている。そういう選手たちのためにも勝たないといけなかったし、勝つことで継続できていくと思うので、そういうものを見せられたことは良かった」

 チームは今季、開幕連勝で波に乗るかと思われたが、第3節の鹿島アントラーズ戦を落とすと、引き分けを挟んでリーグ戦3試合で勝ち星から遠ざかった。そして0-2で終えた前節のセレッソ大阪戦後、悪い流れを断ち切るために選手同士でミーティングを行ったという。

 ミーティングの詳細については「中身は言わないですけど」と煙に巻いたが、「意識的な問題を話し合ったんですけど、いい話し合いができたから練習での姿勢が変わったと思う。練習での厳しさはすごく大事だと思っているし、コミュニケーションも取らないといけない。セレッソ戦と今日の試合では本当に違った」と“勝利”という結果以上に手応えを感じたようだ。

 そしてもう一つ、「そりゃあ、気にしないわけはないから。前半が終わった時にめちゃくちゃ頭が痛くて。なんでだろうね(笑)?」と、まるで子どもが戦隊ヒーローと対戦したかのような笑顔を見せた齋藤。昨年まで背番号10を背負い、キャプテンとして横浜F・マリノスを率いた中村俊輔とのマッチアップも楽しんだようだ。それでも「喜田(拓也)だったり、天野純が俊さんのボールを止めていて。昨年、バカスカ抜けられているのを見ているから、成長したなって思いました」とすぐにキャプテンの顔に戻った。

「僕自身、戦う姿勢は若い時に松さん(故・松田直樹)、(河合)竜二さんにずっと教えてもらっていた。今の若い子たちはあまり知らないので、僕が教えていかないといけない」

 奇しくも、この日は“クラブ創設25周年”を記念する試合。スタジアム内には歴代のユニフォームや写真パネルが展示されるなど、改めてクラブの輝かしい歴史を知る機会となったが、偉大なる先輩たちが築いてきた伝統と背番号10を引き継いだ齋藤が刻む歴史は、まだ序章に過ぎない

失点の悔しさ晴らす決勝弾…クラブ史に名を刻んだ横浜FM金井貢史

 普段はあまり目立つほうではない。高いサッカーセンスと攻撃参加が持ち味だが、最終ラインを任されている以上、守備での貢献を自身の中で重要視している。だからこそ、ゴールを決めたことよりも「失点したほうが悔しかった」と振り返った。

 4月1日にクラブ創設25周年を迎え、ジュビロ磐田との2017明治安田生命J1リーグ第6節を“クラブ創設25周年記念試合”と位置付けて臨んだこの試合。負けるわけにはいかなかった。先制しながらも追い付かれ、1-1で迎えた73分。CKを相手選手がクリアしたボールを、喜田拓也が拾って齋藤学に預ける。齋藤が右サイドへ送ると、金井貢史が右足でトラップし、右足を振り抜いた。

 ゴール後、左胸のエンブレムを右手で叩きながら、真っ直ぐに向かったのはベンチにいるチームメートの元だった。「昨年、試合に出られない時期に自分自身も悔しい思いをしていたし、今週すごくいい練習ができていたのは、みんなのおかげだから」。

 チームメイトへの感謝の気持ちと、大好きな横浜F・マリノスを勝利に導く逆転ゴールを決めた喜びが、ひざスライディング+ガッツポーズという金井にしては珍しい派手なパフォーマンスにつながった。

 もちろん、守備での貢献も忘れてはいない。昨年末でチームを去った中村俊輔と、同サイドになることは事前に分かっていた。気負いこそなかったが、「仕事はさせない」と気合いは入っていた。一つ前の齋藤との連係から中村の自由を奪う。激しい球際のバトルは見応えがあった。

 58分に中村が縦へのドリブルを仕掛けた一対一の場面。「昨年ずっと見ていたから何となく分かった」と金井は中村の足下を見つめながら、しっかりと体で止めてみせた。

 失点シーンでは全身を投げ出した頭の先をボールがかすめ、クリアできずに悔しさだけが残った。それでも金井はクラブ25周年を勝利で祝う逆転ゴールを決めて、これからのクラブの歴史にしっかりとその名を刻んだ。

サッカーダイジェスト

齋藤の2アシストで横浜が磐田を撃破! 俊輔は“敵地”日産スタジアムでゴール演出

 J1リーグは4月8日、6節の7試合を開催。日産スタジアムで行なわれた横浜F・マリノス対ジュビロ磐田は、2-1でホームの横浜が勝利した。磐田の中村俊輔にとっては、古巣・横浜との初対決、また敵地となる日産スタジアムへの初見参となった。

