【試合結果まとめ(1△1)】2016/10/9(日)14:00 YBCルヴァンカップ 準決勝 第2戦 横浜F・マリノスvs.ガンバ大阪@日産スタジアム


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横浜F・マリノス オフィシャルサイト

2016 ルヴァンカップ 準決勝 第2戦 vs ガンバ大阪 試合レポート

監督コメント

エリク モンバエルツ 監督
「非常に拮抗したゲームだったと思います。ただ我々は、ゲームコントロールという点では、第1戦のようにはできませんでした。
いい形で美しいゴールが決まりました。ただ自分たちが受け身になった時間帯があって、そして失点につながり、同点を許してしまいました。
あとは、G大阪は経験がありますので、1-1というスコアを、彼らはうまく使いました。
我々は、中のスピードを生かした攻撃というものができませんでした。ケガ人や代表で抜けた選手がいたりというところがあって、なかなかスピードアップするというところが難しくなったと思います」

質問:先制後の伊藤選手の交代の理由について教えてください。
「ケガですけれども、まだメディカルの報告を待たないと、詳細は分かりません」

質問:相手にはアウェイゴールがありますから、ゲーム運びが難しかったと思います。状況によって、どのようにしようというのは、試合前、またハーフタイムに話していましたか?
「ハーフタイムの指示に関しては、まず我々は前半の内容について満足してはいませんでした。ゲームコントロールがうまくできていませんでしたので、やはり後半に向けて、自分たちのリズムでのボールポゼッション、そこをもっと向上させなければいけない。そして、そこからもっとチャンスをつくっていかなければいけない。選手に言ったことは、このようなことでした。
我々が1点リードして、その後、我々には経験のある選手がいましたが、フィジカル面で後半はちょっと厳しいところがあって、なかなかプレッシャーに出て行くことができませんでした。そして若手もいましたが、若手に関しては、やはりちょっと経験が不足していたと感じています」

質問:スピードが上がらなかった、ゲームコントロールがうまくいかなかったという点についてですが、それはG大阪が良かったのでしょうか、それともF・マリノスに問題があったということでしょうか?
「F・マリノスが特に問題があったということではないと思います。やはり第1戦と比べると、ゲームコントロールできませんでした。
その理由ですが、ゲームコントロールするためには選手の動き、そしてパスコースをたくさんつくること、正確にボールをつなぐこと、そういうことが必要で、その部分が第1戦よりも落ちていました。
G大阪に関しては、第1戦とメンバーを代えてフレッシュな選手が出ていたと思います。我々には、メンバーを代えるという選択肢が、G大阪ほどありませんでしたので、そこでちょっと違いが生まれてしまったというのがあると思います」

選手コメント

天野 純
「全体的にゲームをもっと支配できるのが理想だったが、相手もうまい選手がそろっていて、そのへんの差が大きかったと思います。
チームが決勝に行くに値するプレーを、自分自身は表現できなかった。すごく悔しいけど、仕方がない。明日からまた、もっと成長するために頑張っていきたい。
このリーグカップ戦は、若手や試合に出るチャンスが少ない選手が頑張ったおかげで、ここまで来られた。F・マリノスにタイトルをもたらしたい、という思いはすごく強かったけど、それでもまだ、その思いが足りなかったのかと思います」

パク ジョンス
「前半、アデミウソンのスピードで振り切られて、決定的なシュートを打たれた場面、自分は何とかしなきゃいけないと思った。シュートコース云々じゃなく、勝手にあのスペースに入っていました。
その後、後半に1-0としてからは、いい流れになりましたが、ガンバも激しく来たために同点にされてしまいました。
残念の一言です。このカップ戦を戦ってきた選手たちに、若い・ベテランの区別はないと思う。F・マリノスの選手として試合に出ている以上、優勝カップを掲げたいという思いに変わりはありません。そういう気持ちを持って、すべての大会に臨んでいる。
また、切り替えて次の目標に臨みたいと思います」

