【試合結果まとめ(1●2)】2020/2/23(日)14:00KO J1第1節 横浜F・マリノスvs.ガンバ大阪@日産スタジアム



 
 

アンカー(目次)

1.横浜F・マリノスオフィシャルサイト
2.Jリーグ.jp
3.Twitter / Istagram
4.YouTube
5.Webニュースログ
6.今週の他会場など

横浜F・マリノス オフィシャルサイト

2020 明治安田J1 第1節 vsガンバ大阪 | 2020 | 試合 | 横浜F・マリノス 公式サイト

監督コメント

アンジェ ポステコグルー

「残念な結果になってしまいました。特にスタートから10分、15分のところで相手に得点されてしまいました。
その後、選手たちはしっかり切り替えてうまくやれた部分も多かったですし、チャンスという部分もたくさんつくれました。しかし残念な結果でした」

質問:相手はかなりF・マリノスのやり方を研究して対策を練ってきたと思います。もちろん、他のチームはそのように臨んできて当然だと思います。それを乗り越えるために、これからどういうふうにやっていかなければいけないと考えていますか?
「結果に関しては、自分の責任です。
スタートがスローになってしまうと、特に失点をしてしまうと、試合は難しくなってしまいます。そこから自分たちの流れに戻すのは難しくなります。難しい状況に、自分たちで追い込んでしまったのだと思います。
ただ、それは本当に自分の責任だと思います。選手起用も含め、しっかりと戦える準備を、もう一度自分で頭に入れながら次に向かわなければいけないと思います。
ですが、チャンスはしっかりとつくれましたので、選手たちは本当に良くやってくれたと思います」

質問:チャンスはつくれていましたが、もっと強引にゴールを奪いに行っても良かったのではないでしょうか?
「負けようが勝とうが、やり方を変えていくというのは自分の中にありません。
やはり一番大事なのは、自分たちがどうスタートするかだと思います。
選手交代してからも、もちろんゴールを奪いに行ったのですが、少し焦りが出てしまいました。もう少し落ち着いてやれば、良かったかもしれません。
その中でも選手たちは、たくさんチャンスをつくっていましたし、流れを戻そうと意識してのプレーも見えました。
ただ我々だけではなくどのチームであっても、自分たちでこういう状況をつくってしまうと、試合は難しくなります。
神戸戦のスタートも、そうでした。自分たちのいつものスタートではありませんでした。そうなると、相手がモチベーション高くスピードアップしてきます。自分たちはそれ以上にスタートをしっかりしていかなければならないと思います。それを、こういうゲームから学ばなければならないのです。そこを選手たちがしっかり頭で理解をし、チーム全体で“もう一度やっていくのだ”と取り組まなければならないと思います。
相手がどこだろうが、結果がどうであろうが、自分たちがやらなければならない部分である“スタートからしっかりと自分たちのリズムでやらなければいけない”というのを、今日もまた、選手たちは学んだはずです」

質問:先週のACLから中3日で、ほとんどメンバーを代えませんでしたが、その点、パフォーマンスに影響はなかったのでしょうか?
「先ほども言いましたが、結果に関しては自分の責任だと思っています。
おっしゃったように中3日のゲームで、一人、二人メンバーを代えても良かったのかもしれないという思いもあります。
ですが、どういうふうに良いバランスを取ってやっていかなければならないのかという部分が、すごく大事になってくると思います。今日の結果に関しては、やはり自分の責任です。それらをしっかりと踏まえて、次に向かって行きたいと思います」

質問:今日の選手交代については?
「もちろんゴールを奪うために、選手交代を行いました。残り10分、15分という部分で4、5回はビッグチャンスをつくりました。高野にしても、エリキにしても、エジガル ジュニオにしても、代わって入った選手が前からプレッシャーに行くなどしっかりプレーしてくれたと思いますし、たくさんチャンスをつくれたと思います」

質問:スタートの悪さについての原因は、何だったのでしょうか?
「今日、何人か布陣を変えてやっていたら、違った結果になっていたかもしれません。ですが、いずれにせよ、ああいうスタートをしてしまうと相手に自信をもたせてしまいます。
G大阪にしても神戸にしても、そして次の相手にしてもそうですが、良いチームが本当に多いです。そのなかで、自分たちのサッカーを最初から100%できなければ、やはり難しい状況にはなります。
チーム全体、総合的に見れば我々は良いチームですが、自分たちのチームにスーパースターはいません。しっかりベストを尽くしてスタートからの入りが良くなければ、やはり自分たちで難しい状況にしてしまうと思います。そういう部分でも、自分たちのサッカーをしっかり最初からやることが大事ですし、それを心掛けて日々行っています。
今日はこういう結果になりましたけれども、次に向けてしっかりとやらなければいけないと思っています」

選手コメント

喜田 拓也

「試合の入りのところで自分たちのリズムでできなかったのもあるし、先に失点してしまったこともある。敗因はいくつかあると思うが、どうしていくかは自分次第。みんなで原因を話し合い、この負けをどう次に生かしていくかを考えたいと思います。
(相手が4-3-3のアンカーシステムでくることは)想定内でしたけど、そこにとらわれていたわけではない。自分たち次第だった面も大きかったと思います」

高野 遼

「相手も90分間ずっとプレスをかけることは体力的にきついので、必ずどこかで自分たちの時間帯がくると思っていました。もう2、3本仕留めることができれば、勝てたと思います。今日の結果に落ち込まず、次も頑張らないといけません。
(久しぶりの出場だが)まだまだシーズンは長いので、どこかで必ず出番はある。そのときにいいプレーができるよう、日々の練習から常に準備していきたいと思う。このレベルの高いチームでやれるのは選手として幸せなこと。その中で常に自分が這い上がってやるぞという気持ちでやっています」

オナイウ 阿道

「前半は入りというか、立ち上がり何分かのところで、少しミスが多かったり、ボールを相手の陣地で動かすことがなかなかできなかった。その中で失点してしまい、奪われた後も落ち着きを取り戻すことができないまま、失点してしまった。
そういう立ち上がりの時間帯だったり、シンプルにやることも大事だと思う」

Jリーグ.jp

横浜FMvsG大阪の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2020年2月23日):Jリーグ.jp
 └ 入場者数 34,521人

選手コメント

喜田 拓也

(10秒近く沈黙したあと)先に失点をして、入りのところで自分たちのリズムが出なかった部分はあった。原因はいくつかある。そこをどうしていくかは自分たち次第。こういう結果が出てしまったのは悔しいが、またみんなで何が原因だったか、どう次につなげていくのかなど、この負けの捉え方を話していきたい。

--G大阪が[4-3-3]できたのは想定内だったのか。
想定内だし、あまりそこにとらわれているわけでもない。自分たち次第だった面のほうが大きい。そこはあまり、ウェイトを占めていない。相手のプレスのタイミング、強弱というのもあまり感じていない。自分たちで自分たちの首を絞めたという思いのほうが強い。100%正確なことや無責任なことはいえない。なのでこの負け方の捉え方とその詳細については、みんなと共有したい。いろんな考え方があるので、ディスカッションして、ベクトルをそろえつつ、次に向かっていきたい。

高野 遼

監督からは「前に前に」と言われていた。それが自分の特長でもあるので、チームに勢いを持たせたかったので、悪くはなかったと思う。ビルドアップに関しては、もう相手がブロックを引いていたので、自分がフリーになる形が多かった。そこから効果的なパスを出せればと考えていた。自分たちは変わらず、このサッカーを続けて、監督を信じて、自分たちを信じてやっていくだけだ。今日の結果に落ち込まず、しっかり前を向きたい。相手もずっと90分間、プレスを掛け続けるのは体力的にも難しいので、絶対に後半、自分たちの時間帯がくる。そこで2、3本仕留められれば、勝てた。

 
 

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ネットニュース・Weblog

スポーツニッポン

昨季王者・横浜 G大阪に黒星発進、手痛い失点にFW仲川「切り替えないといけない」― スポニチ Sponichi Annex サッカー

 昨季王者が出鼻をくじかれた。明治安田生命J1リーグ第1節第3日が各地で行われ、ポステコグルー監督のもとアタッキングフットボールで04年以来の連覇を目指す横浜は、本拠でG大阪に1―2で敗れた。