 試合は、その中村から横浜の10番を継承した齋藤学が、まずは左サイドからの仕掛けで魅せる。ボールを受けた齋藤は、対峙した中村をドリブルで揺さぶり、右足に持ち出すと、ゴール前で待ち構えていたマルティノスにピンポイントのクロス。これをマルティノスがヘッドでゴールネットを揺らし、横浜が先制した。
 
 しかし、磐田もやはり10番が魅せた。34分、磐田はCKのチャンスを得ると、キッカーは中村。精度の高い左足のキックは、マルティノスの頭をかすめ中央へ流れると、これを大井健太郎が左足ボレーで叩き込み、磐田が同点に追いつく。

 1-1で前半を折り返すと、後半は次第に横浜に流れが傾く。そして73分、再び齋藤が起点となり、ゴールが生まれる。中央でパスを受けた齋藤はペナルティエリア右にポジションを移していた左SBの金井貢史の足もとに絶妙なパスを届ける。ボールを受けた金井はターンから右足で磐田GK・カミンスキーの守るゴールを射抜いた。

 勝ち越しに成功した横浜は、その後の磐田の反撃をゼロに抑え、2-1でタイムアップ。4試合ぶりの勝利を収め、勝点を10に伸ばすとともに8位に浮上した。一方の磐田は勝点7、13位に順位を下げている。

【J1採点&寸評】横浜 2-1 磐田|「もっと強くなる」と宣言した齋藤は2アシストでMOM。古巣相手に磐田の背番号10は…※一部抜粋

【チーム採点・寸評】
横浜 6.5
 先制するまでは良かったが、リードを得てからのゲーム運びに難。勢いがあるはずが、前に出てきた相手の迫力を撥ね返せず、そのまま同点ゴールを許した。オープンな展開となった後半に再び勝ち越し、その後もピンチを迎えたが、今度は粘り強く守り抜き、勝利を手にした。

磐田 5.5
序盤は受け身になりすぎて、徐々にラインを下げて先制点を許した。逆にそこで刺激を受けると修正を図り、中村俊の状況に応じたポジションチェンジを生かしながら、チャンスを作り出していった。ただ、ボールを落ち着かせられる場所が限られ、全体的にバタバタした。

【横浜|採点・寸評】
GK 21 飯倉大樹 6
大井のシュートには懸命に反応も届かず。キックのタイミングを工夫して、攻撃のスピードアップに貢献した。

DF 27 松原 健 6
タイミングの良い攻撃参加でクロスを供給。対面の太田にはほとんど仕事をさせず、途中交代に追い込む。途中出場のアダイウトンには苦戦させられた。

DF 22 中澤佑二 6
川又を狙った相手のロングボールに対し、慌てずに対応。大井に決められた場面では、一歩遅れてブロックできなかった。

DF 34 ミロシュ・デゲネク 6
最終ラインでのボール回しは淀みがなかった。マルティノスを走らせる正確なロングフィードも良かった。

DF 13 金井貢史 6.5
難しいことはせず、シンプルにゴール前に配給。齋藤や天野との息の合った連係で左サイドから仕掛ける。決勝点の場面では落ち着いたシュートでネットを揺らした。

MF 5 喜田拓也 6.5
素早く攻守を切り替え、鋭いプレスバックで何度もピンチを潰す。サイドで詰まった時はすぐにサポートして、攻撃をやり直す役目も。終盤に足がつったが、最後まで必死に戦いきった。

MF 14 天野 純 6
なかなか前を向けず、後方へのパスが目立った一方、前半だけで三度の決定機に絡んでみせる。最後の高位置で得たFKは決めたかった。

MF 20 マルティノス 6.5
齋藤のお膳立てからヘッドで値千金の先制ゴールをゲット。右サイドから果敢に突破を試み、相手に脅威を与えたが、後半途中に無念の負傷交代。

MF 33 ダビド・バブンスキー 6
左右に幅広く動き、最終ラインからパスを引き出して攻撃を組み立て。テンポ良くボールを動かしてリズムを作った。68分の惜しい左足のシュートはGKに防がれた。

MAN OF THE MATCH
MF 10 齋藤 学 7.5
前半は狙いすましたクロスでマルティノスに、後半はふわりと浮かしたパスで金井にそれぞれアシスト。緩急をつけたドリブルの鋭さは相変わらずだが、昨季の背番号10のお株を奪うようなパサーぶりを発揮し、チームを勝利に導いた。