喜田 拓也
「そのまま逃げ切れれば良かったけど、1点を取られても1点を取り返せばいい。メンタル的には僕らはいい状態だった。でも、勝ち切れなかった。
F・マリノスの優勝のため、すべてを尽くしてくれた人たちに申し訳なかった。
しかし、予選から選手たち全員が責任とプライドをもって戦ったから、ここまで来られたと思う。僕らは全員で一つのチームなので、若手・ベテランと分けるのは自分は好きじゃない。
いかに一つの集団になって、熱い戦いを繰り広げるか、タイトル争いに絡むか。この結果は決してムダにはならないと思います」

Jリーグ.jp

横浜FMvsG大阪の試合結果・データ(JリーグYBCルヴァンカップ:2016年10月9日):Jリーグ.jp
 ├ 入場者数 19,378人
 └ フォトギャラリー

選手コメント

[ 榎本 哲也 ]
やっていてヤットさん(遠藤 保仁)がいるだけでこんなに違うのかと感じた。ガンバはホーム&アウェイの戦いをしていた。そこに差があった。今日は自分たちのボール回しをさせてもらえず、リズムを作ることができなかった。決勝に進むためには勝たないといけなかった。でも今日の試合をやっていたら、それに値すると自分は思わない。うちの攻撃パターンはボールをつないで、サイドから一対一を仕掛けるところだから、そこで(齋藤)学がいないのは少なからず影響があった。でも、それは言い訳でしかない。

[ 伊藤 翔 ]
90分プレーできなかったことは残念無念。(得点シーンでは)マチくん(中町 公祐)からボールが出てきてトラップする前に足がおかしいと感じた。だからドリブルしようと思っていたけど、シュートを打った。痛過ぎて喜べなかった。でも、ゴールになって良かった。ただ、これはもう無理だと思って自分から交代を申し出た。結果として勝ち上がれていないので、これが今の自分たちの実力。もう一度見つめ直してやっていかないといけない。

[ 中町 公祐 ]
前半からリズムが作れなかったけど、0-0で折り返して、後半に入って1-0にできていたことも事実。リードしたから下がったということはなくて、普通に崩されて失点してしまった。ただ、時間帯が悪かった。もう少し粘れていれば相手にも焦りが出て、攻撃が変わっていたと思う。早い時間に点を取って防戦一方になるよりは良かった。

このルヴァンカップは若い選手をたくさん試合に使って、全員の力でここまで来ることができた。テツさん(榎本 哲也)はサブの状況から勝ち上がっていった。本当の意味で「チーム全体」という言葉を体現できた大会だと思う。

 
 

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【ハイライト】横浜F・マリノス×ガンバ大阪「2016YBCルヴァンカップ準決勝第2戦」
 
 

ネットニュース・Weblog

スポーツニッポン

横浜 伊藤先制弾も空砲…アウェーゴール差に泣き敗退

 横浜は1―1で引き分け、アウェーゴールの差で敗退した。

 1―1で引き分け、アウェーゴールの差で敗退した。後半11分に伊藤が右サイドの角度のないところから先制弾を決めたが、その3分後に右足を痛めて途中交代。チームもリードも守りきれなかった。「パスをもらった時、既に太腿の裏が痛かった。痛くて喜べなかった」。一度はプレーを続けたが、自ら交代を申し出たほどの激痛だった。モンバエルツ監督は「スピードを生かした攻撃ができなかった」と悔やんだ。

ニッカンスポーツ

横浜中沢「良さを消された…悔しい」無念の準決敗退

 横浜はホームでG大阪に引き分け、2戦合計1-1ながらアウェーゴール差で準決勝敗退となった。

 後半11分にMF中町公祐(31)のパスに抜け出したFW伊藤翔(28)がゴール左隅に流し込んで先制。だが7分後の同18分、G大阪MF遠藤保仁(36)に同点ゴールを奪われた。ロスタイムにはDF中沢佑二(38)を前線に上げ、パワープレーにも出たが、追加点は奪えず、終了の笛が鳴ると、膝に手をつき、うなだれるしかなかった。