 開始6分、自陣の深い位置で蹴り出さずにつなぎ、DF伊藤からバックパスを受けたGK朴一圭(パクイルギュ)がプレッシャーを受けて奪われたところから失点した。「ミスはつきものなのでしょうがない」とかばったFW仲川は「切り替えないといけない。盛り上げようとは思ったけど、あんまりうまくいっていないなというのをチーム全体で感じてしまった」とその後の姿勢を反省した。

 同34分には、G大阪GK東口のロングフィードを起点に、オフサイドギリギリで抜け出したMF倉田のマイナスのパスからMF矢島のゴールで失点した。副審の旗は揚がったが、VARによる判定の末にオフサイドはなくゴールの判定が下った。一瞬の判断で遅れた守備。「自分たちの判断でオフサイドを止めてしまった部分も敗因になるのかなと思う」と口にしたDF松原は、「自分たちのサッカーをしようという話があった。それを体現するためにみんな精いっぱいやった中での失敗だった」とも話した。

ニッカンスポーツ

昨季V横浜黒星、G大阪は倉田&矢島弾/横-G1節 – J1 : 日刊スポーツ

昨季リーグ王者の横浜F・マリノスはガンバ大阪に1-2で敗れ、開幕戦黒星スタートとなった。

まずは前半6分。最終ラインでのパス回しでGK朴一圭のトラップが大きくなったところを相手に奪われると、最後はMF倉田秋に決められ、先制を許した。

前からプレスにくるG大阪相手に突破口を見いだせない時間が続き、同36分には追加点を許してしまう。相手GK東口順昭のロングボールに抜け出した倉田のクロスをMF矢島慎也に合わせられ、2失点目を喫した。

反撃したい横浜は後半29分。MF扇原貴宏のパスをゴール前で受けたMFマルコス・ジュニオールが振り向きざまに左足でゴール左上に蹴りこみ、1点を返した。

終盤はゴール前まで攻め込むシーンを何度も作ったが試合はこのまま終了。ホーム開幕戦を白星で飾ることはできなかった。

横浜が黒星発進、扇原「かなり対策しているなと」 – J1 : 日刊スポーツ

2連覇を目指す王者横浜F・マリノスはホームでガンバ大阪に1-2で敗れ、黒星スタートとなった。

持ち味の最終ラインからの組み立てに圧力をかけられ、前半6分にミスから失点。34分には高いディフェンスラインの裏のスペースへのロングボールから崩され、追加点を許した。

ポステコグルー監督の特徴とも言えるパス回しとハイラインの裏を突かれての敗戦。MF扇原は「かなり対策しているなと思った」。王者は標的にされている。G大阪はセンターバックの脇のスペースを狙ったロングボールを徹底。得点源であるFW仲川らは複数人で対応してつぶされ、奪ったボールは無理につながず、外に蹴り出すなど断続的な攻撃も遮断された。

12日のACL全北戦で日本代表DF畠中が負傷離脱。過密日程の影響も出始めている。東京五輪世代のMF遠藤は「重圧を感じながらプレーしている感じがあった」。ACLでは現体制で初対戦の全北、シドニーFCに連勝したが、富士ゼロックススーパー杯の神戸に続きJリーグ勢に苦戦。指揮官は強気で、現在の戦術を貫く姿勢を変えず「結果は自分の責任。人選も含め、しっかり戦える準備をして次に向かう」と言い切ったが、不安の残る船出となった。【松尾幸之介】

膵臓がん明かした横浜OB柳想鉄氏が感謝の来日 – J1 : 日刊スポーツ

試合後に横浜F・マリノスOBで昨年11月にステージ4の膵臓(すいぞう)がんであることを明かした元韓国代表DF柳想鉄(ユ・サンチョル)氏がサポーターへあいさつした。

横浜のACL全北戦をテレビ観戦した際に、サポーターが掲げた激励の横断幕を偶然目にし、感謝の来日。「私は絶対に諦めない。一生懸命、治療して、またみなさんに会いたい」と語った。

サンケイスポーツ

王者・横浜Mがまさかの黒星発進 G大阪は昨季開幕のリベンジ達成、遠藤の大記録に華を添える – サッカー – SANSPO.COM(サンスポ)

 明治安田生命J1リーグ開幕節が23日に行われ、横浜F・マリノスとガンバ大阪が日産スタジアムで対戦した。

 ディフェンディング・チャンピオンとして新シーズンを迎える横浜FMは、開幕2連勝をマークしたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)から中3日での開幕戦に臨む。ACLのシドニーFC戦からスタメンの変更は1人のみ。ACLの2試合でベンチ外だった守護神の朴一圭が先発に復帰した。最前線にはシドニー戦で2発のオナイウ阿道が入り、両翼に昨季JリーグMVPの仲川輝人と遠藤渓太を配置した。

 一方のG大阪は、今季公式戦初戦となった16日のJリーグYBCルヴァンカップ初戦の柏レイソル戦(0-1)から先発を2人変更。40歳MF遠藤保仁が21年連続で開幕スタメン入りを果たし、元日本代表の楢崎正剛氏が持つJ1最多出場記録の631試合に到達した。新加入の日本代表DF昌子源はベンチ外となっている。

 昨季リーグ戦での対戦は横浜FMが2勝を収めているカード。戦前の予想では王者・横浜FM優勢と見られていたが、試合は思わぬ展開からスタートする。

 G大阪は6分、GK朴一圭のトラップミスを矢島慎也が奪取すると、ゴール前の倉田へ。受けた倉田は左足で冷静にゴールへ流し込んでG大阪が先制に成功した。横浜FMにとっては痛恨のミスから先制点を許す結果となってしまった。

 細かくつないで一気に背後へ抜け出す形を取る横浜FMに対して、G大阪は守備時に5バックに可変し、ブロックを敷いて対応。セットプレーでピンチを招く場面もあったが、横浜FMの強力攻撃陣を抑えたまま試合を進めていく。

 するとG大阪は34分、GK東口順昭のロングフィードを受けた倉田が、PA左に持ち込んで折り返すと、矢島が反応。冷静に決めたが、オフサイドの判定に。一旦はノーゴールとなったが、その後VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のオンリーレビューにより、オンサイドであったとし、主審が判定を変更。G大阪に追加点が認められた。

 2点を追う横浜FMは後半開始早々に、オナイウが絶好機を迎えるも決められず。横浜FMはその後に高野遼とエリキを投入。徐々に流れを引き寄せると、74分にPA手前の中央で縦パスを受けたマルコス・ジュニオールが。ターンして左足シュート。これがGKの頭上を超えてゴールに吸い込まれた。

 1点を返してさらに攻勢に出る横浜FMは、終盤にエジガル・ジュニオも投入。超攻撃的姿勢を貫くが、G大阪もキム・ヨングォンを中心に体を張った守備で対応。横浜FMの猛攻を最後まで抑えきり、G大阪がアウェイでの開幕戦を2-1で勝利。昨季開幕戦のリベンジを果たしている。一方の横浜FMは連覇へ苦しいスタートとなった。(Goal.com)

サッカーダイジェスト

【J1採点&寸評】横浜1-2G大阪|1G1AのアタッカーがMOM。完敗の王者には「4.5」がふたり | サッカーダイジェストWeb※一部抜粋

【チーム採点・寸評】
横浜 5
G大阪の強烈なハイプレスの前に面食らい、前半だけで2失点。自慢のポゼッションもままならず、“自分たちのサッカー”をさせてもらえなかった。後半は盛り返したが1点を返すのが精一杯。悔しい敗戦を喫した。

【横浜|採点・寸評】
GK
1 朴 一圭 4.5
ビルドアップのミスで失点とピンチを招く。簡単なパスもラインを割るなど、本来のパフォーマンスからは程遠かった。

DF
27 松原 健 5
味方のミスをフォローするプレーは悪くなかったが、2失点目では背後のスペースを突かれる。仲川との連係も不十分だった。

13 チアゴ・マルチンス 5.5
失点は防げずとも、前がかりとなるチームの最後方で冷静かつパワフルなディフェンスを披露。22分にCKからヘッドで狙うもバーの上。

15 伊藤槙人 5.5
G大阪のハイプレスに戸惑い、思うように前に運べず。対人守備ではまずまずのパフォーマンスだったが。

5 ティーラトン 5.5(70分OUT)
切れのある動きで攻撃に厚みをもたらす働きぶり。とはいえ、ボールが足につかないシーンもあり、安定感を欠いた。

MF
6 扇原貴宏 5.5
機を見て高い位置に飛び出し、チャンスメイク。自らも積極的に狙っていったが、精度を欠いて枠に飛ばせず。

8 喜田拓也 5(65分OUT)
素早く攻守を切り替えて中盤を引き締めたが、らしくないイージーなミスも。攻撃面でも今ひとつの出来で無念の途中交代。

MF
9 マルコス・ジュニオール 6(86分OUT)
広範囲に動いてパスを受け、自ら持ち込めば、周囲にも配給。74分には技巧的な左足シュートで今季初ゴールをゲット。だが、勝利には導けなかった。

