月刊 栗原勇蔵(2013年6月号)


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2013/6/28 Googleにて検索

俺たちの「月刊 栗原勇蔵」今月は日本代表月間です。

 ワールドカップアジア最終予選だったりコンフェデレーションズカップだったり。

2013/06/05[横浜F・マリノス]栗原勇蔵選手 日本代表メンバー選出のお知らせ

横浜F・マリノス所属の栗原勇蔵選手が、「2014FIFAワールドカップブラジル アジア最終予選 (6.11 vsイラク代表)」並びに「FIFAコンフェデレーションズカップブラジル2013」の日本代表メンバーに選出されましたので、コメントと併せてお知らせいたします。

栗原勇蔵選手コメント
「昨日のホームゲームのオーストラリア戦で、予選突破を決めることが出来て良かったとは思いますが、これからが本当の勝負。本戦で強豪国との戦いに勝つために、チーム、個人ともレベルアップしなければいけません。そのためにも、ワールドカップ最終予選のイラク戦、コンフェデレーションズカップで、しっかり成長できるよう戦ってきます。」

 

2013/6/4 ワールドカップアジア最終予選vs.オーストラリア

2013/06/01[東京新聞]W杯へ栗原無失点誓う サッカー代表4日豪州戦

 サッカー日本代表のDF栗原勇蔵(横浜M)が4日のワールドカップ(W杯)ブラジル大会アジア最終予選、オーストラリア戦(埼玉スタジアム)に向けて気持ちを高めている。「相性がいいのか分からないけれど、活躍できるように強い気持ちを持って臨みたい」。0-2で敗れた国際親善試合ブルガリア戦からは気持ちを切り替え、無失点でW杯出場を決める覚悟だ。

 持ち前の高さとフィジカルの強さを生かした守備で、所属チームでは不動のセンターバック。ザッケローニ監督就任以後、代表にも定着しているが、今野泰幸(G大阪)、吉田麻也(サウサンプトン)に続く、3番手に甘んじてベンチを温めることが多かった。

 5月30日のブルガリア戦は先発して3バックの中央で体を張り、4バックの後半も含めてフル出場した。「3バックは慣れていなくて、体力的にきつかった」と話したが、顔には充実感がにじんだ。

 昨年6月のW杯アジア最終予選オーストラリア戦は、右膝のけがで離脱した吉田に代わって先発し、後半20分には先制点も挙げて敵地で引き分け、勝ち点1の獲得に貢献。一方で終了間際に退場し、手応えと悔しさの両方を味わった。

 あの試合から1年。引き分けでもW杯出場が決まる一戦は目前に迫っている。「点が取れなくても無失点なら出場が決まる。点をやらないことが一番大事」。出場機会があっても無くても、最大限の力を発揮するための準備は、しっかりと整えておく。 (宇佐美尚)

2013/06/02[スポニチ]栗原 相手の戦術を指摘「空中戦がいいと思っている」

 日本代表DFの栗原は空中戦に自信を示した。オーストラリアについて「勝つにはそれが一番いい戦術と思っていると思う」と指摘した。

 昨年6月12日にアウェーで対戦した際はゴールを決めながら不本意な判定で退場。「1年前は勝ち点を一つでも積み上げていく段階だったけど、今回は勝ち点1を取ればW杯に行ける」と気合を入れた。

2013/06/05[スカパーSOCCER]栗原勇蔵「(投入は)どう考えても守備固めの意図だったと思う」/日本代表

 日本代表は4日、2014年W杯アジア最終予選のオーストラリア戦(埼玉・埼玉スタジアム2002)に臨み、1対1でドロー。世界最速、5大会連続でのW杯出場を決めた。以下、試合後のDF栗原勇蔵(横浜FM)のコメント。