 DF中沢は「ガンバ(大阪)に自分たちの良さを消されてしまった。トータルスコアで言えば2分けだけど、1戦目より2戦目の方がマリノスの出来が良くなかった。いいプレーを出せなかったのが非常に悔しいです」と残念がった。

サンケイスポーツ

横浜M、逃げ切れず…「生命線」斎藤を日本代表遠征で欠き迫力不足に/ルヴァン杯

 YBCルヴァン杯準決勝第2戦(9日、横浜M1-1G大阪、日産ス)横浜Mは本拠地で逃げ切れず、アウェーゴールに泣いた。後半11分に伊藤が先制点を挙げたが、右太もも裏を痛めて3分後に退くアクシデントが発生。遠藤のゴールで追い付かれると反撃に力がなく、DF中沢を前線に上げる終盤のパワープレーも実らなかった。

 サイドの突破力を生かす速攻が持ち味だが、GK榎本が「うちの生命線」と語るドリブラーの斎藤を日本代表の遠征で欠いていた。片輪を失った状態では迫力不足で、中沢は「攻守ともに相手が上回った」とうなだれた。

スポーツ報知

【横浜M】G大阪とドロー、15年ぶり決勝進出逃す

 横浜MはG大阪に1―1で引き分け、15年ぶりの決勝進出を逃した。第1戦はスコアレスドロー。両チームともに2分けだが、アウェーゴール数でG大阪が上回った。

 MF中村、DF栗原らの故障者に加え、攻撃の要のMF斎藤も代表に招集中で不在。横浜Mは“逆境”の中で懸命に戦ったが、一歩及ばなかった。

 序盤は守備陣が踏ん張った。前半22分にはロングボールに抜け出したFWアデミウソンにDF中沢とGK榎本が振り切られ、万事休すと思われたが、後方から回り込んだDFパク・ジョンスが強烈な左足シュートを顔面ブロック。男気を見せたパクは「ゴールに入らないように勝手に体が動いた」と、胸を張った。

 後半11分にはMF中町からの縦パスを受けたFW伊藤が右サイドの角度のない所から右足で先取点となるゴール。だが直後に右太もも裏の痛みを訴えベンチに下がった。「パスをもらった時にはもうおかしいと感じていた。入ってくれて良かったけど、痛みであんまり喜べなかった」と伊藤。軽い肉離れと見られ、後日病院で検査を受ける予定だ。

 同18分に同点とされたことで、決勝進出には追加点が必要となったが、2点目は遠かった。ロスタイムには中沢を前線に上げるパワープレーを敢行したが、練習でもほとんど取り組んでいないだけに決定機にはつながらず。「ガンバにマリノスの良さを消されたかな」と中沢。ルヴァン杯敗退は決まったが、リーグ戦の次節は再びG大阪との対戦(22日・日産ス)となる。“3連戦”の締めくくりで、何としてもリベンジする。

サッカーダイジェスト

【ルヴァン杯準決勝・採点&寸評】横浜×G大阪|遠藤の同点弾でG大阪が決勝進出!MOMは切れ味鋭いドリブルを披露したアタッカー※一部抜粋

【チーム採点・寸評】
横浜 5.5
前半、決定機はほとんどなく、守備でも水際で食い止めるシーンが目立ち、不安定だった。サイドから攻撃の起点を作ろうと試みた後半は、1得点こそしたものの、それ以外のチャンスではクオリティ不足を露呈。結局、G大阪の攻撃に耐えられずに失点し、アウェーゴールの差で敗退を喫した。

G大阪 6
細かいパスワークとサイドチェンジで主導権を握る時間帯は長かった。ただ、少し集中力を欠いたようなシーンも散見され、盤石の決勝進出ではない。どう修正を施すのかが見ものだ。

【横浜|採点・寸評】
GK
1 榎本哲也 5.5
足もとがおぼつかず、ヒヤリとさせるシーンもあったが、セービングは安定していた。それだけに唯一の失点が悔やまれる。