FW
23 仲川輝人 4.5
藤春の集中力高い対応にやや手を焼く。ドリブルでもシュートでも強引さが見え、後半は徐々にトーンダウン。ほぼ見せ場を作れなかった。

45 オナイウ阿道 5
最前線でボールを呼び込むが、思うような形になかなか持ち込めず。46分のビッグチャンスも決められなかった。

11 遠藤渓太 5.5
いつもどおり、左サイドで起点となり、攻撃の突破口を探る。カットインからの強シュートも。だが、決定的な仕事はできなかった。

途中出場
FW
17 エリキ 5(65分IN)
83分、良い形で前を向いたが上手く足もとに収まらず、チャンスを逃す。期待された働きは示せなかった。

DF
16 高野 遼 6(70分IN)
ティーラトンとの交代で左SBに。積極的にプレーに絡み、ボールを動かし、攻撃のテンポアップを図る。

FW
30 エジガル・ジュニオ ―(86分IN)
限られたプレータイムのなか、懸命にゴールチャンスを探ったが、相手の人数を割いた固い守備を崩せなかった。

監督
アンジェ・ポステコグルー 5
2点を追いかける展開で、攻撃的なベンチワークで1点差に詰め寄るも勝点は奪えず。前半の劣勢を覆す一手を打てなかった。

リーグ王者が痛恨の黒星スタート。敵のハイプレスに手を焼き「ミスもいつもより多かった」 | サッカーダイジェストWeb

 前半だけで2失点。猛攻を仕掛けた後半に1点を返した横浜だが、反撃もそこまで。G大阪をホームに迎えた開幕戦で、痛恨の黒星スタートとなった。

 序盤からハイプレスを仕掛けてきた相手に対し、前半は劣勢を強いられ、ポゼッションも思うようにはいかなかった。ボランチの扇原貴宏は振り返る。

「前半は相手のプレスがどんどん前から来ていたし、自分たちのミスもいつもより多かった。(プレスを)抜けた時は落ち着いてボールを回せていたけど、その回数が少なかった」

 ACLのグループステージ2節のシドニーFC戦から中3日。少なからず疲れはあったのかもしれない。扇原は「距離感だったり、サポートの早さだったり、全体的にいつもより重たいなとは感じました」と語る一方、「全部が全部、悪いプレーではなかった。ビルドアップで相手を剥がすシーンもあった」と収穫も口にする。

 ただ、その回数が少なく、G大阪にリズムを与えてしまったようだ。しかも「早い段階(6分)で失点して、相手に勢いに乗らせてしまった」(扇原)

“自分たちのサッカー”をやらせてもらえる時間が限られていたなかで、本来の戦いを示せなかった悔しい敗戦だった。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【横浜|担当コラム】王者としての真価が問われるシーズン。黒星発進で明確になったこと | サッカーダイジェストWeb

 扇原貴宏の懸念は、残念ながら現実のものとなってしまった。ACLのグループステージ第2節、シドニーFCに4-0で完勝した後、この技巧派レフティは連覇がかかるリーグ戦を見据え、一抹の不安を抱えていたようだ。

「リーグ戦はまた違った雰囲気になると思う。すごく分析されるだろうし、去年みたいにうまくいかないと思う」

 G大阪をホームに迎えたリーグ開幕戦、横浜は前半だけで2点のビハインドを背負う。相手のアグレッシブかつ連動性の高いフォアチェックの前に思うようにボールを前に運べず、劣勢を強いられた。最初の失点は、GK朴一圭が持ち出したところを狙われ、そこで奪われたボールを流し込まれた。2失点目はハイラインの裏を突かれ、クロスから決められた。

 いずれの失点も、自分たちのスタイルを逆手に取られた格好だ。後半は猛攻を仕掛け、マルコス・ジュニオールが技巧的な一発を沈めて1点差に詰め寄るも、反撃もそこまで。無念の黒星スタートとなった。

 分析され、研究されるのは、チャンピオンチームの宿命でもある。おそらく今後もこうしたゲームは増えてくるだろう。もっとも、“対横浜仕様”で挑んでくる相手との戦いで、自分たちのやるべきことは、これまでとなにも変わらないはずだ。

 自陣からのビルドアップに対し、敵がハイプレスでハメにきたら、セーフティに長いボールを飛ばすのか。違う。G大阪戦後に扇原は言った。

「(プレスを)抜けた時は落ち着いてボールを回せていたけど、その回数が少なかった。でも、その回数を増やせれば、相手もプレスに来られなくなる」

 ビルドアップを狙われても、むしろそれをやり通す。逃げない。相手のプレスを回避するのではなく、真正面から受け止めて、いかにそれが無意味な行為であるかを分からせるために、頑なにつないで、強気にボールを前に運ぶ。

 その試みが失敗し、失点につながり、勝点を失うこともあるかもしれない。そうならないためには、これまで積み上げきたスタイルをさらに磨くしかない。相手が準備してきた戦い方を上回るように、練度を高めるしかないのだ。

 扇原が「自分たちのことを信じているし、自分たちのやりたいサッカーを信じている」と口にすれば、ボランチでコンビを組む喜田拓也も同調する。

「負けていながらあれですけど、自分たちのサッカーに、可能性しか感じないので」

 王者としての真価が問われるシーズン。対策を講じてきた相手を“自分たちのサッカー”でねじ伏せた時、またひとつ強くなるはずだ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【PHOTO】あなたもどこかに!?横浜×G大阪を盛り上げたサポーター特集! | サッカーダイジェストWeb

【横浜 1-2 G大阪 PHOTO】VARで判定覆り、G大阪が敵地で王者撃破!昨年開幕戦のリベンジを果たす! | サッカーダイジェストWeb

サッカーキング

G大阪が昨季王者・横浜FMを撃破! VARで判定が覆り矢島のゴールが認められる | サッカーキング

 23日、明治安田生命J1リーグ第1節が行われ、横浜F・マリノスとガンバ大阪が対戦した。

 昨シーズンのリーグ戦で優勝を果たした横浜FMは、今シーズンはACLなど公式戦3試合を戦い2勝1分。ここまですでに9得点と、自慢の攻撃力は健在だ。対するG大阪は、昨シーズン7位。16日に行われたルヴァンカップ第1節柏レイソル戦では0-1の黒星を喫しており、今シーズン初勝利を目指す試合となった。

 なお、この試合のスターティングメンバーに名を連ねたG大阪MF遠藤保仁は、21年連続での開幕スタメン入りを果たした。またJ1の通算出場試合数では、元日本代表GK楢崎正剛氏が持つ631試合出場記録に並んだ。

 先制したのは、アウェイのG大阪。6分、自陣ペナルティエリア内でパスを回す横浜FMに対し、G大阪がプレッシングを掛ける。するとMF矢島慎也がGKパク・イルギュからボールを奪い、MF倉田秋へパス。これを受けた倉田は、一度トラップしてから素早く左足でゴールへ流し込んだ。

 リードを許した横浜FMは左サイドのMF遠藤渓太を起点にゴールに迫るものの、G大阪はDF三浦玄太を中心に粘り強い守備を見せ、決定機を作らせない。

 すると34分、G大阪に追加点が生まれる。GK東口順昭のフィードに反応し相手のDFラインを抜け出した倉田が、ドリブルでペナルティエリア左へ進入。そしてマイナスの角度でパスを送ると、走り込んできた矢島が冷静にゴールネットを揺らした。この直後、一度は副審が旗を上げオフサイドの判定がされたものの、主審が今シーズンからJリーグにも導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)でチェック。この結果判定が覆り、矢島のゴールが認められた。