●栗原勇蔵コメント

「特に指示はないけど、どう考えても守備固めの意図だったと思う。直接は言われなかったけど、そういう感じで入ったと思う」

Q:W杯出場が決まった時の気持ちは?
「あの場に立っていられてうれしかった。とりあえず、一段落という感じ」

Q:ああいう場面での投入は監督から信頼されている証では?
「信頼は感じているが、それなりの仕事でクローズすることはできなかった。でも、みんな切り替えて1点取れたから、見ている人たちは0対0より盛り上がって終われたし、自分的にはしっかり反省して次につなげられればいいと思う」

2013/06/05[カナロコ]W杯5大会連続出場 栗原「レギュラーつかみたい」/神奈川

 ジャパン・ブルーに染まった観客席から大歓声が鳴りやまない。サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会アジア最終予選で4日、日本代表は5大会連続の出場を決めた。史上初めてホームでW杯切符をつかみ、その瞬間をピッチで味わった横浜市出身のDF栗原勇蔵選手(29)=J1横浜F・マリノス=は、W杯の舞台に立つ夢にまた一歩近づいた。

 W杯出場を決定付ける笛を聞き、両拳を突き上げた。後半34分、投入された直後にまさかの失点。それでも同点に追い付くことを信じて体を張った。MF本田圭佑選手(26)がPKを決めても喜ぶことなく、自陣にすぐに引き返した。そして歓喜の時が訪れた。

 「ピッチに立ててうれしかった。こんな経験はなかなかできない。監督に信頼されて使われたから、ゼロに抑えられたら良かったけど…。結果的に追いつけて良かった」

 ザッケローニ監督が就任して以降、代表メンバーにほぼ呼ばれてきた。最終予選でも7試合のうち出場停止を除く6試合でベンチ入り。守備の要のセンターバックとして周囲の信頼は厚い。

 控えに甘んじ、悔しい気持ちはもちろんある。ときに「試合に出なくても、すごく疲れる。肉体的にも、メンタル的にも」と打ち明ける。代表メンバーとして遠征しながら、出場時間はほんの数分間のことも。だが愚痴は一つもない。率先してボール運びなど裏方の仕事もこなした。

 「それが代表の宿命だから」。思えば、あの2人だってそうだった。

 横浜F・マリノスには大きな目標がいた。

 2011年に心筋梗塞で倒れ、34歳の若さで亡くなった元日本代表のDF松田直樹さんと、同じく元日本代表の中沢佑二選手(35)。2人はけがなどを抱えながらも泣き言は言わず、日の丸を背負って休みなく海外遠征を繰り返していた。

 「身近すぎて、すごいことが分からなかった」という。ただ、その系譜に連なる今、2人と同じように苦労と喜びをかみ締めている。「あいつは絶対、俺を超えるよ」。生前よく言っていた松田さんもきっと喜んでくれている。

 横浜市立原中学校時代から横浜F・マリノスの下部組織でプレー。将来を嘱望されてきた。22歳だった06年8月には一度、代表ユニホームに袖を通したが、10年の南アフリカ大会には選ばれず。16強入りと躍進したチームを自宅のテレビで眺めていた。

 それから3年。自分の居場所を固めながら、日本代表の指揮官や仲間の信頼もつかんでいる。ブラジル大会まで、あと1年。地元のクラブチーム「原FC」でサッカーを始めたころからの夢だったW杯へ。陰で支えることも知った生粋のハマっ子は、このまま控えで過ごすつもりはない。

 「チャンスがあるときに良いプレーをしたい。本当にプレーが良ければレギュラーはつかめる。そうやって自分は一つずつ夢をかなえてきたから」

2013/06/05[スポーツナビ]栗原勇蔵「0-0で終われたら良かった」

 サッカー日本代表は4日、2014年ワールドカップ(W杯)・ブラジル大会の出場を決めた。埼玉スタジアムで行われたアジア最終予選のオーストラリア代表戦で1-1と引き分け、世界最速で5大会連続5度目のW杯切符を手にした。引き分け以上で本大会出場が決まる日本は82分に先制を許したが、試合終了間際にPKを獲得。これを本田圭佑が豪快に蹴り込み、同点に追いついた。