DF
2 パク・ジョンス 6
22分にアデミウソンのシュートを顔面ブロック。さらに長沢にも競り負けないフィジカルの強さを見せた。

13 小林祐三 6
90分間止まることなく上下運動を繰り返し、攻守に厚みをもたらした。ただクロスの精度を欠き、ゴールにはつながらず。

22 中澤佑二 5.5
密着マークでなんとか抑えていたが、アデミウソンの素早い動きに苦戦。カバーリングまで手が回らず、藤本への寄せが遅れ、アシストを許した。

24 金井貢史 5(76分OUT)
何度も裏を取られるシーンが見られ、ウィークポイントとなっていた。攻撃でもマルティノスへのサポートが遅れていた。

MF
8 中町公祐 6
気の利いたポジショニングでビルドアップに関与。動き出しを見逃さず、伊藤のゴールをアシストした縦パスは見事だった。運動量が落ちてきた80分に途中交代。

20 マルティノス 5.5
19分にはドリブルでエリア内に侵入したり、クロスからチャンスを得たが、得点を奪えず。4本のシュートはすべて精度を欠いていた。

28 喜田拓也 6
得点機を演出するようなパスは見られなかったものの、小さくない存在感。中央からパスを散らすだけでなく、後方からボールを持ち出すなど、攻撃面でリズムを作った。

25 前田直輝 6(59分OUT)
テクニカルなフェイントが光った。対面する藤春を手玉に取り、再三チャンスを演出。3本のシュートチャンスも迎えたが、力なくGKに止められた。

29 天野 純 5.5
中盤で組み立てようという姿勢は見えたが、後方やサイドへのパスばかりで無難なプレーに終始。ゴールに向かう迫力が欠けていた。

FW
16 伊藤 翔 6(70分OUT)
最前線でボールを収められず、ターゲットマンとしてまったく機能せず。消える時間が長かったが、一瞬の隙を突いて、56分に先制点を挙げたのは評価できる。

交代出場
FW
17 富樫敬真 5(59分IN)
59分に、負傷した伊藤に代わって出場。丹羽とのフィジカルコンタクトは劣勢に立たされ、ボールロストが多く、チームに勢いをもたらせなかった。

MF
7 兵藤慎剛 5.5(71分IN)
献身的にゴールを追い回し、守備で貢献。しかし攻撃では孤立する場面が多く、リズムを変えるには至らなかった。

DF
26 中島賢星 -(80分IN)
トーンダウンしていた中町と交代で起用される。攻撃では、パスを近くの味方に渡すばかりで、守備では寄せきれない場面が散見。1点取りに行かなければいけない状況で、遠慮がちにプレーしていては何も起こせるはずがない。

監督
エリク・モンバエルツ 5.5
G大阪の出足の素早いプレスに苦慮。終始具体的な改善策も見えて来ず、先制した後も試合の流れを掴めなかった。また交代策でも変化を加えられず、敗軍の将となった。

取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

【横浜】異質なドリブラー、前田直輝が持つ飽くなき向上心。「藤春さんに訊いても『別にそんなに』って言うと思う」

 中村俊輔、齋藤学――両者の穴は大きかった。

 ルヴァンカップ・準決勝、第1戦をスコアレスドローで迎えた、勝負の第2戦。G大阪と対戦した横浜は、伊藤翔のゴールで先制するも、その7分後に許した同点ゴールを返すことができず、アウェーゴール方式のルールにより敗退が決定。

 攻撃面でクオリティ不足を露呈し、改めて主軸ふたりの不在を強く感じさせた。

 ただ、そんななかで光明も見えた。離脱中の両者に代わり、G大阪との2戦目で攻撃を牽引したのは、前田直輝。東京Vユース出身の21歳で、左利きのアタッカーだ。

 前田の持ち味は“超絶”テクニカルなドリブル。独特なリズムと巧みなボールコントロールでDFの間を縫うように突破する。G大阪戦でも切れ味鋭いドリブルを披露し、度々チャンスを演出。ほかの攻撃陣がやや低調とあって、抜群の存在感を放っていた。