 前半はこのまま、G大阪が2点リードで折り返す。

 迎えた後半、横浜FMが開始早々にチャンスを迎える。G大阪のパスカットを受けたMF遠藤渓太が、ドリブルで相手のペナルティエリア左に進入し、中央へパスを送る。これに反応したFWオナイウ阿道が左足でシュート。しかし、ボールはわずかに枠の左へ外れた。

 その後、横浜FMはFWエリキとDF高野を投入。前への姿勢を強めG大阪を押し込む展開が続くと、74分にゴールが生まれる。MF扇原貴宏からの縦パスをペナルティエリア手前中央で受けたFWマルコス・ジュニオールが素早くターンして左足でシュート。ボールはゴール左上のクロスバーに触れながら、ネットを揺らした。

 さらに攻勢を強める横浜FMは、ボールを保持し相手ゴールに迫っていく。88分にはG大阪のペナルティエリア内でボールを受けた仲川が右足でクロス。これが相手DFの腕に当たったと見られ試合がやや中断するが、VARのチェックには至らない。アディショナルタイムに入った92分には、ペナルティエリア中央からMF遠藤渓太が左足で放ったシュートを、ゴールライン上でDF藤春廣輝がブロック。横浜FMの選手たちは藤春の腕に当たったとアピールしたが、これもVARのチェックには至らず。

 結果として、横浜FMの反撃をしのぎ切ったG大阪が開幕戦を白星で飾った。

 次節、横浜FMは29日にアウェイでFC東京と、G大阪は26日にルヴァンカップ第2節を挟み3月1日にベガルタ仙台と戦う。

ゲキサカ

王者・横浜FMが開幕節で敗れる!! MF遠藤が大記録達成のG大阪、猛烈プレスで2発白星 | ゲキサカ

 J1リーグは23日、第1節3日目を各地で行い、ガンバ大阪が昨季Jリーグ王者の横浜F・マリノスを2-1で破った。40歳のMF遠藤保仁がJ1リーグ歴代最多タイ631試合出場を達成。クラブ在籍20年目を迎えたレジェンドの節目を開幕白星で彩った。

 ホームの横浜FMは日本代表DF畠中槙之輔が負傷欠場。19日のACLグループリーグ第1節・シドニーFC戦(○4-0)に続いてDF伊藤槙人が先発に入り、外国籍選手枠の関係でACL登録外のGK朴一圭も名を連ねた。一方、G大阪は16日のルヴァン杯・柏戦(●0-1)から2人を入れ替え、節目の試合を迎えた遠藤とDFオ・ジェソクが入った。

 試合は昨季J1リーグ王者の横浜FMに対し、4-1-4-1の布陣でハイプレッシングをかけたG大阪が主導権を握った。前半3分、まずはMF倉田秋のスルーパスに1トップのFW宇佐美貴史が抜け出し、朴を強襲する左足シュート。同4分にはセットプレー崩れから宇佐美がゴール前にクロスを送ると、DF三浦弦太が惜しいヘディングシュートを放った。

 するとG大阪は前半6分、早々にスコアを動かした。自陣でビルドアップを試みた横浜FMは、伊藤のバックパスを受けた朴のトラップが長くなり、これを宇佐美が奪取。すかさず横パスを送ると、これを倉田が落ち着いて流し込んだ。G大阪にとっては同カードの昨季開幕戦(●2-3)と同じく、前半早い時間帯の先制点となった。

 昨季はここから3点を奪われたG大阪だったが、今季はなおも攻勢の手を緩めない。前半23分、宇佐美のCKに合わせたDFキム・ヨングォンのヘッドがポストに直撃。33分には宇佐美の猛烈なプレッシャーが実り、またも朴がパスミスを犯すと、倉田が繋いだボールをMF井手口陽介がロングキックで狙い、朴はかろうじてコーナーキックに逃げるしかなかった。

 そして前半34分、このセットプレーからG大阪に2点目が入った。横浜FMがクリアしたボールがG大阪の中盤を経由してGK東口順昭まで戻ると、守護神はダイレクトのロングキックで前線へ。これにフリーで抜け出したのは倉田。左サイドをえぐって折り返し、最後はMF矢島慎也が落ち着いて流し込んだ。

 直後、副審がオフサイドのフラッグアップを行ったためゴールが取り消されるかと思われたが、ここで今季から導入されているVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入。国際副審として豊富な経験を持つAVARの相樂亨氏らが再確認を行い、主審がモニター確認を行わない「VARオンリーレビュー」の末にゴールが認められた。

 王者・横浜FMは開幕節から重い2点のビハインドを背負ってハーフタイムへ。後半のスタートから猛烈なラッシュをかけたが、MF遠藤渓太の折り返しに合わせたFWオナイウ阿道の左足シュートは枠を外れ、早々に訪れたビッグチャンスを逃した。その後はG大阪も落ち着きを取り戻し、前半と同様の組織的な守備で横浜FMの攻撃をせき止め続けた。

 横浜FMは後半20分、ボランチのMF喜田拓也に代わってFWエリキを投入。システムを4-2-3-1から4-1-4-1に変更し、エリキは2列目インサイドハーフに入った。25分には対策を受けていたDFティーラトンに代わってDF高野遼を起用するなど、アンジェ・ポステコグルー監督は次々に攻勢の手を打った。

 すると後半27分、横浜FMは高野の斜めのスルーパスにオナイウが抜け出し、折り返しに反応したエリキのダイレクトパスからMFマルコス・ジュニオールがシュート。これは東口のビッグセーブに阻まれたが、直後の29分、ゴール前で縦パスを引き出したマルコスが振り向きざまのシュートを蹴り込み、ようやく1点を返した。

 G大阪は後半30分、矢島に代えてFWアデミウソンを投入するなど、前線をフレッシュな選手で固める。終盤は攻め込まれる展開が続いたが、アディショナルタイムの大ピンチはDF藤春廣輝が決死のブロック。最後は2-1で競り勝ち、昨季のJリーグ王者から金星を収めた。一方、横浜FMはAFCチャンピオンズリーグで開幕2連勝を果たしたが、リーグ戦では苦しい黒星スタートとなった。

(取材・文 竹内達也)

「自分たちの判断でオフサイドと決めてしまった」横浜FM松原、ミス絡みの2失点を反省 | ゲキサカ

 まさかの黒星スタートとなった昨季王者だが、選手たちは冷静に受け止めていた。DF松原健は「押し込めている時間帯に点を取れなかった」と指摘。MF扇原貴宏は「前半の入り方。ゼロックスもそうだけど、試合の入りを間違えなければ、90分の中で自ずと自分たちの流れになる」と課題を挙げた。

 前半6分の先制点はビルドアップのミスから。松原は「自分たちがつなぐところでちょっと慌てた」と振り返り、GKからのロングボール1本で裏を取られた前半34分の2失点目についても「自分たちの判断でオフサイドと決めてしまった」と対応を反省した。

 王者として戦う新シーズン。ACLは開幕連勝スタートを切ったものの、国内リーグでは相手も研究、対策を練ってくる。「必要以上に(ロングボールを)左に蹴ってくるイメージはあった。そこは策があったのかなと思う」と相手の印象を語った松原。5バック気味に守る相手を攻めあぐねたが、「相手は引いてブロックをつくってきたけど、得点シーンは狭い中でもつないで、理想的な形で点が取れた。全部攻め切れなかったわけではない」と強調した。

 扇原も「やり方を変えるつもりはないし、自分たちのサッカーに自信を持っている」と力説。大事な開幕戦とはいえ、長いリーグ戦はまだ34分の1が終わっただけ。課題は真摯に受け止め、ブレることなく連覇を目指していく。

(取材・文 西山紘平)

「笑われてもいい」横浜FM喜田、開幕黒星も「可能性しか感じていない」 | ゲキサカ

 昨季は15年ぶりのリーグ制覇を果たし、連覇に向けて好スタートを切りたい横浜F・マリノスだったが、2020年のリーグ戦はまさかの黒星発進となった。主将トリオの一角を担い、キャプテンマークを巻いてピッチに立つMF喜田拓也は「この負けの捉え方をみんなと話していきたい」と語った。