 以下は、試合後の栗原勇蔵(横浜F・マリノス)のコメント。

「特にないですけど、どう考えても守備固めの意図だったと思います。直接は言われなかったけど、そういう感じで入ったと思います。セットプレーと守備の高さを求められたんだと。あんな感じ(失点)になってびっくりしたし、自分が入った意味がなくなってしまったけど、しょうがないと切り替えました。結果的に追いつけたから良かったけど、本当は0-0で終われたら良かった」

2013/06/05[BLOGOLA][岐阜]「幼稚園から一緒」だったという美尾の“元相棒”W杯戦士栗原の意外な過去

 4日に行われたW杯アジア最終予選・オーストラリア戦。日本は土壇場の同点PKにより1-1で引き分け、5大会連続となるW杯本戦出場の切符を手にした。

 4日の練習後、「もちろん見るよ」と話していた美尾敦もテレビに釘付けになったに違いない。実はこの大一番を前に、「ケーヒルが強烈」という話の流れから、彼はある選手に注目していた。
 
 「(栗原)勇蔵がやってくれるでしょ」

 少し意外な選手の名前に、一瞬「ん?」と思ってしまったが、すぐさまフォローが入る。そこには、さらに意外過ぎる過去の接点があった。

 「小学校のときに俺、アイツと2トップ組んでたから。すげえ良い“FW”だったよ。足速いし(笑)」

 なんでも「幼稚園から一緒だった」という美尾の“元・相方”は、後半途中から“本職のCB”で途中出場。日の丸の一員として日本をブラジルW杯へ連れていってくれた。

2013/6/11 ワールドカップアジア最終予選vs.イラク

2013/06/07[サンスポ]栗原、横浜M・松永Cの仕返しへ「勝ちにいく」

 2014年ブラジルW杯出場を決めた日本代表が6日、W杯アジア最終予選最終戦・イラク戦(11日、ドーハ)に向けて成田空港から出発した。DF栗原は、5日に所属する横浜Mの松永成立GKコーチと会い、「おめでとう」とW杯出場権の獲得を祝福されたという。松永コーチといえば“ドーハの悲劇”でイラクの同点ヘッドを目の当たりにしたGK。栗原は、W杯出場を果たせなかった大先輩の思いも胸に勝利を狙う。イラク戦では3-4-3での先発出場の可能性もあり、「勝ちにいく? そりゃそうでしょ」と言い切った。

2013/06/011[ゲキサカ]別メニュー調整のDF栗原「痛みが取れればと思って続けていたんですが…」

 先発は、ほぼ確実だと思われていた。DF栗原勇蔵のことである。8日、9日の練習ともに、DF今野泰幸とCBでコンビを組み、溌剌とプレーしていた。しかし、試合前日のこの日は、最初から別メニューでの調整となった。不安を抱えていた状態だったことを栗原は明かす。「一昨日くらいから、左足のもも裏に違和感があって…。痛みが取れればと思って続けていたんですが」と悔しがる。

 アルベルト・ザッケローニ監督は、最終ラインの中央とDF今野泰幸とDF吉田麻也で固定してきた。このイラク戦は、アピールできる貴重な場だ。栗原自身も、そのことを痛感しているため、練習に参加したいと思っていたという。

「大した痛みじゃないし、個人的にはアピールしたいけど、トレーナーと話をして別メニューにしました。今の状態でできないことはないけど、怖さはある。オレにとって明日の試合は大事だし、結果にもこだわりたいけど、代表は個人のパフォーマンスは二の次なんで。肉離れは過去10回やっているので、肉離れじゃないことは分かります。ただ、無理を続ければ肉離れになる可能性もあるかもしれない」

 イラク戦の出場については、「当日の朝に監督と話し合う」ことになっているという。同じCBのDF吉田麻也も足に不安を抱えており、途中から別メニューで調整した。世界最速でW杯出場を決めたザック・ジャパンだが、コンフェデレーションズ杯に向けて、不安材料が出てきてしまった。