FW 7 ウーゴ・ヴィエイラ 5.5
効果的にボールを収められず、相手DFとのフィジカル勝負でも優位に立てなかった。後半は多少、持ち直してゴール前でのプレーが増えたが、結果を残せなかった。

交代出場
MF 6 扇原貴宏 ―(77分IN)
バブンスキーとの交代でそのままトップ下に入り、リーグ戦初出場。ただ、それなりにプレータイムはあったが、目立った働きはなかった。

MF 18 遠藤渓太 ―(83分IN)
マルティノスの負傷により急きょ、出場。ピッチに立ってすぐ、強気なドリブルでスタンドを湧かした。ハイプレスの時のスピードは脅威だった。

DF 4 栗原勇蔵 ―(90+1分IN)
守備固めとして、5バックを形成。自らの役目を十分に理解したプレーで、確実に試合を終わらせた。

監督 エリク・モンバエルツ 6.5
1-1の状況で、交代策では相手に先に動かれたが、焦ることなく戦況に応じて采配を振るう。終盤は栗原を投入して5バックにし、逃げ切りに成功した。

取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【横浜×磐田|激闘の舞台裏】足が攣って倒れ込む喜田に、中村俊輔はどんな言葉をかけたのか?

 2ボランチの一角として、横浜の喜田拓也は縦横無尽に走り回り、攻守両面で奮闘を続けた。疲労が溜まった終盤、足を攣ってしまい、ピッチに倒れ込む。

 そこに、昨季まではチームメイトだった中村俊輔が歩み寄り、喜田に言葉をかける。

「最初は、『いけるか? 外に出る?』って聞かれた後、『なに、攣ってんだよ』って、笑いながら言われました(笑)。なんか、こういうの懐かしいなと思いましたね」(喜田)

 スコアは2-1で横浜がリード。1点を追いかける磐田側からすれば、倒れている横浜の選手にはすぐに起き上がってほしいはず。それを促すために、中村は喜田に駆け寄ったのか。

「もちろん、早く試合を再開させたいという考えはあったと思います。だけど、そんな雰囲気でもなかったんですよね。冗談な感じで、ぺしってやられて、『すいません、ジャンプした時に(攣った)』と伝えて」

 今は別々のチームで対戦する間柄になったが、お互いの信頼関係が垣間見える何気ないやり取りだった。

取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【横浜×磐田】俊輔の”10番”とユニホーム交換に成功したのは「あの男」

 磐田の名波浩監督が”俊輔ダービー”と称した試合後、両チームの選手が観客にあいさつをするために整列をした際、中村俊輔のもとにそっと近づいて話しかけてきたのが横浜の新10番・齋藤学だった。ふたりのジェスチャーを見てみると、なにやらユニホーム交換についての“交渉”が行なわれていた様子だった。

 中村によると、「ユニホーム交換をしてくれということだったので、(ドレッシングルームへ)『戻ったあとに』と伝えました。(着替えたあと)交換をしました。アイツはそういったところが、キラキラしているよね(笑)」と、横浜の新10番のリクエストに応じたことを認めた。

 今回は同サイドで何度かマッチアップをする形にもなった。敵味方となって初めて対戦して、「なによりメンタル面で、強くなっている」と、精神面でタフになり、それがプレーに表われていたと感じたと言う。後方から危険なタックルを受けたが、「いや、大したことない」と気にしていなかった。

 そのように記者の質問に答えながら……試合の話になると、表情が厳しくなった。

「でも、勝ちたかった。勝てるチャンスはあったから。ただ、俺も反省点は多かったけど、少しずつチームと一緒に成長できていることも感じられた。今日はしっかり反省して、また練習から取り組みたい」と、悔しさを滲ませた。

 注目を集めた磐田と横浜の10番対決。これからもこのふたりを中心に、数々のドラマが生まれそうだ。

取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)

【横浜】「感謝の気持ちを込めて」。中村俊輔と両手で握手した遠藤渓太が飛躍を誓う理由

–「俊さんが相手だったから、この試合には絶対に出たかった」

 ひとりだけ、対応が違っていた。それが実に印象的だった。

 試合後のピッチ上での挨拶。磐田の選手たちが、横浜の選手たちと握手をするために移動してくる。それを迎えるなか、遠藤渓太だけは、相手の背番号10に対して、深々と頭を下げながら、両手を差し出していた。

「感謝の気持ちを込めて」と、遠藤は中村俊輔の手を握った。

「いろんなことを教わりました。去年の最初のほうは、自分は試合に出れていて、その時も、俊さんはピッチ内外でよく話しかけてくれて、だいぶ気持ちが楽になれたんです。練習が終わった後の自主トレにもたまに誘われたりして、それでチームに溶け込みやすかったし、やりやすかった。