 昨季の終盤戦は10勝1分という圧倒的な成績でフィニッシュ。したがって、この日がリーグ戦で12試合ぶりの黒星となった。G大阪が繰り出してきた対策、DF畠中槙之輔の不在、ACLとの過密日程など、さまざまな敗因は挙げられる。それでも喜田は原因については多くを語らず、「このサッカーには可能性しか感じていない」と希望を強調する。

 その裏には昨季、低い前評判から頂点に上り詰めたという成功体験がある。

「自分たちは常に逆境に晒されてきた。このサッカーで誰がやっていけると思ったかと言うと、断言はできないけど少なかったと思う。このやり方で誰がチャンピオンになれると思っていたかというと、いなかったと思う。その逆境の中、自分たちは信じて貫き通して積み上げてということをちょっとずつかもしれないけどやってきた」。

 だからこそ、一つの敗北で自信を失うことはない。それどころか「厳しいでしょって意見があっても全然いいし、笑われてもいい」と批判も受け入れる覚悟だ。

 喜田がまず取り組もうとしているのは「負けの捉え方と詳細をみんなで共有していく」ことだ。「チームなのでいろんな選手の考え方があると思う。全部がいま揃っているかというと、いろんな考え方がある。みんなでディスカッションしてというか、それを揃えつつ次に向かっていきたい」と意気込む。

 そうした姿勢は他でもなく、喜田がチームリーダーとして発信した「この負けの捉え方」でもある。「周りがどう捉えるかは分からないし、考え方はそれぞれあると思う」と周囲の不安にも思いを寄せた背番号8は「チームと仲間を信じてやるというのは腹を括って覚悟を決めている。そこは揺るがない」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)

敗北で思い出した“勝ち筋”…横浜FM仲川「それが去年続いた良いところ」 | ゲキサカ

 連覇を目指す王者にとって手痛い敗戦だったが、昨季の勝ち筋を思い出す絶好の機会となった。横浜F・マリノスFW仲川輝人は「もっとアグレッシブに笛が鳴った時から行かないといけないし、それが去年から続いていた良いところ」と述べ、「メンタルの部分」での改善を誓った。

 昨季の終盤戦は10勝1分という圧倒的な成績でフィニッシュ。それも全試合で先制点を奪っており、さらに前半にゴールが入らなかったのはたった一度だけという“先手必勝”が勝ちパターンだった。

 ところがこの日は前半からG大阪の猛烈なプレッシングに飲み込まれ、前半6分に失点。またエンジンがかからないまま前半34分にも失点を重ね、昨年5月11日の第11節・C大阪戦(●0-3)以来となる0-2のスコアに持ち込まれた。

 理想を言えば先制点を奪える展開にしたかったが、仲川がまず問題視したのは失点後の対応だった。「ミスはつきもの。『しょうがない部分』と切り替えなきゃいけなかった。ああいう失点でチームの後ろの士気が下がったかなと感じた。盛り上げようとはしたが、うまくいっていないなというのをチーム全体で感じてしまっていた」と振り返る。

 実際、G大阪は先制点を奪った後、MFマルコス・ジュニオールらの対応に苦慮し、準備していたシステムの修正を迫られていた。昨季の横浜FMであれば、そうした相手の撤退策はさらに試合を支配するチャンス。ところがこの日は序盤の失敗体験が後を引き、ACLでも繰り出せていたアグレッシブな攻撃が鳴りを潜めた。

「相手がプレッシャーかけてきた時にうまくかわすか、かわせないか。そこにミスはあるけど、前半は切り替えが遅いことが多かった。後半は点を取るしかないので、全員が前向きというか、前に前にという姿勢がリズムを作った。それを前半からやっていけばいい」。昨季のJリーグMVPにとって修正点は明白。その姿勢をチーム全体に広げていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

フットボールチャンネル

王者マリノスが黒星スタート。前半2発のガンバ大阪が逃げ切って開幕戦制す | フットボールチャンネル

 明治安田生命J1リーグ第1節の横浜F・マリノス対ガンバ大阪戦が23日に行われ、アウェイのG大阪が2-1で勝利を収めた。

 昨季15年ぶりのJ1制覇を成し遂げ、連覇に挑む王者横浜FM。今季はFUJI XEROX SUPER CUPこそPK戦での敗戦に終わったものの、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では2戦2勝と上り調子でリーグ開幕を迎えた。

 だが開始6分、ホームの横浜FMは思わぬミスからG大阪に先制点を献上してしまう。バックパスを受けたGK朴一圭のトラップが大きくなったところを矢島慎也が奪い、中央でボールを受けた倉田秋がシュートを流し込んだ。

 さらに前半34分、GK東口順昭からのロングフィードで左サイドに抜け出した倉田がマイナスへ折り返し、矢島のシュートがゴールネットを揺らす。一旦はオフサイドで無効とされたが、今季からJ1全試合に導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)による確認を経て判定が変更され、G大阪の2点目が認められた。

 2点ビハインドで前半を折り返した横浜FMは、後半立ち上がりのオナイウ阿道の決定機がわずかに枠を外れるなどなかなか反撃ならず。だがようやく74分、ペナルティーアーク内で縦パスを収めたマルコス・ジュニオールが反転からゴール左上隅への鮮やかなシュートを突き刺して1点を返すことに成功した。

 終盤にはエジガル・ジュニオも投入し、最後まで諦めずトライを続けた横浜FM。アディショナルタイムには遠藤渓太のシュートがゴールライン上でDFにブロックされ、ハンドがあったか否かのVAR判定が行われるなど際どい場面もあったが、同点ゴールは生まれないままタイムアップとなった。

ガンバ大阪が証明した王者マリノス攻略法。変則システムと狙っていた攻撃パターンの全貌 | フットボールチャンネル

昨季15年ぶりのJリーグ制覇を成し遂げた横浜F・マリノスを倒すべく、どのチームも入念な策を練ってくるだろう。その攻略法の一端を、ガンバ大阪が今季開幕戦でいきなり示して見せた。宮本恒靖監督が1週間かけて徹底的に仕込んだ戦術の全てを、選手たちの言葉から紐解く。(取材・文:舩木渉)

–「準備は120%出せた」

 開幕戦は特別に意識しないようにしていても、結果的に「特別」なものになりがちだ。ガンバ大阪は23日に行われた明治安田生命J1リーグの今季開幕戦で、昨季王者の横浜F・マリノスを「特別」な戦い方で見事に打ち破った。

「準備は120%出せた。だからこそ勝ったと思います」

 そう語るのは、ガンバのDFオ・ジェソクだ。宮本恒靖監督が1週間かけて仕込んだ変則システムを機能させるにあたって、右サイドバックと3バックの右ストッパーという2つのポジションをこなし、柔軟なポジショニングと的確な判断を駆使してディフェンスラインを支えた。

 序盤から変わった戦い方をするように見えていた。システム変更のスイッチになったのは、右サイドに入った小野瀬康介の位置どりだった。序盤は小野瀬が最終ラインの右サイドバックに入る5-4-1でスタートするが、前線からプレスをかける際は彼が1列前に出ることで、オ・ジェソクが右サイドバックに変身する4-1-4-1になった。

 中盤の並びも戦況に応じて変化させていった。最初に異変を感じたのは15分頃だったが、それが確信に変わったのは28分だったと記憶している。試合開始時は4-1-4-1のアンカーに遠藤保仁が立ち、井手口陽介と矢島慎也がインサイドハーフを務め、5-4-1になると矢島が右サイドに出て遠藤と井手口がダブルボランチになる形に見えていた。

 しかし、試合の流れの中で徐々に矢島がトップ下のような役割を果たすようになり、遠藤の脇には常に井手口が立つようになっていった。このシステムと役割の変更を主導したのは遠藤だった。序盤からマリノスのトップ下で動き回るマルコス・ジュニオールの対応に苦慮し、サイドにまでカバーリングに走ることで中央に危険なスペースを空けてしまうことがあった。

 それに対する解決策が4バック時のシステムを4-1-4-1から4-2-3-1に変えて、常に中央に誰かが残っている状態を作ることだった。マリノス戦で史上最多タイに並ぶJリーグ通算631試合出場を果たした40歳は、28分にプレーが止まった際に宮本監督のもとへ歩み寄って何かを確認すると、周りに指示を出して、その後から4バック時のシステムが4-2-3-1に固定された。押し込まれる時間も長くあり、ボールを触る機会は少なかったが百戦錬磨の背番号7は影響力絶大だった。