 G大阪戦では、右サイドハーフで先発出場。対峙したのはA代表経験もあり、リオ五輪代表にも選出された藤春廣輝だ。そんな実力者を手玉に取るテクニックは、ほかの選手にはない“異質さ”を放っており、ゴールの匂いを醸し出していた。

 それでも試合後、本人の口から出たのは反省の言葉だった。

「凡ミスを2回くらい繰り返してしまったのが、上にいけないところなのかなと思う。ゴール前とか、自分の得意なサイドハーフの位置以外でも、しっかり味方につなげるところだったり、自分ができることを突き詰めていかなきゃいけない」

 たしかに、ラストパスがズレたりと細かいところで精度を欠いていたのは事実だ。ただ細かいミスはあったとは言え、藤春を手玉に取ったドリブルは評価して良いはずだ。

 しかし、ドリブルについて投げかけても、前田は反省の姿勢を崩さない。

「先手を取りたいという気持ちでスタートして、前半は後手に回った。後半は少し盛り返したけど、まだまだ脅威になれてない。
 ドリブルに関しては横に逃げているだけ。1、2本しか縦に突っかけられなかった。縦を切られて、中にいくしかない状況を作られた中で、シュートまでどうやっても持っていくのかを、もっと改善していかなくちゃいけない。
 たぶん、藤春さんに訊いても『別にそんな』って言うと思う」

 少しの妥協も許さない、ひたむきなストイックさには、大器の片鱗を覗かせる。

 中村や齋藤に続く、横浜の核となれるか。“異質”なドリブラーに注目したい。

取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

【横浜】 先制弾の舞台裏。伊藤翔に「打つしか選択肢がなかった」のはなぜか?

 サイドに流れる、スルーパスを受ける、右足を振り抜く――。

 伊藤翔はこの3動作で角度のない位置からボールをサイドネットに突き刺し、56分に待望の先制点をチームにもたらした。

 だが、その1分後にはジェスチャーで自ら交代を申し出て、59分には担架に乗せられてピッチを去ることになる。一体、G大阪にイニシアチブを握られる展開を打破したFWに何が起こったのか。

「まず、90分間戦えなかったのは残念。マチ君(中町公佑)からボールをもらおうと裏に抜けた際に、『太腿裏がおかしいな』と。ドリブルができないから、打つという選択肢を選ぶしかなかった。

 コースは狙い通りだけど、あれが目一杯。1戦目と同様にあまりボールをつなげられないなかでのゴールだし、取れたのは嬉しかったけど……痛くてあまり喜べなかった」

 確かに大きく喜びを表現しなかった姿は、逆に印象的ではあった。得点者には笑顔もほぼない。1戦目は0-0の引き分けだったために勝利必須のゲームで、その瞬間は大きく決勝を引き寄せていただけに、少し不可思議なシーンだったが納得がいった。

「次のプレーをやってみようかなとも思ったんですけどね。さっきも話したように、シュートを打つ前、トラップをする前くらいの時点で異変があった。考えていた以上に痛くて、これは無理だな、と。それで自分から『代えてくれ』とベンチに言って、交代した」

 ミックスゾーンでは淡々と得点と交代のシーンを振り返ったが、無念でないわけがない。ゴールは奪った。スタジアムを沸かした。しかし、敗戦と同義の引き分けとなってしまったのだ。

「結果的に、僕らは準決勝を通過できなかった。なんていうか……これが実力だとしっかりと受け止めて、自分たちをちゃんと見つめ直して、またやっていかなきゃと思う」

 スポーツを「たら、れば」で語ってはいけない。それは十分に理解している。だが、それでも、「伊藤が負傷せずにピッチに残っていたら」と考えてしまう。もしかしたら、違う結末が待っていたのだろうか。