 シュート練習を一緒にやっても、『お前、絶対にそっち打つよな』とか『そうすると思った』とか、全部見透かされていて……。本当に、教わったことは多いですね。俊さんが相手だったから、この試合には絶対に出たかった。ベンチから見ていても、やっぱり上手いなって思っていました」

 ホームでの磐田との一戦で、遠藤は負傷交代したマルティノスに代わり、83分に途中出場を果たす。限られたプレータイムのなか、背番号18は少なくとも二度、果敢なドリブル突破でスタンドを湧かせてみせる。

「自分に求められているのは、前への推進力だと思うし。ああいう時間帯でインターセプトして、前に行って時間を稼げたら、チームとしても楽になる。(相手が)バックパスすれば、全部自分がスプリントして、何度でも追い回すつもりでいました」

 この試合には、U-20日本代表の内山篤監督が視察に来ていたという。今年5月に開幕するU-20ワールドカップへの出場を目指す遠藤にとっては、チームメイトの負傷というアクシデントがあったとはいえ、自らの存在を示すチャンスでもあった。

「自分のチームで試合に出ないと、アピールにもなにもならない」

 世界の舞台はひとつの目標として、まずは横浜でどれだけ結果を残せるかが重要になる。「試合に出たら、100パーセントやるだけ。それを代表活動につなげたい」と遠藤本人は話す一方で、自身の成長が、クラブの飛躍につながるとも考えている。

「自分みたいな若い選手がゴールを決められたら、たぶん、もっともっとF・マリノスは良くなっていくと思う。点を取って、チームに良い雰囲気を持ち込みたい」

–最近は練習でも好調をキープし、いつでもスタンバイはOK。

 最近は練習でも調子が良く、いつでも試合に出られる準備は整っている。「ゴールを決めて、結果を残したい。スタメンを取るために、もっともっとやらなければいけない」と飽くなき向上心を見せる19歳のアタッカーのブレイクは、きっと“大先輩”にとっても嬉しいに違いない。

 磐田戦の終盤、その鋭い仕掛けから相手のバイタルエリア付近でFKを得る。ドリブルからシュート態勢に入ったところを、阻止しようとした中村のプレーがファウルの判定となるが、振り切った遠藤の左足は、中村の右ふくらはぎを思い切りヒットしていた。

「あの後、『お前、蹴っただろ』と冗談っぽく言われて。僕が蹴りました、すみませんとしっかり謝っておきました(笑)」

 球際の激しい争いでお互いに倒れ込んだ後、先に起き上がりかけた遠藤が、すぐ横で痛がる中村の様子をチラッと横目で確認する姿が微笑ましい。

「去年より、成長した姿を見せないと。俊さんに、良くなったなと思わせられるような選手になっていきたい」

取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【横浜 2-1 磐田 PHOTO】横浜の新10番・齋藤の2アシストで磐田を撃破!

ゲキサカ

トリコロールの“新旧10番対決”は2アシストの齋藤学に軍配!!日産凱旋の俊輔はゴール演出も古巣に屈す

 J1リーグは8日、第6節を行い、日産スタジアムでは横浜F・マリノスがジュビロ磐田に2-1で競り勝った。昨季まで横浜FMに在籍していたMF中村俊輔にとって初の古巣戦となる“凱旋試合”。磐田の名波浩監督が「俊輔ダービー」と名付けた注目の一戦は、俊輔から10番と主将を受け継いだMF齋藤学の2アシストで横浜FMが勝利をおさめ、4試合ぶりの勝ち点3を獲得した。

 横浜FMは前節のC大阪戦(0-2)から先発3人を変更。C大阪戦で負傷したMF中町公祐に代わってMF喜田拓也が3試合ぶりに先発したほか、MFダビド・バブンスキーとFWウーゴ・ヴィエイラが2試合ぶりに先発復帰した。
 磐田は前節・清水戦(3-1)から先発1人を入れ替え、DF櫻内渚に代わってDF高橋祥平が右サイドバックで先発。今季、神戸から完全移籍で加入した高橋は移籍後初出場初先発となった。[スタメン&布陣はコチラ]

 横浜FMのクラブ創設25周年記念試合としてキックオフ前からさまざまなイベントが催された一戦は、序盤からホームの横浜FMが積極的な入りを見せた。前半16分には齋藤がドリブルで左サイドから中に持ち込み、マイナスのパス。MF天野純がPA手前から右足でミドルシュートを打ったが、GKカミンスキーに弾かれた。