–東口が狙い続けたマリノスの急所

「一応3バックで始まるんですけど、皆さんが見たようにサイドハーフ(小野瀬)がどこでプレッシャーをかけるかによって、システムが変わった。小野瀬選手がギアを上げていったら、自然に4バックになったり、ボールを持たれたときには5バックになったりとか、試合をやりながらシステム変更があったんですけど、全部練習の準備通りにできていて、相手は結構慌てた部分があったと思います。マリノスに勝ったのはもちろんチームとしてすごく大きいと思っています」

 オ・ジェソクは徹底した準備の成果を誇る。「前から後ろまでやって」と指示されていたという小野瀬も指揮官の要求に完璧なプレーで応えた。

「5バックにならないように僕がプレッシャーをかけて、そのときにはジェソクに声をかけて、お互い喋りながらできていたので、(マークの)受け渡しもスムーズにできました。ジェソクがいることで、僕が前に、後ろを気にせずプレッシャーにいけて、うまくハメられたと思います」

 絶妙な連係と豊富な運動量で変則的な戦術を支えた背番号8は、「特徴を出せるシーンは少なかったですけど、何よりチームが勝つことが第一優先だったので、それができてよかった」と勝利の喜びを口にした。ティーラトンと遠藤渓太の2人を相手にしながら複数の役割をこなし、改めて攻守にわたる能力の高さを示して見せた。

 6分に倉田秋の先制点は、ゴールキックから短いパスをつなぐマリノスのディフェンスラインに猛プレッシャーをかけてGKパク・イルギュのミスを誘発した。試合を通して前線からプレスをかける際には、ボールホルダーの左右のパスコースになる選手にはぴったりマークがつき、正面のパスコースは受け手を背中でマークしながら消すという基本的な約束事もガンバの選手たちには徹底されていた。

 井手口がかなり遠目からシュートを狙ってGKに厳しい対応を強いた33分の場面の直前、ボールを持ったパク・イルギュは視線の先に本来いるはずの選手がいない状況を目にし、持ち上がりながらパスをためらっていた。

 その間に近寄ってきた味方は正しいポジショニングをとるには遅く、相手に寄せられながらボールを奪われてしまった。ガンバの積極果敢なプレッシングに晒され、マリノスの攻撃の組み立てで人とボールの動きにズレが生まれてきているのは明らかだった。

 2点目もスカウティングで狙っていた通りの形で生まれた。ガンバがバックパスでGK東口順昭まで戻した瞬間、マリノスの選手たちはスプリントをかけて一気に最終ラインを上げる。そのタイミングが一瞬ずれることでギャップができ、2列目から飛び出してくる選手をオフサイドにかけられず、足が止まることをガンバ側は見抜いていた。

 得意のロングフィードで追加点をもたらす起点となった東口は、「あれが一番、相手にとって嫌なところだったと思うし、あそこ(自分のところ)から(近くに)つなぐのはなかなか難しいので、だったらあそこ(相手最終ラインの裏)に落とすのが一番効果的やったかなと思います」と自身のプレーを振り返る。

–変則システムが示したマリノス攻略法

 倉田が飛び出したスペース、つまり「センターバックの脇はチームとしては狙っていました」ともガンバの守護神は語った。「強い選手にはあまり競り合いをしても難しい」と、度々自らのロングフィードでマリノスの泣きどころを狙う中で、J最強センターバックのチアゴ・マルチンスを避けるような選択をしていたことも明かした。

 オ・ジェソクも自分たちの狙いがほぼ完璧にハマっていたことをつまびらかにしてくれた。

「(マリノスに)弱点は正直ないんです。みんな技術が高いし。でも後ろでボールを回すリスクを持っていて、畠中(槙之輔)が先発ではなかったから、(左サイドバックの)ティーラトンとセンターバック(伊藤槙人)との間のスペースに、(ディフェンスラインが)上がってくるタイミングを狙って逆に飛び出したり、そういう練習を色々準備していました」

「パスが来たときにどこを狙うのか、相手の弱点とか、(ディフェンスラインが)上がってくるタイミングに2列目からああやって飛び出して、相手のGKと1対1になるシーンを作ろうという指示があったので、練習通りそれをできた。詳しく準備したので、監督の準備通り、色々いいシーンが出てきていて、特に2点目とかはそうだったし、良かったと思います」

 もし1トップの宇佐美貴史を起点にした前線からのプレスが剥がされたら、一旦自陣に引いて小野瀬-ジェソク-三浦弦太-キム・ヨングォン-藤春廣輝の5バックを形成して、ゴール前のスペースを徹底的に消す。藤春は常に対面の昨季J1得点王・仲川輝人を徹底マークし、自由を与えなかった。

 5-4-1(選手たちの意識は3バック)、4-1-4-1、4-2-3-1など複数のシステムを状況に応じて使い分ける戦い方は、準備の煩雑さもあって、全てのチームが完璧に実行できるわけではない。やはりガンバの選手たちの能力の高さがあったからこそとも言えるだろう。しかし、彼らは王者マリノスに対する攻略法や、戦い方の参考になるものを数多く示したと言っていい。

–王者に勝っても道半ば。今年のガンバは違う

 攻守にアグレッシブな姿勢を貫き、前線からの積極的なプレッシングで相手の自由を奪い、ボールを握って近い距離でのパスワークを駆使しながら攻めるという今季のガンバのスタイルの一端も示した。対マリノス限定の戦い方でありながら、チームとしての上積みも兼ねていたのである。故に宇佐美には貴重な勝利にも満足はない。

「あのまま受け切って、守り切ってでもいいんですけど、それだとチームとしての伸びしろもないし、そういうサッカーは個人的にもチームとしてもやりたくはない。どちらかと言うと、相手が今日やっていたようなボールを保持して、いろいろなアイディアが出せて、ボールタッチ回数も全員がたくさん持ててというスタイルがやりたい。相手のホームという利点も相まって、そういうプレーをしてきたときに、どうやって(ボールを奪う)ゾーンを上げていくかというところは、やっぱり課題かなと思いますし、伸びしろかなと思います」

 昨季はなかなか波に乗り切れないままだったガンバは7位まで巻き返したものの、失点の多さなど課題は多く残っていた。東口は「開始5分で今年のガンバは…というところを見せられたと思うし、それを結果として表すことができたのも良かった。すごく自信にはなると思います」と語る。

 フランスから帰ってきた昌子源が復帰すれば、ディフェンスラインはさらに強固になっていくだろう。前線にも豊富なタレントが揃い、前線からアグレッシブに動いて主導権を握るサッカーが浸透しつつある。マリノスを打ち破った宮本ガンバは、攻撃の哲学を基盤にしながら対戦相手に応じて柔軟に立ち向かっていく方法論を身につけつつある。

深刻なすい臓がん公表の元韓国代表ユ・サンチョル氏「私は絶対に諦めません」。古巣マリノス戦に来場 | フットボールチャンネル

 誰もが久しぶりの再会を喜んだ。23日に行われた明治安田生命J1リーグの第1節、横浜F・マリノス対ガンバ大阪に元韓国代表のユ・サンチョル(柳想鐵)氏が来場した。

 同氏は1999年から2000年、2003年から2004年の2度にわたってマリノスに在籍し、4シーズンでJ1リーグ戦80試合に出場した。2002年には韓国代表として日韓ワールドカップに出場し、同国のベスト4進出に貢献。2006年に現役引退後は指導者の道に進んでいた。

 昨年5月からKリーグの仁川ユナイテッドで監督に就任したが、衝撃的なニュースが飛び込んできたのはそれから半年もしない頃だった。昨年10月に体調不良で入院したユ氏は、翌月にクラブを通じてステージ4のすい臓がんであることを公表した。

 その後、シーズン終了まで仁川ユナイテッドの監督を務めあげ、クラブをKリーグ1(1部)残留に導いて退任。現在は同クラブの名誉監督としての肩書きを持ちながら、闘病生活を送っている。そんなユ氏が今季のJリーグ開幕戦に来場し、試合後には古巣マリノスのサポーターの前で挨拶した。

「今日は開幕戦ということで、良い結果ではなく残念なところはありますが、本当にたくさんの方々が応援に来てくれて、その様子を見ていると昔の気持ちに戻りました。

実は私、体の状態が良くないのですが、遠いところから僕のことを応援してくれるんだということを知って、挨拶しなければという思いでここに来て、たくさんの力をもらいました。