2013/6/22 コンフェデレーションズカップvs.メキシコ

2013/06/23[スポニチ]先発もアピールならず 細貝「しんどい」栗原「本当なら萌に…」

 先発の機会を得た細貝と栗原は、十分なアピールとはいかなかった。出場停止の長谷部に代わって守備的MFでフル出場した細貝は「前半途中から相手がボールを持つ時間が長くなり、しんどい中でのプレーになった」と厳しい表情。相手の縦パスをつぶす場面は少なく、持ち味を発揮したとはいえなかった。

 吉田に代わって先発起用された栗原は、先制点の場面でクロスを上げる相手に気を取られ、走り込むエルナンデスをフリーにしてしまった。「後悔しているのは、自分がサイドにつり出されたとき、本当なら萌(細貝)にいってほしかった。一瞬でやられた」とうなだれた。(共同)

2013/06/24[スポニチ]栗原 世界レベル体感しガックリ「結果がすべて」

 栗原は脚の付け根に痛みを抱える吉田に代わって先発で今大会初出場。今野との息の合ったコンビを見せたが、2失点を喫し「結果がすべて」と唇をかんだ。

 エルナンデスと対峙(たいじ)し「CKの反応も速かったし見逃さない嗅覚も凄かった。あのサイズで世界で戦っているのは凄いと思う」と世界レベルを体感。「(メキシコ戦は)勝てば予選突破という試合とは違った。そういう試合で出られないのはまだまだ」と、さらなるレベルアップを誓っていた。

2013/06/24[スポーツナビ]第3のCB・栗原勇蔵に問われる本気度 いまこそ覚醒すべき未完の大器

−前半は合格点を与えられる出来

 6月19日のコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)2013のイタリア戦(レシフェ)で、ワールドカップ(W杯)優勝4回を誇る大国に内容で勝りながら3−4の逆転負けを食らった日本代表。22日のメキシコ戦(ベロ・オリゾンテ)は消化試合となったが、アルベルト・ザッケローニ監督は母国との対戦で見えた方向性を維持し、1年後の本大会に希望を見いだすために、本気で勝ちに行くつもりだった。その重要なピースである吉田麻也が腹筋から股関節の故障を悪化させたことから、センターバック(CB)の一角に第3の男・栗原勇蔵を抜てきした。

 左太もも裏に違和感を訴え、11日の2014年W杯・ブラジル大会アジア最終予選・イラク戦(ドーハ)に出場するチャンスを棒に振った彼にとって、代表の公式戦で先発出場するのは12年6月のオーストラリア戦(ブリスベン)以来。多少なりとも緊張感はあっただろう。それでも入りは悪くなかった。ユース代表時代からともに世界で戦ってきたDF今野泰幸、GK川島永嗣との中央の連係はまずまず安定。前半はポジショニングやビルドアップのミスもほぼなく、35分には強引に前線へ飛び込んできた相手エースのハビエル・エルナンデスが今野をかわしてシュートを打とうとしたとき、カバーに入って確実にクリアするなど、読みの鋭さも出ていた。この5分後に左クロスからフリーになったアンドレス・グアルダードのシュートが右ポストをたたく大ピンチもあったが、何とかスコアレスで前半を終えた。

「ポストに当たった危ないシーンもあったけど、お互いスローペースでそんなに激しくなかったから、自分としてはわりとスムーズに入れた。やりながら『これは勝てるかもしれないな』とも思った」と本人も述懐するように、合格点を与えられる出来だった。

−悔やまれる痛恨のミス
 だが、後半に入るや否や、日本の運動量がガクッと落ちた。豊田、埼玉に始まり、ドーハ、ブラジルと1カ月間、長距離移動と超過密日程を続けてきた主力選手の疲労はピークを超えていたのだろう。立ち上がりから押し込まれる時間帯が続く。そして迎えた54分、栗原が最も恐れていた失点が現実のものとなってしまう。