 その前に、背番号16のファインゴールが生まれていなかった可能性だってある。あの得点は、シュート一択だったからこそ記録されたのかもしれないのだ。

 単なる実力不足――。殊勲者となりながらも勝者になれなかった男の言葉が響く。現実とすぐに向き合うメンタル、敗戦の理由を自身に求める謙虚さ。決勝へと進めなかった経験を糧に、次に沈めるゴールが勝利への一撃であることを願ってやまない。

取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

【横浜】ボールからも勝利からも目を切らない。パク・ジョンスが受け継ぐ強者の魂

 何かに導かれるように、パク・ジョンスは一気にスピードを上げた。視界には、CBとしてコンビを組む中澤がG大阪のアデミウソンに振り切られ、GK榎本までもかわされ掛かっている姿が映っていた。

 両チームとも無得点のまま迎えた22分だった。金井貢史が不用意に中に入れたパスをカットされると、間髪入れずに最終ラインの裏を狙っていたアデミウソンに向かって、相手のフィードがピッチを縦断。少し前に出ていたパク・ジョンスと中澤佑二の間にポトリと落ちた。

 加速するアデミウソンとの競り合いで中澤が遅れを取る。GKと1対1の場面。さらに跨ぎフェイントで、飛び出した榎本が手玉に取られてしまう。残すは無人のゴールにボールを蹴り込むのみ。

 アデミウソンの左足からシュートが放たれた。次の瞬間、精悍な顔つきをした22歳の若者が飛ぶように現われ、顔面でブロック。絶体絶命のシーンを救ってみせた。

「シュートコース云々じゃない。なんとかしなきゃいけない、防がなきゃいけないという気持ちだった。身体が勝手に動いてあそこに走り込んだ」

 ともすれば諦めが先にきてもおかしくない場面で、パク・ジョンスは最後まで得点を与えないことを信じていた。そして、顔でボールを捉えると、スタジアムは一段と大きな観戦で包まれた。

 なぜ、「失点するかも」という覚悟を持たなかったのか。なぜ、身体が勝手に動いたのか。なぜ、その劇的なブロックについて記者に訊かれても淡々と答えられるのか。

 1-1の引き分けによる敗退(第1戦は0-0。アウェーゴールの差で横浜は決勝進出を逃した)のすぐ後に浮かんだ問いに、パク・ジョンスは明確な回答を示してくれた。

「若いとかベテランとかを別にして、マリノスの選手として試合に出る以上は優勝カップを手にしたい。そういう気持ちですべての試合、すべての大会に臨んでいる」

 鹿島、名古屋とともに、J2降格を経験したことのない名門クラブの一員として、リーグ戦完全優勝(2003年)を果たしたこともある強豪クラブの一員として、決して勝利から目を切ることはない。

 そんな“強さ”の源は、もしかしたら黄金期を知らないかもしれない22歳にも確実に芽吹いていた。その姿を見ると、スタジアムを去る前の「リーグ戦も天皇杯も残っている。そっちに気持ちを切り替えて、次の目標を目指したい」という言葉の実現を、信じさせられる。

取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

ゲキサカ

G大阪が3年連続決勝へ!横浜FMは先制も15年ぶりファイナルならず

 ルヴァン杯準決勝第2戦が9日に行われ、日産スタジアムで行われた横浜F・マリノスとガンバ大阪による一戦は、1-1の引き分けに終わった。ただし、吹田スタジアムでの第1戦をスコアレスで終えていたため、アウェーゴールの差でG大阪が3年連続の決勝戦に駒を進めた。決勝は15日に埼玉スタジアムで行われる。

 5日に吹田スタジアムで行った第1戦は、両GKの奮闘もありスコアレスドロー。場所を日産スタジアムに移した第2戦にすべてを賭けることになった。

 横浜FMはエースのMF中村俊輔がこの日も負傷欠場。第1戦で負傷交代したDF栗原勇蔵も欠場し、代わってDFパク・ジョンスが先発した。対するG大阪は第1戦で休養が与えられていたMF遠藤保仁が先発復帰。FWパトリックに代わってFWアデミウソンが先発で起用された。