 中村俊がボールを持つたびにゴール裏の横浜FMサポーターからはブーイングが飛んだ。右サイドハーフで先発したサックスブルーの背番号10だが、なかなかボールに触れない。トップ下のMF松浦拓弥とポジションを入れ替えたり、低い位置まで下がってビルドアップに参加するなど、リズムを変えようとしたが、試合は横浜FMペースで進んだ。

 前半24分、相手のパスをインターセプトした天野がそのまま強烈な左足ミドル。これはカミンスキーの好セーブに阻まれたが、同26分に先制に成功した。左サイドのタッチライン際でボールをキープした齋藤は下がりながらドリブルし、ゴール前の状況を確認。中村俊のマークが甘い隙を逃さず、右足で鋭いクロスボールを供給し、ファーサイドから走り込んだMFマルティノスがヘディングシュートを叩き込んだ。

 今季、中村俊から背番号10、そしてキャプテンを継承した齋藤のアシストでリードを奪った横浜FMだが、昨季までトリコロールの10番を背負ってきた38歳もすぐさま取り返す。前半34分、磐田は左CKを獲得すると、中村俊が左足でゴール前に蹴り込み、マルティノスのクリアが小さくなったところをDF大井健太郎が豪快な左足ダイレクトボレーで叩き込んだ。

 1-1の同点で折り返した後半も横浜FMが主導権を握る。先に動いたのは磐田。後半10分、MF太田吉彰に代わってMFアダイウトンが左サイドハーフに入った。直後の11分、カミンスキーのパスミスを齋藤がカットすると、切り返しで大井をかわし、シュートを打てるタイミングもあったが、ドリブルで左サイドから中に持ち込んで横パス。マルティノスが左足を振り抜いたが、大井の体に当たって決定機を生かせなかった。

 さらにその直後の後半11分にもカウンターから齋藤のスルーパスに抜け出したFWウーゴ・ヴィエイラが鋭い切り返しでDFをかわし、右足で狙い澄ましたシュート。しかし、この絶好機もシュートはわずかにゴール右へ外れた。相次ぐチャンスを逃した横浜FMだったが、後半28分、ついにゴールをこじ開ける。右CKのセカンドボールをつないで中央から齋藤がPA内右のDF金井貢史へピンポイントの縦パス。金井は正確なトラップから右足を振り抜き、ゴール左隅に突き刺した。

 金井は今シーズン初ゴールで、リーグ戦の得点は千葉時代の15年11月1日に行われたJ2札幌戦以来。“伏兵”の一撃で2-1と勝ち越すと、後半32分からはバブンスキーに代わってMF扇原貴宏がそのままトップ下の位置に入った。磐田は後半33分、松浦に代えてMF松本昌也、高橋に代えて櫻内を投入し、交代枠を使い切る。同40分には中村の右クロスのこぼれ球をPA外から大井が右足で狙うが、ゴール左へ。2度目の同点弾とはならず、後半アディショナルタイムにウーゴ・ヴィエイラに代えてDF栗原勇蔵を投入した横浜FMがそのまま2-1で逃げ切った。

(取材・文 西山紘平)

試合後はユニ交換も…新旧10番対決制した齋藤学、俊輔削って「すぐに謝った」

 試合後のピッチでトリコロールの“新旧10番”が言葉をかわしていた。今季より横浜F・マリノスからジュビロ磐田に完全移籍したMF中村俊輔と、その俊輔から10番とキャプテンを継承したMF齋藤学。試合中は同サイドでマッチアップし、齋藤が後方から中村にファウルするシーンもあった。

「ちょっと削ってしまったので、すぐに謝りました」。そう苦笑いで振り返る齋藤は試合後、俊輔にユニフォーム交換を申し出た。「寒いし、中でいいでしょ」と返答した俊輔。ロッカールームでトリコロールの10番とサックスブルーの10番を交換し、齋藤は「僕はずっと(俊輔の)背中を見て育ってきた。そういう選手と試合をしたのはうれしかった」と、童心に返ったかのような笑顔を見せた。

「あいつはそういうキラキラしたものを持っているから」と笑った俊輔だが、自分の目の前で2アシストを記録した“後輩”の姿に「一番はメンタル面。人として成長するとプレーも落ち着く。去年の途中ぐらいから良くなった」と、手放しで称えた。だれもが注目した俊輔の凱旋試合。「俊さんが何か僕らの変化を感じてくれればうれしい」と齋藤は言う。自分の成長を、チームの成長を見せたい。「(試合前は)ずっとマリノス対ジュビロと言ってきたけど、(俊輔の存在を)気にしないわけがないから。前半が終わって、めちゃくちゃ頭が痛かった」と、本音を語った。