 メキシコの中盤からのフィードが左に開いたグアルダードに渡った。右サイドバックの酒井宏樹が寄せに行った瞬間、エルナンデスが前線のスペースにスッと動き始めた。すでに栗原は一歩外に寄って酒井宏のフォローに行く形になっていたため、細貝萌からマークを託された時に反応が遅れてしまう。

「俺の体の向きが外に行ってたんで、ニアだけ切ろうと思ったんだけど……。後から映像を見たら、中も佑都(長友)と今ちゃん(今野)しかいなくてズレてくることもできなかった。俺がもっと中から守れば良かったんだけど、萌から一瞬のマークの受け渡しの声がかかった時、すでにポジションを前に取り過ぎていた。俺はまずそこを反省しなきゃいけない。クロスも宏樹の足にも当たってすごくいいボールになったのもあるけど、やっぱりエルナンデスは隙を絶対に見逃さない。あのサイズで世界で戦っている選手はそういうところのレベルが高いなと思った」と本人は努めて冷静に自らのミスを振り返った。

 その後、気持ちを切り替え、再びメキシコに立ち向かった。ザッケローニ監督が内田篤人と吉田を送り込んで3−4−3にした時もセンターに入って不慣れなシステムを支えようと試みた。しかし、エルナンデスに右CKから2点目を失った時点でゲームがほぼ終わってしまった。香川真司も「後半ははっきり言ってみんなバラバラだった」と途方に暮れたように、攻守の意思統一が欠けていた。「間延びした時にずっと言っている個の差がどうしても出る。今回は守備の個にクローズアップすべき」と本田圭佑も指摘したが、確かに守備陣は1対1にさらされ、クロスを入れられるたびに危険な状況に陥った。

−国内組DFの底上げが代表の浮沈を左右する
 最終的に岡崎慎司の一撃で一矢報いたものの、メキシコにも1−2で苦杯。3試合9失点という散々な数字だけが残った。「組織では大きく崩されていないけど、結局、局面でやられている。個のレベルアップは必須だと思います」と吉田も反省しきりだった。そんな傍らで、栗原は「自分はまず出場機会を増やすことが先決」とコメントした。

「ディフェンスはつねに完璧を求めていかないといけない。相手の攻撃陣が完璧な動きをした時も、完璧な守り方をしなきゃいけない。一歩寄せるとか、相手にくっついてなきゃいけないとか、そういうのを覚えるのもやっぱり場数だと思う。試合に出るのが少ない自分はどうしても周りに合わせることを優先してしまう。その状況を変えることからやらないといけない」と彼はあらためて強調した。

 日本人CBで海外でプレーしているのは吉田だけ。それ以外は皆、Jリーグで自力を養わなければいけない。日ごろからロビン・ファン・ペルシーやルイス・スアレスらと対峙(たいじ)できる吉田との差は少なからずあるが、「Jリーグにもいい選手はいっぱいいるし、できることは必ずある。代表でマンUの真司やインテルの佑都と一緒に練習してても全くできないとも思わないから」と栗原は自分に言い聞かせるようにこう語った。

 実際、横浜F・マリノスの先輩・中澤佑二もJリーグから10年W杯・南アフリカ大会へ挑み、ベスト16入りに貢献している。35歳になっても高いパフォーマンスを維持する男の一挙手一投足をつねに身近で見ている彼には、そのノウハウを学ぶチャンスはいくらでもあるはず。その環境を生かさない手はない。

 メキシコ戦で敗戦のきっかけを作ったことを忘れず、ここからの1年をどう過ごしていくのか。栗原、伊野波雅彦をはじめとする国内組DFの底上げが、ザックジャパンの浮沈を左右すると言っていい。

