【スタジアム観戦情報まとめ】2014/08/20 第94回天皇杯全日本サッカー選手権大会 3回戦横浜F･マリノスvs.ギラヴァンツ北九州＠ニッパツ三ッ沢球技場

　Ｊ１横浜Ｍが２０日の天皇杯３回戦・北九州戦（ニッパ）で、ブラジル人ＦＷラフィーニャ（２７）が出場資格のないことに気付かず、あわや出場させるところだったことが１９日、分かった。この日の横浜市内での全体練習後、報道陣の指摘で発覚して事なきを得たが、樋口靖洋監督（５３）は「確認不足でした…」と平謝り。前代未聞の珍事は回避したものの、何ともお粗末な話だ。

　まさかの珍事に炎天下の練習場、横浜マリノスタウンが凍り付いた。樋口監督が見守る中、新外国人ＦＷラフィーニャは天皇杯・北九州戦に向けてＰＫ練習で汗を流していたが、そこへクラブ関係者が走り寄り「明日（２０日）の試合は出場できない」と伝えたのだ。

　「ぼくのミス、確認不足です。彼を起用するつもりでした…。やっちゃいました」

　樋口監督が顔をしかめた。前日１８日とこの日の練習で指揮官は、ラフィーニャを主力組の２トップに起用して、フォーメーションを確認した。ところが、これを見ていた報道陣の１人が「ラフィーニャは出場資格がないのでは」とクラブ関係者に指摘。慌てて確認したところ、事実であることが発覚したのだ。

　天皇杯の規定では、１～３回戦の選手登録期限は７月２日まで。ラフィーニャは７月１日に横浜Ｍへ移籍したが、出場選手登録は済ませていなかった。Ｊリーグの選手登録をすれば天皇杯も出られると勘違いしたらしい。出場を疑わなかった本人は、思わぬ知らせに両手を広げてあきれ顔。苦笑いするしかなかった。

　この事態にもあるクラブ幹部は「大した問題じゃない。あすの試合のメンバーに入っていたら問題だけど」と開き直った。しかし、現場は大混乱。代わって２トップの先発出場が予想されるＦＷ藤田は準備不足が懸念される。主力選手の１人は「信じられない。これは事件ですよ」とあきれ果て、別の選手も「あり得ない話」と嘆いた。

　日本を代表するビッグクラブが、あまりにもお粗末なミス。気付いたのが試合直前でなかったのは、せめてもの救いか。１６日のＪリーグ徳島戦では２得点で勝利に貢献するなど好調な助っ人ストライカーは困惑顔を浮かべたまま、練習場を後にした。　（宇賀神隆）

★未登録で出場したら？

　日本協会によると、これまでの天皇杯やＪリーグで、出場選手登録をしていない選手が出場したことはない。未登録選手の出場が試合中に発覚した場合は没収試合になる可能性があり、試合後に分かった場合は規律委員会にかけられることになる。日本協会の職員は「いずれにしても前例がないので、どのような処分になるかは分かりません」と話した。

天皇杯の出場規定

　出場選手の登録期限は１～３回戦が原則として７月２日までで、申し込みがなかった選手は出場ができない。４回戦は９月２日、準決勝は１１月１９日までと決められ、いずれも５人までの追加変更が認められている。また、１度でも大会に出場した選手は、同年度中に別のチームから出場することは禁止されている。

資格のない選手が出場した主なケース

　国内では前橋育英高（群馬）が、２００２年の全国高校サッカー選手権予選に資格のない選手を起用。６月に前登録先の県内のクラブチームから同校へ登録変更をしたが、「移籍後６カ月未満の選手は参加できない」という高体連の規定に抵触し、監督が６カ月のベンチ入り禁止処分を受けた。海外では今季の欧州ＣＬ予選３回戦で、Ｌワルシャワ（ポーランド）が出場停止中の選手を起用。２－０で勝利したものの、０－３の負けとする処分が下され、同最終予選進出の権利が消失した。

2014/08/20[ニッカン]横浜「事件だ」ラフィーニャがベンチ外

　横浜で１９日、信じられないドタバタ劇が起きた。今日２０日の北九州との天皇杯３回戦（ニッパ球）に向けた横浜市内での練習で、同戦に出場できないＦＷラフィーニャを主力組２トップに入れ戦術確認まで行った。何ともお粗末な出来事に、選手からは「信じられない」「事件だ」という声も上がった。

　７月に移籍加入したラフィーニャは、同杯１～３回戦までをまとめて行う選手登録が完了していなかった。登録が可能となるのは４回戦から。クラブ強化側の連絡不徹底により、現場はリーグでここ２戦３発と好調な助っ人が出場できるものと信じ、準備を進めていた。約１時間半の全体練習後、ノックアウト方式の同杯に備えた仕上げのＰＫ練習の最中、クラブスタッフが慌ててグラウンドに飛び出して事情説明。突如ベンチ外が決まったラフィーニャは「ヤスミ（休み）」と苦笑いするしかない。控えだったＦＷ藤田の代役先発が濃厚となり、急きょＦＷ矢島がメンバーに招集された。

　強化責任者の下條チーム統括本部長は「大した問題じゃない。明日、１８人のメンバーにいたら問題だけど」と言った。スッキリ勝ち上がって、笑い話で終わらせたい。【八反誠】

2014/08/20[ニッカン]横浜、Ｕ21代表候補の喜田が初先発か

　横浜は１９日、今日２０日の北九州との天皇杯３回戦（ニッパ球）に向け、横浜市内で練習を行った。

　Ｕ－２１（２１歳以下）日本代表候補ＭＦ喜田拓也（１９）が北九州戦でプロ初先発を飾る可能性が高くなった。この日の練習は主力組でプレーした。同代表の手倉森監督も視察予定。リオ五輪世代のホープは「いつも通りやれば大丈夫。チームでいいプレーをすることで結果として代表がついてくれば」と冷静だ。