 この日を含めて計5アシストを記録するなど、新10番として、新主将として新生マリノスを牽引している。1日のC大阪戦(0-2)後は「みんなで意識の共有をしたかった」と、選手ミーティングを発案。「そのあといい雰囲気で練習ができて、そのままの雰囲気で試合ができた」。チーム内の変化を感じ取った齋藤は「一人ひとりが走り切って、球際で戦って、最後まで戦う姿勢を見失わなかったことがうれしい。セレッソ戦と今日の試合ではみんなが本当に違った。それが今日の勝因」と胸を張った。

(取材・文 西山紘平)

新生横浜FMの攻撃を彩るレフティーMF天野(4枚)
先制ヘッドの横浜FMマルティノスは無念の負傷交代…(4枚)
勝負を決めた“伏兵”の一撃! 横浜FM・DF金井が4戦ぶり白星をもたらす(8枚)
俊輔に成長見せる2アシスト…齋藤学が横浜FMを勝利に導く(12枚)
クラブ創設25周年…サポーターに長く愛される横浜FM(8枚)
新生トリコロールが記念試合を白星で飾る…接戦制し4戦ぶり勝利(16枚)

スポルティーバ

マリノス新旧10番対決。齋藤学はためらわずに中村俊輔を削った

「”新旧10番対決”、という報道にはとらわれてはいません。俺が俊さんと戦うわけではない。マリノスがジュビロと戦うんだから」

 今シーズンから名門、横浜F・マリノスのエースナンバー、背番号10をつけることになった齋藤学は、その胸中を試合3日前に語っている。対戦相手は、昨シーズンまで10番をつけていた中村俊輔を擁するジュビロ磐田。構図は必然的に「10番対決」となったが、齋藤はそこに執着していなかった。

「10番は『つけたい』と志願しました。苦しいときに何とかしてくれるのが、自分にとっては10番で。11番のときも同じ気持ちでやっていたけど、自分にプレッシャーをかけたかった。もう一個、上にいくために。でも実際、同時にキャプテンに指名されたので、チームとしてどう戦うのか、という方が大きくなった。俊さんがいなくなった数カ月で、自分たちのチームがどう成長したのか。それを証明しますよ」

 齋藤は10番というよりも、キャプテンの顔で言った。

 4月8日、日産スタジアム。横浜FMはクラブ創立25周年記念試合を戦っている。奇しくも相手の磐田には、横浜FMの看板選手だった中村がいた。

「負けられない」

 横浜FM陣営には、そんな気運が漲(みなぎ)っていた。

 その流れを作り出したのは、主将である齋藤だった。前節、セレッソ大阪に不甲斐ない内容で敗れた後、緊急にミーティングを行ない、チームに活を入れた。

「連勝してから勝てなくなって、気の緩みを感じたんです。優勝するためになにが必要なのか。ひとりひとりが戦う姿勢が必要だった」

 そう明かしていた齋藤自身が、立ち上がりから横浜FMの攻撃を牽引した。左サイドから中央へと、ドリブルでバックラインの前を横切る。一気に縦を突っ切れるだけに、肌が粟立つような凄(すご)みがあった。

 ディフェンダーにとっては、膝が震えるような恐怖だろう。どの扉から侵入してくるかわからない。施錠したはずの鍵が、バチンと外されるのだ。

「畏怖」

 齋藤は磐田の守備陣にそれを与え、身体を凍りつかせ、思考を鈍くさせる。

 前半26分だった。左サイドでボールを受けた齋藤は、間合いを詰められないディフェンダーをあざ笑うように右に外す。そこで中村、ムサエフと複数の選手に囲まれるも、さらに抜け出されるのを恐れて飛び込めない心理を利用。フリーに近い状態でピンポイントのクロスを打ち込んでいる。

「オフサイドか微妙だと思ったけど、マル(マルティノス)が見えた」

 齋藤は先制点の場面をそう振り返ったが、顔を上げ、視野も確保していた。

 昨シーズン途中から、齋藤のプレーは「突破、崩し」だけではなくなっている。パスの出し手としても成熟。どこで受け、どこに走らせるか、スペースを使う力量が格段に上がった。例えばこの日も、中央から左タッチラインにボールを引き出した後、敵センターバックを釣り出し、中央に天野純を引き込み、パスを通し、決定機を作っている。その直後には逆に中央寄りにポジションを取り、左タッチラインへ天野を走らせた。