 前半最大の見せ場は23分、G大阪はMF井手口陽介が中盤でボールをカットすると素早く前線にロングパス。反応したFWアデミウソンがDF中澤佑二をなぎ倒す強引な突破でゴール前まで運ぶと、GK榎本哲也もかわして無人のゴールに左足シュートを蹴り込む。

 しかしこの場面で横浜FMはパク・ジョンスが懸命のカバーリングを見せる。これが間一髪間に合い、ヘディングでかき出して、先制を許さなかった。ただ横浜FMも攻撃面では大きなチャンスを作ることが出来ず、前半はスコアレスで折り返した。

 後半に入るとようやく試合が動く。11分、右サイドでボールを持ったMF中町公祐のスルーパスでFW伊藤翔がエリア内に侵入。右足を振りぬくと、グラウンダーのシュートが左隅を揺らし、待望の先制点になった。しかし伊藤は直後に足をつってしまったため、FW富樫敬真と交代した。

 ただG大阪も黙ってはいない。DF米倉恒貴のヒールパスでエリア内で前を向いたMF藤本淳吾が横に折り返すと、フリーになっていた遠藤が右足で蹴り込み、あっさり試合を振り出しに戻す。ドローなら勝ちという貴重なアウェーゴールを奪った。

 前に出るしかなくなった横浜FMは、後半25分からMF天野純に代えてMF兵藤慎剛を投入。対するG大阪もアデミウソンに代えてFW長沢駿、藤本に代えてMF大森晃太郎と勝ちに行く、勝負を決める1点を奪いに行った。

 ただし試合はこのままスコアが動かず、1-1で終了。アウェーゴールで上回るG大阪が、15年ぶりの決勝進出を目指した横浜FMの夢を打ち砕いた。決勝は15日。G大阪は3度目のリーグ杯制覇をかける。

(取材・文 児玉幸洋)

気迫の顔面スーパークリアも横浜FMの勝利に繋がらず…DFパク・ジョンス「切り替えたい」

 気迫の顔面クリアも勝利には繋がらなかった。横浜F・マリノスは前半23分、DFの裏にパスを通されると、FWアデミウソンに突破を許す。DF中澤佑二が体を当てて止めに行くが、スピードで振り切られると、GK榎本哲也もかわされてしまう。

 しかしそこに猛スピードでカバーリングに入ったのがDFパク・ジョンスだった。DF栗原勇蔵が第1戦で負傷したこともあり巡ってきた先発のチャンス。背番号2は一直線にシュートコースに入ると、ゴールライン上で顔面に当てて、間一髪のところで失点を防いだ。

「自分とすればゴールに入らないように、コースに入ってシュートを防いだだけです。とにかく何とかしなければいけない、防がないといけないという感じでコースに入りました」

 だが後半、横浜FMは11分にFW伊藤翔のゴールで先制したものの、同18分にアウェーゴールを喫してしまう。第1戦をスコアレスで終えていたため、チームとして15年ぶりの決勝進出の夢は散ってしまった。

 1点をリードするまではいい展開だったと話したパクも、「そのあとはG大阪もかなり激しく来たし、そこで同点にされてしまった。そんなところです」と声を落とす。それでも「マリノスの選手として試合に出る以上、すべての大会で優勝カップを手にしたいと臨んでいる」と気合を入れ直すと、「残り試合もありますし、天皇杯も残っているので次に切り替えていきたい」と必死に顔を上げていた。

(取材・文 児玉幸洋)

成長の実感は「あります」 横浜FMでもがき苦しむ“ヒガシの元10番”中島賢星は信じる道を進む

 もがき苦しんでいる。ただ確実に成長の手ごたえも感じている。横浜F・マリノスの高卒2年目MF中島賢星は、成長している実感はあるかとの問いに、「あります」と力強く答えた。