−拭えなかった「お客さん意識」
 10代のころから「松田直樹に匹敵する身体能力を誇る大器」と期待され、岡田武史前日本代表監督にも「ものすごいポテンシャルを持った選手。このまま終わってもらっちゃ困る」と繰り返し言われてきた栗原勇蔵。しかし、破天荒そうに見えて意外にナーバスな性格が災いしたのか代表定着は遅く、ザックジャパン発足後から本格的に常連メンバーとなった。

 それでも本人の中ではどこか「お客さん意識」が拭えなかったようだ。今の代表は北京五輪世代が中心で、1世代上の彼にはちょっとした疎外感があるのかもしれない。「自分は代表に行くといつもピリピリしてる。真司なんかミーティングに遅刻しそうになって長谷部(誠)に怒られそうになってたけど、俺なんか絶対に遅刻できない。だからかなり前に行ってる」と苦笑いしたこともあるほどだ。

 こうしたメンタル面と、11年アジアカップ(カタール)を棒に振ったことで、この2年半、彼は「第3のDF」の位置づけから脱しきれなかった。チーム発足初戦のアルゼンチン戦(埼玉)では1−0の完封勝利に貢献し、吉田が負傷離脱した昨年6月の最終予選・ヨルダン戦(埼玉)とオーストラリア戦では得点も奪うなど要所要所でいい仕事をしてきたが、ザッケローニ監督の吉田や今野への絶対的信頼は揺るがなかった。

−「W杯に行けたら人生が変わる」
 しかし、今回のコンフェデ杯で、吉田と今野の両センターバックは数多くの失点に絡み、力不足を突き付けられる格好となった。彼らへの依存体質の不安が増し、南アフリカW杯16強戦士である中澤と田中マルクス闘莉王の代表復帰を熱望する声も高まりつつある。そんな中、ザックジャパンに長い間、名を連ねてきた栗原は意地を見せなければいけない。本田も「ブラジルやイタリア、メキシコ、その上にはスペインもいる。彼らも成長するから、それを上回るには覚悟を持ってやらないといけない」と語気を強めていたが、まさに栗原にもこの1年間、自身の成長にすべてを懸けるくらいの「覚悟」が求められる。

「カズ(三浦知良)さんだって出られなかったW杯に行けたら人生が変わる。両親やお世話になった人たちにも恩返しができる」と本人もしみじみ話していたことがあった。それを実現するために、いまこそ自分自身を奮い立たせるべきなのだ。周りを鼓舞したり大声で指示したりと、栗原は表立って感情を出すタイプではないが、守備陣を統率するためにはそういう要素も必要だ。もっと自分をアグレッシブかつ意欲的なプレーヤーに変えていく努力も必要だろう。

「いま出ている選手に危機感を与えられるようにならないとダメだと思う。監督がここで1回、リセットして競争させてくれるなら、それをきっかけにチャンスをつかんでいかないといけないと思う」と彼は言う。

−東アジアカップは一皮むける絶好のチャンス
 さしあたって欧州組とJ2の今野と遠藤保仁が招集免除となる7月の東アジアカップ(韓国)は、栗原が一皮むける絶好のチャンスだ。ここで際立ったリーダーシップを発揮し、オーストラリアや韓国を完封できれば、指揮官も吉田らとの併用を考えるかもしれない。他のメンバーも闘志むき出しにアピールを繰り広げるだろうから、それに勝つ気迫をぜひとも見せてほしい。

 加えて、J1優勝争いを繰り広げている横浜FMでの活躍も欠かせない。中断前時点で3位にいる彼らの総失点は13で、リーグ最少の大宮アルディージャの9、サンフレッチェ広島の10、セレッソ大阪の12より多い。日本代表を背負うべきCBのいるチームが最少失点で抑えられないのはやはり物足りない。Jの舞台でも特筆すべき結果を残し、チームに9年ぶりのリーグタイトルをもたらすことができれば、1年後の本大会にも大いに弾みがつく。

 第3のDFから世界を跳ね返す守備の大黒柱へ。残り1年、栗原勇蔵の「本気度」が問われる。

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