「齋藤が戦術」。浦和レッズのミハイロ・ペトロヴィッチ監督は的確に表現していたが、横幅だけを使い、プレーメイキングをし、決定的打撃を与えられる選手は、Jリーグには他にいない。プレーの渦の中心になっているのだ。

 一方、磐田の戦術も中村を中心に回っていた。彼が中盤で左足にボールを収めるだけで、前線に動きが出る。中村が蹴った左CKのこぼれを、大井健太郎がボレーで叩き込んで同点に追いつく。試合はどう転んでもおかしくはない時間が続いた。

「(後半55分に)アダイウトンを投入した10~15分がキモだった」(磐田・名波浩監督)

 その磐田の猛攻が、ぴたりとやんだ頃だった。

 72分、齋藤がカウンターから反撃に出る。弾むようなドリブルからウーゴ・ヴィエイラの決定機を演出。その直後だった。齋藤は3列目に下がった位置から、エリア内にいた金井貢史に絶妙な縦パスを打ち込む。それは中村が得意とする、中盤でスキルとビジョンを使うプレーだった。

「貢史君が見えた。いいところにいるな」(齋藤)

 パスを受けた金井が右足を振り抜き、これが決勝点になった。

 試合後、齋藤は自ら中村に話しかけ、ユニフォーム交換を要求している。しかし、中村はそれを「中で」と断った。世代交代は、儀式としては行なわれていない。

「ミーティングの成果が出ました! みんな、戦っていましたから」

 齋藤は試合後、屈託のない表情で洩らしている。それはキャプテンとしての本音だろう。一方で、1人のプレーヤーとしての不満も口にした。

「ゴールしていないんで。まだまだです。無回転で1本打ったんですけどね」

 彼は純粋に、サッカーがうまくなりたい、という気持ちを失っていない。かつて中村がそうだったように。2人の10番には、2人の間でしか測れない共感と敬意がある。お互い、10番を意識しないはずはないだろう。齋藤は一度、ためらわずに中村を後ろから削った。危険な選手と感じたからだ。

「俊さんは10番を付けて、チームを動かしていた。マリノスで育った自分にとって、特別な番号で。その10番をつけ、キャプテンとして優勝を目指す。それで自分も変われるはずだし、なかなか経験できることではない」

 齋藤はなにかに突き動かされるように自分に興奮しながら、勝利の夜を噛みしめた。

フットボールチャンネル

齋藤学が示した“10番”を背負う意味。中村俊輔の継承者が切り拓くマリノス新時代

–“10番”中村俊輔が「帰ってきた」。サックスブルーをまとって

 試合を決めたのは“10番”だった。

 2017年4月8日。日産スタジアムに中村俊輔が帰ってくることで注目が集まっていた、明治安田生命J1リーグ第6節の横浜F・マリノス対ジュビロ磐田が行われた。

 昨季まで10番を背負い、長きにわたって横浜FMの象徴だった中村俊輔に「帰ってくる」という表現を使うことにはまだ違和感がある。だが試合が終わった頃には、これからは「帰ってくる」でいい…そんな感覚があった。

 そう考えるに至ったのは、やはり中村俊輔から“10番”を受け継いだ齋藤学の輝きを目の当たりにしたからに違いない。横浜FMの新たな時代の先頭に立つドリブラーは、サックスブルーの戦闘服をまとった先人にプレーと結果で自らの成長を示した。

「僕はずっと背中を見て育ってきたので、そういう選手と試合をするのは不思議な感覚でした」

 中村俊輔と対峙するにあたって、齋藤は「マリノス対ジュビロだ」とチームメイトたちに言い続けてきたという。だが、ただのリーグ戦の1試合と口で言うことはできても偉大な先輩との対戦に無関心であるのは難しい。本人もそのことは十分に理解していた。

 それでもキャプテンになった齋藤は、これまで以上にチームの勝利だけに集中することができていた。なかなか結果が出ない中で、今週初めには選手だけでミーティングを行い、意識の共有を図った。これは齋藤がチームに伝えたいことを伝える場でもあった。

「セレッソ戦の後に副キャプテン何人かと喋って、『副キャプテンたちだけで一回声を出し合うのもありかな』って言っていたんですけど、それよりも僕はみんなで一回意識の共有をしたかった。オフの間ずっと何を言うか考えていて、中身は言わないですけど、それでもいい話し合いをできたから練習のみんなの姿勢が変わったと思う」