ACLの全州での試合をテレビで見ていたら、横断幕が目に入って、本当にびっくりしました。嬉しかったです。スタジアムに行きたかったですが、その時はちょっと体調が良くなくて、今日、僕もプレーしたこのスタジアムに来たいという思いで、ここに来ることができました。

私は絶対に諦めません。一生懸命、しっかり治療して、選手としてではないですが、サッカーのためにスタジアムに戻って、また皆さんとお会いしたいと思います。これからも一生懸命頑張ります。そして、皆さんもしっかりと健康でいてほしいと思います。ありがとうございます」

 盛大な「ユ・サンチョル!」コールで迎えられたレジェンドは、自身を励ます「やればできる!ユ・サンチョル!」の横断幕の前でマリノスのファン・サポーターに向けて語りかけた。来場が発表されたのは試合前日だったが、スタンドには現役時代のマリノスのユニフォームを掲げたり、涙を流したりするファン・サポーターの姿も見られた。

 挨拶の後には現役時代にマリノスで3年間着用した背番号8のユニフォームも贈呈され、ファン・サポーターはガンの完治を願って再び特大の「ユ・サンチョル!」コールで同氏を見送った。

 韓国代表では後輩にあたるガンバ大阪のDFオ・ジェソクも「今日はお会いできませんでしたが、韓国人の後輩として、選手としてサンチョルさんを応援しています。(闘病は)難しい挑戦ですけど、韓国国民みんなが応援しているし、病気を乗り越えてほしいです。2002年ワールドカップの英雄だし、監督としてもいろいろなチームで選手たちの評判も良かった。人としても素晴らしい方だと思います。もちろんガンという難しい病気と闘うのは簡単ではないですけど、韓国国民みんなが応援しているので、ぜひ治して、またグラウンドで会えたら良いなと思います」と、Jリーグでも代表でも偉大なキャリアを築いてきた先輩にエールを送った。

 ユ氏の闘病生活はまだ続くことになるが、元気な姿で日本を再訪してくれる日が来ることを願うばかりだ。誰もが不屈の魂でガンを乗り越えられると信じている。

(取材・文:舩木渉)

サッカーマガジンWEB

【横浜FM】先発した遠藤渓太「点につなげられなかったのは自分の実力」 – サッカーマガジンWEB

–くどくど言っても負けは負け

 立ち上がりの差が、勝敗に大きく影響した。積極的なG大阪のプレスにミスを誘発され、横浜FMは開始6分で失点。やはりミスが続く展開のままに34分に2失点目を喫して、ハーフタイムに入った。

 横浜FMの攻撃に幅とダイナミズムをもたらすのがウイングの役割だが、特に右サイドの昨季MVP仲川輝人はG大阪のウイングバックとCBの厳重な監視下に置かれて、なかなかボールに触ることができなかった。逆サイドの遠藤の方が、ボールを持つ機会は多かった。

 それだけに、責任感と悔しさも膨らむ。相手のプレスにも、3バックと4バックの使い分けという対策にも、「プレスにくるチームはたくさんある」「(守備陣形が)3でこようが、4でこようが変わらない」と、過剰に意識しなかった。

 むしろ、考察の目を自分たちに向ける。

「先に失点を食らう試合もあるだろうし、そこに自分たちがどう向き合うかだと思う。そういう意味で前半は駄目だった。これをいい反省になんて言うつもりはないけれど、反省すべき点も多くある」

 失点は、自分たちのミスから生まれたことも分かっている。問題は、それをどう乗り越えていくか。

「このサッカーをやっていたら、ミスはつきもの。それをどうポジティブな方に持っていくか。口で言うのは簡単かもしれないけれど、しっかりピッチで体現する選手が、後半になってから増えた」

 その言葉のとおり、終盤が近づくにつれて、相手を押し込む時間が増えた。遠藤も縦への抜け出しからクロスを送るなど、ゴールを狙い続けた。だからこそ、組み立てで苦しんだことよりも、決め切る仕事をできなかった自分に課題を見いだす。

「僕のところに(ボールが)来るシーンは、前半も後半もたくさんあった。そこでゴールにつなげることができなかったのは、自分の実力だと思う」と言い切った。

「くどくど言っても、負けは負けだし、決め切れなかったのが自分たち。そこはやっていくしかない」

 伸び盛りの22歳には、責任も試練も大きな方がいい。

取材◎杉山 孝

Yahoo!ニュース

開幕戦の敗戦にも横浜F・マリノス松原健が悲観しない理由。”対策されても上回る”を示した1ゴールの重み(河治良幸) – 個人 – Yahoo!ニュース

J1王者の横浜F・マリノスはホームの日産スタジアムで行われた開幕戦で、ガンバ大阪に1−2で敗れました。

「守備もそうですし攻撃もマリノスをどう攻略するのか」と宮本恒靖監督が語るガンバ大阪の”マリノス対策”はJ1王者の攻撃リズムを崩し、”ミス”と”ウィークポイント”を突く形から前半で2点をもぎ取りました。

ハードワークの疲労も出てくる後半はガンバも前から追えなくなり、かなりマリノスが押し込む時間が長くなりましたが、後半29分にマルコス・ジュニオールが鮮やかな左足のミドルシュートで1点を返すも、結局ガンバが最後まで粘り切って勝利を飾りました。

ガンバにとっては前回のホーム開幕戦で敗れた相手に雪辱を果たし、タイトル獲得を目指す今シーズンに自信を持たせる勝利となった一方で、前回王者のマリノスにとってはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)も並行して戦う中で、二連覇が一筋縄ではいかないことを印象付けました。

しかし、マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督はもちろん、選手たちも下を向いている訳ではありません。自分たちのスタイルを継続しながら、いかに相手の対策を上回って行くべきか。そこが1つテーマになるのは分かっていたことであり、逃げずに向き合って行く先に新たな高みが待っているというビジョンは勝利できなかった開幕戦からも感じ取ることができました。

マルコス・ジュニオールのゴールはそれまで集中して守っていたガンバが、長く自陣に押し込まれる状況で、中央にエアポケットを空けてしまったようにも見えますが、マリノス側から見れば、それは偶然ではありませんでした。

この試合、ガンバ大阪はオ・ジェソク、三浦弦太、キム・ヨングォン、藤春廣輝を4バック気味に並べ、できるだけ高い位置からプレッシャーをかけながら、自陣にリトリートする場合は右ウィングの小野瀬康介を最終ラインまで下げて5バックにすることで、アウトサイドを防衛しながら同時にマリノスが得意としているインサイドの”ハーフスペース”を攻略させないディフェンスを敷いていました。

つまり右サイドは可変式である一方で、左サイドは基本的に俊足の藤春が昨年のJリーグMVPである仲川輝人を徹底マークし、前方の倉田秋が松原健の侵入してくるインサイドを警戒しながら、アウトサイドで持たれたらスライドして付くという人を意識したディフェンスをしており、そのサイドからほとんど攻撃を機能させていませんでした。

右のアウトサイドでボールを持った松原から裏に出したボールも「僕自身は仲川選手を止めることに集中していた」と語る藤春が粘り強く対応して、裏抜けを許すことなく封じ込めていました。

そうした状況で前半は明らかに攻めあぐんでいたマリノスの右サイドですが、松原は「一番は自分とテルのところで突破できるとビッグチャンスになりますし、後半にはそれが出た場面もあった」と振り返ります。

「サイドばかり狙っていると、今日の大半を占めるように相手のディフェンスに引っかかるシーンが増えるので、そこはもうちょっと自分とテルだけじゃなくてキー坊(喜田拓也)、マルコス(・ジュニオール)、(オナイウ)阿道だったり距離の近い選手とうまく話し合いながら、バリエーションを増やして行けたら」

そう課題を語る松原でしたが、この試合の中で1つ大きな変化が起きていました。仲川を藤春が、倉田がインサイドの松原をケアする状況をうまく利用するように、右センターバックのチアゴ・マルチンスがアウトサイドからガンバ陣内の高い位置までポジションを上げて攻撃に絡んでいたことです。