 中島は高校時代、名門東福岡高で背番号10を付けてプレーした。高校3年生では主将を務め、夏の全国高校総体で頂点にも立った。しかし鳴り物入りでJリーガーになった18歳にも、プロの壁は容赦なく立ちはだかった。1年目はリーグ戦は数試合ベンチ入りしたものの出場はなく、ナビスコ杯(現ルヴァン杯)に3試合出場しただけ。今季も状況は変わらず、リーグ戦の出場はなかった。

 そして若手のアピールの場とも言われるルヴァン杯でも今季はグループステージ2試合に出場したのみ。G大阪との準決勝第2戦でもベンチ入りしたものの、出場の可能性は低いと感じていた。

 しかし同点の後半35分、勝ち上がるために絶対に得点が必要な中で、エリク・モンバエルツ監督は中島の投入を選択した。ボランチに入るも、攻撃力を期待されてのものだった。限られた出場時間でもしっかりアピールすることが求められていた。

 ただし結果はシュートゼロ。ゴール前に顔を出すことも出来なかった。「試合のための準備が出来ていなかった」と悔やんだ中島。「ポジショニングや周りとの連携。あとはイメージのところですが、あの状況で入ったのであれば、もっと前に行かないといけなかった」。課題が多いことは誰よりも自覚している。

 それでも普段、指をくわえてチャンスを待っているわけではない。最近はSBやSHの練習に取り組むなど、プレーの幅を広げる努力をしている。「今日出たことで発見もあった。次に繋げていきたい。チャンスは来るべくして来たと思う。やっぱりああいうチャンスがいつ来てもいつも通りの自分をピッチで表現できるような選手になっていきたい」。ユーティリティさは必ず武器になる。20歳はまっすぐに自分の信じる道を進む。

(取材・文 児玉幸洋)

「痛くて喜べなかった」 横浜FM伊藤翔の“消去法”シュートが生んだ先制点

 “消去法”で選んだシュートだった。今季のルヴァン杯で3点目を決めた横浜F・マリノスのFW伊藤翔の感想は、「入ってよかったんですけど、痛くて喜べなかった」だった。

 後半11分に後方のMF中町公祐からのスルーパスに抜け出すと、PA右から電光石火でシュート。DF金正也とDF丹羽大輝に囲まれながらも、「コースは狙い通り」という一撃をゴール左に突き刺した。

 その瞬間、腿裏に痛みが走っていた。「マチ君(中町)からボールをもらいたくて裏に抜けようと思ったときに、腿裏がおかしいなと。ドリブルできないからシュートを打った」。結果的には奏功したが、シュートしか選ぶことが出来なかったのだ。

 得点後もプレーを続けたが、痛みに耐えかね、自ら交代を要求。後半14分に担架に運ばれてピッチを後にした。「90分やりたかった」。退場後、チームは1-1に追いつかれて決勝進出を逃した。

 アウェーゴールの差で敗退。エースとしては責任を感じる部分も多い。特に準決勝2試合は、思うような試合運びができなかったと悔やむ。「結果的には通過できなかった。これが実力だと思って見つめ直さないといけない」。無念そうに言葉を振り絞った伊藤だが、しっかりと前だけを見つめていた。

(取材・文 佐藤亜希子)

ガッツ全開の顔面ブロック! 序盤のピンチ救った横浜FMパク・ジョンス(4枚)

横浜FMは先制するも15年ぶり決勝進出ならず(20枚)

ファイナルを巡って激突した横浜FM&G大阪サポ(12枚)

横浜FM伊藤翔、J初弾の相手チームと守護神から再び先制ゴール(4枚)

ドメサカブログ

【ルヴァン杯 横浜FM×G大阪】G大阪がアウェーゴール差で3年連続の決勝へ!2年ぶり優勝かけて浦和と激突

こけまりログ

2016/10/08 【スタジアム観戦情報まとめ】2016/10/9(日)14:00 YBCルヴァンカップ 準決勝 第2戦 横浜F・マリノスvs.ガンバ大阪@日産スタジアム
 
 

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