 ミーティングの成果は磐田戦にしっかりと反映された。「僕がアシストしたことよりも、一人ひとりが走りきって、球際で戦って、最後の最後まで戦う姿勢を見失わなかったことが僕は嬉しい」と齋藤は語る。

 リーグ開幕戦から2連勝を飾ったものの、その後は公式戦4試合連続で勝利なし。明らかに流れの悪い中、磐田戦が今後につながる大きな勝ち点3になったことは間違いない。過去との決別も含めて。

–2アシストの齋藤学が見せた“怖さ”。ゴールなくとも相手の脅威に

 齋藤はピッチ上でも違いを見せた。36分、左サイドでボールを持つと中村俊輔の目の前からマルティノスにピンポイントのクロスを送り、先制ゴールを演出。さらに73分、中央でコーナーキックからのこぼれ球を拾い、ペナルティエリア内でフリーになっていた金井貢史へやさしい浮き球のパスを送り、決勝ゴールの起点となった。

 2アシストという目に見える結果以上に、プレーも明らかに変化している。これまでのように左サイドに固執することなく、中央や逆サイドまで顔を出して攻撃のあらゆる局面に関与する。またドリブル一辺倒ではなく、相手と味方の動きを見極めて決定的なラストパスも出すことができる。対戦する選手からしてみれば怖くて仕方ないだろう。

 ボールを持った際の姿勢も以前とは違う。かつてのように前傾するのではなく、上半身を起こして視線はボールではなく常に前を向いている。これによってドリブル中も相手をしっかりと見て的確かつ効果的なプレーを選択できるようになった。また、ただボールを要求するだけでなく周りの選手たちに積極的に声をかけるようにもなった。

 それでもまだ成長できる。その実感は齋藤自身の頭の中にはっきりと刻まれている。

「僕を警戒してくるチームに対しては、この前のセレッソ戦もちょっとやりかけてできなかったんですけど、いろいろな形を今とろうとしていて、ああやってシフトしてくるからこそまた違うところに穴が空いてくると思う。それでもまた僕は点取れなかったですけど、2アシストということで警戒されると思うので、またいろいろなところを突いていきたい」

 C大阪戦は徹底マークに遭って良さを消されてしまったが、あからさまに自らを警戒してくるチームに対して闇雲にドリブル突破を試みるのではなく、周りと連動しながら崩す形を模索している最中。齋藤にとっての磐田戦は通過点にすぎなかった。

–「俊さんが僕らの変化を感じてくれればいい」

 自らの意志で中村俊輔の“10番”を受け継ぎ、エリク・モンバエルツ監督からはキャプテンを任された。「キャプテンになった自覚はないわけじゃないけど、僕はチームがどうやったら強くなるかを考えて行動しているだけ」と齋藤は語るが、背負うものの大きさや立場が変わったことで潜在的な意識の部分に変化があったことは確かだろう。

「戦う姿勢。僕が若いころにずっと教えられていたものなので、マツさん(松田直樹)とか河合竜二さん(現札幌)とかね。そういうものを今の若い子たちはあまり知らないので、僕らが見せていかなきゃいけないかなと思う」

 こういった何気ない一言からも、齋藤自身の立ち位置やサッカーへの向き合い方がこれまでと変わってきていることは明らかだ。中村俊輔も「アイツはキラキラしたものを持っているから」と自分の“10番”を受け継いだ齋藤への期待を語る。

「去年からいろいろ思っていたことはあったけど、僕ひとりで考えているというよりは副キャプテンのボンバー(中澤佑二)だったり、(飯倉)大樹くんだったり、(栗原)勇蔵くんだったり、喜田(拓也)だったり、マチくん(中町公祐)だったり、みんなと話しをしてこうやっていこうと言った結果ああいうものが生まれている。本当に僕だけじゃないので。本当にいいチームになれるかなと思います」

 齋藤が言うように、中村俊輔去りし後の横浜FMは非常に若く、発展途上のチームである。リーダーとしての自覚が芽生えた新たな“10番”を先頭に、経験豊富な心強いベテランたちがチームを支え、20代前半の若い選手たちが躍動する。

「俊さんが何か僕らの変化を感じてくれればいいですけど」

 実際に対戦した中村俊輔は、古巣の変化とかつての戦友たちからのメッセージを直に感じ取ったはずだ。注目された“新旧10番対決”は、齋藤に軍配が上がった。それはクラブ25周年の節目に、横浜FMに新たな時代が到来したことを告げる歴史の新たな1ページとなった。

 トリコロールの戦士たちは新時代の“10番”とともに、未来へと突き進んでいく。

(取材・文:舩木渉)

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