万全の準備をして、ほぼ完璧にマリノスを押さえ込んでいたガンバが後半の途中からかなり苦しい状況になった理由は疲労だけではありませんでした。後半29分のゴールも実はこのチアゴ・マルチンスの攻め上がりが大きく関わっていました。

右サイドからのクロスボールが中央で跳ね返され、左サイドのセカンドボールを拾った左サイドバックの高野遼がボランチの扇原貴宏につなぎ、扇原はファーサイドにハイボールを送りますが、再びガンバのディフェンスにはじき返されます。

そのセカンドボールを右サイドの高い位置で拾ったのは松原が空けたスペースに進出していたチアゴ・マルチンスでした。チアゴはそこから斜め右前の仲川にパスを付け、ディフェンスを引き付けた仲川からリターンを受けると、戻り気味にキープして中央の扇原にパスを通します。

バイタルエリアの手前で前を向いた扇原は、ガンバのボランチである井手口陽介と遠藤保仁が扇原に遅れて詰めることで空いたエアポケットに侵入したマルコス・ジュニオールにパス。ペナルティエリア内まで吸収されたディフェンスラインの手前でボールをコントロールすると、鋭いターンでシュートに持ち込みました。

「僕が中に入ることで倉田選手を引きつれば、チアゴがボールを持って上がれるので、結局は数的優位に攻撃できたりとか、相手がそういう対策をした時には自分たちにメリットが働くようにやれるというところも示せたんじゃないかと思います」

開幕戦でのガンバ大阪の戦い方にヒントを得て、これから先の対戦相手も”マリノス対策”を立てて挑んでくるでしょう。しかし、だからこそ得られるアドバンテージもある。それを得られるかどうかは結局、自分たちが構築してきたサッカーに対する信念と相手を見ながら上回って行くチームのビジョン、その共有に他なりません。

一筋縄ではいかない。しかし、困難はあっても不可能ではない。横浜F・マリノスがリーグ二連覇を果たすのか、残る17クラブからJ1王者が誕生するのか。様々な思いがぶつかるJリーグ2020が幕を開けました。

Number Web

マリノス、宮本ガンバの策に屈す。「愚かな失点」と消された爽快さ。 – Jリーグ – Number Web – ナンバー

text by 井川洋一

 王者横浜F・マリノスのチューニングがまだ合わないようだ。

 ゼロックス・スーパーカップでヴィッセル神戸にPK戦で敗れた横浜Fマリノスが、ガンバ大阪との今季J1開幕戦を1-2で落とした。3万4521人を集めたホームスタジアムでも、2週間前の埼玉スタジアムでの一戦と同じように、前半は研究してきた相手に押し込まれ、後手を踏む展開となった。

「(2人が決めたあと5人が外した)PK戦は、おそらく今の自分たちのスタンダードを表している。我々はまだ、なまっている」

 スーパーカップ後の会見で、マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督は敗戦をそう振り返った。

 ただその直前に、「プレシーズンのような試合になってしまった」と話しているように、まだどこか鷹揚に構えている雰囲気があった。「愚かな失点」を嘆いてはいたものの、やり方は変えずに、また昨季のようにスピーディなパスワークで「ゲームをコントロールしていきたい」とあらためて決意を示している。「相手がどこで、どんなことをしてこようとも」と付け加えて。

–再び起こった「愚かな失点」。
 けれど、指揮官が「プレシーズンのような」と形容した鈍い内容は、レギュラーシーズンの初戦でもさほど変わらなかった。いや今回は90分で屈しており、結果は悪化したとも言える。「愚かな失点」もまた起こった。

「昨年の開幕戦もマリノスと対戦して、負けているので、まず勝つということを目標に。そこから逆算して、色々な試合を観て対応策を練った」と明かした宮本恒靖監督が指揮を執るガンバに、マリノスは開始から組織的なハイプレスを受けた。

 6分には、左の深い位置で扇原貴宏と伊藤槙人が相手に寄せられ、たまらず戻した先のGK朴一圭がトラップミス。矢島慎也にボールをさらわれ、最後は倉田秋に先制点を決められた。ポステコグルー監督はこういう失点を、Silly──愚かな、と表現する。

–宮本監督が講じた2つの狙いとは。
 さらに34分、バックパスを受けたGK東口順昭がダイレクトで左前方へロングフィードを送ると、抜け出した倉田からのグラウンダーのクロスを矢島が仕留めて、ガンバがリードを広げた。

 10番と21番のコンビで奪った2つの得点には、宮本監督の狙い──「奪いきる守備」と敵のSBが空けた隙を突くこと──が見て取れた。

「今日は特殊な形で、いつものフォーメーションではなかったんです」と倉田は試合後に打ち明けた。「マリノス対策というか、相手に合わせたシステム。守備時は5-4-1(右のMF小野瀬康介が最終ラインに落ちる形)、攻撃時は4-1-4-1みたいな。特に気をつけていたのは、相手の攻撃時にSBが中に入ってくるところ。そこを消そうと」

 たしかにこの日は、横浜FMの左SBティーラトンと右SB松原健が中央に入ってポゼッションを高めるシーンが少なかった。それはガンバが昨季リーグ覇者から勝利を奪うために講じた策の効果でもある。

–後半に入って主導権を奪い返すも。
 15年ぶりにライバルたちの挑戦を受ける立場となった横浜FMは今季、相手からつぶさに研究され、強みを消され、弱みを突かれることが増えるはずだ。すでにスーパーカップで神戸が、開幕戦でガンバが、そのようにして王者から白星を奪った。

 それでもマリノスを率いる54歳のオーストラリア人指揮官は、「勝ち負けによって、何かを変えようとは思わない。これまでと同じフットボールを続けたい」と言う。

 神戸戦と同様に、マイナーチェンジを施した後半には主導権を奪い返し、マルコス・ジュニオールの得点で1点は返した。しかしこの日はそこで打ち止めとなり、ホームでの開幕戦に敗れてしまった。

 スーパーカップでの試運転の後、 AFCチャンピオンズリーグでは敵地で全北現代を2-1で下し、ホームでのシドニーFC戦は4-0の大勝を収めたが、やはりJ1はアジアのこの段階よりも厳しい戦いなのだろう。

–ガンバからは王者を称える声も。

「神戸、ガンバ、そして来週の相手FC東京も、すべて強いチームだ」とポステコグルー監督は強調した。「うちにスーパースターはいない。我々がベストの状態の時は、良いチームとなる。つまり、常に最高のプレーをしなければならないのだ。そうでなければ、苦しむことになる」

 ただし対戦相手からは、チャンピオンを称える声も聞かれた。

 ガンバの勝利の立役者のひとり、倉田は「終盤はきつかった。うまい、強いっすよ、マリノス。なんとか勝ったけど、これで納得できるわけではない」と率直に伝え、宇佐美貴史は「うちの課題としては、あれだけ回されたので、いかにボールを保持し返すか。あのまま守りきってもいいんですけど、それだとチームとしての伸びしろがないし、個人的にもチームとしてもやりたくない。どっちかというと、今日の相手がやっていたような、ボールを保持して、いろんなアイデアを出して、全員のボールタッチが多く、というスタイルでやりたい」と話した。

 そして昨季MVP仲川輝人を抑えた藤春廣輝は、「もちろんほかの試合も集中しますけど、仲川選手とマッチアップするときは90分間、一瞬たりとも集中を切らせないです。気を抜けないので、けっこうきつかった」と振り返り、守備の要の三浦弦太は「マリノスのように、自分たちがボールを保持しながら、押し込んでいく。うちもチームとして、盛り込んでいきたいところです」と言っていた。

–群雄割拠のJ1、連覇は容易ではない。

 昨季とは逆に、開幕戦で同じ相手に1点差で競り負けたマリノス。監督が指摘した「なまり」が解消され、チューニングが合うようになれば、ライバルたちが警戒するあの爽快なアタッキングスタイルが蘇り、また目にも留まらぬ速さで走り出すのだろうか。

 ひとつだけ確かなのは、群雄割拠のJリーグを連覇するのはどんなチームにとっても容易ではないということだ。

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横浜F・マリノス 2020マッチレポート | 2月23日 vs G大阪 | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB

こけまりログ

2020/02/22 【スタジアム観戦情報まとめ】2020/2/23(日)14:00KO J1第1節 横浜F・マリノスvs.ガンバ大阪@日産スタジアム
 
 

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